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アカデミー賞、オスカーは誰に?(松岡ひとみのシネマコレクション『フェイブルマンズ』 ゲストトーク 伊藤さとりさん))
2023/03/17
松岡ひとみのシネマコレクション vol.35 『フェイブルマンズ』が3月12日ミッドランドスクエアシネマ2で開催された。
『フェイブルマンズ』の上映後にはアカデミー賞前日ということで映画パーソナリティ、心理カウンセラーの伊藤さとりさんを迎えて、アカデミー賞受賞予想トークが展開された。その様子をお届けする。
伊藤さとりさん(以下 さとりさん)
「東京で映画紹介しています。伊藤さとりです。よろしくお願いします」
松岡ひとみさん(以下 松岡さん)
「よろしくお願いします。今日はすごい派手ですね」
さとりさん
「この間めざまし8(フジテレビ)で『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を紹介するときに着ていたんです。その時に着たから、もう着る機会ないかと思って、着て来ました。すごいですよこれ、(後ろを向いて)後ろには龍の刺繡もあります」

伊藤さとりさん
松岡さん
「びっくりした。何これ、そこですか。あなたしか着れないと思うんです。もうさすが。その中の Tシャツはもしかして私の愛する『RRR』 ではないですか!?」
さとりさん
「これは私も大好きなんですけど、『RRR』のTシャツでございますよ」
松岡さん
「今日はですね、さとりさんをお呼びして明日のアカデミー賞の予想をやろうと考えたんですが、やっぱりスピルバーグ愛が非常に強い『フェイブルマンズ』をまず見ていただこうと思って企画しました。『フェイブルマンズ』これはもう本当にもっとたくさんの方に観て欲しいんですよ」
さとりさん
「そうですね。今回スティーブン・スピルバーグ自身は作品賞と監督賞にもノミネートされていて、下馬評では『エブエブ(エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス)』が一番なわけですよ。そして『フェイブルマンズ』の人気も強いですし、あと『イニシェリン島の精霊』も」
松岡さん
「コリン・ファレルがね。ただおじさんがけんかするだけの話なんですけど」
さとりさん
「私は動物の運命に涙涙なんです。あんな目にもこんな目にも合わせちゃいかんぞよと思いますね。特に北アイルランドの紛争と人間関係をシンクロさせているのがうまい!友人関係だったのが突然、関係性が壊れるというのが今のロシアとウクライナの戦争にも重なってノミネーションされました。アカデミー賞って社会状況を反映させるので、Netflix映画の『西部戦線異状なし』もそうなんですよ」
松岡さん
「今Netflixでやってますね」
さとりさん
「これは、アカデミー賞作品賞のリメイクなんですよ。ただ前回はアメリカ製作でしたけど今回はなんと本国のドイツが作った映画というのもあって、こうやって作品賞にノミネーションされたんですよね」
松岡さん
「さとりさんは本当に皆さんもご存知かと思うんですけれども、もう本当に忙しいですよね。毎日舞台挨拶をして毎日インタビューして、毎日何かコラムを書いて。レギュラーが20本ぐらいあるんじゃないですか?」

松岡ひとみさん
さとりさん
「そんなことないです。忙しいのは引っ越ししたから、大変なんですよ」
松岡さん
「引っ越してまたいろんなものが出てきて映画グッズとか」
さとりさん
「なんか好きだといっぱい買っちゃうでしょ。だから同じものがいっぱい出てくるんです。気づいたら『グーニーズ』とあとは『ウエストサイド物語』(1961年)のDVDを2、3本見つけたりするんです。ありますよね?そういうの」
松岡さん
「買うのもありますけど、借りたこともありますよね。さとりさんといえばTSUTAYAですね。店内放送で」
