Cafemirage

Cafe Mirage--岐阜発 映画・エンタメ情報サイト

カテゴリリンク

20231021172718_IMG_7355_

EntaMirage! Entertainment Movie 岐阜推し!

第77回CINEX映画塾『まなみ100%』川北ゆめき監督、青木柚さん、中村守里さんトークレポート

第77回CINEX映画塾『まなみ100%』が10月21日(土)、岐阜CINEXで開催された。上映後には川北ゆめき監督、青木柚さん、中村守里さんを迎えてトークイベントが開催された。その様子をお届けする。

川北ゆめき監督(以後 川北監督)
「『まなみ100%』の監督を務めました川北ゆめきです。本日は短い時間ですが、よろしくお願いします」

青木柚さん(以後 青木さん)
「ボク役を演じました青木柚です。初めての岐阜、楽しい時間になればいいなと思います。今日はよろしくお願いします」

中村守里さん(以後 中村さん)
「まなみ役を演じました中村守里です。岐阜は初めて来ました。すごく嬉しいです。本日はよろしくお願いします」

岐阜新聞社 後藤さん(以後 後藤さん)
「皆さん岐阜は初めてということで、本当にありがとうございます。なかなか岐阜に監督と主演2人が来ていただけることがないので、本当に心から感謝しております。この『まなみ100%』は東京でもいろんな評判になっておりまして、観させていただきましたが、私も60歳を超えて、こういう思いになるんだとちょっと驚いてこの映画に接しました。この映画は皆さんびっくりすると思いますが、監督の自伝なんですね。ですから、登場人物もほぼ実名で演じられているというそのいきさつも含めて監督から映画全体について、お話ししていただいていいでしょうか」

川北監督
「元々僕は本当に機械体操部で、今29歳なんですが、自分の人生を振り返った時に高校時代の機械体操部が1番居心地が良くて、その機械体操部の中に、まなみちゃんがいて、熊野くんがいて、町くんがいて、瀬尾先輩もいて、自分の中でずっと居心地のいい空間がそのまま続いていくんだろうと思っていたんですが、 実際には大学4年生の時に、瀬尾先輩が癌で亡くなってしまって、そのお葬式のタイミングで、まなみちゃんが葬式に来てくれなくて、それがすごく悲しくて。人がどこかに行ってしまうとか、結婚してしまうとか、そういう精神的な意味で、どこか遠くに行ってしまうみたいなことに対して、自分がすごく考える時期があって、その答えが出なくて。なので、こうやって映画にすることで、自分の中のモヤモヤしている感情を形にして1つ消化したいなということがあって、『まなみ100%』を作ることになりました」

後藤さん
「この映画は、『まなみちゃん』という原案で、いまおかしんじさんに脚本をお願いしたという経緯だそうですが、まなみさんは本当に実在するわけですよね」

川北監督
「まなみちゃんです。はい」

後藤さん
「まなみちゃんにはこの映画を届けるような思いで作ったという感じなんですか」

川北監督
「そうですそうです。もうこれだけ好きなんだよという気持ちで。ミュージシャンとかが気軽にラブソングを作るじゃないですか。でも俺は音楽作れないしなと思って。あ、でも映画作れると思って。よし、作ってみようと思って5年かけて作りました

後藤さん
「ですから、今29歳で、24、5歳の時にはこの映画を作ろうと、まなみちゃんに届けようという思いで始めて、 やっと完成したそうです。青木さんも中村さんもまなみさんにはお会いしたんですか」

中村さん
「私はお会いしました。柚くんも」

青木さん
「お会いしました」

後藤さん
「そうですか。客観的に見て、まなみさんは監督がそんな思い入れをするような感じの方なんですか。 映画通りの方なんですか」

青木さん
「守里ちゃんも普段こういうほわんとしている感じで、掴みどころない感じがまなみちゃんそのまんまなんです。実際のまなみちゃんとお会いしてみて、確かに近すぎず遠すぎずの距離にいるというか。撮影にも1回まなみさんに来ていただいた時に、監督と話しているところを見たんですけど、 全然自分のことを映画にされているということに対しての表情が無というか、「へえー、今、私の映画やってるんだ」という反応で。悪い印象に聞こえなければいいんですが。「すごい!映画撮影してる!」とかではなくて、「へえー」という感じで川北さんと話していて。その反面、監督は浮かれまくっていて、めちゃくちゃ大事なシーンの時に、キャピキャピ、キャピキャピしていて」

