『牙狼〈GARO〉-月虹ノ旅人-』名古屋舞台挨拶レポート&中山麻聖さん、雨宮慶太監督、勇翔さん(BOYS AND MEN)インタビュー
『牙狼〈GARO〉-月虹ノ旅人-』の公開記念舞台挨拶が10月6日109シネマズ名古屋で開かれ、冴島雷牙役の中山麻聖さん、雨宮慶太監督が登壇した。司会は牙狼の大ファンで名古屋を拠点に活動するBOYS AND MENの勇翔さん。その様子をお届けする。
勇翔さん
「まずご来場の皆様にご挨拶をお願いいたします」
中山麻聖さん
「冴島雷牙役の中山麻聖です。名古屋にやって参りました!なかなか普段東京から出ることがないので皆さん以上に楽しみに来ました。限られた時間ですが楽しんでください!」

中山麻聖さん
雨宮慶太監督
「雨宮です。名古屋は僕の心の中では牙狼の聖地なんです。なぜかというとSansei R&Dの本社があるからです。割と僕は名古屋には来ております。短い時間ですがよろしくお願いいたします」
勇翔さん
「公開を迎えられてのお気持ちを教えてください」
雨宮慶太監督
「今日で公開3日目ですか。公開してから3日目でもまだ熱が下がらない。熱い感じですね」
中山麻聖さん
「5年ほど前に『魔戒ノ花』というテレビドラマシリーズがありまして、そこから時間を経ての『月虹ノ旅人』で、冴島雷牙映画版製作決定と言われてから、皆様を長い間お待たせしてしまったんですが、その期待を裏切らない作品になっているという自信があります」
勇翔さん
「『魔戒ノ花』の続編といえる作品ですが、現場の雰囲気はどんな感じだったのでしょうか?」

勇翔さん(BOYS AND MEN)
中山麻聖さん
「5年ぶりだったんですが、プライベートで雨宮監督と食事に行ったり、(石橋)菜津美ちゃん、小西(遼生)さんや肘井(美佳)さんとお花見に行ったり、螢(雪次郎)さんのトークイベントへみんなでサプライズで行ったりと交流があったので久しぶりという感じではなく撮影に挑みました」
勇翔さん
「撮影をきっかけに皆さん、仲良くなっていった感じなんですね」
中山麻聖さん
「小西さんに初めて会ったのは『魔戒ノ花』の撮影の最終日にサプライズで来てくださったときで。朝の早い時間だったんですが、「会わせたい人がいるから来て」と言われて行ったら小西さんがいて。撮影前なのに顔がボロボロになるくらいまで号泣しました」

勇翔さん
「先代牙狼が来てくださったら喜びますよね」
中山麻聖さん
「『魔戒ノ花』の中では会えなかった人なので、このタイミングで来たかと。本当にドキドキしました」
勇翔さん
「今回、ポスターにも描かれているように親子3代での共演ということで、僕は牙狼好きでずっと見させていただいているんですが、『魔戒ノ花』では鋼牙が親ということを描写していなかったじゃないですか。それが今回この作品で明らかになったんですが、いつ頃からこの構想があったんでしょうか」
雨宮慶太監督
「『魔戒ノ花』の時にそういう風にしようと。『魔戒ノ花』の主人公は雷牙でそれをみんなで作らないといけないと。演じるのは麻聖くんなんですけど。どうしても冴島鋼牙の印象が強くて。雷牙をガツンと出さないといけないなと思ったんです。設定上、鋼牙の息子というのが僕の中ではあったんですが、「鋼牙」という単語を出すと観ている方が小西君を思い浮かべたりするので、あえて「雷牙の父」や「お父さん」という感じで出していました。その後で映画版も作るはずだったんですが、製作が色々な事情があって今になって。その間に麻聖くんが他の作品に出て役者としてもかなり成長したので、今回は鋼牙というワードが出ても揺るぎない主人公になったので出そうかなと」

雨宮慶太監督
中山麻聖さん
「『魔戒ノ花』の撮影時に監督は僕にも言っていたんです。「お前の親父は誰だかわからないんだからな。なんで二刀流だと思う?そういうことだよ」って(笑)」
勇翔さん
「撮影時にはでは聞けずに」
中山麻聖さん
「僕からは聞けなかったですね。それを聞いて変に意識するより、『冴島雷牙』という人物の横にゴンザがいるということが頭に入っていれば自然と何か生まれるんじゃないかと」
勇翔さん
「映画のオファーを頂いて、その設定を聞いてどう思いましたか?」
中山麻聖さん
「映画をやると聞いたときはまだ内容を聞いていなくて。台本を頂いて読んで初めてわかって。台本を読むだけで実際3時間ぐらいかかりました。一回一回手を止めて「ちょっと冷静になろう、よし行こう」となりました。皆さんはこれから作品を観てくださると思うんですが、イメージ的には、皆さんと同じタイミングで「ここでこれ?!」という連続パンチをくらった感じです!」

