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観てくれたっていいじゃない! 第12回MKE映画祭レポート

2025/08/01

第12回MKE映画祭が6月28日岐阜県図書館多目的ホールで開催された。

今回は12作品が公募された作品の中から選ばれ、上映された。作品のあらすじ、監督、関係者のコメントなど映画祭レポートをお送りする。

今回の進行は声優・本田雄大さん。低音のやわらかな声が会場に響く。

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1.『願い叶えば-2人の約束- 』 河合 徹也監督

久々の再開となった旧友。 とある事情から、どんな願い事も叶えてくれる 『お札』 を探すことに。 探したお礼に、 願いを託した2人。
その願いは、 叶ったのか。

河合 徹也監督
「映像制作集団地元ぴぃすの河合と申します。この作品を通して、岐阜県で撮影させていただいたんですが、岐阜にはこんないいところがあるよと、この映画を通して魅力を発信できたらなと思いまして撮りました」

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戸田 帆南さん
「観ていただいてありがとうございます。個人的な苦労は、2人とも役名が2文字で似たような名前だったので、NGを出してしまったことで、ちょっと悔しかったです。全体としては映画を撮られる方にはわかると思いますが、天気に左右されました。撮りたいけど、雨が降ってきて撮影が止まったりして大変でした。でもそれはそれですごくいい味を出してくれていて、映画もいい仕上がりになったと思います」

天木 舞さん
「見てくださってありがとうございます。帆南さんがおっしゃった通り、撮影当日、雨が降っていたので、撮影の順番が変わったりしたことに結構苦労しました」

左:天木 舞さん 右:戸田 帆南さん

左:天木 舞さん 右:戸田 帆南さん

2.『探偵は映画を見ない』 渡邉 高章監督

浮気調査の依頼を受けた探偵・成瀬健ニは証拠写真を持って依頼人の人妻・杏野くららと会う。 調査終了のはすが物語は思いも寄らぬ方向へと進む。

(監督欠席のため、レビュー)
映画が好きで詳しい人が観るのと、そうでない人が
観るのとでは見え方が違う。わかる人には構図も何かのオマージュだと気づくかもしれない。
でも何より面白いのは会話が食い違っているように見えて、話はちゃんと進んでいるところ。絶妙な間がたまらない。

3.『青い夏』 小野 光洋監督

わが国には遺伝的に爪が青い人々がいた。ソラもその青爪族の血をひいていた。中学まで何も問題なかったが、高校で自分が差別の対象であることを知る。大学に入ったソラは漫画家を目指しているというサクラに出会う。

小野光洋監督
「今日は観ていただいてありがとうございました。学生たちと映画を作っています。三重県の伊勢市で人権映画祭が長く開催されていまして、その映画祭のために作った映画です。現大学4年生が2年前に書いた原作、脚本で人権というテーマで作った映画です。作品のヒロインは岐阜市出身です。今日は彼女は就職活動が忙しくて来られませんでしたが、関係者の方がいらしてくださいました」

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4.『お尋ね者』 吉田 笑大監督

江戸時代、町外れの団子屋で出会った浪人の孫市と小太郎。刀を芸術品とする孫市と、刀は人を斬るほど美しいと信じる小太郎。
価値観が対立する中、小太郎は孫市が噂の人斬り・重秀だと知り、決闘を挑む。

吉田 笑大監督
「この作品は大阪芸術大学に在学中に撮った作品で、授業の一環で撮影しました。京都の太秦映画村で撮影させてもらっています。最初からテーマをかっこいい一本に絞ろうということで始まって、最後の決闘のシーンは、砂埃りが舞う中で、いい感じで撮影するイメージでしたが、実際は雨が降ってきて、埃は立たないし、雨はザーザー、みんなはズブ濡れで、夏なのに寒くて。台風が来る前で、延期するかという話もありましたが、撮影場所が場所なので、延ばしたら使えないという制約があり、このまま雨の中で続行しようということで撮影しました。結果撮ってから関係者で見てみたら、晴れていたらちょっとインパクトなかったねと。雨が味方してくれた映画です」

