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映画『彼方の閃光』名古屋公開記念舞台挨拶レポート 眞栄田郷敦さん、半野喜弘監督登壇
映画『彼方の閃光』公開記念舞台挨拶が1月28日(日)にミッドランドスクエアシネマで開催された。眞栄田郷敦さん、半野喜弘監督が登壇。観客からの質問にも答えた舞台挨拶の一部をお届けする。
半野喜弘監督(以下 半野監督)
「監督の半野喜弘監督です。この映画は本当にいろんな困難に立ち向かった映画なんですが、こうして公開ができ、皆様に観てもらえて、本当に感無量です。今日はよろしくお願いします」

半野喜弘監督
眞栄田郷敦さん(以下 眞栄田さん)
「光を演じさせていただきました眞栄田郷敦です。昨日から沖縄、福岡、大阪と回ってきまして名古屋が最後です。名古屋も一緒に盛り上げていければ嬉しいです。よろしくお願いします」

眞栄田郷敦さん
Q.映画で写真が登場した写真家の東松照明さんも名古屋出身ということで繋がりがありまして、とても嬉しいです。名古屋はお久しぶりですか?
眞栄田さん
「意外とそんなこともないです。舞台挨拶としてはすごく久しぶりです。多分デビュー作以来だと思います」
Q.たまにプライベートでもいらっしゃるんですか?
眞栄田さん
「プライベートでも仕事でも。色々来ています」
Q.何か好きなものはありますか?
眞栄田さん
「食べ物ですか?めっちゃ好きですよ。名古屋のご飯。ひつまぶしとか、天むすとか好きです」
Q.半野監督は名古屋は久しぶりですか?
半野監督
「はい。 名古屋は僕は久しぶりですね。昔は音楽をやっているので、コンサートでよく来ていました」
Q.半野監督は映画音楽も手がけていらっしゃるという監督なんです。 この映画は1つのロードムービーにもなっていると思います。印象的なエピソードもたくさんあると思います。水の中の撮影だったりとか」
眞栄田さん
「そうですね。全部」
半野監督
「どれと言われてもね(笑)。あ、(ポスターを指差して)じゃあこれ。このシーン」
眞栄田さん
「これ、台本なかったですよね」
半野監督
「屋上のシーンは手前味噌ですけど、すごくいいシーンじゃないですか。本当はあのシーンは脚本になかったんですよ。屋上に行ってみて、すごく良かったので「郷敦を呼んできて」と言って、 思いつきで撮って。光はきっとこの失意の中、空に向かって自分が何色か分からない何かをこうやって塗るよねという話で、カメラマンと3人でアドリブで撮ったシーンです」
眞栄田さん
「かなり長い時間カメラを回していましたよね。動き回って」
Q.その場ですごく素敵な背景があるなとか、景色があるなというところで変わったシーンというのはあるんですか?
半野監督
「そうですね。僕自身が原案と脚本をやっているということもあって、許可を取るとか、誰かの何かということではなく、チームで今はこれをやろう、ここはこう変えようということを、本当に自分たちで話して映画を作れるという感じなので。そういう意味では、本当に僕が監督というよりも、全員で作った感じがすごく強いです」
Q.観客の皆さんも色々とお話が聞きたいのではないかなと思いますので、映画についてご質問がございましたら、手を挙げてください。
眞栄田さん
「(手を挙げている人に向かって)じゃあ、はい!」
観客から
「衣装がすごく個性的で、売っていないようなヒョウ柄とか、その上にまた柄みたいな感じとか、すごく気になって。映画を何回も観ているんですが、その中でも気になって衣装を注目して観ました。靴がすごくかわいいなと思って自分でそれかなと思うものを頭に入れてネットで探して購入しました。青と黒がテーマになっていたと思うんですが、どうやって靴や衣装を見つけたんでしょうか」
半野監督
「いや、靴はスタイリストの人たちの人達が作ったんです」
眞栄田さん
「売ってないんですよ。あの靴はうちにあります」
半野監督
「えー!あれ、郷敦の家にあるの?何か1個記念にどれかを持って帰ろうという話があったんです。それと光の衣装のいくつかは僕の私服です。サングラスも僕が普段かけているサングラスです」
眞栄田さん
「スタイリストにも半野喜弘さんは入っていますからね」
半野監督
「友部が着ているサファリベストみたいな服があるじゃないですか。あれは僕が25年ぐらい着続けてボロボロになった服ですね。衣装は人が着ていたり、時間経過していることって、実はすごく大事なんです。僕は半年前とか1年ぐらい前からそういうものを探すいうことを、いつもしているんです」
眞栄田さん
「撮ったものを1回白黒にして、どう見えるかの印象とかも試されていましたよね」
半野監督
「今回モノクロが前提なので、 例えば赤と青が同じような色に見えてしまったりとか、光の反射の加減とか、色々考えて、全て一旦モノクロにして判断するということをロケーションも含めて全部やっていました」
観客から