後藤さん
「意識しちゃったんですか」

川北監督
「あれは、ちょっと見せてやるぜ!って」

青木さん
「かましに行ってたんですね。あれは(笑)。まなみちゃんと守里ちゃんは結構ご飯に行っていたみたいで」

中村さん
「ご飯に行きました。3人で。撮影が始まる前にもお会いして。 あ、こんな方なんだと」

後藤さん
「まなみさんは監督に対しての好意はなさそうだった?」

青木さん中村さん
「やめて。やめてあげて!」

左:川北ゆめき監督 中央:青木柚さん 右:中村守里さん

左:川北ゆめき監督 中央:青木柚さん 右:中村守里さん

後藤さん
「じゃあ、やめておきましょう(笑)。でも、そういう思いを映画にまでしてしまうってすごいなと思います。青木さんにお聞きしたいんですが、この役はちょっと監督には失礼ですが、嫌なやつじゃないですか」

青木さん
「そうですね」

後藤さん
「この辺も見事に演じられているなと思いましたが、演じられていかがでしたか」

青木さん
「荷が重いなと。10年間の1人の思いの話というのは、すごい荷が重いというか、それで映画が始まっているので、もし仮に自分が監督をやるとなった時に、 自分役を頼むって、結構な責任というか、自分だったらめちゃくちゃこだわってしまうというか、「この人は違うな」となってしまうと思うと勝手にどこかで感じていたので、それで僕が選ばれたということは、似てると思われているのかなとちょっと思ったりしたんですが、 自分のイメージ的にどうなのかなと。ちょっと暗い人、怖い人のイメージがあると初対面の人にすごく言われるんです。基本、監督ほどではないんですが、結構喋るというか普通の感じなので、そこはあまり違和感とか、やりにくさはなかったですね」

後藤さん
「脚本にある主人公は結構人の気持ちに上手につけ入っていくじゃないですか。あの感覚をずっと、出ずっぱりで演じられて」

青木さん
「そうですね。確かにこの作品はずっと僕が画面に出ているので、嫌われたら、嫌いな人はもうずっと嫌いな映画になるなというのはあるんですが、監督とお会いして、 監督の印象がこんな感じなので(笑)」

川北監督
「こんな感じ(笑)」

青木さん
「よくまだ伝わっていないかもしれないですけど、本当に朝から会った瞬間に「おはよう!おはよう!いやー今日もちょっと危なかったよー」みたいに本当にテンションが高いから、距離感を最初はどうしようかなと思うんですけど、全部が純粋で、なんて言うんだろう、ちょっと頭のいいところもあるけど、すごく人に好かれるというか、意外とどこか憎めないみたいなところがあるなあと監督に感じてしまって。舞台挨拶は今回地方では初めてなんですが、東京で本当に何回もやらせてもらっていて、やる度に悔しいけどちょっと好きになっていっているというか(笑)」

後藤さん
「独特の魅力がある方だなと思います」

川北監督、よし!の仕草

青木さん
「そういうのは違うからやめてください。そういうところはよくない」

後藤さん
「中村さんはまなみ役を演じていかがでしたか?」

中村さん
「10年ずっと思い続けてきた女性だからこそ、監督のこだわりが強いと感じました。魅力的に見えなければいけないというのが、自分にとってどうしようという不安な要素でもすごくありました」

後藤さん
「監督はいまおかさんに原案としてベースになる手記をお持ちになって、これを脚本にしてくださいって言ったんですよね」

川北監督
「そうですね」

後藤さん
「なかなか、24、5歳までで、自分の自伝をそんな風に、それも愛についてだけ書くって、なかなかないですよね」

川北監督
「僕、自己肯定感がすごい強くて。自分は愛されて育ったので、自分のことが好きなんですよ」

後藤さん
「それを恥ずかしげもなく、いい意味で出していることが、すごく新しく感じた映画でした。脚本を担当したいまおかしんじさんは本当に有名な脚本家で、監督でもあります。去年も『神田川のふたり』とか、最近だとこの映画館でも、小出恵介さん、宇野祥平さんをゲストをお迎えした『銀平町シネマブルース』の脚本を担当されています。いまおかさんにお願いをして、監督の持ち味である押しの強さとか自己肯定感を客観的に時系列またはミックスしながら、エピソードを紡いでいただいたんじゃないかなと。だから映画としてはすごく見やすかったし、肯定的にお客さんも見られる。もちろん反発もありますけど、結果として素敵なロマンス、新しいタイプのロマンス映画だなと思えました。脚本をもらっていかがでしたか」