さとりさん
「TSUTAYAでやってました。今はもう店内放送はなくなってしまったんですけど。実はあれは私がトークの原稿を書いてるんです。でも私のこういうフリートークじゃなくて、かっこよく喋ってくださいって言われて、書いた原稿をナレーション口調で喋っているという」
松岡さん
「なるほど。いつものこういう喋りじゃないですからね。懐かしいけど、今店舗が減っていますね」
さとりさん
「まだ何店舗かありますが、店内放送はなくなってしまいましたね」
松岡さん
「映画館で観て、また見直したり、買ったり。そんな時代もありました。コロナ禍になって海外からゲストが来ることも少なくなって」
さとりさん
「来日のときは記者会見とか、舞台挨拶とかをやっていました。コロナ前の最後が『パラサイト 半地下の家族』だったんですよ」
松岡さん
「そうですか。ポン・ジュノ監督」
さとりさん
「そう。それが2020年の3月だったんですよ。そこから緊急事態宣言で映画館が休館になったり、来日がストップしたりしたんですよ。それが少しずつ戻ってきて、ドーンと派手なのが戻って来た!っていうのが『トップガン マーヴェリック』ですね。作品賞もノミネートされました」
松岡さん
「もしかしたらね。もしかして『トップガン マーヴェリック』が受賞するかもですよね。いろんな記者会見が東京でありますが、我々のようにローカルから行くときにいつもさとりさんが記者会見の司会をしていて、そこで知り合ったというか、お友達になって早20年ぐらい経つんですね。『フェイブルマンズ』はスピルバーグ監督」
さとりさん
「はい。スピルバーグの来日は、『宇宙戦争』の時は司会じゃなかったので会見場に見に行きました。先輩の襟川クロさんが司会されていて。私の人生を変えているスピルバーグだと思って見てましたよ。『激突』とか『JAWS』とか、『未知との遭遇』、そして『E.T.』 。 これらは特に私の幼心を刺激した作品です」
松岡さん
「70年から80年代ね」
さとりさん
「だからこの『フェイブルマンズ』を観ると「これ『激突』じゃん!」って冒頭のところで興奮したり、とか。『1941』とか『プライベート・ライアン』もあれがベースで生まれているんだなとか、兄妹関係を見ると『E.T.』 を思い出したりね。『E.T.』 を観るとシングルマザーの家庭になってるじゃないですか。ああこの関係だからねとか、スピルバーグの作品たちがどうやって生まれたのか私達が予測できるのも楽しいですよね」
松岡さん
「妹たちを使って映画を撮るところがすごい好きですよ。やっぱり『E.T.』 をちょっと彷彿させましたよね。もちろん脚色もされているとは思うんですけれども、さとりさんはお母さんでもあるわけでどうですか?ミシェル・ウイリアムズは。今回主演女優賞でノミネートされてますね。主演なんですね。お母さん目線で観るとどうですか?」
さとりさん
「私はこれを見たときに、コラムにもちらっと書きましたけど、スピルバーグの映画愛というよりはスピルバーグが生きるために必要だったのが映画だったという物語のような気がしたんですよ。そこには彼が生きるための喜びを教えてくれたお母さんがいて、お父さんとお母さんの関係も影響している。私が何よりもスピルバーグがすごいと思ったのは脚色もあるでしょうけど、大事なシーンを編集でカットするじゃないですか。あれはなかなかスピルバーグじゃないと思いつかないよねって、本当に見たくないものは見ないという視点を、編集によってフィルムを切るという行動になるわけじゃないですか」
松岡さん
「真実が映っているとかそういうことはスピルバーグすごいなと思って見ていました」
さとりさん
「そうなんですよ。だから生きる喜びって勉強だけじゃないんだよねと。人それぞれの幸せだったり、人それぞれに必要なものが違うんだよねと。スピルバーグもこの歳になっていろいろと理解しているからこういう映画を作ったんじゃないかなって思ったんですよ。だってお母さんのことを全然責めてないじゃないですか」
