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映画『ファンファーレ』名古屋舞台挨拶・衣装制作担当:箕浦杏さんトークレポート

映画『ファンファーレ』公開記念舞台挨拶が11月18日名古屋センチュリーシネマで開催された。

映画『ファンファーレ』はアイドルを卒業すると決めたアイドルの引退イベントまでを描く中で、アイドル、元メンバー達の今と心の葛藤を描いている。

舞台挨拶にはライブシーンでの衣装制作を担当した名古屋在住の箕浦杏さんが登壇。制作の裏側を語った。(司会:松岡ひとみさん)

箕浦杏さん(以後 箕浦さん)
「映画『ファンファーレ』の衣装制作を担当いたしました箕浦杏です。本日はよろしくお願いします」

松岡ひとみさん(以後 松岡さん)
「名古屋にお住まいなんですよね」

箕浦さん
「はい」

松岡さん
「センチュリーシネマさんでの舞台挨拶は初めてですか?」

箕浦さん
「舞台挨拶自体初めてです(笑)」

箕浦杏さん

箕浦杏さん

松岡さん
「そうですよね。映画に出ている方ではなく、制作側の方ですからね。ラストシーンでの素敵な衣装を作られた方なんですが、ただ、元々アイドルをやられていたと」

箕浦さん
「そうですね、アイドルをやっていました。中学2年生から高校1年生の2年半ぐらい名古屋でアイドル活動させていただいていました。名古屋CLEAR'S というんですが」

松岡さん
「知っていますよ。CLEAR'S。人気のあるグループで。忙しかったそうですね」

箕浦さん
「学校が終わって急いで家に帰ってきて、レッスンに行ったり、ライブに行ったりをほぼ毎日していました。忙しかったんですが、アイドルが大好きなので毎日楽しくさせていただいていました」

松岡さん
「そして専門学校に行かれたとのことですが、専門学校の時はもうアイドルはやっていないんですね?」

箕浦さん
「はい。専門学校の時はもうアイドルをやめていました。アイドルの衣装を作りたいという夢を持って専門学校に入りました」

松岡さん
「高校の時にアイドルをやっていて、自分でアイドルではなく、作りたい方にシフトしたということですか?」

箕浦さん
「アイドルになる前はアイドルの衣装を見ても可愛いなとか着てみたいなという印象しかなかったんですが、着てみるとアイドルになる。アイドルとしての1歩を踏み出させてくれる、気持ちがすごく高まるのが、アイドル衣装だなと。アイドル衣装の魅力に気づいて。そこから、昔から手芸とか小物を作るのがすごい好きだったので、私もこんな衣装を作ってみたい、アイドルの衣装を製作したいと思うようになりました」

松岡さん
「元々アイドルになろうと思ったきっかけは何だったんですか?」

箕浦さん
「元々お母さんがダンスの先生をしていまして、私は小さい時から歌って踊ることが大好きだったんです。ダンススタジオにアイドルクラスというアイドルの曲を踊るというクラスがあって、それに入っていたんですが、そこで自分で表現することの楽しさに気づいて、自分もステージに立ってアイドルになりたいと思って、アイドルを目指すようになりました」

松岡さん
「ではお母様も映画の衣装制作を杏さんがされたことを喜んでいらっしゃいますか?」

箕浦さん
「やれてよかったねと言ってくれています」

松岡さん
「映画の衣装制作というのは、衣装のデザインから全部始めているんですか?」

箕浦さん
「そうですね。衣装制作はデザインからする仕事もありますが、私が今主にやっているのは、 デザインとか布の生地を選ぶのは違う方がいらっしゃって。その生地をいただいて、型紙を書いたり縫ったりすることをメインでやらせていただいています」

松岡さん
「楽しいですか?」

箕浦さん
「とっても楽しいです」

松岡さん
「では今はアイドルの方の衣装を作っている感じですか?」

箕浦さん
「はい。名古屋を中心に活動されているアイドルの方の衣装を作っています」

松岡さん
「それはどういう風に作られるんですか?」

箕浦さん
「アイドルの方のイメージとか、スタッフさんのアイドルに対してのイメージというのがあって、イメージの画像とかをいただいて、その中から私なりにデザインをしてとか、話し合いでここはこうしていこうと決めていきます。「骨格から考えるとパフスリーブは似合わない」とか、そういう要望が色々あるので、要望に合わせたデザインを心がけています」