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5.『クモヒトデの世界』 森口 郷志監督

知られざる生物クモヒトデ。
その謎多き生態に迫る海洋調査に密着すると、地球の未来が見えてきた。

森口 郷志監督
「スベスベマンジュウガニを調べていたら、ヒトデのような姿をした生物を発見。調べていくと、それは“ヒトデ”という名前がついていながら、実はヒトデではなく“クモヒトデ”という別の生物であることがわかりました。驚くことに生物学としての違いは、私たち”ヒト”と”爬虫類”くらい離れていたのです。さらに興味深かったのは、クモヒトデが深海から海岸まで地球上のあらゆる海に膨大に生息しており、死骸や排泄物を捕食し海をキレイに保つ働きをもっていたことです。私たちを含む地球生命の大循環にとって欠かせない存在。そんなクモヒトデの魅力を伝えたくて、今回の作品を制作しました」

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6.『Paradise Lost』 鈴木 剛志監督

不幸なことに、 当選した宝くじを無くしてしまった三隅俊哉。
顔面蒼白で僅かな記憶を思い起こすと、 直前に行った公園で転んだ際に、 宝くじがヒラリ。 今、三隅の人生を賭けた一大捜索劇が幕を開けた。

鈴木 剛志監督
「チャンスや欲望を前にすると、結構味方が敵に見えたりする。そういう教訓的な話でもあるんですが、僕がそうやって欲を追いかけて、親友を1人失ったことが最近あったんです。それをそのまま形にした映画ではあります。宝くじは当たりませんでしたが、幸福論が個人性、物質性から人々との関係性とか全体性に移行する話です」

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7.『0:00A.M.(レイジレイレイエーエム)』 楊 源深監督

午前零時、 サラリーマンはとうとう自宅に帰った。彼は数日間残業をして、非常に疲れたので、空想のものと現実のものを分けることができないようだった。 部屋の全てが海になり、自分も海に沈んだと彼は覚えている。

楊 源深監督メッセージ
「本作は、私自身の体験を基に制作しました。仕事のストレスがテーマではなく、疲れた場合の主観と客観の時間への認識の違いがテーマです。疲れている時には、たった1分でさえ限りなく長く感じられることがあります。ですから時間が本当に我々に公平なのかと考えることになりました。答えは人それぞれですが、この作品が私の答えです。そしてもう1つ伝えたいのは、仕事は大切ですが、休むことを忘れずにということです。改めて私のアニメーション作品を見る機会をくださったこと、観客の皆様、そしてMKE映画祭に心から感謝申し上げます」

8.『Ημίθεος(ヘミテオス)』 tama-style 監督

「彼女の血と肉はニ進数で出来ている。」
アンドロイドとして生み出された少女の脳内には、人類の全情報がデータベース化されていた。閉ざされた部屋の中で、彼女は静かに技術的特異点(シンギュラリティ)の瞬間を待っている―。

tama-style 監督
「去年に引き続き2年連続で入賞ということで大変光栄に思っております。2022年に制作した作品です。去年上映した作品もそうなんですが、私は自分の子供たちに出演してもらって何本か映画を作っております。子供たちが大人になった時の世界はどういう風になっているんだろうと思った時に、コンピューターが人類を超えるような世界になっているんじゃないかとイメージをして、家の中にグリーンバックを張り、そこで演技をして、それをCGに合成する形で制作しました。ヘミテオスというのはギリシャ語で「人と神様の半分」という意味なんですが、そういう中学生が喜びそうなものをガンガン詰め込んで、SFにした形で作りました。今は当たり前のようになっていますが、作った後ぐらいに生成AIの話がすごい盛り上がってきて、作っている時はまさかこんな状況になると思っていませんでした。時代がついてきたなと思っていて、今回上映していただけて、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。ありがとうございました」

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9.『なめくじ彼女』 杉咲 佳穂監督

中2病サブカルストーリーMV。
簡単に覚えて歌っていただける曲なので、お子さんにも観て楽しんでもらえたらなと思います。アホな歌詞に大人もひと笑いしていただけたら嬉しいです。むしろそれだけの作品DEATH!!

杉咲 佳穂監督
「撮影は1日ですが、小道具の制作を8か月間、一人で泣きながらやっていました。車椅子の神威龍牙(かむいりゅうが)さんが歌を歌ってくださっています。彼のお友達で「仮面ライダーΦ」の主題歌を作曲した佐藤和豊さんという方が楽曲のアレンジを特別にしてくださいまして、楽曲がかっこいいことになったので、これは何か作品を作りたいと思い制作しました。同学年役をいろんな年代の方や外国人の方に演じていただき、年齢や国籍や障害への差別をなくしていこうなど、いろんな差別に対してのメッセージを盛り込んであります。変身もあるのでお子さんにも楽しく観ていただきたいです。また、知り合いに聾者の方がいますので、手話という言葉があることを伝えたくてせめて挨拶だけでもと思い、1分22秒の最後に入れました。作品を観ていただいて、上映していただいてありがとうございます」