松岡さん
「今までいろいろ言われていて。お父さんいなかったとか出ていっちゃったと聞いていたんですね。だけどずっと結局寄り添ってましたね」
さとりさん
「こうやって8ミリのカメラを手にして武器みたいに持っていくんだなと。この映画は特に映画を作っている監督とかプロデューサーがめちゃめちゃ好きなんですよ。だから、アカデミー賞って俳優さんとかプロデューサーさんとかそういう人たちが審査員だから、結構いけるかなと思ったんですね」
松岡さん
「そうです。仲間が投票しますね」
さとりさん
「日本のアカデミー賞もそうじゃないですか。製作の人たちが入っているから、仲間の人たちが与える賞だから、私の予想は、監督賞では、スピルバーグが3度目の受賞になるかなと。『シンドラーのリスト』で獲って『プライベート・ライアン』があり、1998年以来、久々に。『ウエストサイド・ストーリー』では作品賞も監督賞も受賞しなかったし」
松岡さん
「『ウエストサイズ・ストーリー』はちょっと難しいかなと思いましたけどね。監督賞はやっぱり私もそうなんですよ。これは絶対スピルバーグさんに。私は会員でも何でもないですけど」
さとりさん
「いや、私 『エブエブ』が大好きなので。おもしろい才能の発掘と言ったらダニエルズ(ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート)だからね、二人の監督ですよ。この監督たちも注目しているけれども、やっぱり今回はスティーブン・スピルバーグじゃないかなって気がするんですよね」
松岡さん
「『エブエブ』はちょっとね、分かれるね。なぜか」
さとりさん
「それね、日本全国津々浦々、そうらしいです。『エブエブ』は監督が「僕はADHDだった」と公表しているんですが、いろんなものに興味があって、いろんな想像力を持っていることを自分自身もそうだし、ミシェル・ヨー演じる主人公にも投影しているから、あのパラレルワールドってそういう見方もできるわけですよね。現実逃避の妄想から入るというやり方をSFにしたってすごい。よくあんなもの作ったなと」
松岡さん
「パパッと映像が変わっていきますね。私は試写と映画館で2回見てるんですけど、最後はみんな泣いてましたよ」
さとりさん
「私も号泣でしたね」
松岡さん
「親子の話でもあるので、「これは私とお母さんの話じゃんと」なかなかお互いに近いのに伝わらない、言いたいのにって。ものすごくいい映画だと思います。1回目はね、実はちょっとわからなかったんです」
さとりさん
「あのパラレルワールドのスピード感で」
松岡さん
「スピード感がちょっとついていけなかったです。なぜかというと我々はオンライン試写というので観るんですが、画面が小さいんですよ」
さとりさん
「試写室で観る方法の他に家でオンラインで見れる方法もコロナ禍になって出来たんです」
松岡さん
「そうなんです、そうなんです。あれはね、大きい画面じゃないと駄目!」
さとりさん
「私はミシェル・ヨーがずっと好きだったんです、1980年代、香港アクション映画で育った身です。私はもう本当にユン・ピョウが好きすぎて、ユン・ピョウのアクションを観たくて香港映画を楽しみにしていた感じだったんです。ミシェル・ヨーはサモ・ハン・キンポー、ジャッキー・チェンの『七福星』にも出演しているわけですよ。だからアクションの香港の女優さんだと80年代当時は思っていて、007の『トゥモロー・ネバー・ダイ』で来日したときも大興奮で見ましたよ。あのときもまだ若造で、司会できなかったので会いに行っちゃいました。そのミシェル・ヨーが世界各国のいろんな映画、イギリス映画、アメリカ映画に出るようになっていって。そして『エブエブ』ですよ。ジャッキー・チェン主演という話もあったけれどミシェル・ヨーで正解!」
松岡さん
