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映画『誰よりもつよく抱きしめて』名古屋公開記念舞台挨拶レポート
2025/02/13
2月7日(金)より全国公開中の映画『誰よりもつよく抱きしめて』の公開記念舞台挨拶が2月9日、名古屋のミッドランドスクエアシネマで開催された。映画『誰よりもつよく抱きしめて』は生きづらさを抱えながらも、愛を通して他者と関わる人間の様子を映し取ってきた内田英治監督の最新作。
舞台挨拶には名古屋市出身で俳優、そしてBE:FIRSTメンバーRYOKIとしても活躍中、水島良城役の三山凌輝さん、乃木坂46、桐本月菜役の久保史緒里さん、韓国ボーカル・ダンスグループ・2PMのメンバーでもあるイ・ジェホン役のファン・チャンソンさん、『ミッドナイトスワン』の内田英治監督が登壇した。
まずは登壇の挨拶からご紹介。
三山凌輝さん(以後 三山さん)
「右奥の頬裏に大きい口内炎ができました(笑)。三山凌輝です。よろしくお願いいたします」
久保史緒里さん(以後 久保さん)
「桐本月菜役を務めました久保史緒里です。短い時間ではありますが、本日はよろしくお願いします」
ファン・チャンソンさん(以後 チャンソンさん)
「イ・ジェホン役を演じましたファン・チャンソンです。よろしくお願いします」
内田英治監督(以後 内田監督)
「またこの映画館に帰ってこられました。今日はよろしくお願いします」
舞台挨拶恒例の名古屋の思い出話からトークスタート。
三山さん
「ミッドランドスクエアさんは、自分が子供の頃、出来たばかりの頃から来ているんです。母親と一緒に映画に行ったり、学校の友達と2人で来たり。大人になったら商業施設で買い物したりとすごく思い出深い場所なので、ここに挨拶で戻ってこられたのはすごく嬉しいです」

三山凌輝さん
久保さん
「私は乃木坂46のライブで毎年来させていただくんですが、みんな名古屋の食べ物も大好きで。いつもケータリングで手羽先を2種類置いていただくんです。それをみんなで食べ比べるのが大好きです」

