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©2019 KAMPAI! SAKE SISTERS PRODUCTION COMMITTEE

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女性が活躍する日本酒の世界(映画『カンパイ!日本酒に恋した女たち』)

二十歳になった直後、苦いお酒が飲めなくてカクテルや梅酒、杏露酒など甘いお酒ばかり飲んでいたが、20代後半から日本酒を好きになった。というのも日本酒は甘口も辛口もあり、料理や場に応じてその程度を銘柄で選んで楽しむことができる魅力的なお酒だったからだ。

旅行に行ってはその土地土地の地酒を飲んだり、買って帰ってくるのが最近の楽しみになっているが、日本酒に心奪われている女性は私以外にも最近はたくさんいる。

日本酒を愛し、広めていこうとする女性たち3人を取り上げたドキュメンタリー映画『カンパイ!日本酒に恋した女たち』が現在愛知・名演小劇場で公開中だ。

ドキュメンタリーはロンドンの日本酒品評会、広島の酒の販促イベント、恵比寿の日本酒バーで輝く女性を映し出し、その3人に密着していく。

酒蔵を継いだ女性杜氏

昭和の始めの頃まで酒蔵は女人禁制で酒作りを女性が行うことも許されていなかった。古代では女性が酒を作っていたという文献もあるが、様々な理由から長らく日本では女人禁制になってしまっていた。現在は全国の酒蔵で多くの女性杜氏が酒作りを行っている。広島県安芸津町「富久長」の代表取締役で杜氏の今田美穂さんはOLとして働いたあと実家の酒蔵で杜氏として修行し、酒蔵と共に会社の経営も父から譲られた。大量生産を辞め、品質重視へ転換、米作りから酒を作るなど今までとは違う酒作りを展開し、活躍する女性杜氏の先駆けとなっている。酒作りに密着した映像とこだわりを持って酒を仕込む彼女の生の声を聞いてほしい。

©2019 KAMPAI! SAKE SISTERS PRODUCTION COMMITTEE

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酒と食の組み合わせが新たな味を生む

東京恵比寿の日本酒バー「GEM by moto」を経営する千葉麻里絵さんは利酒師の資格を持つ。毎日同じ時間に利き酒を行い、酒の具合を確かめ、どれをお客に勧めるべきかを考える。酒に合う付き合わせを探すことにも時間をかける。バイトとして働きながら日本酒の勉強をしていた頃から様々な酒造を訪問して酒造りを手伝い、蔵元との信頼関係を築いた。酒蔵を経営する人たちとのリアルな会話から科学的に導き出して新たに自分の酒を作っていく姿を杜氏達も賞賛する。

©2019 KAMPAI! SAKE SISTERS PRODUCTION COMMITTEE

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ニュージーランド出身の日本酒ソムリエ

日本酒コンサルタントとして日本から世界に日本酒を発信するレベッカ・ウィルソンライはニュージーランド出身だが日本と日本酒をこよなく愛す。日本酒文化がない場所で育ったからこそのアイデアを投入し、外国人ならではのコミュニケーション能力で海外へも日本酒文化を広げようとする。日本人以上のバイタリティが映し出される。

©2019 KAMPAI! SAKE SISTERS PRODUCTION COMMITTEE

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日本酒を愛する女性の視点から日本酒文化の広がりの可能性をこの映画に観ることが出来る。
日本産のワインやウイスキーも世界で評価される今、日本酒が世界で愛される日も遠くない。

この映画を観てまた新たな日本酒に出会える楽しみが出来る。映画を観た帰りに美味しい肴と日本酒で一杯やれたら最高だ。

『カンパイ!日本酒に恋した女たち』http://kampaimovie.com
は現在全国順次上映中。東海地方では愛知・名演小劇場で公開中。三重・伊勢進富座では7月27日から公開。

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