「(笑)。ジャッキー・チェンのも観たいとは思ったけど、でもミシェル・ヨーですよね。じゃなかったら多分作品賞まではいってないです」
さとりさん
「私もそう思っています。今年はアカデミー賞主演女優賞初のアジア系の女性として名を載せるのはミシェル・ヨーしかダメ!こんなに世界に貢献しているんですよ」
松岡さん
「そうですよね。ミシェル・ヨーって今60歳くらいですか?」
さとりさん
「そうそう。トム・クルーズと同い年ですから。すごいかっこいいですよね」
松岡さん
「かっこいいというか、普通のおばちゃんなんだけどっていうところも良いよね」
さとりさん
「あとやっぱりこの『エブエブ』が、私は作品賞も獲ると思っているんですけど、理由はやっぱり今、必要なテーマ、LGBTQ+とかクィアとかの映画ということにもアカデミー賞はすごく力を入れているじゃないですか。『エブエブ』 を観るとわかると思うんです。そういったテーマもあって、移民の問題もあるんですよ」
松岡さん
「うん、全部入ってる」
さとりさん
「アカデミー賞にぴったりじゃない。そこにアジアの俳優たちが活躍して。キー・ホイ・クァンですよ。復活劇もあって感動のオンパレード」
松岡さん
「『インディ・ジョーンズ2』の子どもですよ。少年ですよね。『エブエブ』では主人公の旦那さん役」
さとりさん
「そう。私が中学2年だった時に『グーニーズ』が初めて日本で公開されて。その頃からオタクだったので、当時東京では、帝国ホテルか東京プリンスホテルに行けば会えるというのが雑誌「スクリーン」に書いてあって」
松岡さん
「なるほど。皆さん泊まるからね」
さとりさん
「ヤマを張って帝国ホテルで制服を着て待っていたら、本当に『グーニーズ』の一行がやってきたんです。それで、挨拶しに行ったら、彼らも同い年ですよ。向こうも親子連れで来ていたから、お母さんたちが「カモン!」って言って部屋まで連れていってくれて。本当にこれ本当の話ですよ。スイートルームのみんなの部屋でクッキーと紅茶をご馳走になって」
松岡さん
「まだ映画業界に入ってないですよね?」
さとりさん
「だって中学生です(笑)。それで私はキー・ホイ・クァンのお友達のジェフ・コーエンという『グーニーズ』のちょっとぽっちゃりしてるチャンク役だった子が好きで、その子と文通を始めたんです」
松岡さん
「文通?!いいですね」
さとりさん
「そうしたら『エブエブ』の感動秘話なんですが、キー・ホイ・クァンのキャスティングに一役買っているのが、そのジェフ・コーエンなんですよ。今ジェフ・コーエンは弁護士をやっているんですが、エージェントとして一役買っている。感動的ですよ、『グーニーズ』」
松岡さん
「仲間たちがキー・ホイ・クァンを推したということですね。しかも、復活ですからね。一度引退していたんですよね」
さとりさん
「ジャッキー・チェンが好きだから武術の勉強をして、なかなか俳優では食っていけないから武術指導の方の仕事をしていたわけですね。ここでまた素晴らしいアクションを見せてくれるじゃないですか」
松岡さん
「すごいかっこいいですよね。普通の弱気なお父さんが変わるんですよね、このスイッチングも素晴らしいです」
さとりさん
「『エブエブ』はオスカーを獲る本命と言われております」
松岡さん
「私たちの予想ですけど、作品賞が全く一緒ですね『エブエブ』 。監督賞がスティーブン・スピルバーグ」
さとりさん
「でも、もしかしたら大穴で『トップガン マーヴェリック』がきたら面白いんじゃなかろうかと」
松岡さん
「トム・クルーズって、賞はあまり関係ないでしょう」
さとりさん
「アカデミー賞無冠の男ですから。でもプロデュースで入っているので、作品賞でプロデューサーとして」
松岡さん
「なるほど。オスカーを持つ可能性もなきにしもあらずですよ。それはちょっと見たいですね」
さとりさん
「面白いですよね。と言っておきながら『イニシェリン島の精霊』が獲ったら」
