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映画『晴れの国』名古屋ミッドランドスクエアシネマ2舞台挨拶レポート

映画『晴れの国』公開記念舞台挨拶が6月7日、名古屋のミッドランドスクエアシネマ2で開催された。主演の三田村邦彦さん、大森青児監督が登壇した。

あらすじ

IT企業を中途退職して故郷の高梁市に戻った主人公がリモートワーク出来る現代の利便性を利用し、人との関りを拒絶する生活を始めるが、ある日山奥で仙人のように暮らす老人からの手紙を犬の三四郎が届けに来る。手紙の内容に疑問を持った主人公は、メッセージの意味を確認するため仙人を訪ねる。反発しながらも仙人との交流を通じ、家族や周りの人との絆を見つめ直すが、仙人には、ある重大な秘密があった。

大森青児監督は元NHKディレクターで、大河ドラマ「風林火山」などを手掛けている。40年以上の付き合いがある三田村邦彦、倉敷市出身で「おかやま晴れの国大使」の前野朋哉、今作が女優デビューとなる演歌歌手の丘みどり、初映画出演となる元NHKアナウンサーの石澤典夫などが出演。更にエンディングテーマには、高梁市出身の葛城ユキが歌う「今、HEART BREAK」が楽曲提供されている。

(葛城ユキさんのエンディングテーマを聞きながら登場)

三田村邦彦さん(以後 三田村さん)
「いい歌だなと思って。いい詞ですよね。「今、HEART BREAK、お前と生きてくために、一粒の夢があればいい」この歌を聞くと、涙が出てくるような葛城ユキさんのね。(歌う)「今、HEART BREAK、お前と生きてくために~」」

大森青児監督(以後 大森監督)
「1曲やりますか(笑)」

三田村さん
「お忙しい中、遠くからもいらっしゃってる方もいるそうで、ありがとうございます」

三田村邦彦さん

三田村邦彦さん

大森監督
「監督の大森青児でございます。名古屋の皆さん、ありがとうございます。この映画は、一昨年に、2023年に撮りまして」

三田村さん
「そのもっと前じゃないですか」

大森監督
「そうだ。もっと前だ。2022年にね、1日だけ撮ったんです。なぜ1日だけか。1日目OKで、2日目、前野朋哉という役者がコロナになった」

三田村さん
「僕は前日に岡山に入って、前野くんはその前に入っていて。その夜に3人で、前野くんと、監督と僕と3人で、アパートの6畳1間ぐらいのところで、寒いからと窓も開けずに次の日からロケだからと集まって」

大森監督
「読み合わせを延々とやったんですよ。でも前野さんだけコロナになったんですよ。読み合わせ翌日は撮影を1日しました。それで、次の2日目、朝出発時に「なんか熱があるんです」と」

大森青児監督

大森青児監督

三田村さん
「即検査に行って、その場でコロナと」

大森監督
「当時10日間隔離です。2022年、この映画を10日間で撮ろうとしていたんです。どうにもならないので、撤退です。それで、いつ続きを撮ったかと言いますと、1年後、2023年の5月まで延期しました。なぜ1年後かと言いますと、1日撮影していたので、山の緑が全部映っているんですよ。秋に撮ったら、1日目の分も撮り直さないといけない。そんな予算ありません。ですから、丸1年後に撮りました。それが2023年です」

名古屋と言えば

大森監督
「せっかく名古屋に来させてもらったので、名古屋の話をしませんか。名古屋の思い出とか名古屋といえばはありますか?」

三田村さん
「昨年、大雨で新幹線が3日止まった時に、僕は大阪でロケしていたのを早めに切り上げて帰ろうとしたんですが、三河安城駅で止まってしまって。名古屋に戻って、ホテルで3日間過ごしました。新幹線ってバックするんですね。長年乗っていますが、初めてのことで」

大森監督
「いい思い出はありませんか?(笑)」

三田村さん
「前回舞台で来た時に、女優さんから差し入れでいただいた。エビフライサンド。これが人生の中で1番美味しかったんです。ものすごい大きい厚めのエビで。どこのお店のものだったのかなあと」

(観客の皆さんから「コンパル!」と声があがる)

三田村さん
「ありがとうございます。後でネットで見てみます」

大森監督
「名古屋ゆかりの役者さんとの共演もありますよね」

三田村さん
「ピンキーとキラーズの今陽子さん。子どもの頃から大好きで。僕が主演をやった時代劇に出ていただいたんです。今はもうありませんが、新宿コマ劇場と名古屋の中日劇場で1ヶ月公演をやらせてもらって。それと僕は京都祇園で入婿をしていたんですが」

