
映画『いちごの唄』公開記念名古屋舞台挨拶レポート
映画『いちごの唄』の公開記念舞台挨拶が7月7日ミッドランドスクエアシネマで開催された。
主演の笹沢コウタ役・古舘佑太郎さん、作品の原作、音楽、出演で映画に関わる峯田和伸さんが登壇。その様子をお届けする。
Q.今日は7月7日、七夕です。この日の舞台挨拶はコウタ的に言うと「運命ですよ!」という感じですね。まず今日お越しの皆様にご挨拶をお願いいたします。
古舘さん
「この作品は去年の夏から関わらせていただいて1年越しで7月7日に東京は高円寺から飛び出して名古屋に来られたことを嬉しく思います。今日は皆さん来ていただいてありがとうございます」

古館佑太朗さん
峯田さん
「3年ぐらいかかって原作が始まって、3年ぐらいかかってようやく映画が完成して名古屋まで来れ幸せです。今日は本当にありがとうございます」
Q.3年かかるって、出産するような気分ですね。
峯田さん
「そうですね。自分のバンドではアルバムを作るのに長い時間レコーディングをやって終わって、発売されると「うわー!今日3人目の子が生まれた!」とかありますけど、それともちょっと違って共同でみんなで作った感じで生まれたなって感じです」

峯田和伸さん
Q.古館さんにとってもコウタは分身みたいな感じではないですか?
古館さん
「分身だっておっしゃっていただけることがあるんですが、僕自身は銀杏BOYSが自分の中ですごく大切なものなので最初は意識してしまっていたんです。でも峯田さんから「自由にやれ!」と言っていただけてからはいい意味で気にせず、自分の中のコウタ像がどんどん出来上がった感覚があるので、そう言っていただけるとすごく嬉しいなと思います」
Q.いろんな表情をコウタは見せてくれていますが、すぐにコウタになれたのかそれとも段々となっていった感じですか?
古館さん
「最初撮影が始まるまでは悩んだ頃もあって、銀杏BOYSの楽曲ってかわいい部分と凶暴な部分があったりしていろんな部分が内包されているので、何を自分で切り取っていいのかわからなかったんですけど、撮影が始まってからはすごく自分の中で楽しもうと決めて、その世界の中で暴れまくってやろうという気持ちだったので始まってからは一瞬の出来事という感じでした」
Q.峯田さんは優しいまなざしでコウタを見ているラーメン屋さんでしたが、現場はいかがでしたか?
峯田さん
「僕が出るシーンは1日で全部撮影したんです。衣装だけ変えて、「はい、次このシーンやりますよ」みたいな感じで。大雨が降っていたんですよね。途中からみうらじゅんさんや田口トモロヲさんも入って…。ね?(古館さんに同意を求める)大変だったですね」
古館さん
「あの日はみんな緊張して、一番僕が緊張しました。峯田さんがいてみうらじゅんさんがいて、田口トモロヲさんがいてという中で石橋さんと芝居をしなければいけなかったので、もう周りが気になって気になって仕方なかったです。3人でアドリブをガンガン始めるのでそれが面白くて笑いを堪えるのが大変でしたし、自分のセリフも言わないといけないしですごかったですね」
峯田さん
「本当に古館くんと石橋さんをカウンター越しから見守るみたいな役でしたけど、見守るとかそんなのではなくて、2人の空気がしっかり出来ていたので、本当にお客さんを見ている感じでずっと観ていました」
Q.『いちごの唄』を作ったときの思いを教えてください。
峯田さん
「2つあって。1つは原作と脚本を書いてくださった岡田恵和さんへ。3年ほど前から彼の書いたドラマに出させていただいているので、僕からの恩返しといいますか。もう1つはあの2人に沿った歌でもあるし、それとはまた違った世界線の唄を作れないかなと思って作りました」
映画の主題歌『いちごの唄』は劇場鑑賞者しか買えない劇場限定CDがあるので、映画館でぜひ購入してほしい。
7月7日、お願いごとを叶えます企画
Q.今日は7月7日ということで、七夕企画をやろうと思っています。事前に公式Twitterで募集しまして。お二人にこの場でお願いをかなえてもらおうという企画です。沢山の願い事をいただきました。本当にありがとうございます。その中から「76歳のおばあちゃんがはるばる電車に乗ってやって来るのでハグしてあげて欲しい」という願いをかなえていただきたいと思います。大ファンということですので。
観客席から76歳のおばあちゃんが登場。
峯田さん
「どういうハグがいいですか?(笑)」
おばあちゃん
「小さいのでしっかりハグしてください!」
峯田さん、古館さんがしっかりとおばあちゃんをハグ。おばあちゃんの願いが叶った瞬間をどうぞ。
おばあちゃん
「もう感激です!早く起きてきて良かったです。若いパワーをいただきまして、100歳まで生きます!」
味噌煮込みが食べたい
峯田さん
「これまだ他の方のもやるんですか?え?これだけで名古屋終わりですか?」
古館さん
「一瞬でしたね(笑)」
プロデューサー
「時間が限られているので1つだけです」
峯田さん
「これ、味噌煮込み食べられますかね?」
プロデューサー
「その話はあとで・・・(笑)」
峯田さん
「ひつまぶしもいいんですけどね、味噌煮込みを食べたいんです・・・」
古館さん
「このあとすぐ僕ら京都なので、駅でパパっと食べられるじゃないですか?」
峯田さん
「だって時間あるもん、まだ。本当に好きなんですよ、名古屋のご飯。だから大阪もおいしいところいっぱいあるんですけど名古屋がいいんだよな」
古館さん
「そうですね、時間とってもらいましょうか(笑)」
(この後味噌煮込みを食べに行かれたとのこと)
Q.まだ名古屋にいる時間はあるんですが、舞台挨拶の方はそろそろお時間です。最後に応援してくださる皆様に一言お願いします。
古館さん
「『いちごの唄』はまだ走り出したばかりですのでこれから皆さんと一緒に走っていけたらと思っていますのでこの作品をずっとよろしくお願いいたします」
峯田さん
「さっき話していて思い出したんですけど、名古屋は映画の舞台挨拶ではほとんど来たことがなくて、名古屋に来たのは初めてお芝居をした時が2003年の映画『アイデン&ティティ』でその時だったんです(矢場町に当時あったシネプラザ2での舞台挨拶)。監督の田口トモロヲさんとみうらじゅんさんと3人で2階の奥で映画を観ようと言って、僕が真ん中で田口さんとみうらさんに挟まれて観たんですけど、3人でめっちゃ泣いていて。あの時以来だったんだなと。本当に名古屋に来られて嬉しいです。古館さんのおかげで映画が完成したなと思って。彼でよかったなと。偉そうなことを僕は言えないですけど、本当に彼でよかったと思っています。本日は本当にありがとうございました!」
映画『いちごの唄』http://ichigonouta.com/ は現在公開中。
東海3県ではミッドランドスクエアシネマ、ユナイテッド・シネマ豊橋16、MOVIX三好、イオンシネマ津南で公開中。
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