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松岡ひとみのシネマコレクション 映画『愛にイナズマ』ゲスト:石井裕也監督 レポート

松岡ひとみのシネマコレクション Vol.51 映画『愛にイナズマ』が11月4日ミッドランドスクエアシネマ2で開催された。ゲストは石井裕也監督。『愛にイナズマ』の石井監督の地方でのトークイベントは最初で最後。石井監督が制作秘話を語った。

ロケ地は自分が馴染みある場所から

現在映画『月』も上映中の石井監督。『愛にイナズマ』は『月』の撮影に入る前の短期間で撮影したという。脚本だけの準備だけでなく撮影場所もすぐ決めなければならなかったのでは?という質問には「そうなんです。だからロケ地はいつも飲みに行っているバーや、以前ロケで使用させていただいたところを使いました」とコメント。益岡徹さん演じる則夫の海鮮料理店について聞かれると、「フェリーに乗って千葉の方まで行って、そこでたまたま食べたアジフライがすごく美味しくて。あそこの人だったら撮影させてくれるんじゃないかなと思ってお願いしました」と自分が実際に訪れたことのある場所に撮影をお願いしたことを明かした。

石井裕也監督

石井裕也監督

佐藤浩市さんの存在が家族を作る

また演技派の役者が揃って芝居をしているシーンについては「今回あのアンサンブルがうまくいったのは、やっぱり浩市さんの存在です。日本で1番の俳優ですから。浩市さんが、若手たちに懐に入ってきていいよというメッセージを出しながら、みんなでそこに向かっていった。そこにはすごく強い敬意がお互いにありました。俳優のエゴイズムとか、自分が目立ちたいとか、負けてられないという気持ちはあったでしょうが、その敬意と、 あとはとてつもない才能です。能力があったことが全然違う何かを生みました」と語った。

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AIチャットとの経験から

脇役に至るまで演技派が揃う本作。松岡ひとみさんから、朝の連続テレビドラマ小説「ブギウギ」でお馴染みの趣里さんが演じた携帯ショップの女はAIをイメージした?と問われると、「インターネット上の操作でどこか1個ボタンを押してしまったんでしょうね。その瞬間に電話番号が消えました。こちらが何を言っても全くの無駄です。「もうこの電話番号は取り戻せません」の一点張りです。相手はAIのチャットですから」と自身が携帯会社を変更したときのAIチャットとのやり取りがモチーフになっていることを明かした。その上で「これはルールなのでとか、そういう風になっているのでと言われた瞬間に、もうこっちにどんな気持ちと思いがあっても、全く歯が立たないという、これは現代社会のある一面を象徴しているんじゃないかなと思います」と自身の思いも語った。

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多幸感に満ちた『愛にイナズマ』の現場

観客から「監督をするにあたってのモチベーションや、今まで監督をしてきた中ですごく嬉しかったことを教えて欲しい」と問われ、「性格の問題だと思うんですが、嬉しいことというのは、基本的にあまりないです。でも今回の親子喧嘩シーンは、今までたくさん辛い気分を味わってきた自分へのご褒美だと思ったぐらい、面白かったです。現場で多幸感に満ちたのは初めてかもしれないですね。それぐらいやっぱり俳優の芝居が凄かった。特別な才能をもらった5人が本気でバカをやっているんですよ。それはやっぱりすごいものを見ちゃったなと思いました。嬉しかったです」と笑顔で答えていた。

トークイベントではポスターが当たる抽選会も行われ、上映後のサイン会では石井監督が観客と交流する時間も設けられた。

『愛にイナズマ』https://ainiinazuma.jp/ は現在ミッドランドスクエアシネマ2他で公開中。

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