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映画『侍タイムスリッパー』名古屋公開記念舞台挨拶レポート

映画『侍タイムスリッパー』の公開記念舞台挨拶が9月16日、名古屋センチュリーシネマ、名古屋ミッドランドスクエアシネマで安田淳一監督、助監督・山本優子役の沙倉ゆうのさんを迎えて開催された。ミッドランドスクエアシネマでの舞台挨拶の様子を一部お届けする。

映画『侍タイムスリッパー』安田淳一監督、沙倉ゆうのさんインタビューはこちらから

沙倉ゆうのさん(以後 沙倉さん)
「皆さんこんにちは。『侍タイムスリッパー』をご覧いただきありがとうございました。 助監督、山本優子役の沙倉ゆうのです。今日は短い時間ですが、よろしくお願いします」

安田淳一監督(以後 安田監督)
「本日は『侍タイムスリッパー』をご覧いただき本当にありがとうございます。京都で映画とお米を作っております安田淳一と言います。どうぞよろしくお願いいたします」

Q.ファンの方が1日に何千人と増えてきますよね。上映館もどんどん増えています。

安田監督
「今は122館で上映されると伺っているんですけども。ついちょうど1ヶ月前に池袋シネマ・ロサで始めた時は本当に1館のみからスタートしたので、ちょっとこの今の状況にポカンとしている感じで、何がなんだかわからない。「ホップ、ステップ、宇宙」みたいな感じで、一人歩きというよりも、なんかもう一人でポッポッと歩いてから、そのままジェット風車でバーっといった感じで、本当に僕たちはポカンとしている感じなんですよ」

安田淳一監督

安田淳一監督

Q.監督は『拳銃と目玉焼き』が第一作目、『ごはん』が二作目。沙倉さんがどちらも出ておられて、そして三作目いきなり自主映画で時代劇。

安田監督
「もうやってしまいました(笑)。初めにプロットを思いついた時に、時代劇のコンペに応募しようということで企画を出したんです。タイムスリップした侍が着地したところが時代劇の撮影所で、そこで斬られ役になっていくというプロットがすごく面白くて、30分ぐらいでこの原型ができて、それをコンペに出したら、最終選考5作品に残りました。最終選考で僕は持ち時間7分のうち5分も自己紹介をしてしまいまして。2分でどう考えても説明できずに、そのコンペでは簡単に落選しまして。ただ、これはすごい面白いから、これを他の人に思いつかれてとられたら、すごく悔しい。やろうかなと、なんとか右往左往しながら作ったのがこの『侍タイムスリッパー』なんです」

Q.京都の撮影所の方たちが協力してくださったんですよね。

安田監督
「ありがたかったです、本当に。コンペからしばらく経ってから、小さな部屋に集まって。衣装さんとか、美術部とか、いろんなプロが集まってくださいました。「安田さん。これ自主映画で撮るの?普通なら大反対するんやけど、本がおもろいからわしらもなんとかしてあげたいと思ってんのや」と言ってくださって。無料ではもちろんないですが、ものすごく良心的な価格でやってくださいました。東映さんがすごく人情を見せてくれまして、なんとか出来上がったんです」

Q.今回スタッフは10人、11人ぐらいだと伺いました。

沙倉さん
「そうですね。約10人ぐらいですが、そのうち普段撮影をしている、仕事をしている人は半分ぐらいしかいなくて。その後の半分は本当に素人というか、 今までやったことがない方たちが手伝って、東映京都撮影所という撮影のプロの方たちがいっぱいいるところで撮影をしていました」

沙倉ゆうのさん

沙倉ゆうのさん

Q.つまり5人のスタッフ、そして5人のお手伝いで映画を作ったということですね。

沙倉さん
「その中には私の母もいました(笑)」

Q.沙倉さんは助監督の役じゃないですか。エンドロール見るとわかりますが、この映画の助監督もされたと伺いました。

沙倉さん
「そうなんです。1番初めにこの『侍タイムスリッパー』ができた時に、 助監督役というのは決まっていたんですね。なので、助監督をしながら本当の助監督の仕事もやったら面白いんじゃないかという軽いノリで始まったんですよ。なのに本当に10人しかスタッフがいないので、私が本格的に助監督と時代劇の小道具担当と、制作担当をしないと本当に回らなくて、毎日毎日が慌ただしかったです」

安田監督
「撮影が終わってからお借りした部屋で、ゆうのさんとお母さんが100本ある刀の鞘や、傷んだ刀身を替えたりとか、翌日使う刀を揃えてもらったりとかして、1、2時間ぐらい残業して、2時間ぐらいかかってまた家に帰って、翌朝6時集合。ほとんど寝ずにやってくるみたいなことをずっとやってくれていました。本当にありがとうございました」