松岡さん
「それはそれで嬉しいけど。困りますね。でも、トム様が映画館にお客様を戻してくれたって思ってますよ」
さとりさん
「ただアカデミー賞ってザ・エンターテイメントは賞が行かないですよね。だから去年の『コーダ あいのうた』も「コーダ?!」ってみんな驚いたわけですよね。ただ『コーダ あいのうた』に関しては、やっぱり聴覚障害というのもテーマになっているからそれは納得ですと思うんです。『トップガン マーヴェリック』は戦闘機だったりするので、そこがどう反映するかですよね。今のご時世から考えると。だけど作品賞にノミネートされているんです。他の映画賞には入っていないのに。だからどっちに転ぶか分からないんですよ」
松岡さん
「今回来日した時も「また来るよ」と言ってましたよね」
さとりさん
「言ってますよ。『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』で」
松岡さん
「あの人本当に多いですよね、十何回か来てますよ。ローカルの私でさえ6回ぐらいインタビューしていますからね。今回も素敵でしたか?」
さとりさん
「そうですね。今回は今まで以上に熱量が高くて。やっぱり思い入れが強いから。あとプロデューサー的な立ち回りもあるから。お喋りもロングトーク(笑)」
松岡さん
「(観客へ)『トップガン マーヴェリック』は皆さんも観に行かれましたか?」
さとりさん
「あれ感動しました。4DXに大興奮ですよ。私4回行ってるんです。日本語吹き替え版も行っちゃったりして。4DXはコックピットに乗っている気になるんですよ。3面だったから。ここに操縦桿があったら最高じゃないかと。これ樋口真嗣監督と飲んだ時に同じことを言ってました」
松岡さん
「(笑)。樋口監督もめちゃめちゃ好きですよね。では主演男優賞にいきましょうか。私は『イニシェリン島の精霊』のコリン・ファレルを入れたい」
さとりさん
「そのこころは?」
松岡さん
「その前の作品も良かったんですけど、今までコリンも賞に恵まれてなくて、今回やっとあの人の実力を発揮したかなって。そんなことも思ったりとか、作品自体がやっぱり好きなのもあるんですけれども、急にずっと仲良かった人に、「今日から絶交だ」って言われて「何で?」と反応したあの情けない顔が、私もそうやって言われたら同じようになると思うんですけど、あのときの顔が本当にうまいなと思って。今回あげたいと思ったんですよ」
さとりさん
「主演男優賞は下馬評だとコリン・ファレルと『ザ・ホエール』のブレンダン・フレイザーのこのツートップの戦いと一応言われていますね。『ザ・ホエール』はまだ皆さん観てないと思うんですが(4月7日公開)、270キロ以上の男の人が死期が近いと知った上で絶縁状態の娘と向き合う物語なんですけど、ダーレン・アロノフスキー監督がさすがのカメラワークで見せるんですよ。体が動かないとしたら、カメラってどうすると思います?カメラを回すんですよ、本人の周りを。だからバストアップが多い!」
松岡さん
「ポスターとかチラシもそこしかないですよね」
さとりさん
「見ると分かると思うんですけど、人間って確かに体や行動で表現できないと、トゥーマッチなトークを展開するなと。言葉で一生懸命伝える言い回しがたくさん出てくるんですけど、声のトーンにも感情が絶妙に入っているんです」
松岡さん
「ブレンダンはどっちかっていうと、エンターテイメントな人だったですよね、冒険劇とか『ハムナプトラ』とか。そういったところの方がこんなに演技うまいんだってすごい思って」
さとりさん
「コリン・ファレルはやんちゃをしたから一時期ちょっと仕事がなくて、それで一生懸命頑張って復活劇に今なっているじゃないですか。ブレンダン・フレイザーも違う形で、性被害に自分があったということや精神的にはいろんな経験をして、なかなか仕事に復帰できない状態だったんですよ。2人ともそうなんです。私はアカデミー賞ではそういう理由でブレンダン・フレイザーと思っているんですよ」
