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人気映画を支えてきた特撮、特殊効果のクリエイター達(映画『クリーチャー・デザイナーズ 特殊効果の魔術師たち』)
映画にはさまざまなジャンルがある。その中でも私たちを日常にはない興奮に誘ってくれるのがファンタジーやホラーの世界だ。この世にはいない怪獣、魔物、妖精……数え切れないほどの創造物がいきいきと躍動する。それは私達の想像の世界から生まれたものだ。映像作りにおいて欠かせないのがそれを具現化するクリエイターだ。
クリエイター達が使う技術は特撮、特殊効果だけでなく、デジタル分野の進歩でさらなる飛躍を遂げた。その変遷や特撮、特殊効果の魅力と現場の声を届けてくれる作品が5月20日から公開されるドキュメンタリー『クリーチャー・デザイナーズ 特殊効果の魔術師たち』だ。
ヒット作を生み出したクリエイター達の技術
特殊効果や特撮が話題になった作品は私達が記憶している大ヒット作でもある。
その話題作を支えたクリエイター達が作品の制作秘話を語ることで、特殊効果の進歩を知ることが出来るのがこのドキュメンタリーの面白いところだ。
様々な作品で用いられたコマ撮り撮影、『ハウリング』、『遊星からの物体X』での特殊メイクアップアーティスト、ロブ・ボッティンの活躍、『グレムリン』で本格化したワイヤーで制作したものを動かすアニマトロニクスという技術、『ターミネーター2』から導入されたCG、『二つの塔』で出てきたモーションキャプチャーなど、各時代の最先端技術で監督が頭の中で描いたイメージを形にしてきたクリエイター達の技術や才能が語られていく。
常に新しいものを模索する映画界。昔から変わらない技術と、テクノロジーの進歩による新たな技術の融合によって新たな話題作を生み出してきた。その裏ではクリエイター達が自身の技術が映像技術で使用されなくなることに対する葛藤もあった。
『パシフィック・リム』、『シェイプ・オブ・ウォーター』のギレルモ・デル・トロ監督、『ハウリング』、『グレムリン』のジョー・ダンテ監督、『狼男アメリカン』、『ブルース・ブラザース』のジョン・ランディス監督、 『スター・ウォーズ』シリーズ、『ジュラシック・パーク』の特殊効果担当フィル・ティペット、スティーヴン・スピルバーグやジョージ・ルーカスの作品でSFX/VFXを担当したデニス・ミューレン、『スター・ウォーズ』、『狼男アメリカン』、『ヘルボーイ』など多数の作品で特殊メイクアップを担当したリック・ベイカーなど錚々たるクリエイターに新たにインタビューしたことで明らかになる彼らの奮闘する姿にプロフェッショナルな世界の厳しさも知ることが出来るだろう。
「現代のフランケンシュタイン(=怪物の創造主)」とも呼ばれる彼らの斬新なアイデアと繊細な技術を知ってから改めてこのドキュメンタリーで語られた作品達を観てみると、今までとは違った楽しみ方が出来るのではないか。
『クリーチャー・デザイナーズ 特殊効果の魔術師たち』https://creature-designers.jp/ は5月20日(金)から新宿シネマ・カリテ他で全国公開。名演小劇場、ミッドランドシネマ名古屋空港では5月27日(金)より公開。
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