
映画『向こうの家』名古屋初日舞台挨拶レポート
2019/12/30
映画『向こうの家』の初日舞台挨拶が12月7日名古屋シネマテークで行われた。
『向こうの家』は「ええじゃないかとよはし映画祭」コンペ部門のグランプリに輝き、東京のシアター・イメージフォーラムで上映され、名古屋でも劇場公開が決まった。これは愛知県凱旋上映とも言える。
高校の部活の廃部をきっかけに不登校という自主休みを決行していた森田萩はある日、父から愛人の存在を知らされ、さらに別れてくれるように説得してほしいと頼まれてしまう。愛人の家に向かった萩は自分の知らないもう一つの森田家で父とお揃いのキーホルダーがついた鍵を持つ愛人の瞳子と出会う。
西川達郎監督が登壇。作品について語ってくれた。
映画『向こうの家』レビューはこちらから
西川監督
「豊橋で開催されている「ええじゃないかとよはし映画祭」のコンペ部門で今年グランプリをいただきまして、今回名古屋のシネマテークさんでも上映できることになりました。個人的なことですが、小さい頃に藤が丘に住んでいたので、名古屋で上映出来ることはとても嬉しいです」
実は名古屋に住んでいたことを明かしてくれた西川監督。続いてこの作品が生まれた流れや好きなシーンについて話してくれた。
「男の子の成長を描きたいなというところから作品を作り始めました。成長といってもそれは大きな壁にぶつかるとか何か大きなものにチャレンジするというよりも、大人達の今まで見えなかった部分とか、知らなかったこととか情けない部分を見て反発したり、受け入れたりしながら成長していく姿を描きたいなと思っていました。そこから瞳子さんというキャラクターが生まれて、物語の舞台になったあの家が生まれて、この映画が生まれました。よく「監督の実話ですか?」と聞かれますが、実話ではありません(笑)。監督としては好きなシーンはいっぱいありますが、特に好きなシーンが、向こうの家・瞳子の家で萩が瞳子と父・芳郎と食事をしているシーンです。普段見ない父の姿や、嬉しそうな瞳子さんの様子を見て、心が動いている時の萩の目や表情がこの作品で言いたかったこと、描きたかったことを象徴しています」
映画で向こうの家として描かれる家はどこなのだろうか。
西川監督
「あの家は神奈川の逗子にある民泊です。インターネットサイトでも予約できます。家の中には全く何もなくて。みんなであの石段を登って家具とかを運んで美術を作っていきました。萩役の望月くんも瞳子役の大谷さんもここに泊まり込んで撮影しました。これが二人の空気感を作るにはよかったかなと思います」
西川監督
「年内の上映はシネマテークさんでの上映でひと区切りですが、来年イオンシネマの何カ所かで上映されることが決まりました。元々劇場公開される予定ではないあくまでも学生の修了作品としてスタートした作品がいろんな劇場で上映していただける、皆さんにこうやって観ていただけることが嬉しいです。来年も『向こうの家』の上映は続いていきます。皆さんのお持ちの感想をSNSに書いていただければと思います。皆さんのつぶやきが力になりますのでぜひ発信していただければと思います。今日はご覧いただき、ありがとうございました」
映画『向こうの家』は現在名古屋シネマテークで上映中。上映スケジュールは名古屋シネマテークホームページを参照してほしい。
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