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楽しみなのはおいしいごはん。伝説のお弁当屋さん「ポパイ」と映画の裏側を食から捉えるドキュメンタリー(映画『映画の朝ごはん』)

映画を作るには本当にたくさんの人が関わっている。

映画やドラマ撮影のメイキングを見たことがあるだろうか。

主に捉えられるのは出演している役者(俳優部)、監督や撮影スタッフ(演出部、撮影部、照明部、録音部)の様子だ。たまに衣装部や美術部も紹介されるが、一番地味で重要な役割をする制作部の人たちを捉えるものは少ない。映るとすれば、それは制作部が手配したロケ弁や温かいスープなどのケータリングだ。

ロケ地が遠方だったり、人がいない時間に撮影したりすることが多いため撮影スタッフ達の朝は早い。移動しながら朝ごはんを食べることは当たり前だ。そんな朝の弁当の中で根強い人気を誇るのが「ポパイ」。熱狂的支持者の口からはたくさんのエピソードが飛び出してくる伝説のお弁当屋さんだ。

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映像業界に知らぬ人はいないという伝説のお弁当屋さん「ポパイ」とあらゆる雑事をこなす映画の制作部にスポットライトを当てながら映画制作の現場の裏側を捉えるドキュメンタリー『映画の朝ごはん』が3月2日(土)から名古屋シネマスコーレで公開される。

朝ごはんが「ポパイ」だとテンションが上がる

東京都練馬区にお店を構える「ポパイ」。

おにぎり2個にゆで玉子か鶏の唐揚げ、そして沢庵。おにぎりだけでは物足りないところを満たしてくれる一品がセットされて映画やテレビ番組のロケ隊集合場所である新宿に届けられる。

「ポパイ」では毎日深夜0時からごはんを炊いて、少数精鋭で手作りのお弁当を作っている。従業員たちの熟練の手捌きに惚れ惚れする。「ポパイ」の社長や従業員から「ポパイ」のスタイルが今の形になるまでの試行錯誤も語られていく。

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そのお弁当を受け取るのは制作部だ。現場の食事から撮影中の車停め(撮影中に車が通らないように停めること)、経費の管理まで雑用と言われる仕事をすべて担い、現場に一番早く行き、一番遅く帰る人々。とある現場でロケ弁当の采配をしている制作部に入ったばかりの若者、竹山俊太朗をカメラは追う。助監督として働いていた経験はあるが、制作進行には慣れないところだらけ。そんな半人前の竹山に目をかけているベテランの制作部スタッフ守田健二のインタビューからは、人生の大半を過ごした映画の世界から身を引く日がくるという、終わりの気配が感じられる。制作部は映画づくりに必要不可欠な仕事でありながら、継承する人が少ない現実。新たに制作部に入ってきた竹山に小言を言いながらも段取りを教えていく姿には、守田の次代を担う若者を育てていこうとする温かさが感じられる。

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ロケ弁から出てくる映画エピソードにも注目

注目すべきは黒沢清、樋口真嗣、瀬々敬久、山下敦弘、沖田修一ら第一線の現役監督と、映画に人生を捧げてきたスタッフたちのインタビューだ。「ポパイ」の良さ、ロケ弁の思い出を語りながら出てくるのは映画制作のエピソード。そして分かる食事の大切さ。限られた予算、期間で撮りきらないといけない集中した時間の中で食事の時間は大事な休息と栄養の補給時間になる。そこにおいしいごはんがあればまた頑張れるのだ。スクリーンに映し出されることはない映画制作スタッフ達の幸せな時間はここにある。

「食」と映画制作の交わりを捉えたドキュメンタリー。観ながら、筆者が以前行った現場とロケ弁が甦ってきた。関東の現場でもロケ弁は食べたが、「ポパイ」のおにぎりには未だ出会えていない。

こんなにも映像業界から愛される「ポパイ」。いつか機会があれば「ポパイ」のおにぎり弁当を食べてみたいものだ。

映画『映画の朝ごはん』https://eiganoasagohan.com/ は3月2日(土)より名古屋シネマスコーレで公開。

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竹山俊太朗 守田健二 福田智穂 鈴木直樹
磯見俊裕 大山晃一郎 沖田修一 黒沢 清 下田淳行 瀬々敬久
内藤剛志 野呂慎治  樋口真嗣 藤井 勇 山下敦弘
ナレーション:小泉今日子

監督・企画・撮影・編集:志子田 勇
音楽:yojikとwanda
製作:由里敬三 プロデューサー:飯塚信弘 録音:百々保之 整音:松本理沙
撮影協力:芦澤明子(J.S.C)ポスター絵画:伊藤ゲン 制作統括:阿部浩二
制作協力:MOM&DAVID 配給:彩プロ
2023年/DCP/131分/ドキュメンタリー
助成:AFF2 ©ジャンゴフィルム

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