松岡さん
「なるほどそうかそうか」
さとりさん
「ハリウッドに戻っておいでというのもあって、主演男優賞を獲るんじゃないかなっていう。だからこの2人の下馬評が高い。仲間たちが賞をプレゼントする賞なので」
松岡さん
「いろんなドラマが今までもありましたね。そうだそうだ。なのでちょっと明日はそれを皆さんに見守っていただいて。助演女優とかもね『エブエブ』の私はジェイミー・リー・カーティスがいいな」
さとりさん
「でも。アカデミー賞だから今回はもしかしたら『ワカンダ・フォーエバー』のアンジェラ・バセットかもしれないですよ」
松岡さん
「『ワカンダ・フォーエバー』はこういった映画がノミネートされる時代になったんですよね」
さとりさん
「2024年からどんどんアカデミー賞は審査方法の基準も変わるんですね。それは肌の色の違う人とか、女性を増やすとか、障がいを持っている人もスタッフに入れることなど基準に合った作品をノミネーションさせますみたいなことを考えているわけです。そういうところを加味すると、やっぱり白すぎる受賞結果はいけないんですよね。アカデミー賞は」
松岡さん
「そうすると、『ブラック・パンサー』にも出ているアンジェラかもなとも思いますね。わからないですね、わからないですねえ。明日が楽しみです。日本時間の朝早い時間から。7時半ぐらいからレッドカーペットで。私はいつもお茶とかも全部持って。9時ぐらいから絶対もう家から出られないですね。ダイジェストは後からやるんですけど駄目なんです」
さとりさん
「今YouTube でも見られるんですよ。今回は『RRR』が歌曲賞を獲りますね。アメリカですごい人気です。日本ではもちろん人気ですけど。私『バーフバリ』が大好きだったので、配給会社にいつ見れるんですかって何度も聞いてめっちゃ早く観ちゃったんですね。嬉しさもあってTBS「ひるおび」 でのインド映画を紹介するときにどこの局よりも早く紹介したんです。語りたかったのにあの時は「へぇ~」みたいな感じで。公開されてから話題になって良かったです」
松岡さん
「わたしも10月にシネマコレクションでやったんです。そのときはちょっとお客さんが少なかったんですけど、増えてきて嬉しいです」
さとりさん
「そうなんですよ。ラージャマウリ監督とラーム・チャランさんとN.T.R Jr. さんという俳優2人と監督が来日して、司会したんですけど、フレンドリーで優しかったですよ」
松岡さん
「チャンスがあったら本当に 『RRR』 は見ていただきたいなと思います」
さとりさん
「明日は俳優二人はダンスしないとか言ってますけど、私はすると信じているんです。曲がかかったら本人たちがちょっと立ってやってくれるんじゃないかという期待だけしています!」
トークショーの最後には映画グッズや伊藤さとりさんの著者『映画セリフ本「愛の告白100選」』があたる抽選会も行われた。
2人のアカデミー賞予想
さとりさん予想 | 松岡さん予想 | |
作品賞 | 『エブエブ』 | 『エブエブ』 |
監督賞 | スティーブン・スピルバーグ | スティーブン・スピルバーグ |
主演男優賞 | ブレンダン・フレイザー | コリン・ファレル |
主演女優賞 | ミシェル・ヨー | ミシェル・ヨー |
実際の結果(トークで出てきた部門のみ)
作品賞 | 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』 |
監督賞 | ダニエルズ |
主演男優賞 | ブレンダン・フレイザー |
主演女優賞 | ミシェル・ヨー |
助演男優賞 | キー・ホイ・クァン |
助演女優賞 | ジェイミー・リー・カーティス |
歌曲賞 | 『RRR』 |
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