岐阜は大好きな場所なんです(映画『ブルーヘブンを君に』由紀さおりさんインタビュー)
岐阜を舞台にブルーヘブンという青いバラの交配に成功した女性が自身の新たな夢を見つけ、実現を目指す映画『ブルーヘブンを君に』がいよいよ6月11日から全国公開される。
公開を前に主演で冬子役の由紀さおりさんにインタビュー。撮影時のエピソードを伺った。
Q.2018年12月に岐阜県庁での製作発表、2019年5月にクランクイン、2020年6月公開の予定でしたが、1年延期してしまいました。満を持しての公開になりますが、今の気持ちをお聞かせください。
由紀さん
「ようやく封切りにこぎつけたという感じですが、昨日も今日も世の中は日本だけでなく世界的にもまだ新型コロナウイルスの影響が大きいのですが、万全を期してお迎え出来るような体制を映画館の皆様が取っていただけると思っているので機会があればぜひ劇場で観ていただきたいと思っています」
Q.バラ育成家の冬子役のオファーが来た時のお気持ち、岐阜の印象、実際にモデルの河本純子さんとお会いになっての感想をお聞かせください。
由紀さん
「まだ誰も作ったことのない、バイオや遺伝子操作ではなくて自然に交配させたブルーヘブンという青いバラを作った河本さんにお目にかかった時は衝撃というか、バラを作る時に心が折れそうになることは幾度もあったと思うんですが、お育てになったバラを淡々と説明しながらバラ園の中を案内してくださる河本さんを見て、「自分の夢を叶える」と言葉にするとすごく簡単なんですけれど、そういう強い思いが私の中にもあるので、この役をやらせていただいてよかったなと思いました。岐阜が私は大好きな場所で、来るたびに青空がきれい、空が広くてビルがなく、風が囁くように頬を撫でて、そして水辺があって。岐阜羽島から岐阜市内に入る時は川沿いを車で走りますよね。いつもお仕事で行くときにその景色を見ながらそう思っていた私だったので、実際にロケーションが始まってその大好きな川でロケをしたり、私がウォーキングしたりするところをたくさん撮影したので、この広い青い空と緑と水辺をぜひ皆さんに観ていただきたいと撮影している間はずっと思っていました」
Q.由紀さんはいろんな映画作品に出ておられますが、今回が初主演なんですね。何か主演としての特別な意識はありましたか?
由紀さん
「清流国体で岐阜に呼んでいただいてから幼稚園に歌いに行ったり、姉とのコンサートを企画してくださったり、飛騨高山に遊びに行ったりと本当に岐阜でのご縁をたくさんいただいていまして、映画に出演させていただくというチャンス、しかもまさか自分が主演させていただく日が来るなんて思ってもいなかったので嬉しいやらびっくりするやらで、本当に出会いは素晴らしいと実感しています。
映画はチームプレーですからね。主演というよりは地域の皆さんも参加してくださっているじゃないですか。いろんなシーンで参加してくださっているので皆さんが気持ちよく「楽しかったね」と言ってくださって、映画が完成することがすごく大事だと思いましたし、河本さんの家でいろんな場所を拝借して撮影しているときに地元の方がいろんなものを差し入れしてくださったり、ケータリングを用意してくださったり。本当においしいお弁当でした。そういう皆さんのおもてなしが撮影中の緊張を解いてくれました。主演というよりは特にそういうことがとても重要な映画だと認識して参加させていただきました。主役は岐阜という土地、人です」
Q.河本さんのバラ園での撮影、池田山でのハンググライダーの撮影でのエピソードをお聞かせください。
由紀さん
「クランクインが河本さんのバラ園であんなにたくさんのバラの種類があるということにまず驚かされましたし、撮影の時にバラが咲き誇るようにバラ園の方が努力してくださって。香りも素晴らしかったですが、私たちが花束でもらうのは真紅のバラが多いので、あんなにたくさんの種類で彩り豊かなバラを河本さんはお作りになっていたんだなということにびっくりしましたね。河本さんのそれを説明してくださるとき、バラを観るときのまなざしが優しいんです。慈しむという言葉がピッタリ。「あなたが好きなものを言ってくださったらそういうバラを作りたいわ」とおっしゃってくださったのがすごく印象に残っています。
池田山のハンググライダーの場所はあそこから飛ばなくてもいいから一度絶対見た方がいいです。広々としていて下界を見下ろすというか。あそこに立って「うわあ」って声が出ました。岐阜の方でもあそこに登ったことがないという方もおいでになるかもしれませんが、東京はどんどんビルが建って空を見られないところもあるんです。見上げて見えるあの空の広さというのは一番大好きです。そして長良川と揖斐川。あのあたりの河川敷にゴルフ練習場とかがないところがまた素敵ですよね。自然のままにしてくださっているのは貴重です。れんげやたんぽぽなどいろんな草花がロケをしているときもあって、「これセリじゃない?」と話しながら撮影していました。いい天気だったのでその時のロケはすごく楽しかったです。ボイメン(BOYS AND MEN)の小林君が運転するオートバイの後ろに乗って風に吹かれて走るシーンも楽しかったですね」

Q.蒼汰役の小林豊さん、正樹役の本田剛文さんとの共演はいかがでしたか? 印象を聞かせてください。
由紀さん
「すごく礼儀正しい方で、実際にロケをする時もそうでしたが、試写を観た時にとても二人とも頼もしい感じに見えておばあちゃんとしては本当に嬉しかったなと感じました。柳ゆり菜さん演じる夏芽が私が飛ぶことに関して色々アイデアを出してくださる筋書きですが、柳さんもとても魅力的な方でした。そして私の家族。おかやまはじめさんは朝の連続テレビ小説でも一緒で、その時も息子役をやってくださったので、あら2度目ねと(笑)。家族愛の溢れる映画になったと思いますし、みんながおばあちゃんを大事にリスペクトしてくれているということが一つの芯になっているのはブルーヘブンを作り上げたという河本さんの存在が大きいんじゃないかと思います」
Q.この映画はどの年代の方が観ても気づきのある映画だと思います。この映画に気づかされたことはありますか?
