Cafemirage

Cafe Mirage--岐阜発 映画・エンタメ情報サイト

カテゴリリンク

baaba2

EntaMirage! Movie

寺田心くんの熱演が光る!新たな角度から認知症を描いた作品(映画『ばあばは、だいじょうぶ』)

ものを忘れてしまう病気(認知症)で物忘れが多くなり、出来ていたことが出来なくなっていく祖母の姿を孫の視点から描き、2018年のミラノ国際映画祭で最優秀主演男優賞と最優秀監督賞を受賞した映画『ばあばは、だいじょうぶ』が5月10日から公開される。

あらすじ

ちょっと弱虫な小学生の翼は、喜寿を迎えたばあば、おとうさん、おかあさんと4人暮らし。翼は、ばあばのことが大好きだ。何かくじけそうになると話を聞いてもらう。そんな時、ばあばは必ず「だいじょうぶだよ」と言ってくれる。そんな優しいばあばが同じ質問を何度も繰り返すようになり、得意だった編み物ができなくなる。ばあばは「わすれてしまう病気(認知症)」になってしまったのだ。怒り出したり、大切にしていた庭の植物を枯らしてしまったり。翼はなんだか怖くなり、近寄らなくなってしまう。

baaba3

ばあばどうして忘れちゃうの?

ばあばがおかしいとはじめに気がついたのは孫の翼だった。今まで自分のことを本当に大事にしてくれたばあばが少しずつ忘れっぽくなり、普段出来ていたことが出来なくなって人柄も変わってしまったように感じられる。変わっていく姿を翼はうまく受け入れられない。大人の葛藤とはまた違う翼の葛藤、成長が描かれる。

誰もがなり得る病気 認知症

認知症の特効薬はいまだ開発されておらず、誰もがなり得る病気だ。忘れてしまう、記憶をなくす。それはとても辛いことだ。認知症と知り一番ショックなのは認知症になった本人だ。家族にはどう接して行けばいいのかを試行錯誤する日々がやってくる。認知症のセミナーに家族が通う姿、生活スタイルを変えていく姿。家族の中での変化も映しだされていく。

みんなが泣いたという本が原作

原作は10万部を突破した作・楠章子さん、絵・いしいつとむさんの同名タイトルのベストセラー絵本。子どもだけでなく、大人も泣いた原作をベースに認知症の様々な症状、それに伴う行動が描かれていく。

baaba4

この声でなくてはいけない‐監督に響いた声

翼役はオーディションで選ばれた。「この声でなければいけない」と自己紹介の挨拶で監督に見初められたのは寺田心くん。

寺田心くんはドラマ、CM、バラエティに引っ張りだこの名子役だが、ジャッキー・ウー監督はひとりの役者として心くんを高く評価している。
その演技は2018年のミラノ国際映画祭でも評価され、最年少で最優秀主演男優賞を受賞した。また、ジャッキー・ウー監督もこの作品で最優秀監督賞を受賞した。上映された会場は映画祭では初めてのスタンディングオベーションで大きな拍手に包まれたという。

ばあばがばあばでなくなっていく

ばあばを演じたのは冨士眞奈美。特殊メイクを駆使しながら認知症の進み具合を描写しているが、少しずつ変化していく表情に注目したい。
温和な性格が少しずつ怒りっぽくなったり、心ここにあらずな時間があったり、脚本には様々な認知症の症状が描かれているが、冨士さんが体当たりで表現している。

baaba5

大事なばあばを思う孫の溢れんばかりの思いがクライマックスで観る者の涙を誘う。

祖母との思い出があまりない私にはばあばをこんなにも大切に思える翼くんが羨ましかった。たとえ忘れられても一緒に過ごした大切な日々がなくなるわけではない。忘れてしまったらまたひとつこれから思い出を作ろう。

これは自分の家族の物語かも知れない。是非家族で観て頂きたいと思う。

映画『ばあばは、だいじょうぶ』は 5月10日(金)より全国のイオンシネマ他で公開。公開を記念した舞台挨拶も決定している。
詳しくは公式HP https://grandmaisokay.com/ の劇場情報を参照のこと。

-EntaMirage!, Movie

おすすめの記事はこれ!

