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岐阜ロイヤル劇場 映画『柳ヶ瀬ブルース』公開記念 美川憲一さん舞台挨拶レポート

7月7日(日)に岐阜柳ケ瀬商店街で「美川憲一 七夕祭り~柳ケ瀬に願いを~ありがとう岐阜髙島屋」が開催された。7月6日から岐阜ロイヤル劇場で公開、ニュープリントでよみがえった映画『柳ヶ瀬ブルース』公開記念舞台挨拶に映画に出演した美川憲一さんが登壇。その様子をお送りする。(進行:岐阜土地興業 磯谷企画本部長)

美川憲一さん(以後 美川さん)
「どうも皆さん。いらっしゃいませ。どう?映画楽しかった?」

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(場内大拍手)

美川さん
「あの頃は歌謡映画が多かったんですよ。ご覧の通り私は流しの役。「いただきます」「ごちそうさん」セリフはこの二言だけ(笑)。今日は七夕祭りということですが、高島屋が47年の幕を下ろすということで、本当に残念。でも時代の流れは仕方がないことですけどね」

磯谷さん
「ぜひ美川さんにもここでご覧いただきたいと思います。美川さんはビデオを持っていて、何回かご覧になっているそうですね。実は美川さん『柳ヶ瀬ブルース』は幻の作品だったんです。映画館ではずっと上映ができない作品だったものを修復して、ぜひ皆さんにご紹介したいと思って。今日、皆さんにお披露目できたのはほんとに嬉しいです」

美川さん
「貴重なのよ。梅宮辰夫さんのプレイボーイ。でも嫌味がないわ。女たらしでも(笑)。それと大原麗子さん。若くてまだ新人の頃で」

磯谷さん
「梅宮さんとはずっと親交があったんですか?」

美川さん
「はい。『柳ヶ瀬ブルース』以来ずっと付き合いがあります。私のドラマチックシャンソンコンサートに2回ぐらい来ていただきました。 それと「銀座・おんな・雨」という歌を出した時に銀座のクラブの錚々たるママたちを集めて、梅宮さんが連れて来てくださって」

磯谷さん
「噂には聞いていましたが、本当に夜の帝王だったんですか。やっぱりそういう世界には随分と人気があった方なんですね。我々の世代からすると、テレビでしか梅宮さんを拝見していなかったので、この映画に出てくるような、プレイボーイのドスケベな感じはあまりなく、誠実な役が多かったもので、この役を見るととんでもないなと(笑)」

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美川さん
「でもなんか憎めない感じなのよ」

磯谷さん
「そうですよね。昭和42年は美川さんがデビューして2年目ぐらいですかね。美川さんのWikipediaを見させていただくと、美川さんはまず歌手になる前に大映ニューフェイスに合格されたと書いてあるんですが、どういういきさつでニューフェイスになったんですか?」

美川さん
「はじめは役者志望でした。東宝系の学校へ行って二年レッスンしていたんですね。卒業したら東宝系の有楽町の日劇のダンサーにはそのままなれるんですが、ダンサーじゃねえ」

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磯谷さん
「東宝はそういうルートしかなかった」

美川さん
「そうです。それで大映ニューフェイスを受けて、受かっちゃった」

磯谷さん
「結構狭き門ですよね。当時は」

美川さん
「そうですよ、青春路線を作るということで」

磯谷さん
「美川さんのInstagramに最近上がっていた写真を見させてもらいましたが、 もうとんでもない美少年で、あれは18歳ぐらいですか。それは受かりますよ」

美川さん
「その時に歌のレッスンを受けていたら歌手にならないかとスカウトがあって」

磯谷さん
「大映ニューフェイスのレッスンでオファーがかかったんですか?」

美川さん
「はい。それでニューフェイスで役者やっていかなきゃいけないからという気持ちがあったんだけど、まあね、うちも母が2人いて苦労しているのを見ているから、まずお金だわと。一攫千金を狙おうと思って、ぱっとやめて」

磯谷さん
「それで、お金になったんですか?」

美川さん
「ならなかったわよ。それで看板スター歌手の方の地方回りについていって。こういう映画館でアトラクションがあって、看板スターが歌うんだけど、その前に私たちが出て前座で歌ったの」