沙倉さん
「でもそれより、私は今は東映京都の俳優部に所属していて、本当に新人なんです。 なので、その先輩たちに刀を持っていったりとか、草履を渡したりするので、先輩たちは何が何というのを全部わかっていますが、私はそこまでの知識がなかったので、すごく緊張しました。間違えたらいけないと思いながらいつも持っていって」

Q.沙倉さん、ヒロインですよね?(笑)。そして斬られ役の皆さんの立ち回りも本当にすばらしいです。

安田監督
「前半の劇中劇のテレビ時代劇は、いわゆる東映のテレビ時代劇と同じ撮り方で、一連の殺陣を作っていただいて、それを長回しで撮るということをやっていました。殺陣師の方もプロですし、斬られ役の皆さんも東映剣会の皆さんもプロですから、大体、20手30手の1分以内の殺陣は自分達で、30分ぐらいでさっと作って覚えるんです。そのあとで「はい、撮影どうぞ」という感じなので、すごくスピーディーにやれました。「ここのお侍さんと位置を変えてもらえますか?」と言ったら、すぐ位置を変えて、殺陣も変わるわけですが、その場で調整してすぐ撮影に入れました。あれこそプロの仕事やなと思います。ラストの殺陣だけはテレビ時代劇の撮り方ではなく、従来の映画の立ち回りの撮り方で、しっかりカットを区切って、迫力ある撮り方をするというところで区別して撮影していました」

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Q.沙倉さんも全然使えなかったですが、実は殺陣を習ったと。

沙倉さん
「習いました。この通常版ではありませんが、デラックス版には立ち回りがあるんです。今のところ全国で1館(チネ・チッタ川崎)だけ上映しています。台本の段階でもそのシーンは組み込まれいたんですね。監督も書きながらこれは絶対本筋にないから、多分カットやろうなと思っていたみたいですが、撮りたいからと言って、鳥取砂丘とか中之島中央公会堂とかを借りて撮影したんです。編集した段階で2時間40分あったので、パサっと1番に切られてしまって。1回だけ京都の上映会で上映してもらったんですが、その時すごい好評だったので、絶対に入れてとお願いしたんですけど、やっぱりダメでした」

安田監督
「あそこのシーンだけ、新左衛門の話ではなくて、優子の話になってしまうんですよ。5分間あります。しかもちょっと落とすにはもったいないシーンなんです。優子の妄想の世界で、いろんな役で立ち回りするんです。面白いから撮りたいと思って撮ったんですが、中央公会堂のシーンはちょっと不具合があったので、落とすとわかっているのに撮り直しとかやっていたり。めちゃくちゃですわ(笑)」

Q.監督は監督、カメラマンを含めいくつも担当があったので、話をしている途中でいなくなったりしたとか。

沙倉さん
「監督の時とカメラマンの時があるので、俳優さんとお芝居について話していても、なんかちょっとしたことでカメラマンになってしまって。演技の話をしているのに振り切って、カメラの構図とかを変えたりするんですよ。山口馬木也さんと冨家ノリマサさんはちょっと怒っていました(笑)」

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安田監督
「山口さんと冨家さんが、この本に入れ込むあまりよく撮影を止めるんです。プロデューサー的立場からすると1時間3万円で場所を借りているので、何分止まるんだろうと気になってしまって。あの時は喧嘩口調で話したりもしていましたが、今思うと笑いながら話せるから、あれは本当にこの作品をよくしようと思って、その方向性でみんな建設的に喧嘩していたんだなと」

この後、観客からの質疑応答、フォトセッションが開催された。

Q.では最後に一言お願いいたします。

沙倉さん
「先週の13日の金曜日から『侍タイムスリッパー』が全国で観ていただけるようになりました。 本当に世界中、日本中の皆さんに楽しんでもらいたくて、7年かけて作った作品です。 ぜひ、みんなの映画になるように応援していただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。今日はありがとうございました」

安田監督
「今日が敬老の日だから言うわけではないんですが、もし僕ら世代の方がいらしていて、お父さん、お母さんがご健在だったら、もしよかったら誘って楽しんでいただければと思います。多分、昔の雰囲気を味わってもらえて、すごく親孝行になると思うんです。自分は親父が去年死んだものですから、今日この日を見せられませんでした。よかったらそういう風に親孝行のネタに使っていただけたらすごく嬉しく思います。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました」

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舞台挨拶終了後、劇場出口で安田監督、沙倉さんが観客一人一人を見送った。

映画『侍タイムスリッパー』https://www.samutai.net/ は現在全国公開中。

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