勇翔さん
「僕も先行上映で観させて頂いたんですが、その頃は何も前情報なしだったので「ここなの?」という思いで観ました。僕も言いたくてしょうがないです。抑えるのが大変で」
雨宮慶太監督
「先行上映では予備知識なく観て欲しくて。どうしても牙狼の場合は誰が出るということ自体がネタバレになってしまうので、そこは見せなかったです。ポスターヴィジュアルにも大事なところは載せていないのでかなり響くと思います」
勇翔さん
「『魔戒ノ花』から5年ほど経ちますが、監督から見て中山さんはどのように成長されましたか?」
中山麻聖さん
「しれっと怖いことを聞きますね」
雨宮慶太監督
「そうですね、ちょっと身長伸びたかなと(笑)。昨日螢さんとそれを話したんだけど「それは役者の成長だと思ってください」って言うのでそういうことにしたいと(笑)。『魔戒ノ花』では観られなかった表情が観られると思いますのでそこも観て欲しいなと思います。近いところにいる僕よりも皆さんの方が中山麻聖、冴島雷牙の成長というのはこのスクリーンで感じられるんじゃないかと思います」
勇翔さん
「今回初めて中山さんにお会いして。すっと立っていらっしゃって、普段から魔戒騎士の佇まいを感じるところがあるんですが、それは元々なのか牙狼に関わってそうなったのか?」
中山麻聖さん
「ありがとうございます。どうなんでしょう。特に自分の中では意識していませんが、冴島雷牙という人物を背負っているのでその意識が出ているのかもしれません。牙狼のイベントだからそうしなくちゃとかそういうのはないですね」
雨宮慶太監督
「この衣装ではなくて普通の服でご飯を食べに行けばだらしなくなっていくので(笑)。この衣装を着るとやはり違うみたいですね」
中山麻聖さん
「白いコートを着ている状態であまりふざけたりは出来ないですね。魔戒騎士の衣装は物理的にも感情的にも重みがありますね」
雨宮慶太監督
「重いですね。しかも絶対に汚すなって言ってますから。この白いコートが全く汚れずに闘うのがケレン味というか。これはもう十何年そうしてきていますから」
勇翔さん
「アクションで苦労されたことは?」
中山麻聖さん
「『魔戒ノ花』ではなかったアクションに挑戦していまして、アクション監督の横山さんに細かく演出を付けていただいたので見応えがあると思います」
雨宮慶太監督
「撮影はあんまり苦労しないかな。口で言ってみんなやってもらうので。どっちかっていうと完成させるのが苦労です。撮影前と後が大変なんです。撮ったものを人が面白いと言ってもらうようにするのにまた苦労します。編集したり、音をつけたり。出来上がったのでぬけぬけと言っていますが、途中は悶々としていますので(笑)」
勇翔さん
「牙狼シリーズというのは人の思いを伝えたりとかその思いが具現化されたりしているものだと思うんですが、この作品を作るにあたってどんな思いがありましたか」
中山麻聖さん
「『魔戒ノ花』の時に冴島雷牙の親が誰だとか、何が過去にあったということよりも今自分が何をすべきか考えた方が絶対観てくださる方に伝わるんじゃないかと思ったので、今回も楽しんでもらえるんじゃないかという意志だけでやってきました。イチ牙狼好きとしてもこれが出来上がったらとんでもなく喜んでもらえるんじゃないかって。これを映像に起こして自分達が表現して台本よりだめにするわけにはいかない。もっといいものに、面白いものにしなければという使命みたいなものがありました」
雨宮慶太監督
「存在はあるというものの中には形がないものもあるんですね。それを表現するには物語が必要なので。手垢がついた言葉で言うと思いとか愛とか。「愛ってあるの?」と聞くとないという人はいないと思うんです。でもどんな形、どんな色かというのはわからないのでそれを感じる時間を届けるために映画がある。いつも僕はそう思っています」
勇翔さん
「これから観る方にぜひ観て欲しいというところはありますか」
中山麻聖さん
「ネタバレになりそうなので僕から言えるのはぜひ耳でも楽しんで頂ければということです。目で観る前に音が流れてきてゾクッとします」
雨宮慶太監督
「観る前に言えることはほとんどないんですが、本編が終わってもエンドロール、そして明るくなるまで観ていただけるとありがたいです。最後の最後まで僕の作品だと思って作っているのでしっかり観てください」