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10.『結果がついてくる』 MATSUMO 監督

「きっと結果がついてくる」。
ふと居酒屋のテレビでスポーツ選手のそんな発言を耳にしたOL。 そこから話は思わぬ方向に…。

MATSUMO監督
「監督しましたMATSUMOと申します。去年に引き続きこの場に立たせていただき、さらにお知り合いの監督とも再度ご一緒させていただけて、とてもありがたく思っています。この作品を作った経緯なんですが、スポーツ中継などで「頑張れば結果がついてくると思うので…」という言葉が常套句のように使われていますが、実際に結果が「ついて」きたらどうするんだろうというところから着想を得ました。実生活では、なかなか頑張っても結果がついてこないことが多いと思うんですが、そんなあなたの姿を、きっと近くの誰かが見ていてくれるというメッセージを込めて、このアニメを制作しました」

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11.『奏と愛と』 岡本 崇 監督

頭脳明晰、運動神経も抜群で学校の人気者の加藤奏は同級生の琴弍愛へ密かに想いを寄せていた。
だがその想いとは裏腹に嫌な態度をとってしまう奏。
それを見かねた姉達が恋のサポートを買ってでるのだが…。

岡本 崇監督
「この作品に出てきたようなことは、僕の青春時代ではなく、こういう青春時代が良かったなという願望を込めて作りました。5歳上の姉はいるんですが、基本的に虐げられる生活をしてきたので、そっちをメインで描きたかった感じです。自分の理想を映画に出来て嬉しかったです」

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吉田伊吹さん
「奏役を演じさせていただきました吉田伊吹です。僕があまり恋愛経験がなくて、だいぶ手探りな状態でのスタートでした。最初は本当に嫌なやつを演じていましたが、そこからどんどん自分の気持ちに正直になっていくような奏をうまく演じられたのかなと思います」

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12.『ラストオーダー』 乙木 勇人監督

都内のとある居酒屋は、今日も閉店の準備をしていた。そこに一人の男性が来店する。彼は3年前に店内でプロポーズをした珍しいお客様だった。定点ワンカットで描く、 閉店から始まる再開(会)の物語

乙木 勇人監督
「自分が演劇を6年ぐらいやっておりまして、演劇はずっと定点、ワンカットなんです。席に座ったら、そのお客さんの席がカメラの位置になってずっと動いていく形で進んでいきます。今回映像を作るにあたって、僕がやってきたことを生かせるものはないかとなった時に、この手法に行き着きました。僕が出てほしいと思う人たちが演劇でしっかり実力がある方々で、この人たちと作れたらベストだなと思って作ったのが今回の作品です。もしあの日もうちょっと早く出ていれば1個早い電車に乗れたのにということはあったりすると思いますが、そんなことがもし世の中の居酒屋で起きたらというテーマで書いた作品です」

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グランプリは観客からの投票で決まる。開票中には景品が当たるジャンケン大会が行われた。

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今年は岐阜出身の演歌歌手・南はるかさんがゲストとして登場し、場を盛り上げ、ジャンケン大会終了後にはオリジナル曲を含めた2曲を披露した。

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そしていよいよ各賞の発表。

観客げ選ぶグランプリの他に、賞を贈りたい人が作った賞を贈れる特色があるのがMKE映画祭。

MKE映画祭 各賞発表!

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このカット最高にいいで賞:
『結果がついてくる』 MATSUMO 監督

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STEP賞:
『奏と愛と』 岡本 崇 監督

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「映画は人なり」賞:
『願い叶えば-2人の約束-』  河合 徹也監督

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最優秀演技賞:
『ラストオーダー』 竹石悟朗

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BreakThrough賞:
『クモヒトデの世界』 森口 郷志監督

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隆盛(りゅうせい)賞:
『なめくじ彼女』 杉咲 佳穂監督

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Director of Directors賞:
『ラストオーダー』 乙木 勇人監督

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グランプリ(観客賞):
『ラストオーダー』 乙木 勇人監督

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最後は毎回恒例、お客様も入れたみんなで集合写真で締めくくり。
「観(M)てく(K)れたっていい(E)じゃない!」

監督、出演者で集合写真も

監督、出演者で集合写真も

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