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あの日、あの時の私。菜 葉 菜が4人の主人公を演じる短編映画集(映画『ワタシの中の彼女』)

こんなにコロナ禍が長く続くなんて2019年には考えてもいなかった。
2022年のまもなく冬がやって来る。いつになったらマスクを堂々と外して人と会うことが出来るのだろう。

緊急事態宣言、外出自粛。
人に会うということが簡単に出来なくなったことで
自分が一人でいる時間が長くなり、色々考えることも多くなった気がする。

大きく変わってしまった日常。孤独や不安を抱えながらその中で光を求めて生きる4人の女たちを1人の女優が演じる短編映画集『ワタシの中の彼女』が11月26日より名演小劇場で公開される。
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2020年に短編映画として発表した『4人のあいだで』が大阪アジアン映画祭で Japan Cuts Award を受賞し、数々の国内外の映画祭で話題になり、それをきっかけに短編映画四編で構成されたオムニバス映画として誕生した本作。監督はドラマとドキュメンタリーの境界を越えて常に斬新な作品を世に送り出し、国内外の映画祭で⾼い評価を受けている中村真⼣監督。本作ではリモート生活、テレワーク、デリバリー、オレオレ詐欺、コロナ禍で起きた悲劇の事件からインスピレーションされたストーリーも組み込まれた。

登場するのはコロナ禍で生きる女性達と彼女たちに関わる人達。友人たちと飲みながら人生の選択について見つめ直す40代の主婦、リモートワークの孤独をフードデリバリーで癒そうとする30代の独身OLと配達にやって来る男、女優を目指していたが、行き先を見失った20代の風俗嬢と夜のバス停でいつも寝ている中年女性。盲目になり、見えていた頃の記憶をたどる40代の実家暮らしの女とそこにやって来る男。

世代も生き方も違う女たちの孤独と希望を、短編4本、1人の女優を通して描いている。

撮影自体もコロナ禍ということもあり、キャストも少人数で行われていることが観ているとわかるのだが、4つのストーリーそれぞれにコロナ禍で感じた思いが詰まっている。

4つのストーリーで主演を務めるのは菜 葉 菜。長年脇役やインディーズの世界で活躍し、幅広い役が出来る演技力で、次第に主演作を増やしてきた。NHKドラマ「徒歩7分」での主人公の隣人の派手な女性役から映画『雪子さんの足音』での静かな下宿人まで振り幅が広く、本作でもそれが存分に楽しめる。
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菜 葉 菜と共演する役者陣も浅田美代子、草野康太、濱口竜介監督の『偶然と想像』の占部房子、Netflixのドラマ「火花」の好井まさお、主演作『近江商人、走る』が待機している注目の若手俳優、上村侑など演技派が集まった。演技しているのに、ただただ自然な会話が展開され、それが観ている側の心に染みてくる。

孤独になるから人が恋しい。コロナ禍があったからこそ気がつくことが出来たあたたかさ、じっくり話す機会、将来への不安と展望。4人の女性を通して、自分を何度も見た気がした。

映画『ワタシの中の彼女』 https://watakano4.com/ は11月26日(土)より東京ユーロスペース、愛知名演小劇場他で全国順次公開。

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