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EntaMirage! Movie 岐阜推し!

演じたことで変化する自らの感覚(映画『his』名古屋先行上映舞台挨拶レポート)

昨年『愛がなんだ』が大ヒットし、2020年も監督作が続けて公開される今泉力哉監督がLGBTQテーマに取り組んだ映画『his』。

周囲にゲイと知られることを恐れ、ひっそりと田舎で暮らしていた迅のもとに大学卒業と同時に別れた渚が6歳の娘・空を連れて突然現れる。渚は妻と離婚、親権の調停中だと迅に明かす。

離婚調停に伴い、自分達が置かれている立場を二人は改めて感じることになる。

主演の宮沢氷魚さん、藤原季節さんが先行上映舞台挨拶に登壇。その模様をお届けする。

主題歌『マリアロード』(Sano ibuki)が流れる中、宮沢さん、藤原さんが登場。上映後に舞台挨拶が行われた。

藤原季節さん
「やっぱり『マリアロード』を聞くとあの感動が蘇りますね」

宮沢氷魚さん
「蘇るね。今日ずっと季節くん、歌ってるんですよ」

藤原季節さん
「朝からずっと歌ってます(笑)」

MC
「名古屋の皆様にご挨拶をお願いします」

宮沢氷魚さん
「皆様初めまして。宮沢氷魚と申します。実は名古屋に仕事で来るのは2回目でして。とても新鮮な気持ちで今日この場に立っています。よろしくお願いします」

藤原季節さん
「さっき、氷魚くんとも話していたんですけど、この映画に出演して自分達が少しずつ正直にいられるようになってきたと感じています。渚という役をやってから自分が着たい服を着たりとか、花を部屋に飾ったりとか。自分の生活の中に彩りを取り戻すことが出来て。そういった意味でこの映画に出られてよかったなと思っています」

MC
「そんなにお二人にとって影響力のある作品だったんですね」

宮沢氷魚さん
「皆さんの顔を見たらほっとしたというか、参加させていただいた作品が、皆様に届いたかなとほっとした気持ちでいます」

宮沢氷魚さん

宮沢氷魚さん

 

MC
「プレッシャーを感じながら精一杯作った作品なんですね」

宮沢氷魚さん
「自信を持って作った作品なんですが、この作品がどう世の中に出ていって、どういう形で皆さんが受け入れてくれるかというのがまだ公開されていないのでわからないところもありますが、いかがでしたか?」

(場内大拍手)

MC
「映画の中で印象に残っているシーン、大変だったシーンはありますか?」

藤原季節さん
「全部印象的過ぎて…」

(二人ともしばらく考える)

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藤原季節さん
「僕が個人的に好きだったシーンは空ちゃんと迅と渚と緒方さんが鍋を食べているシーンです。渚は常に何かを背負いながら、抱えながら生きている。偏見や差別から逃げながら生活しているんですが、緒方さんといるとそのプレッシャーがちょっと和らぐというか。自分に少しだけ素直に、正直になれるんです。特に鍋のシーンは好きですね」

MC
「鍋も美味しかったですか?」

二人
「美味しかったですね」

藤原季節さん
「空ちゃんが食べ過ぎちゃって本番で食べられなくなって「お腹いっぱい」って(笑)」

藤原季節さん

藤原季節さん

 

MC
「藤原さんは父親役は初めてですか?」

藤原季節さん
「初めてです」

MC
「空ちゃんにどんな風に歩み寄ったんですか?」

藤原季節さん
「歩み寄りはしなかったです。なんか…。対等」

宮沢氷魚さん
「初日からすごく仲よかったよね?」

藤原季節さん
「友達みたいな。僕が歩み寄ろうという気持ちで歩み寄ればすぐわかってしまうので。「君が俺のこと嫌いなら嫌いでいいし、好きだったら好きでいい。好きなら友達になろうという感じです」

岐阜での撮影期間は二人で生活

MC
「この作品はお二人だからこそこの雰囲気が出ていて、お二人だからこそ完成したと思うんですが、撮影中はコテージで一緒に暮らしていたと伺いました。その中での意外な一面や、助けられたこととかありますか?」

宮沢氷魚さん
「何にも持って来ないんですよ。10日間行くって知ってたよね?旅のしおりもらったよね?」

藤原季節さん
「あ、はい。もらいました(笑)」

宮沢氷魚さん
「バスタオルやドライヤーとかはないと書かれていたのに、パンツ1枚とTシャツと歯ブラシだけ?」

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藤原季節さん
「歯ブラシだけ。本とかは沢山持って行きましたけどね」

宮沢氷魚さん
「本も大事だけどさ、持ってきてくださいというのは持って来て欲しいよね」

藤原季節さん
「今日初めて知ったんですけど、氷魚くんの歯磨き粉を勝手に使っていたのがバレていたらしくて(笑)」

宮沢氷魚さん
「そりゃバレるよ。携帯用の歯磨き粉を10日間なら保つという量だけ持って行ったのに4日目か5日目ぐらいにはなくなって。誰か使ってるな。季節しかいないかって(笑)」

