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映画『安楽死特区』毎熊克哉さん登壇 名古屋大ヒット御礼舞台挨拶レポート
映画『安楽死特区』の大ヒット御礼舞台挨拶が2月8日名古屋ミッドランドスクエアシネマ2で開催された。
主演の毎熊克哉さんが登壇した舞台挨拶の様子を一部お届けする。
毎熊克哉さん(以後 毎熊さん)
「ありがとうございます。公開から3週目になりますが、こんなにたくさんの方にお越しいただけて嬉しいです。今日はジャケットとか着てくればよかったかな……なんて思っていますが(笑)、30分ほどお話しできればと思います」
Q.昨日から静岡、浜松と回ってこられたんですよね。こちらの劇場(ミッドランドスクエアシネマ2)はいかがですか?
毎熊さん
「いつも(名古屋駅の)逆側のシネマスコーレさんとかには行くんですが、実はミッドランドスクエアシネマさんに来たのは初めてなんです。こちら側に来ると「名古屋は都会だな」と思いますね」

毎熊克哉さん
Q.高橋伴明監督から章太郎役の指名があって、この難しい役を演じるにあたって覚悟とか準備とかどう向き合われたのか教えてください。
毎熊さん
「安楽死というテーマについて、以前は深く考えたことがありませんでした。身近な死は経験してきましたが、安楽死という選択は自分にとって身近なものではなかったんです。役作りとして、回復の見込みのない病についてYouTubeなどの動画サイトで調べることはできましたが、表面的な形だけで演じてはいけないと強く思いました。自分が身体的、精神的苦痛を全く同じように味わうことは現段階ではできないので、全部想像になってしまうんですが、でもちょっとでも想像して体に入れていかなければいけないというところで映画の最後に登場するくらんけさんやパーキンソン病の患者さんとお話しさせていただく機会があり、お会いして他愛もないお話をしました。その時に「頑張ってください」と言葉をいただいて、そこで初めて「よし、やろう」と決心と覚悟が持てたんです」
Q.劇中ではラップシーンが印象的ですが、かなり練習をされたのですか?
毎熊さん
「章太郎にとってのラップは、ヒップホップをやっているというよりも、言葉を紡ぐための歌唱方法として捉えていました。ラップ指導の方からは「コツはない、感情をぶつけるだけ」と言われました。章太郎は韻も踏んでいませんし、音階がない分、非常に自由度が高いんです。セリフを覚えることと同様に、その役として生きた感情をどう乗せていくか。ある種、お芝居に近い感覚でした」

Q.大西礼芳さんとの会話がラップになっているところも面白いですね。
毎熊さん
「大西さん演じる歩との病室での会話がラップっぽくなっていくとか、会議室で先生と対峙して話すところとかもそうなんですが、すごく難しくて。丸山昇一さんが書かれた台本は、言葉がより感覚的というか、音楽的というか。ラップに限らず、その人物が持っているリズムが言葉になっているので、歩の言葉だったり、他の先生の言葉もそんな感じがしたんじゃないかなと思います」

Q.リリックの中でお気に入りのフレーズはありますか?
毎熊さん
「演じる前に一番不思議に思ったのは「世界の回転を時々変えてみよう」という言葉ですね。最初は「地球が滅びるのか?」なんて極端な想像もしましたが(笑)、日常の当たり前の流れを少し変えてみることで、新しい何かが見つかるかもしれない。冒頭のラップの締めにこの言葉が出てくるのは、すごくいいなと感じました」
舞台挨拶中には観客から直接質問を受け付ける時間も設けられた。
Q.若くして死の恐怖と直面するデリケートで重い役ですが、どんなことを考えて演じられたんでしょうか
毎熊さん
「平均寿命を考えれば(自分自身の)死は先のことと思いがちですが、事故や病気であと1週間後という可能性は誰にでもあります。最近は僕自身もそう考えるようになりました。劇中、三途の川みたいな廊下を車椅子で運ばれるシーンがあるのですが、ふと外を見た時に「これが人生最後の光景なんだ」と、思いがけず感じたんです。ただ風が吹いて草が揺れているだけの景色が、ものすごく敏感に心に刺さりました」

Q.今日が2度目の鑑賞です。映像も台詞も終始論理的にできている映画だなと思ったのですが、毎熊さんは感覚的に演じるようなお話をされました。どういうことでしょうか。
毎熊さん
「丸山昇一さんと高橋伴明監督によって紡がれた脚本は、非常に緻密な設計図として用意されています。でも、その点と点の間をどう泳ぐかは演じてみるまで誰にも分かりません。役者は設計図を頭に入れつつも、現場では動物的に、感覚的に動きます。論理的だと感じてくださったのは、その感覚的な動きを刺激するような素晴らしい設計図が元々あったからだと思います」
Q.最後に観客の方に一言お願いいたします
毎熊さん
「名古屋に来られてよかったです。他の映画では割と始まってすぐ名古屋に来ることの方が多いんです。1月23日から始まって、今回は3週目になっちゃったかと思いながら、でもほんとにこうやってたくさんお客さんが入っている光景が見られて本当に嬉しいです。この映画もですが映画は永遠に映画館でやっているわけではないので、スクリーンで観られたことはすごく貴重な機会だったのではないかと思います。この映画を観たということが少しでも、広がってくれたらいいなと思っています。安楽死というワードは重いですが、「あの映画観た?」という話題からなら、カフェでも話せる気がします。この作品が、身近な方と「生と死」について語り合うきっかけになれば嬉しいです。今日は本当にありがとうございました」

映画『安楽死特区』https://anrakushitokku.com/ は現在ミッドランドスクエアシネマ2で公開中。
毎熊克哉さん、大西礼芳さん、長尾和宏さんインタビューはこちらから
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