
EntaMirage! Entertainment Movie 岐阜推し!
11歳の少女の視点から大人を見つめる。岐阜市でも撮影された映画『ルノワール』
『PLAN 75』で高齢化社会が深刻化した近い将来の日本を舞台に、75歳以上の国民に生死の選択を迫る衝撃的な物語を描き、同年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門カメラドール特別賞を受賞、アカデミー賞日本代表としても選出されるなど、新たな才能として世界中の注目を集めた早川千絵監督の3年ぶりの新作『ルノワール』がカンヌ国際映画祭コンペティション部門での上映を経て、6月20日(金)から公開される。
あらすじ
1980年代のある夏。11歳のフキは、両親と3人暮らし。父の圭司は闘病中のため入退院を繰り返し、母の詩子は家事と仕事に追われる日々。そんなふたりのもとで、フキは得意の想像力を膨らませながら、自由気ままな日々を過ごしていた。多忙な母に代わって父の病院に通うフキは、いつしか病院で過ごすことが日課となっていた。
フキは様々な場所で、大人たちの世界を垣間見る。
圭司は、治療の一環として大金をつぎ込み、フキと気功道場に通い始めるが、それを知った詩子はこれまで溜めていた怒りを爆発させてしまう。夫婦間の大きな溝が生まれ、フキの日常は否応なしに揺らいでいく。

© 2025「RENOIR」製作委員会 / International Partners
こどもはいつから大人に向かっていくのか
こどもは大人の会話や動きをよく見ているものだ。
大人は何でも出来るし、強いと思っていたのが、自分が大きくなるにつれてそうではないことを知る。
大人の階段をのぼると歌う歌もあるが、この映画の主人公・11歳の少女フキはまさにその階段を登りはじめたところだ。不完全で、建前と本音が違う矛盾だらけの大人の世界を垣間見ながら、子どもながらの自由な発想と行動力を持ち、様々な経験をしていく中で大人の心の痛みに触れていく。
多数の候補者の中からオーディションで主演に大抜擢されたのは、撮影当時、役と同じ11歳だった鈴木唯。夏休みに撮影されたこの作品の中で、大人を見つめるまっすぐな目、マイペースな行動、ふと見せる寂しげな表情を見せるフキを体現しながら過ごした。誰よりも自然な演技で、そこに佇んでいる。多忙な中で心の余裕をなくしていくフキの母・詩子役を演じるのは、名作『ふたり』で鮮烈な映画デビューを飾り、これまで数々の映画賞を受賞してきた石田ひかり。自分なりの方法で娘を思いやりながら孤独に病と向き合う父・圭司役は、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールに輝いた『万引き家族』で主演を務めるなど、日本映画界に欠かせない名優リリー・フランキー。またフキが出会う大人たちとして昨年東京国際映画祭で東京グランプリをはじめ三冠を獲得した『敵』の中島歩、『ナミビアの砂漠』『あんのこと』など話題作に主演し、第48回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞に輝いた河合優実、ドラマ「ライオンの隠れ家」での演技が高く評価され、映画・ドラマで大ブレイク中の若手実力派、坂東龍汰が出演している。

