EntaMirage! Entertainment Movie 岐阜推し!
【岐阜推し】映画『シンペイ 歌こそすべて』岐阜CINEX舞台挨拶レポート
2025/02/12
映画『シンペイ 歌こそすべて』の公開記念舞台挨拶が2月9日(日)岐阜CINEXで開催され、岐阜出身の神山征二郎監督と新田博邦プロデューサーが登壇した。
映画『シンペイ 歌こそすべて』は「シャボン玉」「東京音頭」などたくさんの唱歌、童謡、歌謡曲を世に送り出した作曲家・中山晋平の生涯を描いた音楽映画だ。
映画の中では私たちになじみのある歌がたくさん流れ、日本音楽の礎でもある中山晋平の曲を楽しむことが出来る。
映画を作るきっかけ
神山監督も新田プロデューサーもそれぞれが偶然にも中山晋平を題材に映画を作りたいという思いを長年抱いていたという。中山晋平への思いが神山監督、新田プロデューサーから語られた。
神山征二郎監督(以後 神山監督)
「私は岐阜市の北の方にある西郷地区の農家の次男として生まれました。皆さんもご承知のように農家というのは長男が継ぐと決まっていましたから、次男の私はすごく独立心がありました。中山晋平さんも長野県の一番北の方、新潟県に近いところの小さな村の四男として生まれました。元々は立派な家柄の方でしたが、父親が早くに亡くなり、小学校4年生で丁稚奉公に出ているんです。そして18歳で東京に出て、書生になって音楽の勉強を始めた方です。出自が似ていることもあり、すごく中山晋平さんという方に私は親近感を持っていまして。というのも私はのど自慢で準優勝したことがあるぐらい実力があったので、どちらかというと音楽の方が好きで、歌手になりたかったんです。岐阜を出て次第に映画の世界に入って行くことになったんですが、他人とは思えないところがあり、中山晋平の音楽映画を作りたいと思っていました」

神山征二郎監督
新田博邦プロデューサー(以後 新田プロデューサー)
「私の中山晋平との出会いはもう40年ほど前になりますが、舞台を観た時の登場人物に中山晋平が出てきたんです。地味な小さな役なんですが、とても印象的な役で気になって中山晋平を調べたら、沢山歌を作っているわけですよ。小学校用唱歌から歌謡曲、演歌と幅広く、これはすごいなと思ってこれだけの歌を並べただけでも面白い映画になると思いました。ちょうど4,5年前に『ボヘミアン・ラプソディー』『エルヴィス』などの音楽映画がヒットした頃に神山監督に「中山晋平をしっかりと描いたドラマ性を持った映画を撮りたいとお話しました」

新田博邦プロデューサー
神山監督
「新田さんは楽譜も読めるし、楽器も弾けるし、音楽性のあるプロデューサーさんです。日本ではそんなプロデューサーはあんまりいないんです。すごくいい化学反応があったというか。私はドラマを作るのが専門なんですが、新田さんの音楽性と私のドラマ性がぴったり合いました」
岐阜でのロケ地について
撮影のメインは中山晋平の出身地、長野県で行われている。ロケ地マップも劇場では配布されていたが、そこには掲載されていない岐阜の撮影場所が公開された。
新田プロデューサー
「今日は岐阜での舞台挨拶ですから、岐阜での撮影場所を公開しましょうか。岐阜では2カ所で撮影しています」
神山監督
「晋平の生家を恵那市にある大正村の一番奥にある旧三宅家で撮影しました。普通はお借りする古民家での撮影では火が使えないんですが、この旧三宅家は家を長持ちさせるために毎日囲炉裏で火を焚いているんです。ですから火を使って撮影ができる日本で唯一の古民家です。もう一つは中津川のかしも明治座で舞台のシーンを撮影しました。ああいった舞台は他の場所にも残っているんですが、楽屋まであそこは完璧に残っているんですよ。楽屋まで残っているところはなかなかないんです。観に行く価値があります。実際に観客を入れての撮影シーンでしたが、岐阜の皆さんがエキストラとして集まってくださいました。他に長野では、東京芸大のシーンが旧長野県庁、鹿児島のお座敷を須坂で撮影していますね」

©「シンペイ」製作委員会2024
地元岐阜で観てもらうということ
神山監督
「作品は監督一人で作るわけではないんですが、やっぱりわが子みたいな感じなんです。だからそれを褒められたりするととても嬉しいです。外国の方に観てもらうのも嬉しいことなんですが、特に岐阜で観てもらえることは嬉しいですね」
新田プロデューサー
「晋平さんの出身地長野で11月から先行公開していますが、もう5000人以上の方が観たと言われているほど好評です」
神山監督
「2回とか3回とか4回観たと言われる方もいるんです。普通は3回も観ないでしょう?不思議な映画なんです。ぜひ岐阜でもたくさんの方に観ていただけるように今日観て良かったらお知り合いやご家族に紹介してください。これからも岐阜の方に観ていただけるように映画を作っていきます。CINEXさんには『ふるさと』『郡上一揆』でも本当にお世話になりました。CINEXさんがお客様でいっぱいになるように頑張ります」と来場者に呼びかけた。

舞台挨拶終了後には劇場ロビーでサイン会が開催され観客と神山監督が交流する時間も設けられた。
映画『シンペイ 歌こそすべて』 http://shinpei-movie.com/ は現在岐阜CINEXで公開中。