由紀さん
「自分の実年齢にそってこの役をやらせていただこうと思って、普段家の中でくつろいだり、ささやかだけど自宅のベランダで花を育てているときの私を観ていただきたいというような意識で臨みました。河本さんに対するみんなのリスペクトは自分の夢を叶える、有言実行したことにあると思います。夢を成し遂げられたということに若い人もすごいなと思って、そのおばあちゃまを大事にしたいというリスペクトがベースとしてこの映画にはあると思うんです。ある年齢より上になると、外に出ることや若い人と話をするのも面倒くさかったりしてしまうんですが、そうならないように若い方と交流することはとても意味のある大事なことですし、我々の世代が努力しないと振り向いてくれないなとすごくこの映画を通して感じました。ボイメンの皆さんと柳さんと一緒にご飯を食べた時も話題が全部かみ合うわけではないので、ゲームやスマホの話は私にはわからないですが、わからないなら自分から「どうやるの?」と聞くとかしないと。お店のサービスもスマホを使ってのことが多くてわからなければ店員さんにやってもらうとかそういうことも臆せず皆さんの中に入っていかないとダメなんじゃないかと。私は70代になりましたけれども、そういうことを嫌がらずに皆さんもトライしてみたらいかがでしょうと。公園に遊びにいって若い子がいたら話しかけてみるとか。嫌がられたらごめんなさいってその場を立ち去るでもいいじゃない?何か共通のものを見つける努力をお互いにしないと交流は成り立たないということを意識させられましたね」
Q.由紀さんが今後かなえたい夢は何ですか?
由紀さん
「私はドレスを着てバンドの皆さんと一緒に歌うステージ活動が50周年を迎えました。もうひとつは映画、テレビドラマ、ドリフターズの皆さんとのコントを含め、その分野でも50年を一つ区切っておきたいなと言うことがあって4年以上かかりましたがひとり芝居を東京銀座の観世能楽堂で上演したんです。まず最初にお三味線、踊りの稽古を始めて。試演をしてダメなところは見直して一昨年上演しました。去年再演するつもりが出来なくて今年2月に再演させていただいて。本当は名古屋でもと思っていたんですが、第4波に繋がる流れになって中止せざるを得なくなりました。三味線の面白さ、難しさというのを知ってもっと上手くなりたいなと思っています。幅広いジャンルをやっていきたいですね。「夜明けのスキャット」だけではない新しい私を見つけ続けたいです」

映画『ブルーヘブンを君に』https://blueheaven-movie.jp/ は
6月11日より全国公開。
東海地区ではイオンシネマ(大高、名古屋茶屋、ワンダー、岡崎、豊川、豊田KiTARA、長久手、常滑、各務原、津、津南、桑名、鈴鹿、東員)、コロナシネマワールド(中川、小牧、豊川、大垣)、ミッドランドスクエアシネマ、ユナイテッド・シネマ(豊橋18、稲沢)、岐阜CINEXで公開。
岐阜での舞台挨拶レポートはこちらから
《キャスト》
由紀さおり、小林豊( BOYS AND MEN )、柳ゆり菜、本田剛文 BOYS AND MEN )、おかやまはじめ、岩橋道子、柊瑠美、
鈴木信二、関口アナン、松嶋亮太、中田圭祐、小池里奈、田村侑久( BOYS AND MEN )(友情出演)、寺泉憲、大和田獏、寺脇康文
《スタッフ》
監督:秦建日子『キスできる餃子』『クハナ!』 脚本:秦建日子、小林昌 2020 年/ 93 分/アメリカンビスタ
配給:ブロードメディア
©2020 「ブルーヘブンを君に」製作委員会 配給:ブロードメディア
©2020
「ブルーヘブンを君に」製作委員会
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