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知多半島映画祭2016レポートその②

コンペ部門は良作品揃い

今年は例年とは違ってクレイアニメもアニメーションもない!
と選考で選ばれた6作品を見て思いました。
どれも甲乙つけがたい…。

知多半島映画祭のコンペ部門は作品を見た観客の投票で選ばれるのです。
映画に詳しい審査員が選ぶわけではなく
ストレートにいいと受け入れられたものが選ばれるので
正直言って他の映画祭のグランプリとは違った作品が選ばれることが多いのです。

では上映順に。

『落研冒険支部』

落語研究会でなんの冒険ができるのか?
と思いながら見始めると最後まで引き込まれます。
高校生の数時間の冒険が描かれるわけです。
友達って何かを考えます。

のどかな田んぼが広がる中、ローカル線と競争するかのように
疾走するシーンはとても美しく描かれます。

パワースポットに違いない神社も。
ロケ場所がとてもよかったので
脚本からそうなのかと思っていたら脚本はもう少し都会の設定だったんだとか。

逃げる中国人女性に協力する高校生。
言葉はわからなくてもなんだか通じ合っているということが
素敵だなと思ってみていました。

上映後のトークは監督の飯野歩さんと脚本の市村政晃さんが登場。

飯野監督は10年ぶりの自主製作。
爽やかで、ちょっとトラップもあって。
これからも撮り続けていただきたいと思う作品でした。
個人的には学校のBGMが合唱部の発声練習だったことです。

言葉がわからなくても通じ合っている3人を描いたきっかけは
市村さんが友人の家のある半田にやってきたときに
知多半田駅のバスのロータリーで見かけた高校生たちが
その状態だったからだとか。

監督も知らなかった半田とのご縁が上映後トークで明かされました。

上映後のお二人

左:飯野歩監督 右:脚本 市村政晃さん

 

東京での上映会も決まっているそうですので
東京方面の方はぜひ。
http://blog.livedoor.jp/iinoayumu/

 

カタラズのまちで

慕われる画家の美しい色彩は
学生の頃に出会ったホームレスの画家から影響されていた。
学生の頃の恋、偶然出会った橋の下に住む
ホームレスとの触れ合いを
描いた作品。

特出すべきはタイトルの通りセリフがないこと。
表情だけで話が展開するので
BGMが非常に引き立ちます。
夜、家でも聞こえる鈴虫のなく音。
人の声が完全に消されたわけではなく、
息遣いの音はしっかり聞こえてきます。

語らなくても伝わってくる思い。

ホームレス役の渡辺哲さんの名演が光ります。

福井駅前短編映画祭ができたきっかけになったのが
この作品の製作でした。
プロデューサーの木川さんが
俳優の津田寛治さんに監督を依頼したんです。

津田さんは俳優さんですが映画監督を目指していたほどの映画好き。
トーク前にもステージ袖で『カタラズのまちで』の上映が終わるまで
立ってじっと見ておられました。

細かいところまでしっかり作り込まれています。
上映後のトークでは津田寛治監督、木川剛志プロデューサー、
出演している松林慎司さんが登場。

松林さんは山口出身なのに「地元出身者で撮影する」
という監督の意向に合わせて、なんと住民票を福井に移したんだそうです。
すごい。

地元の方とファンの方の協力によってできた映画。

津田さんは映画を作ることになった時、
尊敬する渡辺哲さんにお願いするために脚本を当て書きしました。
哲さんも快く引き受けてくださり、素晴らしいお芝居をしてくださったと。
あんな素晴らしい役者さんを世にだしてくれて
知多半島の皆さんありがとうと言っておられました。
哲さん、本当に素敵な方です。

『カタラズのまちで』
映画祭での上映はひと段落ということですが
またどこかで上映されることを願います。

 

この映画がきっかけで生まれた映画祭
福井駅前短編映画祭は10月22日からです。
http://mouzou-fukui.com/fukui-shortfilm/
審査委員長は津田さんです。

トーク後の写真はこちら。

左:木川さん 中央:松林さん 右:津田監督

左:木川さん 中央:松林さん 右:津田監督

 

 

10ミニッツ

セイカは山口県下松(くだまつ)市に住む高校生。母と二人暮らし。
ラジオDJを目指して大学は東京に行きたいと考え
アルバイトも勉強も頑張っている。
でもそれだけで夢は叶えられるのか?
憧れの東京のFM局のDJにメールで質問すると
自分達でまずやってみたらどうかとアドバイスされる。
セイカは友人のフウカと一緒に
下松のことを取材し、紹介するwebラジオをはじめる。
自分自身がラジオ番組の終了を決断し、

webラジオをやろうと決めた時だったので
話の内容に胸が踊った。
地元を愛する気持ちが伝わる作品で、
下松の読み方がわからないというネガティブな内容が
逆に効果的になっている。

高校生から「下松市の魅力を全国に発信する物語」を募って脚本を作り、
下松市フィルムコミッションが主導で作った作品。
未来の夢に向かって進む主人公の姿を見ることに
嬉しさを感じる。
長澤監督の『ココニイルコト』もまた見たくなった。

長澤雅彦監督、セイカ役の村田結佳さん、フウカ役の村本寿子さんが登場。


オーディションで選ばれた二人。
高校生を演じていますが村田さんは撮影当時中学生。
監督が高校生に見える、イメージに合っているということで起用。
村本さんはお父さんの運転で6時間かけて来てくださったんですが
テスト期間中なのでまたとんぼ返り。
映画祭のために本当にありがとうございました。
監督自身もこの地方に行くまでは知らなかった下松市。
映画を観た方にはちゃんと記憶されました。

札幌国際短編映画祭での上映も決まっているそうです。

上映後のお写真

左:村田さん 中央:村本さん 右:長澤監督

左:村田さん 中央:村本さん 右:長澤監督

 

テイク8

上田慎一郎監督の短編はリズム感がいい。
今回の舞台は結婚式場。
あと1シーンでその日の撮影が終わる。
それなのに新郎新婦の父親役が来ない。
困っていたときに現れたのは新婦を演じる茜の本当の父親が現場にやって来る
実は監督の隆夫と茜は結婚しようと思っていて…。

『恋する小説家』が3年前に知多半島映画祭のコンペ部門で上映されている
上田監督。お帰りなさい。
そしてご結婚おめでとうございます。

八王子の結婚式場が主催の企画で作られている作品だそうです。
自身の結婚式のすぐあとにこの撮影があって
準備が大変だったということですが
自分の思いもたくさん入った作品になっているのでは
ないかと思ってみました。

芦澤興人さん演じる花嫁の父がどこまでもステレオタイプの
父であるからこそ監督のビビり具合はものすごくリアルで。
さらに現場あるあるが随所に入っていて
撮影現場に行ったことがある方なら
笑えちゃうところが何ヵ所か入っていました。

新作短編の『ナポリタン』も気になるところですが
今度は長編を取りたいという上田監督。
招待監督でぜひ戻ってきてくださいね。

トーク後。8を作って。上田監督らしいです。

上田慎一郎監督

上田慎一郎監督

 

コンペ部門は後半へ!レポート③へ続きます

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