©「シンペイ」製作委員会2024
おすすめの記事はこれ!
-
1 -
兄のことをひたすら考える終いの4日間(映画『兄を持ち運べるサイズに』)
『湯を沸かすほどの熱い愛』や『浅田家!』で数多くの映画賞を席捲し、一貫して家族の ...
-
2 -
映画『Good Luck』先行上映記念 足立紳監督&足立晃子プロデューサー 舞台挨拶レポート
11月24日「NAGOYA CINEMA Week 2025」の一環として、足立 ...
-
3 -
本物の武道空手アクションがここに!映画『TRAVERSE2 -Next Level-』豊橋で先行公開、完成披露試写会 開催!
武道空手アクション映画の金字塔となる二部作の完結編、映画『TRAVERSE2 - ...
-
4 -
極寒の会津ロケからベルリン映画祭出品へ! 魂の舞と幽玄の世界が描き出す人間の複雑な心境(映画『BONJI INFINITY』初号試写会 舞台挨拶レポート )
2025年11月3日、映画『BONJI INFINITY(ボンジ インフィニティ ...
-
5 -
日本初ARRIが機材提供。美しきふるさとの映像と音に触れ、自身を回顧する(映画『郷』小川夏果プロデューサーインタビュー)
数々の国際映画祭で評価を重ねてきた鹿児島出身の新進気鋭の伊地知拓郎監督が、構想か ...
-
6 -
映画『佐藤さんと佐藤さん』名古屋先行上映会舞台挨拶レポート。岸井ゆきのさん、宮沢氷魚さん、天野千尋監督登壇
映画『ミセス・ノイジィ』の天野千尋監督の最新作は夫婦の変化する15年間を描く、オ ...
-
7 -
運命さえも覆せ!魂が震える慟哭のヒューマン・ミステリー(映画『盤上の向日葵』)
『孤狼の血』などで知られる人気作家・柚月裕子の小説『盤上の向日葵』が映画化。坂口 ...
-
8 -
本から始まるストーリーは無限大に広がる(映画『本を綴る』篠原哲雄監督×千勝一凜プロデューサー インタビュー&舞台挨拶レポート)
映画『本を綴る』が10月25日から名古屋シネマスコーレで公開されている。 映画『 ...
-
9 -
いつでも直球勝負。『おいしい給食』はエンターテイメント!(映画『おいしい給食 炎の修学旅行』市原隼人さん、綾部真弥監督インタビュー)
ドラマ3シーズン、映画3作品と続く人気シリーズ『おいしい給食』の続編が映画で10 ...
-
10 -
もう一人の天才・葛飾応為が北斎と共に生きた人生(映画『おーい、応為』)
世界的な浮世絵師・葛飾北斎と生涯を共にし、右腕として活躍したもう一人の天才絵師が ...
-
11 -
黄金の輝きは、ここから始まる─冴島大河、若き日の物語(映画 劇場版『牙狼<GARO> TAIGA』)
10月17日(金)より新宿バルト9他で全国公開される劇場版『牙狼<GARO> T ...
-
12 -
「空っぽ」から始まる希望の物語-映画『アフター・ザ・クエイク』井上剛監督インタビュー
村上春樹の傑作短編連作「神の子どもたちはみな踊る」を原作に、新たな解釈とオリジナ ...
-
13 -
名古屋発、世界を侵食する「新世代Jホラー」 いよいよ地元で公開 — 映画『NEW RELIGION』KEISHI KONDO監督、瀬戸かほさんインタビュー
KEISHI KONDO監督の長編デビュー作にして、世界中の映画祭を席巻した話題 ...
-
14 -
明日はもしかしたら自分かも?無実の罪で追われることになったら(映画『俺ではない炎上』)
SNSの匿名性と情報拡散の恐ろしさをテーマにしたノンストップ炎上エンターテイメン ...
-
15 -
映画『風のマジム』名古屋ミッドランドスクエアシネマ舞台挨拶レポート
映画『風のマジム』公開記念舞台挨拶が9月14日(日)名古屋ミッドランドスクエアシ ...
-
16 -
あなたはこの世界観をどう受け止める?新時代のJホラー『NEW RELIGION』ミッドランドスクエアシネマで公開決定!
世界20以上の国際映画祭に招待され、注目されている映画監督Keishi Kond ...
-
17 -
『ぼくが生きてる、ふたつの世界』の呉美保監督が黄金タッグで描く今の子どもたち(映画『ふつうの子ども』)
昨年『ぼくが生きてる、ふたつの世界』が国内外の映画祭で評価された呉美保監督の新作 ...
-
18 -
映画『僕の中に咲く花火』清水友翔監督、安部伊織さん、葵うたのさんインタビュー
Japan Film Festival Los Angeles2022にて20歳 ...
-
19 -
映画『僕の中に咲く花火』岐阜CINEX 舞台挨拶レポート
映画『僕の中に咲く花火』の公開記念舞台挨拶が8月23日岐阜市柳ケ瀬の映画館CIN ...
-
20 -
23歳の清水友翔監督の故郷で撮影したひと夏の静かに激しい青春物語(映画『僕の中に咲く花火』)
20歳で脚本・監督した映画『The Soloist』がロサンゼルスのJapan ...
-
21 -
岐阜出身髙橋監督の作品をシアターカフェで一挙上映!「髙橋栄一ノ世界 in シアターカフェ」開催
長編映画『ホゾを咬む』において自身の独自の視点で「愛すること」を描いた岐阜県出身 ...
-
22 -
観てくれたっていいじゃない! 第12回MKE映画祭レポート
第12回MKE映画祭が6月28日岐阜県図書館多目的ホールで開催された。 今回は1 ...