松岡さん
「映画でもメインの方だけは違うデザインだったじゃないですか。最後のラストのシーンの衣装はすごい可愛いです」

箕浦さん
「由奈ちゃんの卒業衣装ということだったので、由奈ちゃんの1番目立つ衣装というのを心がけていて、 卒業ドレスだったので、白のドレスというのが私の中でイメージがあったので、そのイメージで、1番豪華にしたいなと思ってそうしたんですけど、他の4人のメンバーとも合わせないといけないなと思ったので、 同じ生地を使ってみたりすることによって、バランスも合った衣装を一生懸命制作させていただきました」

松岡さん
「では今回はいつもとはちょっと違って、生地から全部自分で選んだということですか」

箕浦さん
「そうですね。生地だけで2時間ぐらい一生懸命見ながら、豪華に映像映えするような衣装をということで、実物を自分で見られるわけじゃなくて、映像だけでということなので、スカートがふわっとなるような衣装を考えました」

松岡さん
「ライブで見るのと、映像で見るのとは違いますよね。耐久性とかも考えられたんですか?」

箕浦さん
「そうですね。アイドルは普段着とは違ってめちゃくちゃ踊るので、脇の部分が詰まっていたりすると腕が上がらなかったり、そういう部分で、私自身もアイドルをやっていて、この衣装はすごい踊りづらいなというのがあったりしたので、踊りやすくなるような衣装を制作することを心がけました」

松岡さん
「衣装を作るにあたって、映画作りですから、キャスティングもあります。キャスティングが決まってから、デザインを合わせていくとか、どういう順番なんですか?」

箕浦さん
「今回の場合はキャスティングより先に、監督さんとプロデューサーさんと、衣装をこういう風にしたいという元々の構想があって、話し合いをさせていただいて、キャスティング前にもうデザインは決定している状態だったんですが、キャスティングされてからメンバーさんと直接お会いして採寸させていただいて、撮影までの期間で制作させていただいた感じです」

松岡さん
「決まってから制作となると結構タイトですよね?」

箕浦さん
「今回はタイトで2、3週間ぐらいで作りました」

松岡さん
「キャストの方が決まったじゃないですか。決まってくると、どんどんまた細かいデザインが変わったりしませんか?」

箕浦さん
「そうですね、デザインは変わらなかったんですけど、メンバーさんは身長も皆さん違いますし、ウエストもサイズも違ったりするので、メンバーにあった型紙にするので、若干調節はさせていただきました」

松岡さん
「映画の衣装制作は初めてですか?」

箕浦さん
「映画の衣装制作は初めてです。私は去年まで学生をしていて、学生時代には制作させていただいたんですが、夢だったアイドルの衣装を1から制作させていただくのはこの映画が初めてで。デザイナーとしての一歩を踏み出せたのがこの作品だったのかなと思うので、今回、そういった点では、映画の中の玲ちゃんと全く同じような境遇でした」

松岡さん
「映画制作、これからどんどん声がかかるんじゃないですか?」

箕浦さん
「そうだとありがたいですね」

松岡さん
「海を越えてお仕事されても全然いいと思います」

箕浦さん
「越えられたら嬉しいですね。頑張ります」

松岡さん
「今日は映画のプロデューサーの戸山さんがいらっしゃっています」

戸山剛プロデューサー(以後 戸山P)
「多くの映画が公開されている中で 『ファンファーレ』を観に来ていただいて、本当にありがとうございます。私は名古屋に5年間ほど住んでいたことがありまして、今日は顔を出させていただきました。箕浦さんとの出会いは2年前、映画の現場が一緒だったんですね。『まくをおろすな!』という映画がありまして。日光江戸村で1ヶ月ぐらい撮影したんです。僕はその時ラインプロデューサーで、箕浦さんが専門学校からインターンで派遣されて衣装部についていました。プロの衣装のスタッフの下についていて、仕事がとってもできる方で。学校からいただいた履歴書に元アイドルだった、アイドル活動をしていたと書かれているのを見て撮休の日にインタビューをさせてもらったんです。ちょっと別の企画でアイドルを絡めているものがあるものですからと言ってお話を聞いたんですが、その時の話がすごく面白くて。元アイドルで、自分の意思でアイドルを辞めて、裏方に行く。服飾の世界にいくというのは非常に面白いなと頭に残っていまして。1年前に小規模の映画を作るような助成金が日本にありまして。あ、これだと思って。1回、箕浦さんに東京に来てもらいました。アイドルを辞めて、1人はダンスが得意で振り付け師になる女性で、1人は服飾の方でスタイリストを目指す。その時にはポジションだけは決まっていたので、構想をお話しました。そこで箕浦さんとディスカッションをして、卒業する子がいて彼女から呼ばれて卒業ライブまでの話をちょっと作ろうと。 衣装はやっぱり箕浦さんに作ってもらうとその時に決めていて」