川北監督
「元々書いていたものが、自分からの一方的な視点で書いていて、24、5歳の時に書いていたものが、いまおかさんぐらいの一回りも二回りも年上の方に書いてもらうことで、本当にちゃんと冷静になれるというか、すごく客観的に物語を俯瞰して、脚本に落とし込んでもらったなという感じはあります」

後藤さん
「やり取りの中で、まなみちゃんとのやり取りですごい素敵だなと思ったエピソードは、全て監督が実際にまなみさんとやり取りしたことと思っていいぐらいなんですか。カタツムリの真似とか」

川北監督
「全部が全部というわけじゃないんですが、花火大会は、本当にまなみちゃんと行っていて、まなみちゃんと花火を見に行ける、2人きりで見に行けると思ったので、すごい入念に下調べをしたんですよ。ここが絶対よく見えるスポットだと下見まで行ったのに、結局始まって10分ぐらいで、帰らなきゃみたいなことを言われて、でもこっちとしては1秒でも長く一緒にいたいので、なるべく歩幅を遅くするというこすい真似をしたりとかをしていました。でも、結婚はまなみちゃんはまだしていないんです」

後藤さん
「結婚はしていないんですか!」

川北監督
「瀬尾先輩の話があったタイミングで、瀬尾先輩が亡くなって、しかも、同級生の仲が良かった子に結婚したんだよと事後報告で言われて。その時もやっぱりまなみちゃんのことについてずっと考えていたので、なんか、まなみちゃんもさらっと結婚してしまうんじゃないかなという感覚がすごくあった感じです」

後藤さん
「いまおかさんのパンフレットでのコメントで、最初に来た時になんてやつだと思ったと。脚本を書いてと渡されたエピソードの中に、まなみちゃんの彼と別れさせるために50万円使ってでも別れさせるというエピソードが書いてあったと。これも本当なんですか」

川北監督
「そうです。映画をつくることで、愛情とか、思いを伝えることで、まなみちゃんに思いが伝わると思っていたんですけど、でも、そんなことしなくても、 恋愛工作員みたいな人を雇った方が、手っ取り早いかなと思ったこともあって。しかも時間もかからないし、お金もかからないしとか。いろんな手段を考えました」

後藤さん
「青木さん、中村さんは多分もう岐阜に2度と来てもらえないんじゃないかというぐらい、この後絶対日本映画界で活躍されると思うんですよ。だから、そういう意味でもすごく重要な作品になると思います。僕は中村さんの印象はここCINEXでも上映した『アルプススタンドのはしの方』という作品です。脚本家の奥村さんが岐阜出身の方で、お呼びしてトークもやりました。あの作品から今回さらにステップアップされて、すごく素敵な女優さんですよね。青木さんはキレたら怖いぞというイメージは『うみべの女の子』からかもしれませんが、いろんなイメージを持っていた中で、この役は全然イメージが違って表現されているという絶妙さがありました」

青木さん
「絶妙でしたか」

後藤さん
「ちょっと惚れてもいいかなという瞬間がまなみさんの中にもありますよね。これならいいかな、この押しの強さ、気持ち悪さ。だけど、この青木柚さんのこの感じならいいかもなと思える瞬間がこの映画の中にはあったと感じました」

後藤さん
「最後の方はラブホテルも行ったりとかしちゃうじゃないですか。あれは監督、現実ですか」

川北監督
「現実です。はい。撮影に入る3か月前ぐらいにまなみちゃんとご飯に行って、 ああいう感じになったんですよ。 だから、「あ!これいいぞ」と思っていまおかさんに全部内容を送って、最終稿の前ぐらいに突然入りました」

