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木の上で2年。終戦を知らず沖縄で生き延びた2人の思いとは?(映画『木の上の軍隊』)

2025/07/25

敗戦を知らず、2年も木の上で暮らしていた日本兵が沖縄にいたことを知ったのは、劇作家・井上ひさしが原案を残し、こまつ座が演劇として上演している「木の上の軍隊」という作品を知った時だった。

いつ米軍に見つかるかわからない。そんな恐怖と餓えとの闘い。2人はどんな思いで木の上にいたのか。

こまつ座が上演していた演劇「木の上の軍隊」が映画化され、7月25日(金)から全国公開される(沖縄は現在先行公開中)。

あらすじ

太平洋戦争末期、戦況が悪化の一途を辿る1945年。飛行場の占領を狙い、沖縄県伊江島に米軍が侵攻。激しい攻防戦の末に、島は壊滅的な状況に陥っていた。爆撃が続く中、沖縄出身の新兵・安慶名セイジュン(山田裕貴)は敵の激しい銃撃に追い詰められる。親友の与那嶺ともはぐれてしまった安慶名は、宮崎から派兵された少尉・山下一雄(堤真一)と合流。2人は敵に囲まれながらも、命からがら大きなガジュマルの樹上で身を潜めることに。圧倒的な戦力差を目の当たりにした山下は長期戦を覚悟し、援軍が来るまでその場で待機することを決断する。やがて戦争は日本の敗戦をもって終結するが、そのことを知る術もない2人の“孤独な戦争”は続いていく。極限の樹上生活の中で祖国への忠誠心は徐々に揺らいでいく。それでも必死に「戦い」を続ける彼らに待ち受ける、戦争の終焉とは?

©2025「木の上の軍隊」製作委員会

©2025「木の上の軍隊」製作委員会

沖縄戦は日本の終戦と言われる8月15日よりも早く6月23日には終わっていたが、作品の舞台である伊江島を米軍は演習場として使用したため、2人は終戦に気づくことなく、木の上で2年もの間、過ごすことになった。

監督と脚本を手掛けるのは、『ミラクルシティコザ』のスマッシュヒットが記憶に新しい沖縄出身の新進気鋭・平一紘。こまつ座の魂を受け継ぎながら、本作のモデルとなった2人の家族や戦争体験者への取材を重ねてリアリティを追求し、さらに沖縄県民の目線から物語に新たな息吹を吹き込んだ。戯曲にはない木の上にいたるまでの2人の状況を描くことで、観客は2人のバックボーンを知ることが出来るようになっている。

ロケは全編沖縄で行われた。映画の主軸となる木の上のシーンは、この映画のために数ヶ月かけて伊江島の公園に植樹したガジュマルの樹上で撮影を敢行した。

戦闘経験が豊富で宮崎から派遣された国家を背負う厳格な上官・山下と、島から出たことがなく、戦争の中でもどこか呑気な新兵・安慶名。安慶名は山下を上官として立てながら、過ごしていくが、話も性格も食文化も噛み合わず、ぎくしゃくとした関係がしばらく続く。
この噛み合わなさが現代の上司と若い部下の関係と変わらない感じがあり、観ている側からは面白く感じられる。

©2025「木の上の軍隊」製作委員会

©2025「木の上の軍隊」製作委員会

絶妙な会話を作っているのは2人の俳優の会話の間だ。
厳格な上官・山下一雄(やました かずお)を演じるのは、確かな演技力で日本の映画界を牽引してきた名優・堤真一。国のために尽くしてきた山下は敵の食糧は食べないと当初は拒んでいたが、米軍が残した食糧を見つけた辺りから、祖国への忠誠心は徐々に揺らいでいく。沖縄出身の新兵・安慶名セイジュン (あげな せいじゅん)を演じるのは、数々の話題作で存在感を示す山田裕貴。安慶名は沖縄で始まった戦争に巻き込まれた普通の青年。今の青年に通じる安慶名を見事に演じている。家族や友人とただ地元で慎ましく生きてきた安慶名が戦争で様々なものを失う。

©2025「木の上の軍隊」製作委員会

©2025「木の上の軍隊」製作委員会

飢えと孤独の中、2人は少しずつお互いのことを話し、理解し、また考え方も変化する。

安慶名が山下に、山下が安慶名に生きてほしいと願うシーンに強い思いを感じる。
生きなければいけないとそれぞれが思ったタイミングは違うが、その強さが相手を生かす。

彼らのように強く生き抜いた人たちがいたからこそ、どんなに心が折れても生き抜いた人たちがいたからこそ、私たちがいる。

強く生き抜いた先人達の姿を見つめながら
平和への思いを強くした。

映画『木の上の軍隊』https://happinet-phantom.com/kinouenoguntai/ は7月25日(金)より新宿ピカデリー他で全国公開。

東海三県では109シネマズ(名古屋、四日市)、伏見ミリオン座、ミッドランドスクエアシネマ、イオンシネマ(大高、名古屋茶屋、ワンダー、岡崎、豊田KiTARA、長久手、各務原、津南、すずか、東員)、コロナシネマワールド(中川、安城、小牧、大垣)、ユナイテッド・シネマ(豊橋18、稲沢、阿久比)、ローソン・ユナイテッドシネマ岡崎、MOVIX三好、伊勢進富座で公開。

 

映画『木の上の軍隊』

堤 真一 山田裕貴

津波竜斗 玉代㔟圭司 尚玄 岸本尚泰 城間やよい 川田広樹(ガレッジセール)

玉城 凛(子役) 西平寿久 花城清長 吉田大駕(子役) 大湾文子 小橋川建 蓬莱つくし 新垣李珠 真栄城美鈴/山西 惇

監督・脚本:平 一紘

原作:「木の上の軍隊」(株式会社こまつ座・原案井上ひさし)

主題歌:Anly「ニヌファブシ」

企画:横澤匡広 プロデューサー:横澤匡広 小西啓介 井上麻矢 大城賢吾

企画製作プロダクション:エコーズ 企画協力:こまつ座 制作プロダクション:キリシマ一九四五 PROJECT9

後援:沖縄県 特別協力:伊江村

製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ ©2025「木の上の軍隊」製作委員会

 

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