メインビジュアル日本版for先行公開_FIX 1
愛は見える?奇想天外な除霊アクションラブコメディ 映画『見え見え』撮影地愛知で先行公開!

愛知県犬山市で撮影された映画『見え見え』が、12月19日(金)より愛知ミッドラン ...

IMG_2643 2
ANIAFF 開幕!第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル オープニングセレモニーレポート

2025年12月12日(金)、「第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメー ...

20251211_080918 3
SF映画の脚本 キャスティング 世界観を彩る特殊効果の秘密 『ブラックホールに願いを!』渡邉聡監督 × 『センターライン』『INTER::FACE 知能機械犯罪公訴部』下向拓生監督 スペシャル座談会(後編)

『ブラックホールに願いを!』公開を記念し、渡邉聡監督と脚本協力を務めた下向拓生監 ...

1.表面_シネマ・ロサ 4
SF映画の脚本 キャスティング 世界観を彩る特殊効果の秘密 『ブラックホールに願いを!』渡邉聡監督 × 『センターライン』『INTER::FACE 知能機械犯罪公訴部』下向拓生監督 スペシャル座談会(前編)

第一線の特撮現場で活躍している若手スタッフが集結! 新進気鋭の映像制作者集団「S ...

©︎2025「Good Luck」製作委員会(別府短編プロジェクト・TAMAKAN・theROOM) 5
映画『Good Luck』は「ととのう系」!? 自然とサウナと旅先の出会い(『Good Luck』足立紳監督、足立晃子プロデューサーインタビュー)

2025年12月13日からシアター・イメージフォーラム、12月27日から名古屋シ ...

©2025「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会 6
兄のことをひたすら考える終いの4日間(映画『兄を持ち運べるサイズに』)

『湯を沸かすほどの熱い愛』や『浅田家!』で数多くの映画賞を席捲し、一貫して家族の ...

©︎2025「Good Luck」製作委員会(別府短編プロジェクト・TAMAKAN・theROOM) 7
映画『Good Luck』先行上映記念 足立紳監督&足立晃子プロデューサー 舞台挨拶レポート

11月24日「NAGOYA CINEMA Week 2025」の一環として、足立 ...

「Traverse 2」main 8
本物の武道空手アクションがここに!映画『TRAVERSE2 -Next Level-』豊橋で先行公開、完成披露試写会 開催!

武道空手アクション映画の金字塔となる二部作の完結編、映画『TRAVERSE2 - ...

司会の松岡ひとみさんも一緒に 9
極寒の会津ロケからベルリン映画祭出品へ! 魂の舞と幽玄の世界が描き出す人間の複雑な心境(映画『BONJI INFINITY』初号試写会 舞台挨拶レポート )

2025年11月3日、映画『BONJI INFINITY(ボンジ インフィニティ ...

©郷2025 10
日本初ARRIが機材提供。美しきふるさとの映像と音に触れ、自身を回顧する(映画『郷』小川夏果プロデューサーインタビュー)

数々の国際映画祭で評価を重ねてきた鹿児島出身の新進気鋭の伊地知拓郎監督が、構想か ...

IMG_2539_b 11
映画『佐藤さんと佐藤さん』名古屋先行上映会舞台挨拶レポート。岸井ゆきのさん、宮沢氷魚さん、天野千尋監督登壇

映画『ミセス・ノイジィ』の天野千尋監督の最新作は夫婦の変化する15年間を描く、オ ...

image (3) 12
運命さえも覆せ!魂が震える慟哭のヒューマン・ミステリー(映画『盤上の向日葵』)

『孤狼の血』などで知られる人気作家・柚月裕子の小説『盤上の向日葵』が映画化。坂口 ...