後藤さん
「絶対入れてほしかったエピソードでもあるんですか」

川北監督
「悔しかったんです。多分。 言われたことが、結構本質をつかれているような気がして。だから大切だなと思いました」

後藤さん
「嘘つきだよねとか、気持ちがちゃんとしていないというのはずっと言われていて、それに気づかなかったんですかね」

川北監督
「どうなんですかね。でも、ど、どうなんですかね」

青木さん
「もう、こじらせすぎ(笑)。現在進行形しすぎるから、聞いてしまうと悩んじゃうので」

後藤さん
「あ、すいません(笑)」

青木さん
「映画の中で完結している話じゃないので」

後藤さん
「監督は編集も自分でやられているじゃないですか。だから多分それもあると思うんですけど、瀬尾先輩が入院していてキスをするシーンとかすごい間が長いんですよね。 主人公の悩みとか揺らぎがその周りの悪さ、カットしない長さに監督の心情がそのまま出ているなと。編集を監督が自らやるとそういう揺らぎが直結するので、それが3、4か所あって、素晴らしいなって思いました」

川北監督
「ありがとうございます。瀬尾先輩のシーンは女の子がいっぱい出てくる中で、ちょっと特別な思いもあったので、多分そういうのが出てくるんじゃないかなと僕も見直して、瀬尾先輩以外のところはラブコメスポコンみたいな感じだったんですけど、瀬尾先輩が出ているところはなんかちょっと1つ違うような感じが出ていて良かったなと思っています」

後藤さん
「まなみさん以外の女性を演じた役者さんたちもすごく素敵だったんですが、この皆さんは、オーディションで選ばれたんですか?」

川北監督
「いや、オーディションは1回もやっていなくて、いいなと思った方に1人1人声をかけていった感じです」

後藤さん
「瀬尾先輩役の伊藤万里華さんもそういう形で?」

川北監督
「伊藤さんはちょっと特殊で、声をかけたというよりは、脚本を読んで向こうからご連絡いただきました」

後藤さん
「伊藤さんは乃木坂46の第一期生で女優としても活躍されています。この役はすごく素敵だったですね」

川北監督
「伊藤さんは、現場でもなんかちょっと雰囲気が違いましたね」

青木さん
「そうですね。言葉で形容するのは難しいんですが、 伊藤さんが入ると違う空気になるというのは結構ありました」

後藤さん
「俳優さんで僕が1番気になったのは体操部の先生ですね。体操の先生はオラキオさん。芸人さんなんですね」

川北監督
「僕が高校生ぐらいの時に、すごく体操選手のネタが流行っていたんです」

後藤さん
「いちいち言うことが四字熟語だったりとか、すごいバック転するとか、非常に面白いですし、写真を先生と撮るときのポーズも、すごく素敵だなと思います。ああいう洒落っ気というのは、この映画の中にいっぱいちりばめないといけないという思いもあったんですか」

川北監督
「体操部はずっと馬鹿なままでいてほしいなと思ったので、体操部のシーンはすごく明るくしたかったです」

後藤さん
「青木さんは体操は元々お得意だったりするんですか?」

青木さん
「小さい頃に体操クラブみたいなものに入っていて、前転とか倒立とか本当に基礎的なものだけやっていて、 特にずっと体操をやっていたとかではないんです。10代からお仕事をさせてもらっていますが、オーディションで特技披露をすることがあるんですよ。バック転をやっている人もいれば、早口でセリフを言えますと言って披露する人がいる中で、僕はずっと倒立をしていたんです」

後藤さん
「では倒立はお得意ですか」

青木さん
「倒立だけは得意です。でもその時は真面目に自分の中で1番できるのが倒立で歩くことだったんです。だから審査員の人が座っている前で、倒立で1周できますと言って、倒立でてくてく歩くという、今考えたらとてもシュールなことをやっていました。でも、やっても大技とか、バック転とかではないので、「あ、 ありがとうございます」と言われるだけで終わるんです。いつも倒立していたおかげか、年を重ねて機械体操をやってみたら、意外とできちゃったみたいな感じで。守里ちゃんも機械体操は練習してましたよね」

中村さん
「一緒に練習しました。昔新体操をやっていたんです。でも、すごく久しぶりだったので、練習で体がすごく筋肉痛になりました。ずっともうキバキバキでした」

後藤さん
「中村さんは姿勢がすごく綺麗ですよね」

中村さん
「本当ですか。気を付けています(笑)」

後藤さん
「でも気を付けてできる姿勢と、本来ある姿勢って違いますよ。バレエとかやられていましたか?」

中村さん
「はい、やっていました」

後藤さん
「でも、監督がバック転できるのはなんか信じられないんですけど」

川北監督
「はい。酔っぱらった時にやってます」

後藤さん
「映画の中で体操部の雰囲気がよく出ています。監督としての状況作りとか、結構この映画はミスがないなと思っているんですが、監督から色々指示を出されたりしたんですか」