磯谷さん
「映画の間に歌うんですか?」

美川さん
「そういうイベントが昔はあったのよ」

磯谷さん
「やめたいとは思いませんでしたか?映画スターになる道もありましたよね?」

美川さん
「でも母との約束だった。映画で抜擢されて、主役になるなんて稀のことだから。歌手の方が当たったら大きいの」

磯谷さん
「でもすぐ当たりましたでしょ?「柳ヶ瀬ブルース」」

美川さん
「3枚目でやっと」

磯谷さん
「でも3枚目って結構ラッキーな方じゃないですか?」

美川さん
「全然ラッキーですよ」

磯谷さん
「とんでもなく下積みの長い方は結構聞きますけど、3枚目で100万枚を超えるミリオンセラーですから」

美川さん
「そうしたらうちの母が、「やめなくてよかったね。大ヒットしたから、もう、あなた安泰よ」と。」

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磯谷さん
「安泰だったですか?」

美川さん
「安泰よ(笑)」

磯谷さん
「この映画の話が来たのは、「柳ヶ瀬ブルース」のヒットの最中ですか、一段落してからですか?」

美川さん
「一段落はしていたけど、でも忙しい時だった。ちょうど次の年「新潟ブルース」、その翌年「釧路の夜」が発売されて。 スケジュールも空いていなくて1日で、3時間ぐらいの撮影でした。そしてセリフが二言」

磯谷さん
「それぐらい忙しかったんですね。撮影はセットでされたんですか?」

美川さん
「そうね、でも柳ケ瀬の街とかネオンとか出てくるじゃない。カサブランカとか」

磯谷さん
「美川さんには懐かしいカサブランカという名前をご披露いただきましたが、私は当時小学生ぐらいでしたから、この辺りが出ているのかどうかよくわからないんですが、それなりの人生経験した方にフィルムテストの時に観ていただいたら、皆さん声をあげられていて、リアルな当時の柳ケ瀬が映っているんだと思いました

美川さん
「カサブランカに私、出ましたよ」

磯谷さん
「キャバレーの経営者かなと思いましたよ(笑)」

美川さん
「会長?(笑)。柳ケ瀬には歌った思い出があるのよ。この映画ちょっとエロチックな映画でもあるけど、なんだかとても人間らしいわ」

磯谷さん
「そうです、あの泥臭い感じの生き様が出ている。この『柳ヶ瀬ブルース』がきっかけで、9時から5時までの夜シリーズとチラシにも書いてありますが、これを1作目として、夜の歌謡シリーズが11作品続くんです。なんとかブルースとして、森進一さんとか青江三奈さんとかも出されていて全部映画化されています。ほとんどの作品ずっと梅宮さんがこういうちゃらんぽらん、いい加減な男をやっています(笑)。本当に梅宮さんは多才な方ですね。この役柄はぴったりだなと」

美川さん
「亡くなられて5年。まだお元気だったら今86歳。散々遊んだから、最後は奥さんを大事にしたわよ」

磯谷さん
「今年、美川さんは歌手生活60周年。いまだに現役でご活躍で。60年はあっという間でしたか、意外と長かったですか?」

美川さん
「あっという間でした。60年は想像もしていなかったです。ありがたいことです。今日も岐阜の知り合いの方が来てくださって」

磯谷さん
「柳ケ瀬の節目節目に美川さんに来ていただいて、こうやって応援していただけるのは、岐阜市民、柳ケ瀬で生きる人達には心強いですよ」

美川さん
「今日高島屋さんの前でね、これから柳ケ瀬も活気が出るように変わっていかなきゃいけない、しぶとく頑張らなきゃと30代の若い水野理事長が言っていたわよ」

磯谷さん
「このイベント、チケット即日完売だったんです。60年間、本当にしぶとくという言い方はあれですけども、この後も色々と夢を持っていらっしゃいますか?」

美川さん
「夢ですか?夢はね、その夢に向かってとよく言うけど、やっぱり夢は夢なのよ。現実はそんなに甘いもんじゃないから」

磯谷さん
「でも我々からすると、やっぱりこの舞台の上の美川さんを見ていると、なんか夢心地のような気がして。非現実のような。今スクリーンで観てましたが、本物の美川さんがスクリーンから飛び出してくるって、もう夢ですよねこれは。ありえない。本物が座っていらっしゃるんですよ」

美川さん
「みなさん優しい顔をしているわね。今日は名古屋からも大阪からも東京からも来てくれているわ」

磯谷さん
「この後美川さんには文化センターでコンサートもやっていただくんですけども、なんとコンサートもあっという間に完売だったんですよ。こんなことならもう少し高くチケット代金設定すればよかったなと」

美川さん
「おだまり!!」

磯谷さん
「失礼しました(笑)。 選曲はご自分でされるんですか?」

美川さん
「そうですよ。だから今回60周年のツアーの時は、今まで歌っていない歌を選んで歌おうと思っています」

柳ヶ瀬ブルースの台本に美川憲一さんのサインが入った。

柳ヶ瀬ブルースの台本に美川憲一さんのサインが入った。

トーク終了後、観客からの写真撮影にも手を振って応えた美川さん。夜には岐阜市文化センターでコンサートも行われ、観客を魅了した。

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