勇翔さん
「それではファンの皆様にメッセージをお願いします」
中山麻聖さん
「『魔戒ノ花』から5年かかってしまいましたが、ようやくこうして『月虹ノ旅人』として冴島雷牙の物語が劇場版になりました。僕もこの日を待ち望んでいました。ずっと牙狼を応援していただいている方にも初めて観る方にも楽しんで観ていただけるはずです。これからの牙狼のために皆さんのお力をお借りしてこれからの牙狼を盛り上げていけたらと思います。ぜひ一緒にこれからの牙狼の応援をよろしくお願いします。本日はありがとうございました」
雨宮慶太監督
「すごく僕にとって愛おしい作品が出来ました。今までの牙狼作品の中でも一番観ていて、出来上がってから毎日のように観ています。自宅で絵を描きながら観ていたり、生活の一部になっている感じです。皆さんも今日観て頂いたらそういう風にこの作品を愛していただけると嬉しいなと思います。ちょうど牙狼の節目になる作品となりました。これからの牙狼を決める作品になると思いますのでSNSなどで発信して『月虹ノ旅人』を応援してくださればと思います。今日は来てくれてありがとうございます」
中山麻聖さん、雨宮慶太監督、勇翔さんインタビュー
Q.金狼感謝祭(※)で発表になったのはかなり前だと記憶しておりますが、あの頃から準備されていたのでしょうか?
※金狼感謝祭 毎年11月23日に行われている牙狼のファン感謝イベント
雨宮慶太監督
「牙狼というのはまずやるかどうか決めて金狼感謝祭で発表しているんですね。たまたま発表した順で作っていただけで。『月虹ノ旅人』は発表した時に作る環境の中で色々調整が必要で、時間がかかりそうだったので先に『GOLDSTORM』を撮ろうということになり、その後、僕と麻聖くんのタイミングがなかなか合わなくてお互いがいいタイミングがこの時期になりました。気がつくと数年経っていた感じです。その間も『月虹ノ旅人』がなくなったわけではなく脚本は書いていました。話は最初からは変わってきていますが、テーマは変わらなかったですね。完成したのでよかったです」
中山麻聖さん
「監督からしばしば電話を頂いて。「なくなってないから心配するな」と。「準備しておきます」と返事を(笑)」
Q.時間を置いたからこそ今の『月虹ノ旅人』が出来たわけですね。
雨宮慶太監督
「はじめはこじんまりとした雷牙の心象を受けた話だったんですが、時間経過を経て『魔戒ノ花』最終回で雷牙が言ったことを強固にすることとかも含めると製作期間がかかった分その辺りも入れて完成しないと待っている人に誠意がないなと思って入れています」
Q.先ほど舞台挨拶で撮影終了からの方が長かったとお話されていましたがどれ位かかっていますか?
雨宮慶太監督
「撮影に1ヶ月半、編集に半年ぐらいです。今年の3月ぐらいまでかかりました」
Q.列車の中の色やキャストデザインなどいろいろこだわりが感じられました。雨宮監督が編集でこだわったところはどこでしょうか
雨宮慶太監督
「どうしても特撮ヒーローものに牙狼は振り分けされてしまうんです。それには全然抵抗ないんですけど、ヒーローものの中でこれは牙狼しか出来ない、牙狼でしか観られないものを出そうとしています。それが牙狼の特色です。今回だと列車のシーンは台本ではト書きではあまり書いていないので膨らませなくてもいいんですが、そこを膨らませたりとか。マニアックなことで言えばバトルのエフェクトですね。バトルのエフェクトの素材は他のヒーローものにはない素材を吟味して使っているので。非常に細かいことを言うと火花とか。普通の火花はすぐパッと散るんですが、牙狼の場合は空気抵抗があるので一回こっちに行ってからふっと戻るというような火花をわざと作って風を感じるようにしてあるんです。これは牙狼しかやってないです」
Q.中山さんは発表になってから撮影まで長かったと思います。間に声優として牙狼シリーズには参加されていましたが、雷牙をやれるとなった時の気持ちを聞かせてください。
中山麻聖さん
「(満面の笑みで)嬉しかったです!本当に。何より雨宮監督と一つの作品が作れるというのが」
Q.5年ぶりということですが、アクションに対する準備もされたんでしょうか。
中山麻聖さん
「『魔戒ノ花』の時はアクション自体が初めてだったので、結構念入りに準備させていただいたんですが、今回は基礎的な準備運動というか、いきなりアクションに入っても怪我をしない程度の練習をさせていただいてから入りました。冒頭のホラーとの闘いに関しては姫路でのロケだったのでその2日前くらいに現地でアクション稽古をさせていただいて撮影しました」