「池内博之さんとの恋のシーンについて。どういうお気持ちで演技されていたのかが気になるので、教えていただきたいです」
眞栄田さん
「すごく自然な気持ちでやっていました。多分、映像でも僕は違和感ないというか、すごく自然なことのように僕は見えているんです。やっていても男性との恋愛だけど、そんなに抵抗もなく、こうなってもおかしくないだろうなという感じでした。どうですか?」
半野監督
「いや、もう全然僕たち撮影する側も何か違和感を感じるかなと思って撮影を始めたんですが、何にもなかったですね。そもそも僕はあまり違和感ない方ですし、撮影をしていても郷敦と池内さん、2人の中にも違和感はないですし。正直男女の方が緊張しました。男性同士の方が割とフランクにやっていました」
観客から
「映画の中で沖縄と長崎の方言がたくさん出てくると思うんですが、特に好きとか、印象深い方言とか言い回し、イントネーションとかはありましたでしょうか」
半野監督
「そうですね。沖縄はやっぱりあの「なんとかさ~」というのは、すごく僕は優しい感じで好きですね。あと「なんとかしましょうねー」とか言うじゃない。食堂とかに行っても、「はい、わかりました。これにしましょうねー」みたいな。優しいですよね」
眞栄田さん
「僕は「チャンプルー(↑)」っていうじゃないですか。あれが好きで使っています。沖縄に行った時も、沖縄料理屋で「ゴーヤチャンプルーください」と言ってます」
観客から
「郷敦さんの作品は全部拝見しているんですが、郷敦さんではなくてその役の人に見えてくる感じがしています。特に今回はロードムービーということもあったと思うんですが、もう本当に光だなという感じでした。1人の人としては目が見えなかったり、色が見えなかったりという境遇があり、演じるのは難しかったと思うのですが、どうやって光になっていったのでしょうか」
眞栄田さん
「序盤は目が見えない状況で、その内面というか、それまでそういう障害があって感じていたことを話していて、だから最初は結構世の中に対してとんがっているというか、そういう感じでやらせてもらったんです。でも長崎、沖縄に行って、友部さんだったり、 いろんな人と関わって、いろんな美しいものを見る中で、光は変化していったと思うんですが、長崎、沖縄の撮影は自分も初めて行く場所も多くて、後半はドキュメンタリーのような感じでした。後半は光と一緒にというか、光を演じているのか、自分なのかちょっとわからなくなる瞬間も多かったです」
観客から
「色彩がないというか、乏しいというか、その中で、音がものすごく印象に残りました。監督さんは音楽にもすごい長けていらっしゃるとのことですが、色彩と音の絡みをどのように工夫されたのか伺いたいです」
半野監督
「人間の脳は計算する速度とカロリーの限界があるんです。情報の多くが実は網膜から入ってくるんですよ。色彩情報というか、画像情報を遮断することで、ちょっと右脳側に脳の計算能力がいくんですね。だから、真っ暗だと耳に計算能力がすごくたくさんいきます。だから今回モノクロのパートにもしも色があるとものすごい情報量でちょっと咀嚼しづらい可能性があって。そういう意味ではモノクロだから、もしかしたら1回では難しいかもしれないですが、友部のセリフの情報量を共有できたのかなという感じがしています」
眞栄田さん
「面白いですね」
半野監督
「だから歌手や楽器奏者もそう、郷敦もサックスをやるからわかると思うけど、本当に音を真剣に捉える時って目を瞑るんですよ。あれは要するに遮断した方が耳が敏感になるからなんです」
眞栄田さん
「はい。絶対に聞こえ方が違いますよね」
Q.最後に今日お越しの皆様にひと言おねがいいたします
眞栄田さん
「舞台挨拶がもうないので、ちょっと寂しいです。 この作品は本当に長く残って広く皆さんに伝わればいいなと思っています。 もちろん配信だったり、DVDを出したりすることは実現したいんですが、3月末ぐらいまで全国の映画館で上映しています。劇場でぜひ見ていただきたい作品になっています。大きなスクリーンで、綺麗な画で、いい音で観てほしい作品なので、今日撮った写真を含めて、映画のことを周りの方々に広めていただければ嬉しいです。よろしくお願いします。今日はありがとうございました」
半野監督
「この映画はいわゆるストーリーとそこから導かれる答えを提示するというだけの映画ではなく、映画と観た観客の方々が対話をするような映画にしたいと思って、チームで作りました。映画を観て何かを感じてもらえたら、その次にまた誰かとその対話を続けて、その対話をどんどん広げていって、 僕たちが今持っている日常というものの大切さ、それをどうやって守るべきかということが、少しでもたくさんの人の心に届けばと思っています。よろしくお願いします」
映画『彼方の閃光』https://kanatanosenko.com/ は現在全国公開中。

©2022 彼⽅の閃光 製作パートナーズ
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