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大森監督
「京都祇園入り婿刑事事件簿ですね(笑)」

三田村さん
「中村玉緒さんが僕のお母さん。その娘が名古屋出身の藤谷美樹ちゃん。あとは竹下景子さんとか平田満さんとかもご一緒しましたね」

大森監督
「私は名古屋というと思い出す役者さんが1人います。ものすごい強烈な山田昌さんという役者さん。皆さんはご存じですよね。私は元はNHKにいまして、「はね駒」という斉藤由貴さん主演の朝ドラをやっていまして。渡辺謙さん扮する見合い相手を名古屋から連れてきた設定で、その時の見合い相手の母親役が山田昌さん。芝居もいいおばちゃんでした。未だに忘れられない方です。一緒に仕事したのは私が38歳くらいの頃で、昨年亡くなられましたが、名古屋というと山田昌さんを思い出します」

三田村さん
「大森さんと知り合ったのはNHKの40数年前のドラマですね」

大森監督
「大阪局、BKと言いますが、時代劇「壬生の恋歌」。三田村ちゃんが28歳の時です。私は33歳でした。渡辺謙さんが22歳でデビューです。遠藤憲一さん、21歳デビューです。笑福亭鶴瓶さんが30歳ぐらいで初ドラマ。内藤剛志さん25歳。新選組の若い隊士の話で半年間やりました」

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三田村さん
「気が付いた方もいらっしゃると思いますが、一応僕が演じたこの仙人は名古屋出身という設定で。どこかで「おみゃーなぁ」と言おうとしたら、監督が「それはいらない」って(笑)」

大森監督
「方言は使っていませんけど、名古屋から岡山県高梁市にきた設定なんです。だから、丘みどりちゃんも名古屋に住んでいるという設定で」

三田村さん
「脚本家の冨川元文さんがね」

大森監督
「映画「うなぎ」で賞をとっている方で、NHK時代からの仲間なので書いていただいたんですが、冨川さんは名古屋出身です。ですから名古屋と書いてきて。だから名古屋にこの映画は縁があるんです」

三田村さん
「この映画、わんちゃんがすばらしいんですよ」

大森監督
「わんちゃん、ハルちゃんと言うんです。大谷さんには悪いけどデコピンより天才。たくさんのカットがあったんです。走る、座る、歩く、じゃれついて歩く。あれ全部、1回でできたんですよ。犬だけにね、全部ワンテーク(笑)。ほんとにすごかったですよ。助かりました」

三田村さん
「本当に、賢かったですよね」

大森監督
「そして、丘みどりちゃんはこれ初めての芝居ですよ。すごかったでしょ。スタッフも現場でみんな感心したという。その後、舞台も一緒にやられたんですよね?」

三田村さん
「今年1月に三越劇場でやりました。丘さんの芝居思い出しました。泣かされたなと思って。役者をやっていて、相手のセリフで泣かされるって、これはもう役者冥利。「相手を泣かす芝居をしてよ」とよく先輩から言われて。ほとんど初めてなのに。もう、なんだろうこの人って思いました。しかも撮影は舞台と違って何回も撮るんです。同じシーンを角度が違ったりしてね、それごとにやらなきゃいけないし、芝居が繋がらないから何回も撮っているんですけど、泣いちゃう」

大森監督
「それぐらい感情の入れ方が抜群ですね。さすが演歌を歌っている方。演歌は3分間で感情を入れて語る、歌うわけですから」

三田村さん
「凄いね。1月の舞台でも舞台で何回か泣く芝居があるんですけど、毎回ボロボロ泣いて、それでそのあと歌うんですから、そのエネルギーたるや凄かったです」

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大森監督
「何かご質問はありますか?」

観客から
「ワンちゃんが運んだ手紙は全部三田村さんが書いていたんですか?」

三田村さん
「書きました」

大森監督
「全部書いてます。三田村ちゃんの字です」

三田村さん
「ドラマでもよく手紙が出てきますが、全部僕は書かせてくださいと言います。助監督さんが書いたりすることもありますが、自分で見た時に、僕の字じゃないと、僕は気持ち悪いんですよ。だから絶対自分で書くようにしていますし、アクションシーンもスタントは使ったことないです。全部自分でやらないとなんか嫌なんです」

観客から
「一番最初の商店街のところで大森監督映ってますよね?」

大森監督
「はい、私遠くで映っています。タイトルバックの5カット目。誰もいない商店街、近しい人と話しているのを勝手にスタッフが撮って、これ使ってくださいと。ダメと言ったら編集の人も「いや、使いましょうよ」と(笑)」

大森監督
「今日はありがとうございました。今日ご覧になった方は、近しい方に面白い映画だから見た方がいいよと伝達お願いいたします。まだ上映しております。よろしくお願いいたします。ありがとうございました」

三田村さん
「本日はありがとうございました!」

舞台挨拶終了後には観客との写真撮影会も開催された。

映画『晴れの国』は現在ミッドランドスクエアシネマ2で公開中。

harenokuni

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