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あなたの信じる人は誰ですか?(映画『星の子』)

『日日是好日』の大森立嗣監督最新作は令和初の第161回芥川賞を受賞した今村夏子原作の『星の子』だ。

進路を自身で決める年頃でもある思春期の少女の家庭の事情と少女の繊細で複雑な心の中を映し出す。

あらすじ

大好きなお父さんとお母さんから愛情たっぷりに育てられたちひろだが、その両親は、病弱だった幼少期のちひろを治した“あやしい宗教”を深く信じていた。中学3年になったちひろは、一目惚れした新任のイケメン先生に、夜の公園で奇妙な儀式をする両親を見られてしまう。そして、彼女の心を大きく揺さぶる事件が起きる。

ちひろ、15歳。恋をして自分の境遇を自覚する

学生らしい恋愛模様、好きな人への憧れと現実、宗教への信心を辞めさせようとする親戚からのアプローチ。周りからはそろそろ大人に向かう年齢と見られる15歳のちひろに自身が置かれている境遇を改めて自覚する出来事が押し寄せる。

治らなかった自分の病気を救ったのがある宗教団体が販売していた霊験あらたかといわれる水だったことからその宗教を信心し、強く信心するあまり次第に生活が苦しくなっている両親の元で暮らし、2人を慕うちひろ。
世間から両親はどう見られているかはわかっており、外では宗教のちょっとした禁忌もおかしているちひろだが、ずっと自分を救った水を飲み続けている。その宗教が自分にとって生活の一部であり、自分のために信心している両親を嫌いになることが出来ない。両親との関係を断ち切り家を出た姉とは違い、ずっと両親には何も言わず、自分の中に抱えて生きている。そんなちひろが中学3年になった春、赴任してきたイケメンの数学の先生に恋をした。ひたすら授業中にノートに募る思いを描いていく。ちひろの甘酸っぱい恋。女子生徒から大人気のイケメンな先生の行動や発言はちひろに大きな影響を与えることになる。

芦田愛菜の圧倒的な感性

ヒロインちひろを演じるのは『円卓 こっこ ひと夏のイマジン』から5年ぶりの主演となる芦田愛菜。撮影時は自分と同学年のちひろを演じるにあたり、ロングヘアをばっさりカットして臨んだ。小さな頃から演技力は世界が認めるところだが、今回も繊細なちひろの心は芦田愛菜の圧倒的な感性を通してしっかりと伝わってくる。大人への階段をのぼる途中のどこか大人であり、どこか子どもでもあるこの年頃の心の揺れは同学年の彼女だからこそわかるものもあるのではないか。台詞だけではわからないちひろの心の奥が彼女を通じて見えてくる。笑ったり、ふくれたり、泣いたり。機微に変わるちひろの表情は特に注目して観て欲しい。

脇を固める役者陣は主演級が勢揃い

ちひろにとっては悩みの種であり、かけがえのない人である両親には永瀬正敏、原田知世という夢のような組み合わせ。
また、ちひろが憧れるイケメン数学教師に岡田将生。今回は歯に衣着せないタイプのイケメンを演じているのが新鮮だ。
小さな頃から色々なことを話してくれる宗教団体幹部に黒木華、高良健吾。黒木華演じる昇子がちひろに話すあるセリフは観ている私たちも考えさせられるセリフだ。

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自分は何を信じ、どう生きるか

自分の愛する本当に大切な人は誰か。自分の信じるものというのは何よりも尊い。信じるものは人それぞれ違う。

人、信条、宗教、そして家族。

かけがえのない大切な存在。それを心の支えにして生きる人もたくさんいる。

この作品のヒロイン・ちひろが信じ、愛しているものは何か。

これからの人生をちひろはどう生きていくか。

広大な星空の下、ちひろ、そして父と母は何を感じたのだろうか。

映画『星の子』https://hoshi-no-ko.jp/は10月9日(金)より全国ロードショー。

名古屋市内ではミッドランドスクエアシネマ、TOHOシネマズ名古屋ベイシティ、イオンシネマ名古屋茶屋で公開。

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