Cafemirage

Cafe Mirage--岐阜発 映画・エンタメ情報サイト

カテゴリリンク

20250408_201509

EntaMirage! Entertainment Movie

主要キャストの85%以上が元収監者。刑務所の中の演劇プログラムを通して感動の実話を描く(映画『シンシン/SINGSING』)

2024年3月、映画ファンに支持されるSXSW(サウス・バイ・サウス・ウェスト)映画祭で、観客の投票により選ばれる最高賞「観客賞」を受賞した作品は驚くべきキャスティングだった。主要キャストの85%以上がNYに在る最重警備の収監施設・シンシン刑務所の元収監者だったのだ。
その作品は『シンシン/SINGSING』。4月11日(金)からいよいよ公開される。

あらすじ

ニューヨーク、シンシン刑務所。無実の罪で収監された男・ディヴァインGは、刑務所内の収監者更生プログラムである舞台演劇グループに所属し、仲間たちと日々演劇に取り組むことで僅かながらに生きる希望を見出していた。そんなある日、刑務所いちの悪党として恐れられている男クラレンス・マクリン、通称“ディヴァイン・アイ“が演劇グループに参加することになる。そして次に控える新たな演目に向けての準備が始まる。

RTA-舞台演劇を通して収監者の更生を目指すプログラム

収監者への更正を目指すプログラムは近年日本でも取り入れられている。本作はニューヨークに在る最重警備の収監施設・シンシン刑務所で、舞台演劇を通して収監者の更生を目指すプログラム 、通称「RTA」に取り組む中で育まれていく友情と再生を描いた感動の実話だ。

グレッグ・クウェダー監督と共同脚本を担当したクリント・ベントリーは芸術を通じての更生プログラム、通称「RTA」があることを知った。RTAのプログラムとしてニューヨークのシンシン刑務所で演劇が行われ、参加者に目覚ましい結果を残していることを知る。アメリカ国内において、収監後、再度刑務所に戻ってくる人の割合は60パーセントを超えているが、演劇のRTAの卒業生が刑務所に戻ってくる割合は5パーセント未満だったのだ。この衝撃的な統計に深い関心を抱き、演劇プログラムについて調べ、映画化することを決めた時、出演者には必ず収監者を入れるべきだと考えた。彼らはしっかりとした演技の出来る、経験ある役者であり、実際にシンシン刑務所を知る当事者だったからだ。主要キャストの85%以上を元収監者が占める。

脚本の原案には実際に無実で収監され、RTAで演じる戯曲も執筆しているジョン・“ディヴァインG”・ウイットフィールドが携わっている。ディヴァインGとの出会いは彼らの脚本をよりリアルにした。

主演には教育的演劇出身のコールマン・ドミンゴを指名。演劇プログラムメンバーに溶け込み、ディヴァインGを演じている。

今までにない挑戦的なプロジェクトの北米配給権を人気スタジオA24が獲得した。SXSW(サウス・バイ・サウス・ウェスト)映画祭で最高賞の「観客賞」を受賞後、次々と世界の映画祭・映画賞を受賞。本年度ゴールデングローブ賞ではクラレンス・マクリンを演じた演劇プログラム出身のコールマン・ドミンゴが主演男優賞にノミネート。そして遂には本年度アカデミー賞で3部門ノミネートを果たす快挙を成し遂げた。無名の俳優達である元収監者とオスカー有力俳優が作り上げた作品は認められたのだ。

演劇には稽古という過程がある。セリフを読むことだけが稽古ではないことも描かれており、演劇を捉えた作品として観るのも面白い。役を落とし込むために想像し、自身と比較しながら作り上げる。共演者を知ることもひとつの過程だ。演劇プログラムメンバーが話し、ぶつかりながら作り上げた作品には収監者達が普段は出すことが出来ない様々な思いが込められている。

映画『シンシン/SINGSING』https://gaga.ne.jp/singsing/

4月11日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開。東海三県では4月11日(金)よりミッドランドスクエアシネマ、伏見ミリオン座、ユナイテッド・シネマ豊橋18、5月23日(金)より伊勢進富座で公開。

映画『シンシン/SINGSING』

監督:グレッグ・クウェダー
出演:コールマン・ドミンゴ、クラレンス・マクリン、ショーン・サン・ホセ、ポール・レイシー
原題:SING SING | 2023 年 | アメリカ | カラー | ビスタ | 5.1ch | 107 分 | 字幕翻訳:風間 綾平
配給:ギャガ © 2023 DIVINE FILM, LLC. All rights reserved.

左側のコンテンツ40%

右側のコンテンツ60%

-EntaMirage!, Entertainment, Movie

おすすめの記事はこれ!

©2025「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会 1
兄のことをひたすら考える終いの4日間(映画『兄を持ち運べるサイズに』)

『湯を沸かすほどの熱い愛』や『浅田家!』で数多くの映画賞を席捲し、一貫して家族の ...

©︎2025「Good Luck」製作委員会(別府短編プロジェクト・TAMAKAN・theROOM) 2
映画『Good Luck』先行上映記念 足立紳監督&足立晃子プロデューサー 舞台挨拶レポート

11月24日「NAGOYA CINEMA Week 2025」の一環として、足立 ...

「Traverse 2」main 3
本物の武道空手アクションがここに!映画『TRAVERSE2 -Next Level-』豊橋で先行公開、完成披露試写会 開催!

