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只見線とともに奥会津でみる美しい景色を守るために（映画『霧幻鉄道 只見線を300日撮る男』）
日本のローカル線は赤字路線が多く、毎年存続の危機に瀕しながらその土地で生活する人々に寄り添い運行されてきた。どうすれば存続出来るのか。地域の人々と、運行する会社は試行錯誤を繰り返している。
福島県・会津若松駅と新潟県・小出駅を結ぶローカル鉄道・只見線は絶景の秘境路線として国内屈指の人気を誇っていたが、2011年7月の新潟・福島豪雨で甚大な被害を受けて只見－会津川口（福島県金山町）の27.6キロが不通となり、一時は廃線の危機にさらされた。しかし、地元住民からの再建への熱い思いが、自治体とJRを動かし、2022年10月1日の全線開通が決定。間もなく試運転が始まるという。
只見線の復活に向けて尽力した地元の写真家・星賢孝を追ったドキュメンタリー『霧幻鉄道 只見線を300日撮る男』が7月29日より公開される。
只見線を撮り続ける男
只見線が甚大な被害を受けた後、地元活性化の生命線を絶やさないようにと住民たちが声をあげた。その中心には数十年にわたって只見線と奥会津の絶景を撮り続けている地元出身の郷土写真家・星賢孝がいた。
只見線は存続が決まったとはいえ大きな赤字を抱え込み、いつ決定が覆って廃線になるかわからないローカル線だ。生活の足として大事なものだが、地元で使う人の絶対数は少ない。星賢孝は自らが撮った写真をSNSに投稿し、観光で来てもらう人達が増えるように動いたところ、日本だけでなく海外からも撮影に訪れる人が現れた。
奥会津の風景には只見線が必要だと彼はいい、撮り続けた写真を抱えて撮影仲間と各地で写真展を開催、時には只見線存続のために講演会で話し、只見線のフォトスポットの監修、撮影ツアーの引率までありとあらゆることに動いてきた。
そんな星賢孝に密着したのは「『知事抹殺』の真実」の監督で、東日本大震災をきっかけに福島に移住した安孫子亘監督だ。地元に残り、地元を愛する人々はどんな思いを抱えながら只見線を守るのか。また地元を離れた人は只見線をどう思うのか。星賢孝の生い立ちや只見線への熱い思い、星とともに活動する人々から地元、故郷を盛り上げ、豊かな地にしていくとはどういうことかを探る。
地域復興を掲げる日本の様々な地方都市は地元を生かした魅力を探しだし、活性化していく必要がある。
只見線はローカル線存続、地域復興の一つのモデルケースとなるだろう。
奥会津の自然と向き合い、美しい自然を維持しながら、只見線が復旧後どうなって行くのか。このドキュメンタリーの先も気になるところだ。
映画『霧幻鉄道 只見線を300日撮る男』https://www.mirufilm.com/mugen は7月29日（金）よりヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺他で全国順次公開。
東海地区では7月29日（金）より名演小劇場、イオンシネマ（豊川、東員）でも順次公開予定。
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