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第68回CINEX映画塾『木樵』宮﨑政記監督、面家一男さんトークレポート 

第68回CINEX映画塾『木樵』が10月1日、岐阜CINEXで開催された。『木樵』の岐阜・愛知先行公開での初日、全国で初めて上映されたのがCINEXということで午前中の上映にもかかわらず沢山の来場者があった。
上映後、映画を鑑賞した古田肇岐阜県知事からコメントがあった。

古田肇知事
「ちょっと前にアカデミー賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』を観て、しばらく映画から遠ざかっていたんです。久しぶりにCINEXに来ましたけれども、今日のこの映画は岐阜の魅力と言いますか、ますます岐阜が好きになりました。これぞ岐阜だろうと。そう言わんばかりの映画だと思いながら、拝見させていただきました。木樵は山の守り人であると。木樵がいるというナレーションの最後の言葉に尽きると思います。七、八年前になりますかね、『WOOD JOB』という映画がありまして。染谷将太さんが主役で、長沢まさみさんと岐阜出身の伊藤英明さんが出ておられたまさに木樵の物語がありました。これは涙あり笑いありの青春ドラマでした。改めて今日の映画『木樵』を観てみますと、ドラマはドラマだなと。ドキュメンタリーはドキュメンタリーだなとこんなことも感じた次第です。今日これは全ての公開の初日だそうでございます。日本中で最初にこの映画を我々皆さんと一緒に観させていただいたわけです。ぜひ1人でも多くの人をお誘いいただいて観ていただきたいと思っております」

左から 古田肇知事、宮﨑監督、面家さん

左から 古田肇知事、宮﨑監督、面家さん

益田祐美子プロデューサー(以下 益田P)
「皆様こんにちは。総合プロデューサーの益田です。どうぞよろしくお願いいたします。飛騨出身なので飛騨弁が非常によくわかります。改めてご紹介します。宮﨑監督です。そして面家さん。今日はスーツですよ!スーツ!」

宮﨑政記監督(以下 宮﨑監督)
「監督の宮﨑です。この柳ケ瀬CINEXさんと、名古屋の名演小劇場で、今日から上映が始まりました。それで12月にかけて嬉しいことに、全国30館近くで上映されます。その後の期待としては2番館、3番館の劇場にかかっていくことを期待しています。初日の今日こんなに来ていただいてものすごく嬉しいです。どうもありがとうございました」

面家一男さん(以下 面家さん)
「こんにちは。木樵の面家です。変なとこばっか皆様に観ていただき、本当にありがとうございました。こういうところが一番苦手で、山で働くのがやっぱし一番ですので、ご了承お願いします」

益田P
「今日は映画でご覧いただいたご家族の皆様もお越しになっています」
(観客席に奥さん、娘さん家族も。場内大拍手)

益田P
「大家族ですね。家族っていいですね、監督」

宮﨑監督
「この映画のもう一つのテーマ、裏テーマとも言うんですかね、家族があるんですね。観ていただくとわかるように、実に幸せそうな、幸せそうなというか実際幸せなんでしょうね。この家族像。これも木樵をやっているが故の幸せだという伝え方をしているんですが、中で面家さんが4人娘を育てたとすごく自信たっぷりにおっしゃるんですね。それで食事をしているところを何回も何回も使っているんですけど。あれはですね、木樵という職業をやって飯をちゃんと食っているんだぞという意味合いを込めました。これをちょっと裏テーマにしています。そういうことで今日奥さん、御家族に来ていただいて、非常に嬉しいです。ありがとうございました」

益田P
「私も蜂の子はよく小さい頃食べたんですけれども、熊もすごく美味しそう。面家さんは山の中の食べ物では何が一番美味しいですか」

面家さん
「やっぱり熊肉が一番。次は蜂の子、次はきのこ」

宮﨑監督
「実は予定としては撮影中に熊を撮りに行く予定だったんですよ、春先は。ところが豚コレラで猟師の皆さんは山に入っちゃいけない、これが知事の命令だという(笑)。それでクマの捕獲を撮れず、幸いイノシシの捕獲が撮れたのでこれを代用したという裏事情はあります」

益田P
「実はですね、宮﨑監督がこの映画をどうしても劇場公開したいと。劇場公開するには皆さんご存知のようにいろんな規定があってお金がたくさんかかるんですね。今日、映画の最後の方にクラウドファンディングでお金をご協賛いただいた方のお名前がありましたけれども、皆様にクラウドファンディングでご協賛いただきながら劇場公開をしました。まず劇場の方に最初にこの映画を観てもらいました。そうしたところ、二つ要望を言われたんです。まず飛騨弁がわからないと。何を言っているかわからないのでキャプションを付けて欲しいと」

左 益田プロデューサー

左 益田プロデューサー

宮﨑監督
「テレビじゃないので。スーパーですね。飛騨弁の下に標準語でスーパーを入れる。とんでもないことですよ。我々幸いにも想像力って思っているんですね。飛騨弁で何言ってんのかなと想像する。映画というのはそういうことを皆さんに要望しているわけですよね。テレビはスーパーは入れる、ナレーションはいっぱい言う。その点映画というのは観て考える。考えることができるものを提供しているというのは映画の一つの力なんですね。したがってスーパーで飛騨弁を解説する。これは面家さんにとっても失礼だと思うんですよ。だからそういうことはもう一切やらないということにしました」