武道空手アクション映画の金字塔となる二部作の完結編、映画『TRAVERSE2 - ...

司会の松岡ひとみさんも一緒に 4
極寒の会津ロケからベルリン映画祭出品へ! 魂の舞と幽玄の世界が描き出す人間の複雑な心境(映画『BONJI INFINITY』初号試写会 舞台挨拶レポート )

2025年11月3日、映画『BONJI INFINITY(ボンジ インフィニティ ...

©郷2025 5
日本初ARRIが機材提供。美しきふるさとの映像と音に触れ、自身を回顧する(映画『郷』小川夏果プロデューサーインタビュー)

数々の国際映画祭で評価を重ねてきた鹿児島出身の新進気鋭の伊地知拓郎監督が、構想か ...

IMG_2539_b 6
映画『佐藤さんと佐藤さん』名古屋先行上映会舞台挨拶レポート。岸井ゆきのさん、宮沢氷魚さん、天野千尋監督登壇

映画『ミセス・ノイジィ』の天野千尋監督の最新作は夫婦の変化する15年間を描く、オ ...

image (3) 7
運命さえも覆せ!魂が震える慟哭のヒューマン・ミステリー(映画『盤上の向日葵』)

『孤狼の血』などで知られる人気作家・柚月裕子の小説『盤上の向日葵』が映画化。坂口 ...

©ストラーユ 8
本から始まるストーリーは無限大に広がる(映画『本を綴る』篠原哲雄監督×千勝一凜プロデューサー インタビュー&舞台挨拶レポート)

映画『本を綴る』が10月25日から名古屋シネマスコーレで公開されている。 映画『 ...

1759598539764_1 9
いつでも直球勝負。『おいしい給食』はエンターテイメント!(映画『おいしい給食 炎の修学旅行』市原隼人さん、綾部真弥監督インタビュー)

ドラマ3シーズン、映画3作品と続く人気シリーズ『おいしい給食』の続編が映画で10 ...

©️2025『おーい、応為』製作委員会 10
もう一人の天才・葛飾応為が北斎と共に生きた人生(映画『おーい、応為』)

世界的な浮世絵師・葛飾北斎と生涯を共にし、右腕として活躍したもう一人の天才絵師が ...

taiga_B2poster_0710_fix_ol 11
黄金の輝きは、ここから始まる─冴島大河、若き日の物語(映画 劇場版『牙狼<GARO> TAIGA』)

10月17日(金)より新宿バルト9他で全国公開される劇場版『牙狼<GARO> T ...

『アフター・ザ・クエイク』ビジュアル 12
「空っぽ」から始まる希望の物語-映画『アフター・ザ・クエイク』井上剛監督インタビュー

村上春樹の傑作短編連作「神の子どもたちはみな踊る」を原作に、新たな解釈とオリジナ ...

IMG_2338_ 13
名古屋発、世界を侵食する「新世代Jホラー」 いよいよ地元で公開 — 映画『NEW RELIGION』KEISHI KONDO監督、瀬戸かほさんインタビュー

KEISHI KONDO監督の長編デビュー作にして、世界中の映画祭を席巻した話題 ...

image (1) 14
明日はもしかしたら自分かも?無実の罪で追われることになったら(映画『俺ではない炎上』)

SNSの匿名性と情報拡散の恐ろしさをテーマにしたノンストップ炎上エンターテイメン ...

IMG_2332_ 15
映画『風のマジム』名古屋ミッドランドスクエアシネマ舞台挨拶レポート

映画『風のマジム』公開記念舞台挨拶が9月14日(日)名古屋ミッドランドスクエアシ ...

©SHM FILMS 16
あなたはこの世界観をどう受け止める?新時代のJホラー『NEW RELIGION』ミッドランドスクエアシネマで公開決定!

世界20以上の国際映画祭に招待され、注目されている映画監督Keishi Kond ...

48e68d79b718232277b1e5de3297914f 17
『ぼくが生きてる、ふたつの世界』の呉美保監督が黄金タッグで描く今の子どもたち(映画『ふつうの子ども』)

昨年『ぼくが生きてる、ふたつの世界』が国内外の映画祭で評価された呉美保監督の新作 ...

僕花_main 18
映画『僕の中に咲く花火』清水友翔監督、安部伊織さん、葵うたのさんインタビュー

Japan Film Festival Los Angeles2022にて20歳 ...

IMG_2204_ 19
映画『僕の中に咲く花火』岐阜CINEX 舞台挨拶レポート

映画『僕の中に咲く花火』の公開記念舞台挨拶が8月23日岐阜市柳ケ瀬の映画館CIN ...

僕花_main 20
23歳の清水友翔監督の故郷で撮影したひと夏の静かに激しい青春物語(映画『僕の中に咲く花火』)

20歳で脚本・監督した映画『The Soloist』がロサンゼルスのJapan ...

25-08-06-09-10-43-381_deco 21
岐阜出身髙橋監督の作品をシアターカフェで一挙上映!「髙橋栄一ノ世界 in シアターカフェ」開催

長編映画『ホゾを咬む』において自身の独自の視点で「愛すること」を描いた岐阜県出身 ...

IMG_1793 22
観てくれたっていいじゃない! 第12回MKE映画祭レポート

第12回MKE映画祭が6月28日岐阜県図書館多目的ホールで開催された。 今回は1 ...