© 2025「RENOIR」製作委員会 / International Partners
昭和の香りが残る岐阜市で撮影
撮影は昨年の夏に行われた。1980年代の風景を撮る場所には、大きな川と広い道があり、現代的な建物が少なく、後から合成で消すものが少ないという利点から岐阜県岐阜市で病院、小学校、マンション、街並みなどの撮影が行われた。岐阜市は撮影監督を務めた浦田秀穂が育ったまちで、フィルムコミッションとの繋がりもあり、撮影地に決まったという。
橋の一部を封鎖しての撮影、移転したみどり病院の旧病棟、笠松競馬場を貸し切って撮影が行われた。特にみどり病院は駐車場に大型照明機器を入れての撮影や、昭和の缶しか並んでいない自販機などの小道具も運び込み、1980年代の病院が再現されている。地元の人々の協力もある中で、誰もが懐かしく思う風景が撮影された。
死への好奇心、超能力やおまじないを信じる気持ち、子どもながらの敏感な心、予想外の行動力。
11歳の少女の視点と少女に関わる大人の視点の両方を観て、自身の小さい頃を思い出しながら、今の自分を省みるという不思議な時間だった。
小さなころのキラキラした時間、自由に空想にふける時間は年を重ねてルールの中で生きてきた間にいつのまにか忘れていた時間だ。
これは大人になった自分のための、あの日を思い出す夏の物語。
長良川河畔、笠松競馬場の場内の風景、小学校の体育館、マンション。フキの見た風景は自分が小さな頃に見た風景と重なり、自身の忘れていた思い出がたくさん湧きあがってきた。
岐阜市近郊の人にとっては特に懐かしさを感じられる作品になるだろう。
映画『ルノワール』 https://happinet-phantom.com/renoir/ は6月20日(金)より新宿ピカデリー他で全国公開。
東海三県ではミッドランドスクエアシネマ、伏見ミリオン座、109シネマズ(名古屋、四日市、明和)、イオンシネマ(大高、ワンダー、岡崎、豊田KiTARA、長久手、各務原、津南、鈴鹿)、ユナイテッド・シネマ(豊橋18、岡崎、稲沢、阿久比)、コロナシネマワールド(ららぽーと安城、小牧、大垣)、ミッドランドシネマ名古屋空港、MOVIX三好
7月6日(日)~7月7日(月)日本語字幕版上映実施。上映館は公式サイト参照。
映画『ルノワール』名古屋の人気洋菓子店・カフェでのタイアップ決定!
公開を記念して『ルノワール』とコラボレーションし、子どもと大人の淡い境目をたゆたう少女、主人公・フキをイメージしたオリジナル商品の発売が決定、6 月13日(金)より順次販売される。
名古屋・高岳に本店を構える人気洋菓子店slowと名古屋・大須の人気店がプロデュースする松坂屋名古屋店本館8Fアートフロアのカフェuniqueがコラボに参加する。また松坂屋名古屋店南館2F KiKiYOCOCHOでは、劇中のシーンを切り取ったパネル展の開催を予定している。
映画『ルノワール』公開記念・slow タイアップ メニュー
【RENOIR のショートケーキ】800 円(税込)※イートインのみ
【RENOIR のガレット】2 個入り×3 セット 1,550 円(税込)
販売期間:6 月 13 日(金)~ なくなり次第終了
場所:slow 本店(名古屋市東区泉 3 丁目 30-5) ほか
取扱店【RENOIR のショートケーキ】:
本店・いりなか店・at the table slow
取扱店【RENOIR のガレット】:本店・いりなか店・焼菓子店・at the table slow・slow Online Shop https://slowonline.base.shop/

slow【RENOIRのショートケーキ】
映画『ルノワール』公開記念・unique タイアップメニュー
【ルノワール・プリン】1,500 円(税込)
【ルノワール・スカッシュ】950 円(税込)
販売期間:6 月 18 日(水)~ 7 月 31 日(木)
※【ルノワール・プリン】は7月2日(水)まで
場所:unique(名古屋市中区栄3丁目16-1 松坂屋名古屋店本館8F)
◆6 月 18 日(水)~6 月 22 日(日)にuniqueでタイアップメニューを含む 3,000 円(税込)以上をお買い上げのお客様に抽選で10名様に映画『ルノワール』伏見ミリオン座鑑賞券をプレゼント

unique【ルノワール・スカッシュ】
『ルノワール』
キャスト:鈴木唯
石田ひかり 中島歩 河合優実 坂東龍汰 / リリー・フランキー
Hana Hope 高梨琴乃 西原亜希 谷川昭一朗 宮下今日子 中村恩恵
監督・脚本:早川千絵
企画・制作:ローデッド・フィルムズ 制作協力プロダクション:キリシマ 1945
製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
© 2025「RENOIR」製作委員会 / International Partners
製作年:2025 年/製作国:日本、フランス、シンガポール、フィリピン、インドネシア、カタール/上映時間:122 分
クリーンサイズ:ヨーロピアンビスタ/音声:5.1ch/言語:日本語、英語/英題:RENOIR/映倫:G
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