戸山剛プロデューサー

戸山剛プロデューサー

松岡さん
「お話聞いた時はどんなお気持ちだったんですか?」

箕浦さん
「本当に私でいいのかなと。さっき言ったように経験も何もなかったので、私1人に任せていただいていいのかなというびっくりな気持ちが大きかったです」

戸山P
「そうですね。現場で一緒にやっていて、動きが素晴らしかったのと、デザインもいくつか出してもらってよかったので、製作の部分はなんとか頑張ってもらおうと。 若い才能と仕事をするのが僕は大好きなので」

松岡さん
「撮影中はずっと現場にいらっしゃったんですか?」

箕浦さん
「はい。ずっと全日程撮影中は現場にいました」

松岡さん
「ライブ以外の所の衣装もやられたということですか?」

箕浦さん
「他の衣装はプロのスタイリストさんが選ばれています」

戸山P
「万里花と玲が普段来ている服やサブのキャストが着ているものは、衣装会社にスタイリストがいて選んでいます。スタイリストさんは衣装合わせで全部衣装を決めていますが、現場の衣装担当を箕浦さんがやっています。現場の着付けとか役者全員の衣装担当をプロとしてやっていました」

松岡さん
「衣装担当も初めてだったんですよね?」

箕浦さん
「インターンでやらせていただいたのを元に自分でやらせていただきました」

松岡さん
「衣装担当の現場を振り返ってどうでしたか?」

箕浦さん
「毎日やらないといけないことがいっぱいで、大変で、うわあってなってしまう時もあったんですが、 映画の最後のライブのシーンの撮影が本当に映画撮影の最後の日だったんですけど、その衣装を着たメンバー5人がステージに立ってるのを裏で見ていて、泣いてしまって。初めて自分がデザインした衣装を着て出てくださって、それが映像になるのかと思ったらすごく嬉しくて。感無量で。人ってこんなに泣けるんだと思ったぐらい泣いてしまいました」

戸山P
「泣いてましたね。僕も泣きましたけど。撮影は順撮りができて、ラッキーなことに1番最後の最後にあのライブのシーンが撮れたんですね。コロナ禍で割と大変な撮影だったんですけど。 最初はファンも入れてライブもやろうと思っていたんです。準備の段階でコロナがまた猛威を振るい始めて設定が変わったという裏話もあります」

松岡さん
「ラストのライブシーン以外にも印象に残っているシーンはありますか?」

箕浦さん
「玲ちゃんに感情移入する部分がいっぱいあります。玲ちゃんの設定は私に似ています。アイドルを卒業してすぐに会社に入ってというギャップを感じる部分は少なかったんですが、 アイドル衣装を製作する上でクライアントさんがいて、その方にはその方の作りたい衣装というものがあって、私にも衣装制作者としてここは譲れないというのがあったりするので、その中で意見が食い違ってしまって、自分の中で葛藤とかもあったりするので、やっぱり玲ちゃんの涙とか、そういう部分にぐっとくるものがありました」

松岡さん
「では最後に皆さんへメッセージをお願いします」

箕浦さん
「皆さん、今日はお越しいただいてありがとうございました。名古屋で今、一生懸命アイドルの衣装制作をしていて、 もっといろんなところで活躍できるような衣装さんになれるようにこれからもっともっと頑張っていきたいなと思っていますので、これからも応援のほどよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました」

舞台挨拶のラストには名古屋ファッション専門学校佐藤弥生校長から箕浦さんへ花束の贈呈も行われた。

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映画『ファンファーレ』https://funfaremovie.com/ は現在全国順次公開中。愛知センチュリーシネマ、ミッドランドシネマ名古屋空港は現在公開中。

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