川北監督
「僕が指示をパシパシ出していたというよりは、僕は現場で悩むんですよ。そうすると、「あ、こういうことだよね」とみんなが助けてくれるので、「あー、そうそうそう」と言っている感じでみんなが助けてくれるので。どっちかというと周りのおかげが強いですね」

後藤さん
「青木さんの演技に対してダメ出しとか、そういうものは」

川北監督
「柚くんにはもう、ほとんどなかったよね」

青木さん
「そうですね。めちゃくちゃダメ出しあったなというのはないですけど、ニュアンスというか、「ここはもうちょっと明るく」、みたいな。「うん、オッケーオッケーオッケーです」と言って、どこか行くんです。こういう感情でお願いしますとか、もっとこういう表情でというよりかはテンション感をちょっと統一させるというか。もうちょっと深刻じゃなくていいんじゃないかというのを、川北監督独特の表現で言ってもらったりというのは何度かありました」

後藤さん
「でも、青木さんの演じた中で、自分の中でやりすぎちゃったけどオッケーが出ちゃったりとか、そういうのはありますか?」

青木さん
「やりすぎちゃったところはカットされてました(笑)」

後藤さん
「そこはやっぱりちゃんと見ているんですね」

青木さん
「三バカ(ボク、熊野、町)で、結構暴走するシーンがあったんですが、商店街でわーって、ゴミ箱蹴るところとかも、あれは続きがありまして、結構な暴走していまして。3人はそこで、「めっちゃ良かったね。これ、本編で見たらめっちゃ面白いんじゃない?」と話していたんですが、あまりに遊びすぎたので、本編見たらカットされていまして。理由を聞いたら、「嫌いになっちゃうから」と。ボクという役のバランスは監督の中で多分あって、すごくいい感じに繋げてもらった感じです」

後藤さん
「中村さんは演じてみて、このシーンは使ってほしかったのに切られたとかあります?」

中村さん
「それこそ、三バカの騒いでいるシーンは見たいなってずっと思っています。昨日、劇場で初めて観たんですが、三バカのシーン、笑っちゃいました(笑)」

観客から
「脚本を書いたのがいまおかさんで、最近のいまおかさんの映画に身近な人が亡くなって、それを引きずって生きている主人公がよく出てくるんですね。この話を脚本にするときに、瀬尾先輩の話がどれぐらいのバランスで、いまおかさんの入れ込み方があったのか。いまおかさんなりに書いたものに対して、演出する時に瀬尾先輩の部分が、どれぐらいの攻めぎ合いで、今の分量になったのかというのをお聞きしたいです」

川北監督
「瀬尾先輩のシーンは、基本的には全部僕がいまおかさんに渡した資料を忠実に書いていただいてるんですが、病室のシーンで、瀬尾先輩とキスをするシーンは、資料には僕はキスは入れていなくて。いまおかさんには、瀬尾先輩は僕にとってすごくお姉ちゃんみたいな存在で、先輩にとっても多分弟だと思ってくれているという感じで、なんか単純な男女間ではなくて、そういう兄弟としての関係性もあった上での先輩なんですという話をしていました。それを汲んだ上で、病室のシーンでキスをするというところを入れてもらったんですね。1番最初は口にキスをするという感じだったんですが、瀬尾先輩の病気が舌癌だったので、キスをするのかというところとか、 口にキスだと単純に男女の関係っぽくなってしまうというのもあって、どこがいいだろうという話になって、ほっぺたにしようと」

観客から
「皆さんは 愛したいとか愛されたいとか、どっちの恋愛観を持ってらっしゃいますか?『まなみ100%』を作られてこれで終わるのか、それともまだまなみさんに対してもっといきたいのかというところが聞けたら嬉しいです」

中村さん
「私も昔から親、家族、友達に愛されて育ってきたので愛されたいですが、 自分からも愛せる人になれたらいいなとすごく今感じています」

青木さん
「愛したいか愛されたいか、どっちがいいですかね。僕も家族からは結構愛をもらって過ごしてきたんですが、こんなに強烈な何かを愛すことってなかったから愛してみたいですよね。何か1つ、人なのかものなのかわからないですが、自分主導で何か愛せればいいなとは思います」