益田P
「そこでプロデューサーとして一案考えまして、監督の意を汲みまして、スーパー、クレジットは一切入れないと。その代わりに、公式パンフレットに飛騨弁解説講座というページを作りまして、「だちかん」、「はちくさい」はどういうことかをページに書きまして、劇場の方にOK をいただきました。二つ目はナレーションです。当初私が観た映画の場合には、ナレーションは監督が自分でされていたんですね。劇場からはもうちょっと有名な俳優さんを考えてほしいと。ナレーションも飛騨弁で話す、木樵の面家さんも飛騨弁で本当に何を言っているかわからないということで、近藤正臣さんにお願いして受けていただいたんです」

宮﨑監督
「私のナレーションと、それから今日見ていただいた近藤正臣さんのナレーションと2種類あるんです。面家さんはどっちがいいですか」

面家さん
「それはもちろん今の(笑)」

宮﨑監督
「非常に残念ながらそういうことになって、私がナレーションをつけたものはもう二度と上映することはないと思います(笑)」

益田P
「ちょうど近藤正臣さんが東京のお家を売られて、郡上に移住された直後だったんですね。ナレーション語りをお願いしてやっていただいたんです。近藤正臣さんは10月30日に郡上で上映会をするときに登壇いただくことになりました。今回、マスコミ試写を各地でやっているんですけども、マスコミの方からの感想で一番多かったのが、面家さんの顔がいい。木樵で培ってきた表情ですかね」
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宮﨑監督
「やっぱり山で仕事をするということですよね。それで実に自信を持ってやっていらっしゃる。誇りを持ってやっていらっしゃる。そういうことが山で大木に挑みながらでも穏やかな表情でいられる。豊かな生活をしているってこういうことなんだろうなという風に思いました」

益田P
「林野庁や議員の方向けに先日28日にこの映画の完成披露試写を行いました。ミス日本みどりの女神がチェーンソーを持って、安全装具ユニフォームを着て行ったんですね。現役の議員の方が20名ほどお越しになられて、林野庁の方々も6名いらっしゃったんですが、試写が終わった後、私のところに林野庁の方が来られまして、この映画は日本の国民に林業について非常に興味を持たせるいい映画だから、林野庁としては感謝状を考えていますと」

宮﨑監督
「一体全体この映画は何なんだというのはよく聞かれるんですが、一番大事なのは山というのは何だろう、これ一点ですね。山は水を蓄える。酸素を作っているんですよ。この山をもう一度考えなきゃいけないんじゃないか、そういう時期に来てるよということを訴えたいんです。そこから先というのは行政の人とか、意思のある経営者、起業家の人たちがやってもらえばいいかなと考えています」

観客からの質問
「今回どういう思いで木樵を映像に残そうと思ったのでしょうか?」

宮﨑監督
「林野庁が、林業白書というものを毎年発行しているんですね。林業についての全てを網羅した白書です。この中から木樵が消えているんです。木樵という名称が出てこないんですね。木樵の代わりに何を使っているかというと、林業従事者というそうです。だから面家さんは林業従事者なんです。木樵というふうに表現しないで、林業従事者なる名前にしているのか私はその理由はよくわからないんですが、とにかく私は木樵の親父に育てられたので、木樵という職業を皆さんに伝えたい、そして木樵という名前を残したいなという思いがあります」
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観客から
「この映画を通して、一番観る方に伝えたいメッセージというのはどの辺でしょうか」

宮﨑監督
「監督が伝えたいことなんて大したことないんですよ。ですからこれは映画を観た皆さんが、どう感じるか、感じたかったことが伝えたかったことだと思ってもらえばいいんじゃないかな。先ほど古田知事から『ドライブ・マイ・カー』の話が出ましたが、私が観て何を感じたかというと、女々しい男と失敗した女の再生の物語かなという風に見ました。これは私の見方で、こういう見方をできるのは映画の面白さだと思うんですね。だからドキュメンタリー映画『木樵」というのはそれぞれの皆さんが、先ほど言ったように家族の問題でもいいです。地球温暖化の問題でもいいですし、何かを感じていただければ。これで映画の価値があるんじゃないかなと思います」

観客から
「面家さんのお弁当を食べる姿が大好きです。おかずも美味しそうでした。毎日それを食べられることも木樵を長くやっていらっしゃる秘訣かなとも思ったのですが、本音はどうでしょうか」

面家さん
「やはり愛妻弁当のおかげで仕事ができます。私も力がいるもんで、ご飯はたくさん食べます」

観客から
「問題提起も所々されていたように感じました。木材の使われ方であるとか、かつての4分の1の収入になっていらっしゃるとか、持ち主がわからない山があるとか。友人で今林業をスタートしている人がいまして聞けば聞くほど大変だなというか日本の林業どうなっちゃうんだろうと非常に危機感を持っています。いいことだけじゃなく、ぜひ皆さんに共有してほしい、何か課題とかですね、メッセージがあればぜひお聞きしたいと思います」

宮﨑監督
「今おっしゃった通り、山はいろんな問題を抱えていますね。その前に一つ言いたいのは、山が問題を抱えているわけじゃないんですよ。我々の問題としてあるということですよね。山は何も問題ないですからね。それをしてその問題をどうすればいいか、これは先ほどもちょっと言いましたが、個人個人のレベルではなかなか難しい。でも山に思いを寄せる、それぐらいはできますよね。それから先、この山をどうするんだということはこれはもう企業の皆さんか、行政の皆さんに任せるしかないんですね。私もいい方法を持っているわけじゃないんです。たかだか映画監督なのでここまでということなんですね。でもこうやって観てもらうことが一番大事です。私の仕事だと思うので。そういう風に感じてもらえることはものすごく嬉しいです」
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映画『木樵』https://kikori-movie.com/ は現在岐阜CINEX、愛知 名演小劇場で先行公開中。10月14日より大垣コロナシネマワールド他で全国順次上映。

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