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幸せな家族には裏があるー映画『エル・クラン』

2016/09/29

驚くべき家族の裏の顔 ―彼らは誘拐犯

 

確信犯という言葉の意味についての話題がニュースで流れてきていた。
(確信犯の意味 昔から伝わったもの:それが正しいと信じて犯罪をおかすこと
最近の解釈    :悪いとわかっていて犯罪をおかすこと。)

果たして彼は確信犯だったのか否か。

今の生活を保つために。生活のために家長がとった行動は
とんでもないものだった。

あらすじ

誰からも愛される裕福な一家。しかし彼らにはとんでもないもうひとつの顔があった。
ヴェネチア国際映画祭2015で銀獅子賞を受賞した『エル・クラン』。
独裁政権が倒れ、民主化が進む1980年代のアルゼンチン。
独裁政権で働いていたアルキメデスは無職になる。

見知らぬ男に殴られ、誘拐されそうになったアルハンドロ。
友人はトランクに入れられたのに
自分は助手席に座らされ、怪我はないかと心配される。
誘拐犯は父親のアルキメデス。
民主化で裕福になった人々を誘拐して身代金をせしめている。
そして、いつしか生活のために誘拐は家業になっていった。
アルハンドロは友人の誘拐を手伝ったのだ。

この無茶苦茶な父親を畏れていたアルハンドロだったが
恋人との平凡な、普通の暮らしがしたいと考えるようになる。

驚くなかれ。これは実話。

周りに全く怪しまれないで家族ぐるみで犯罪をしていたというのが
ドラマの世界のようだ。
だが、これが現実。実際に起こったというのだから事実は小説よりも奇なり。
生きるために仕方なかったのか、自分達の代わりに裕福になる人々が憎かったのか。
アルキメデスの狂気は家族をも巻き込んだ。

子供部屋の横に人質の監禁部屋があっても、母や娘たちは見て見ぬふり。
平常心でなぜいられたのか。
それが疑問のままスクリーンに描かれる光景に唖然として話が進んでいく。

そのスピード感をもたらしているのが音楽。
ジャンルにとらわれない。
入るタイミング、選曲が素晴らしく、
思わずサウンドトラックをチェックしてしまったほど。
(公式サイトに音楽の一覧があります。)

パブロ・トラベロ監督は実際に被害者家族や近所の人々会って
アルキメデス家を描く。
アルキメデスを演じたのはギレルモ・フランセーヤ。
アルゼンチンではコメディ俳優としても有名な彼だが
今回の作品ではそんな姿は微塵もない。

アルキメデスは新しい仕事を生きるための仕事としてこなす。
独裁政治の世の中に心を置き忘れたのか。
最後の最後までアルキメデスは普通なのだ。
それが怖い。

アルキメデスはどっちの意味の確信犯だったのだろう。
答えはスクリーンで確認を。

 

作品情報

『エル・クラン』

現在公開中

東海地区は名古屋栄センチュリーシネマで現在公開中

岐阜 CINEXは10月22日より公開

公式HPはこちら

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