川北監督
「僕は結婚とかちゃんとお付き合いするんだったら、愛される方がいいんだろうなと思うんですが、やっぱり基本的には人を追いかけている方が好きなので、結婚するなら愛される、テンションが上がるのは好きになる方みたいな感じですかね。まなみちゃんを映画を撮って忘れられたのかというと、忘れられると思っていたんです。映画を作るまでは、撮って自分に区切りをつけようと思っていたんですが、そもそもやっぱり忘れられないというのもあるし、映画を作ったことでもっと特別になってしまったということもあります。特別枠は特別枠としてこの先も大切にできるような気がしています」

観客から
「青木さんに質問です。僕を演じるにあたって言葉の軽さというか、クズっぽい感じというか、言葉に重みがない感じを演じる上で、監督に寄せられるように気にしていたことがあったら教えてほしいです」

青木さん
「悔しいですが、ちょっとテンション感が似ている時が監督と僕はあって。すごい悔しいんですけどね(笑)。正直この現場にいると、監督がその役割を担っているので、2人いらないかなと思って。僕は普段静かにしているんですが、監督が結構ポップだから、ボクを演じる時は、割と本当に高校の時の友達と話しているような感じで、セリフを練習しないとかいい意味で何も決めずにいけたらいいなというのと、監督が本人なので、こっちは真剣に守里ちゃんとかと一緒に『まなみ100%』という作品の中のお芝居をやっているんですが、それを撮っている本人がその『まなみ100%』の続編みたいな感じで、すごいいろんなことをハプニング的に起こしたりするんですよ。さっきも助けてと言っていたと話していましたが、「助けてください、ちょっと僕もわからない」と言って、助監督さん達と緊急会議がはじまるみたいな。役の延長線の方が近くにいたので、そういうものを日々感じながら吸収していき、 監督の姿勢とか立ち姿とか歩き方とかは、ちょっと盗んだりして撮影していました」

後藤さん
「今日は僕の大好きな日本映画を支えるプロデューサーで、この映画のプロデューサーの直井さんも来られています。ちょっと一言どうしてもお話をお聞きしたいです 」

直井卓俊プロデューサー
「キャスティングなどを担当しました直井です。最初、川北監督から自伝を撮りたいと言われた時は、半分ちょっと逃げてたというか、誰が見るんだそれみたいな感じだったんですが、いまおかさんが脚本を書いてくれたところから、ちょっとこれはいい作品になるかもというのがあって、そこに素敵なキャストが来てくれて、スタッフたちもこれはなんかいいものになるんじゃないかという予感の中で、監督が本当に宣伝まで含めてすごい頑張ってここまで持ってきたので、1人でもちょっと多くの方に観ていただきたいという思いがあって。今話を聞いていてもそうなんですが、どうなるかわからない企画だったんですが、監督の周りのスタッフとかが本当にずっと最後までついてきてくれて、それは監督の人柄なのか、本当にこういう個人的なものをここまで持ってきたことで、川北くんすごい人なんだなということを改めて思っています。地方でこうやって見る貴重な機会に来てくださっていて、本当に嬉しく思っております。監督はまだまだ長くやっていきたいと言っていて、並行してまなみちゃんと決着をつけるために作ったけど、何一つ変わってないということだけが言われるんですけど(笑)。少しでも面白かったと思われた方は、ちょっと誰かを誘って、また2度目を観るとまたより感じるものがあると思います。自分の人生の中で全然同じことはあるはずないんですけど、何か思い出すこととかがすごくある映画な気がしているので、そういうものを色々持ち帰っていただけたら嬉しく思います。ありがとうございました」

後藤さん
「最後に一言言っていただいて締めたいと思います」

中村さん
「本日はありがとうございました。初めての地方での舞台挨拶でとても嬉しかったですし、こうやって時間を割いて劇場に足を運んでいただいて本当に嬉しく思っています。ぜひまた『まなみ100%』を劇場でご覧ください。ありがとうございました」

青木さん
「今日は本当にありがとうございました。個人的に自分が主演させていただいた映画でこうやって地方、東京以外の舞台挨拶というのが、本当にほぼ初めてで、こうして実際この劇場に来て皆さんと同じ時間を過ごせたのが本当に嬉しいです。またどの映画かわかんないんですが、こうやっていろんな東京以外のところにも行けるように引き続き頑張ります。また戻ってこれたらいいなと思います。今日はありがとうございました」