久保史緒里さん
ファンソンさん
「名古屋は2PMのコンサートで何回か来たことがあって、来る度にひつまぶしを食べています。めっちゃ好きなので毎回食べています」

ファンソンさん
内田監督
「愛知は多分日本の映画監督出生率第1位の県なんです。味仙行かないといけないですね」

内田英治監督
舞台挨拶と映画の中では3人とも全く違う雰囲気を醸し出している。3人のいつもと違う魅力を引き出す内田監督とはどんな作品作りをしていたのかがわかるコメントも。
三山さん
「今、内田さんがめっちゃ覗き込んでくるんですよ。いやいや、知ってるでしょ、俺のことは(笑)」
内田監督
「なんかすごい急激に大人になってきた気がします。撮影の時はもうちょっと幼かったです。成長しました」
三山さん
「いろんなことに向き合いながら経験と気づきを得た年になったのかなと思います。向き合いながら生きていくと考え方も変わったりとか、人としての成長、奥深しさみたいなものが馴染んで出てくることもあるのかなと思っていましたが、そういう細かいところを内田さんが気づいてくださるのはすごく嬉しいなと思います」
久保さん
「内田さんとは映画出演の経験やお芝居の経験がない頃からご一緒させていただいています。本当にこの世界に引き入れてくださった方です。まさか3度目を主演という形でやらせていただけることは、すごく嬉しいことだなと思います。監督はほんの些細な自分の中のモヤモヤとか感情を全部汲み取ってくださって、私が言えないことを「今こう思っているでしょう」と言葉にして言ってくださったので、作っていく上で本当に助けていただきました」
内田監督
「僕はこの映画を観ていただけるとわかりますが、人の悪意がすごい好きなんですね(笑)。でもやっぱりみんな普段はすごくいい人で善意の塊みたいな人たちなので、探すのが大変ですよね。この方たちにも人間なので悪意はあると思うんですが、そういう部分を探すのがすごく難しいです」
三山さん
「僕は昨日まで「レディーファースト、レディーファースト」と言っていたファンソンの悪意をめっちゃ知りたいな(笑)」
内田監督
「チャンソンはね、本当にいい人ですよね」
三山さん
「悪意はどっかにあるでしょ」
ファンソンさん
「(声を低くして)悪い人です僕は。気を付けて(笑)」
三山さん
「この流れに乗っかっちゃってる時点でね、ファンソンはいいやつなのよ(笑)」
ファンソンさん演じるジェホンはシェフという役どころ。話題は劇中の料理シーンへ。
ファンソンさん
「趣味が料理なので、家でも時間がある時はやっているんです。現場でもシェフさんからやり方を学んでその場ですぐやりました」
内田監督
「手元の吹き替えを用意していたんですが、ファンソンが料理ちょっとできるという話になって。でもよくできると言っておいて、現場でできない人もいるので(笑)、そうなのかなと思っていたんですけど、ファンソンはできるんですよ。シェフレベルです」
観客を笑いに包むトークのやり取りを見せる4人。現場もこんな感じだったのかと聞かれると
久保さん
「明るかったですよね」
ファンソンさん
「いつものこのテンションでは出来ないけど(笑)、楽しい感じです。それに色々役者は準備してくるじゃないですか。自分で準備してきたものを、現場でまた新たに悩んで、考える感じでした。情熱的で熱かったです」
三山さん
「仕事は真面目にしていたという(笑)」
内田監督
「結構みんなアグレッシブで、凌輝から撮影前にいっぱい「ここはどうなんですか」と聞かれて話し合いました。事前準備しなさそうだけど(笑)、すごく深掘りしたいタイプみたいで、細かいところまで話し合って」
三山さん
「なんか納得できないと逆に自分に嘘をついているような感じがする性格もあると思うんですが、この前内田さんから本読みをした時に「70歳ぐらいの思考回路だねと言われて、それは結構僕は嬉しかったですね」
内田監督
「皆さんそれぞれ芝居、演技への持っていき方が全然人によって違うんです」
主題歌はBE:FIRSTの「誰よりも」。BE:FIRST初の日本語タイトルのこの曲は作詞も三山さんが担当している。曲への思いを語ってくれた。
三山さん
「自分が役者としてこの作品に携わらせていただいた上に、この作品を誰よりも理解しているそんな人間の1人として主題歌の作詞に関わらせていただきました。良城として見てきた景色、抱いてきた感情、クランクアップするまでの思いは自分にしかわからないものもあったと思います。歌詞は撮影し終わった後に書かせてもらったので、等身大の良城の目線ですごくすらすら書けたなと思ったと同時に、「誰よりも」という1つの楽曲だけにフォーカスを当てたとしても聴く人によって映画を観るのと同じように受け取り方もすごく違う作品になっています。この楽曲を聞いてくれた人達が、それぞれの過去や今悩んでいること、いろんなものに紐付けて共感、共有できる具体的にしすぎない歌詞というものを意識して書いたことによって、誰でものめり込めるような楽曲にできたのかなと思います」
締めの挨拶は主演のお二人から。
久保さん
「今は言葉にしないことが美しいとされてしまう部分があって、自分もそこに飲まれている感じがしていた中でこの作品に出会いました。ここまで自分の言葉と自分の気持ちを持ってぶつかり合える登場人物たちをすごく羨ましくも思いましたし、そのぶつかり合いみたいなものが私にはすごく人間らしく、美しく見えたので、皆さんそれぞれ生きてきた人生の中で、いろんなフィルターがある上で、この作品を観ていただいて何か届くものがあれば嬉しいなと思います。本日は本当にありがとうございました」
三山さん
「改めて、本当に素敵なチームで作品に携わせてもらった、このキャストとこの監督だったからこそ描けた作品だと思います。人と人が行き交い、細かい感情がすれ違ってモヤモヤする気持ちを抱えながら生きていく。好きな人だからこそ、大切な人だからこそ、近い距離にいるからこそ分かり合えないみたいな、そういう感じが皆さんにもやっぱりあると思います。モヤモヤするものは全てが解消しなきゃいけないことではなくて、それを抱えて生きていくのが意外と人間だったりします。この作品を観て、気持ちが和らいだりするだけでも、この作品は意味を成しているかなと思いますので、何かしらこの映画で僕たちが描いたものを受けとってくだされば嬉しいと思っております。皆さん、ぜひまたこの作品を観に来てください」
映画『誰よりもつよく抱きしめて』https://dareyorimo-movie.com/ は現在ミッドランドスクエアシネマ他で全国公開中。
ストーリー
鎌倉の海沿いの街で同棲する絵本作家の水島良城(三山凌輝)と書店員の桐本月菜(久保史緒里)。学生時代から付き合ってきた二人は、お互いのことを大事に思い合っているが、良城は強迫性障害による潔癖症を患い、恋人の月菜にも触れることができず、手をつなぐことすらできない日常が続いている。ようやく治療を決意した良城は、合同カウンセリングで初めて同じ症状を抱える女性・村山千春に出会う。思いを共有できる相手に出会えたことを喜び、千春との距離を縮めていく。仲睦まじく思いを共有する二人の交流を目の当たりにし、月菜はショックを受けてしまう。二人の溝がどんどん深くなっていくなか、月菜の前に、恋人と触れ合っても心が動かない男・イ・ジェホン(ファン・チャンソン)が現れる。愛する人と触れ合うことがままならない者たちがすれ違い、ぶつかり合い、関係が交錯していく。
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