藤原季節さん
「歯磨き粉使わないでって言えなかったんだって切なかったですね(笑)」

宮沢氷魚さん
「言えなかったというか…。まあいっか、使いたいならどうぞご自由にって」

MC
「役柄に似ている感じかもしれないですね」

藤原季節さん
「僕と氷魚くんは話せば話すほど正反対なんです。趣味も人間としてのタイプも。でもどこかつながっているんでしょうね」

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宮沢氷魚さん
「それが『his』だと思う」

藤原季節さん
「もし『his』で出会ってなかったら僕達はこんなに交わらなかったかもしれないです」

MC
「いきなり知らない人と10日間って言われたらちょっといやですよね?」

宮沢氷魚さん
「絶対いやですよね(笑)」

藤原季節さん
「でも会うのが2回目で「一緒に暮らしてください」って言われたんです」

宮沢氷魚さん
「撮影前の本読みで初めてお会いして、2時間、3時間ぐらい一緒にいただけであとは撮影初日に「じゃあ一緒に住んで」って言われても。「それはちょっと…本当ですか?」と言いつつ、なんとかなりました」

MC
「一緒に住んでなかったらこんなに撮影うまくいかなかったかもしれないですね」

宮沢氷魚さん
「いかなかっただろうと思いますね」

藤原季節さん
「僕は氷魚くんと10日間一緒に暮らした後で、東京での裁判シーンがあって、今泉監督に「東京の渚は全然顔が違う」と言われて。迅がいないとあんなに渚は変わってしまうというのがありました。美里といる迅も、玲奈といる渚も全然表情が違って。人ってそうやって生きているんだなあって思いますね」

MC
「宮沢さんはお友達にもLGBTQの方がいらっしゃると伺いました。その方にも観ていただけたらと思いますが、この映画がどうなってくれたらいいと思いますか?」

宮沢氷魚さん
「この映画に参加させていただいて、この映画が答えではないと思うし、この映画が世に出ることによって今の現状が変わるかどうか聞かれたら変わらないかもしれない。何か考えるきっかけになってくれたらいいなと。そういう人間がいて、果たして当たり前というか、普通って何なんだろう?普通というものが存在するんだろうかって自分に問うてみるというか、そんな時間が1分でも、もちろんそれ以上あったら嬉しいですけど、あると嬉しいなって思います」

MC
「藤原さんは渚を演じるにあたって自身が、LGBTQでないことで、悩まれたと伺いました。ご自身で葛藤するものはあったんですか?」

藤原季節さん
「そうですね、今も葛藤しています。ただ僕も、氷魚くんも世間のそういうニュースとか言葉に敏感になりました。この言葉を聞いたら迅と渚は傷つくよなって。そういうセンサーが自分の中で持てるようになって、そこは一歩成長かなと。100パーセント理解出来ない自分を責めるんじゃなくて、26年で自分が培ってきた当たり前という価値観、普通という価値観について、自分のことも1回受け入れて無理に自分の価値観を変えようとするんじゃなくて、こういう考え方もあるんだなって発見出来ただけで、今は良しとするかという風に折り合いをつけています」

MC
「この作品に出ることに一切迷いがなかったと口を揃えてお二人が言われたのがかっこいいなって思いました」

宮沢氷魚さん
「なかったですね」

藤原季節さん
「うん、なかった」

宮沢氷魚さん
「映画が初主演ということもありましたし、いろんな意味で重圧を感じていたんですけど、それに勝るこの作品に参加出来る喜びだったりとか、この時代に出来る喜びとかそういうものがプレッシャーを打ち消してくれて、前向きに作品に取りかかりたいなという風に思いました」

藤原季節さん
「それは自分が無知だったところもあると思います。演じている時も無知だったと思うんですが、今になってその時の自分の当たり前とか普通とかの価値観がいかに一方通行であるものだったかというのを思い出すだけで心が痛いですね。この映画を経験してそれが少しだけ見えたので…。何となく言いたいことわかる?」

宮沢氷魚さん
「すごくわかる」

藤原季節さん
「うまく言葉に出来ないんです」

MC
「そろそろお時間になってしまいました。最後に一言皆様へお願いいたします」

宮沢氷魚さん
「今日が上映後の舞台挨拶は初めてで、皆さんの顔を観て、その表情がとても嬉しく思いました。公開は1月24日からですが、周りの皆さんに『his』いいよと言っていただいたり、もう一回と言わず、二回三回観ていただけたら嬉しいです」

藤原季節さん
「僕はこの映画が皆さんに愛されればいいと思っています。嫌いということもあるかもしれませんが、無関心で、映画館がガラガラなのが一番悲しいです。嫌いでもいいからこの映画を沢山の人に愛して欲しいです。迅や渚や空が今も白川町で生活しているんじゃないかと感じているんですが、彼らを好きになってくれたのなら一緒に『his』を広めて欲しいです」

宮沢氷魚さん藤原季節さん
「よろしくお願いします!」

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映画『his』https://www.phantom-film.com/his-movie/ は1月24日(金)から新宿武蔵野館他で全国公開。

東海三県ではTOHOシネマズ名古屋ベイシティ、センチュリーシネマ、ユナイテッド・シネマ豊橋18、TOHOシネマズ赤池、ミッドランドシネマ名古屋空港、TOHOシネマズ岐阜にて公開。

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