川北監督
「本日はありがとうございました。僕も東京以外のところで舞台挨拶をするのが初めてで、 結構緊張していて、うまく話せたかなとずっとさっき考えていたんですが、何はともあれこういう映画ですが自分の思っていることとか、感情とかには、本当に嘘偽りないものを映画に詰め込んだつもりですので、またもし面白いと思ってくださったら、SNSとかに書き込んでいただけると嬉しいです。 上映もいろんなところで始まったり、終了してしまうところもあり、 また始まるところもあるんですけども。またぜひ友達を連れてきて、観ていただけたら嬉しいと思います」

20231021182412_IMG_7372_

-EntaMirage!, Entertainment, Movie, 岐阜推し!

おすすめの記事はこれ!

©️2025『おーい、応為』製作委員会 1
もう一人の天才・葛飾応為が北斎と共に生きた人生(映画『おーい、応為』)

世界的な浮世絵師・葛飾北斎と生涯を共にし、右腕として活躍したもう一人の天才絵師が ...

taiga_B2poster_0710_fix_ol 2
黄金の輝きは、ここから始まる─冴島大河、若き日の物語(映画 劇場版『牙狼<GARO> TAIGA』)

10月17日(金)より新宿バルト9他で全国公開される劇場版『牙狼<GARO> T ...

『アフター・ザ・クエイク』ビジュアル 3
「空っぽ」から始まる希望の物語-映画『アフター・ザ・クエイク』井上剛監督インタビュー

村上春樹の傑作短編連作「神の子どもたちはみな踊る」を原作に、新たな解釈とオリジナ ...

IMG_2338_ 4
名古屋発、世界を侵食する「新世代Jホラー」 いよいよ地元で公開 — 映画『NEW RELIGION』KEISHI KONDO監督、瀬戸かほさんインタビュー

KEISHI KONDO監督の長編デビュー作にして、世界中の映画祭を席巻した話題 ...

image (1) 5
明日はもしかしたら自分かも?無実の罪で追われることになったら(映画『俺ではない炎上』)

SNSの匿名性と情報拡散の恐ろしさをテーマにしたノンストップ炎上エンターテイメン ...

IMG_2332_ 6
映画『風のマジム』名古屋ミッドランドスクエアシネマ舞台挨拶レポート

映画『風のマジム』公開記念舞台挨拶が9月14日(日)名古屋ミッドランドスクエアシ ...

©SHM FILMS 7
あなたはこの世界観をどう受け止める?新時代のJホラー『NEW RELIGION』ミッドランドスクエアシネマで公開決定!

世界20以上の国際映画祭に招待され、注目されている映画監督Keishi Kond ...

48e68d79b718232277b1e5de3297914f 8
『ぼくが生きてる、ふたつの世界』の呉美保監督が黄金タッグで描く今の子どもたち(映画『ふつうの子ども』)

昨年『ぼくが生きてる、ふたつの世界』が国内外の映画祭で評価された呉美保監督の新作 ...

僕花_main 9
映画『僕の中に咲く花火』清水友翔監督、安部伊織さん、葵うたのさんインタビュー

Japan Film Festival Los Angeles2022にて20歳 ...

IMG_2204_ 10
映画『僕の中に咲く花火』岐阜CINEX 舞台挨拶レポート

映画『僕の中に咲く花火』の公開記念舞台挨拶が8月23日岐阜市柳ケ瀬の映画館CIN ...

僕花_main 11
23歳の清水友翔監督の故郷で撮影したひと夏の静かに激しい青春物語(映画『僕の中に咲く花火』)

20歳で脚本・監督した映画『The Soloist』がロサンゼルスのJapan ...

25-08-06-09-10-43-381_deco 12
岐阜出身髙橋監督の作品をシアターカフェで一挙上映!「髙橋栄一ノ世界 in シアターカフェ」開催

長編映画『ホゾを咬む』において自身の独自の視点で「愛すること」を描いた岐阜県出身 ...

IMG_1793 13
観てくれたっていいじゃない! 第12回MKE映画祭レポート

第12回MKE映画祭が6月28日岐阜県図書館多目的ホールで開催された。 今回は1 ...