Q.実際、中山さんは身体的な能力もあるんですよね。
中山麻聖さん
「これはないって言っておいていいですか?監督(笑)」
雨宮慶太監督
「歴代の役者と比べても悪くはないですよ。身体能力のあるキャラクターになっているので麻聖自身の身体能力や運動神経はあまり関係ないですね。20人くらいが集まって知恵を絞ってかっこよく見えるようにしているので。ただ要求したことはやってくれていますのでそこは大きいです。アクションで長回しした後でカメラが寄って表情を作ってセリフを言うとか。そこは気合いです」
中山麻聖さん
「そうですね。アクションと芝居が完全に融合しないといけない。どっちつかずではだめで両立させないといけないので、本当に難しいですね」
Q.コートを汚してはいけないと先ほども言われていましたが。
中山麻聖さん
「コートは本当に大変でした。アクションになるとコートのさばきは映えてかっこいいんですが、一歩間違えると自分の動きを干渉してきてしまうんです。結構その辺りが難しくてアクション練習の時からコートを着けさせていただいての稽古をしました」
Q.今回のアクションで大変だったことは?
中山麻聖さん
「今までにないアクションをラストの方のアクションではやっていまして、その部分での間合いの詰め方や呼吸の取り方が大変でした。それはアクションとしてという部類ではなく、芝居としての間合いに繊細さがありました」
Q.雨宮監督の演出とはどんな感じなんですか?
中山麻聖さん
『魔戒ノ花』の時は最初の雷牙という人物を作り上げた父なので監督のいろんな話を聞いて自分の中で作り上げていったんですが、今回の『月虹ノ旅人』に関しては本当に見守っていただいていた気がします。自分の中で出来たものが違っていた場合は細かい指示をしていただけるので」
雨宮慶太監督
「僕の演出って指定の場所で指定の顔の角度で言ってもらうということに特化しているので相当細かいんです。何がNGだったかというと顎を引いていなかったとかそういうことなんです。鼻の筋にライティングを当てると決まっているので、10㎝ずれたらライティングが変わってしまう。同じ芝居、同じ角度でいるという癖をつけてからアクションをやると、その位置から絶対に動いてはいけないということが頭に入っているのでワイヤーでも失敗しない。怪我しないんです。気持ちで芝居して撮影に入るとワイヤーはだめなんです。自分の体でジャンプするのではなく、ワイヤーが飛ばしてくれるので顔だけでジャンプしてもらうんです。僕が作っているのは普通にいない人なので。この世にいない冴島雷牙という最強のすごくかっこよくてしびれる男を作っているので。その男の佇まいとか振り向く角度とか走り出しとかその辺りの映し方を考えているんです。その辺りは得意なので。だから、僕から「ここはこういう心情だから」というような演出は聞けないです(笑)」
中山麻聖さん
監督は目で見える部分を作ってくださる。目の前まで来て細かく「ここ!」って教えてくださる。そこに顔を持っていく時までの気持ちの部分は自分で、という感じだったですね」

取材会場には109シネマズ名古屋の皆さんが過去の牙狼作品のポスターも掲示してくれていた。
Q.牙狼をずっと観てきた勇翔さんから観る牙狼の魅力とはなんですか?
勇翔さん
「舞台挨拶でも言ったことなんですが、人の思いが大事にされている作品だなと思っているんです。今回の作品は特にそれを感じたんです。受け継ぐ思いですとか。ホラーになってしまうのも人の気持ちが悪い方向に進んでしまってなってしまったという、ただ敵というわけではなく何か原因があって生まれてくるものという世界観が好きだったりとか、やっぱりアクションシーンが多いところとかも注目していて。ヒーローものって敵が出て来たらすぐ変身という展開のものが多い中、牙狼の場合はすぐには変身しないで生身のままギリギリまで闘って最後に変身しますよね。変身して強くなるより、キャラクターが訓練してその人自身が強くなるという方がいいなと思っています」
雨宮慶太監督
「日本は数だけでいうと一番ヒーロー多いですからね。その中で牙狼を選んでくれるっていうのは嬉しいですね」
映画『牙狼〈GARO〉-月虹ノ旅人-』https://garo-project.jp/GEKKOU/ は現在公開中。
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