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エリザベート40歳。これからどう生きる?(映画『エリザベート1878』)

クレオパトラ、楊貴妃と並んで世界の三大美女として名高いエリザベート皇妃。

彼女の1878年という一年にスポットを当てた映画『エリザベート 1878』が8/25(金)より公開される。

1878年。クリスマス・イヴに40歳の誕生日を迎えたエリザベートは、人生に対する情熱や知識への渇望、若き日々のような刺激を求めて、イングランドやバイエルンを旅し、かつての恋人や古い友人を訪ねる中、誇張された自身のイメージに反抗。プライドを取り戻すために思いついたある計画とは?

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「シシィ」の愛称で知られるエリザベートはヨーロッパの名家・ヴィッテルスバッハ家バイエルン王国の王族の1人として生まれ、幼少の頃は父と野山をかけ回り、颯爽と馬を乗りこなす令嬢だった。姉・ヘレーネの見合い相手だった従兄の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に見初められ16歳で結婚、オーストリア帝国皇后となり、世間ではその美貌が話題となっていった。彼女が愛したハンガリーには様々なゆかりの場所があり、今でも象徴的存在だ。またオーストリアに行けば彼女の美しい肖像画が描かれた土産物をたくさん目にする。

日本でも宝塚歌劇団、東宝ミュージカルの大人気演目の主人公として広く親しまれているエリザベート。ミュージカルの中でも活発だった若い頃から、結婚して王妃になり、国の象徴として生きなければならなくなる苦悩の人生が描かれた。

世間のイメージを保つこと。特に若さや美しさを維持することは年を重ねれば重ねるほど難しい。

40歳になったエリザベートは重力に逆らうようにコルセットで身体を包む。ガチガチにコルセットで締められているのは肉体だけではなかった。エリザベートは王室での厳格で形式的な公務の窮屈さにも我慢が出来なくなり、王宮を飛び出していく。

伝説的皇妃のイメージを大きく覆す部分がたくさんある。ヴィッキー・クリープスの演じるエリザベートは様々なプレッシャーと闘いながら、自分らしい生き方を模索する。自分勝手とも、奔放すぎるともとられる姿かもしれない。理想の自分を追いかけ、ある決意と共に自分の生き方を手にする。史実とは違うかもしれないが、彼女の中にあった強い思いが具現化したものと言えるのではないか。

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ヴィッキー・クリープスはこの作品の演技で2022年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の最優秀演技賞、第35回ヨーロッパ映画賞の女優賞、第58回シカゴ国際映画祭でシルバー・ヒューゴ賞(最優秀演技賞)に輝いている。

40歳。若さや美しさでは測れない年代だ。まだやれると思っている。だが、若い人の輝きには勝てないとも思う。その複雑な気持ちの中で自分とは何かを考える。当時の女性の寿命は40歳だったという。これからどう生きるか。"第2の人生"を自分らしく生きようとしたエリザベート。彼女の生き方は今を生きる女性達に必ず響くだろう。

映画『エリザベート 1878』 https://transformer.co.jp/m/corsage/ は8月25日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下他で全国順次公開。東海三県では8月25日(金)より伏見ミリオン座、ユナイテッド・シネマ豊橋18、MOVIX三好、9月30日(土)より。岐阜CINEXで公開。伊勢進富座でも順次公開予定。

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