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©️2025『おーい、応為』製作委員会

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もう一人の天才・葛飾応為が北斎と共に生きた人生(映画『おーい、応為』)

世界的な浮世絵師・葛飾北斎と生涯を共にし、右腕として活躍したもう一人の天才絵師がいた。その名は葛飾応為。北斎の娘・お栄のことである。

北斎90歳の生涯を支え、自らも自分の気持ちに正直に生きた葛飾応為の謎多き人生を描いた映画『おーい、応為』が10月17日(金)から公開される。

葛飾北斎の娘であるお栄は、夫の絵を見下したことで夫と離縁し、父のもとへ出戻る。描きかけの絵が散乱したボロボロの長屋で、父娘であり師弟でもある二人の生活が始まる。お栄は父親譲りの才能を開花させ、北斎から「葛飾応為」の名を授かる。これは北斎がいつも彼女を「おーい」と呼ぶことに由来する名だった。応為は美人画で名を馳せる善次郎(渓斎英泉)とふれ合ったり、兄弟子・初五郎へ淡い恋心を抱いたり、犬のさくらを飼ったりと楽しく日常を送りながら、絵師としてまっすぐに生きていく。嫁ぎ先を飛び出してから二十余年、北斎、応為父娘は、長屋の火事と飢饉をきっかけに、北斎が最晩年まで追い求めた境地“富士”へと向かう。

©️2025『おーい、応為』製作委員会

©️2025『おーい、応為』製作委員会

天才の娘、そして師弟 — 葛飾応為の豪胆な生きざま

男社会であった江戸時代に、自らの命を燃やして「描くこと、それこそが生きること」と捉え、時代に縛られず自分らしく生きた一人の女性アーティスト・葛飾応為。日本のレンブラントと呼ばれ、光と影を巧みに使った西洋画風の絵を残している応為だが、現代に残るのはわずか数十点だ。

主人公のお栄は、誰もが知る天才絵師・葛飾北斎(鉄蔵)の娘であり、弟子でもあった。その性格は豪胆で自由。茶を淹れる事や針仕事など、家事全般は苦手で、家の中は荒れ放題。しかし、絵の才能だけは抜きん出ており、北斎も「美人画では敵わない」と認めるほどの画才を発揮した。父の絵の描き方を見ながら学び、絵の才能を開花させた娘に北斎はいつも「おーい」と呼んで用を頼むことから「葛飾応為」の号を授ける。二人の間には口喧嘩が絶えないが、言葉とは裏腹に互いの才能を認め、深く思いやる、不器用で愛おしい父娘の姿も描かれる。

©️2025『おーい、応為』製作委員会

©️2025『おーい、応為』製作委員会

主演は本作が初の時代劇主演となる長澤まさみ。応為の豪胆さ、絵に向き合う神々しいまでの情熱を見事に体現し、「この映画の長澤まさみは最高かもしれない」と監督が絶賛するほどの魂を込めた演技を見せた。葛飾北斎役には永瀬正敏。名声を得てもなお「まだ猫一匹しっかり描けやしねえ」と画欲にまみれた「画狂老人」としての姿と、娘を愛する父親としての人間味溢れる側面を、全身で体現。90歳まで生きた北斎の演じ分けも見所だ。応為のよき友人・善次郎役には、髙橋海人(King & Prince)。女好きと言われながら実はしっかりものの実在の絵師・渓斎英泉を魅力的に演じる。キャスト陣は浮世絵の特訓を重ね、描くシーンを吹き替えなしで熱演し、作品に深い説得力をもたらしている。監督・脚本は、『日日是好日』『星の子』など人間の姿を繊細に描き出す大森立嗣。長澤まさみとは『MOTHER マザー』以来の再タッグとなった。大森監督の「迷いのない演出」と「スピード感溢れる現場」のもと、徹底したリアリティが追求された。撮影は京都を中心に行われ、長屋のセットは軒下の干物や井戸水まで本物が用意され、「生臭い香り」までが現場に漂う徹底ぶり。二人が暮らし、絵を描き続ける空間の音や気配ごと味わってもらえるように音響は7.1チャンネルサラウンドで仕上げられている。

©️2025『おーい、応為』製作委員会

©️2025『おーい、応為』製作委員会

現代にも通じる強さと自由な心を持った葛飾応為の「自分を信じ、自分らしく生きること」に情熱を燃やした生きざま。現代的な強さと自由な心で性が絵師として生きることも、独り身で生きることも珍しかった男社会の江戸を現代的な強さと自由な心で生き抜いた新たなヒロインの姿が大友良英が手掛ける軽やかな音楽と共に描かれる。彼女の生きざまは、現代を生きる私たちに、自由へ踏み出す勇気と生きるエネルギーを与えてくれるに違いない。

映画『おーい、応為』 https://oioui.com/ は、2025年10月17日(金)より全国ロードショー。東海三県では109シネマズ(名古屋、四日市、明和)、ミッドランドスクエア シネマ、イオンシネマ(大高、名古屋茶屋、ワンダー、岡崎、豊川、豊田 KiTARA、長久手、常滑、土岐、津南、鈴鹿)、TOHOシネマズ(木曽川、赤池、東浦、津島、岐阜、モレラ岐阜)、ユナイテッド・シネマ(豊橋18、稲沢)、ミッドランドシネマ名古屋空港、MOVIX三好、コロナシネマワールド(大垣、ららぽーと安城)、関シネックス マーゴで公開。

©️2025『おーい、応為』製作委員会

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