©ストラーユ 13
本から始まるストーリーは無限大に広がる(映画『本を綴る』篠原哲雄監督×千勝一凜プロデューサー インタビュー&舞台挨拶レポート)

映画『本を綴る』が10月25日から名古屋シネマスコーレで公開されている。 映画『 ...

1759598539764_1 14
いつでも直球勝負。『おいしい給食』はエンターテイメント!(映画『おいしい給食 炎の修学旅行』市原隼人さん、綾部真弥監督インタビュー)

ドラマ3シーズン、映画3作品と続く人気シリーズ『おいしい給食』の続編が映画で10 ...

©️2025『おーい、応為』製作委員会 15
もう一人の天才・葛飾応為が北斎と共に生きた人生(映画『おーい、応為』)

世界的な浮世絵師・葛飾北斎と生涯を共にし、右腕として活躍したもう一人の天才絵師が ...

taiga_B2poster_0710_fix_ol 16
黄金の輝きは、ここから始まる─冴島大河、若き日の物語(映画 劇場版『牙狼<GARO> TAIGA』)

10月17日(金)より新宿バルト9他で全国公開される劇場版『牙狼<GARO> T ...

『アフター・ザ・クエイク』ビジュアル 17
「空っぽ」から始まる希望の物語-映画『アフター・ザ・クエイク』井上剛監督インタビュー

村上春樹の傑作短編連作「神の子どもたちはみな踊る」を原作に、新たな解釈とオリジナ ...

IMG_2338_ 18
名古屋発、世界を侵食する「新世代Jホラー」 いよいよ地元で公開 — 映画『NEW RELIGION』KEISHI KONDO監督、瀬戸かほさんインタビュー

KEISHI KONDO監督の長編デビュー作にして、世界中の映画祭を席巻した話題 ...

image (1) 19
明日はもしかしたら自分かも?無実の罪で追われることになったら(映画『俺ではない炎上』)

SNSの匿名性と情報拡散の恐ろしさをテーマにしたノンストップ炎上エンターテイメン ...

IMG_2332_ 20
映画『風のマジム』名古屋ミッドランドスクエアシネマ舞台挨拶レポート

映画『風のマジム』公開記念舞台挨拶が9月14日(日)名古屋ミッドランドスクエアシ ...

©SHM FILMS 21
あなたはこの世界観をどう受け止める?新時代のJホラー『NEW RELIGION』ミッドランドスクエアシネマで公開決定!

世界20以上の国際映画祭に招待され、注目されている映画監督Keishi Kond ...

48e68d79b718232277b1e5de3297914f 22
『ぼくが生きてる、ふたつの世界』の呉美保監督が黄金タッグで描く今の子どもたち(映画『ふつうの子ども』)

昨年『ぼくが生きてる、ふたつの世界』が国内外の映画祭で評価された呉美保監督の新作 ...

僕花_main 23
映画『僕の中に咲く花火』清水友翔監督、安部伊織さん、葵うたのさんインタビュー

Japan Film Festival Los Angeles2022にて20歳 ...

IMG_2204_ 24
映画『僕の中に咲く花火』岐阜CINEX 舞台挨拶レポート

映画『僕の中に咲く花火』の公開記念舞台挨拶が8月23日岐阜市柳ケ瀬の映画館CIN ...

僕花_main 25
23歳の清水友翔監督の故郷で撮影したひと夏の静かに激しい青春物語(映画『僕の中に咲く花火』)

20歳で脚本・監督した映画『The Soloist』がロサンゼルスのJapan ...

25-08-06-09-10-43-381_deco 26
岐阜出身髙橋監督の作品をシアターカフェで一挙上映!「髙橋栄一ノ世界 in シアターカフェ」開催

長編映画『ホゾを咬む』において自身の独自の視点で「愛すること」を描いた岐阜県出身 ...

IMG_1793 27
観てくれたっていいじゃない! 第12回MKE映画祭レポート

第12回MKE映画祭が6月28日岐阜県図書館多目的ホールで開催された。 今回は1 ...