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主要キャストの85%以上が元収監者。刑務所の中の演劇プログラムを通して感動の実話を描く(映画『シンシン/SINGSING』)

2024年3月、映画ファンに支持されるSXSW(サウス・バイ・サウス・ウェスト)映画祭で、観客の投票により選ばれる最高賞「観客賞」を受賞した作品は驚くべきキャスティングだった。主要キャストの85%以上がNYに在る最重警備の収監施設・シンシン刑務所の元収監者だったのだ。
その作品は『シンシン/SINGSING』。4月11日(金)からいよいよ公開される。

あらすじ

ニューヨーク、シンシン刑務所。無実の罪で収監された男・ディヴァインGは、刑務所内の収監者更生プログラムである舞台演劇グループに所属し、仲間たちと日々演劇に取り組むことで僅かながらに生きる希望を見出していた。そんなある日、刑務所いちの悪党として恐れられている男クラレンス・マクリン、通称“ディヴァイン・アイ“が演劇グループに参加することになる。そして次に控える新たな演目に向けての準備が始まる。

RTA-舞台演劇を通して収監者の更生を目指すプログラム

収監者への更正を目指すプログラムは近年日本でも取り入れられている。本作はニューヨークに在る最重警備の収監施設・シンシン刑務所で、舞台演劇を通して収監者の更生を目指すプログラム 、通称「RTA」に取り組む中で育まれていく友情と再生を描いた感動の実話だ。

グレッグ・クウェダー監督と共同脚本を担当したクリント・ベントリーは芸術を通じての更生プログラム、通称「RTA」があることを知った。RTAのプログラムとしてニューヨークのシンシン刑務所で演劇が行われ、参加者に目覚ましい結果を残していることを知る。アメリカ国内において、収監後、再度刑務所に戻ってくる人の割合は60パーセントを超えているが、演劇のRTAの卒業生が刑務所に戻ってくる割合は5パーセント未満だったのだ。この衝撃的な統計に深い関心を抱き、演劇プログラムについて調べ、映画化することを決めた時、出演者には必ず収監者を入れるべきだと考えた。彼らはしっかりとした演技の出来る、経験ある役者であり、実際にシンシン刑務所を知る当事者だったからだ。主要キャストの85%以上を元収監者が占める。

脚本の原案には実際に無実で収監され、RTAで演じる戯曲も執筆しているジョン・“ディヴァインG”・ウイットフィールドが携わっている。ディヴァインGとの出会いは彼らの脚本をよりリアルにした。

主演には教育的演劇出身のコールマン・ドミンゴを指名。演劇プログラムメンバーに溶け込み、ディヴァインGを演じている。

今までにない挑戦的なプロジェクトの北米配給権を人気スタジオA24が獲得した。SXSW(サウス・バイ・サウス・ウェスト)映画祭で最高賞の「観客賞」を受賞後、次々と世界の映画祭・映画賞を受賞。本年度ゴールデングローブ賞ではクラレンス・マクリンを演じた演劇プログラム出身のコールマン・ドミンゴが主演男優賞にノミネート。そして遂には本年度アカデミー賞で3部門ノミネートを果たす快挙を成し遂げた。無名の俳優達である元収監者とオスカー有力俳優が作り上げた作品は認められたのだ。

演劇には稽古という過程がある。セリフを読むことだけが稽古ではないことも描かれており、演劇を捉えた作品として観るのも面白い。役を落とし込むために想像し、自身と比較しながら作り上げる。共演者を知ることもひとつの過程だ。演劇プログラムメンバーが話し、ぶつかりながら作り上げた作品には収監者達が普段は出すことが出来ない様々な思いが込められている。

映画『シンシン/SINGSING』https://gaga.ne.jp/singsing/

4月11日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開。東海三県では4月11日(金)よりミッドランドスクエアシネマ、伏見ミリオン座、ユナイテッド・シネマ豊橋18、5月23日(金)より伊勢進富座で公開。

映画『シンシン/SINGSING』

監督:グレッグ・クウェダー
出演:コールマン・ドミンゴ、クラレンス・マクリン、ショーン・サン・ホセ、ポール・レイシー
原題:SING SING | 2023 年 | アメリカ | カラー | ビスタ | 5.1ch | 107 分 | 字幕翻訳:風間 綾平
配給:ギャガ © 2023 DIVINE FILM, LLC. All rights reserved.

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