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家族から宇宙人だとカミングアウトされたら?(映画『宇宙人のあいつ』)
ずっと家族だと思って暮らしてきた兄弟の中に宇宙人がいたら?
四兄妹の次男坊は突然、自分は23年間家族になりすました宇宙人で、3日後に地球を離れると言い出す。家族愛をコミカルに描いたエイリアンコメディ『宇宙人のあいつ』が5月19日(金)より公開される。
あらすじ
家族になりますまして23年。
人間の生態を調査しに土星から来た宇宙人は、真田家の四兄妹「次男・日出男」として暮らしていた。
喧嘩もするが助け合って生きてきた兄弟たち。
毎日一緒にご飯を食べ、働き、慌ただしい日々の中、地球を離れる日が近づいてきてしまう。
日出男に残された時間は、あと3日間。
人間として“やり残したこと”への日出男の奮闘が今、始まる。
魅力的なキャスト×エイリアンコメディ
キャストを見てこれは見たいと思った。絶対面白いと。そのキャストとは……。
宇宙人ですとカミングアウトする真田家の次男坊・日出男に常に新たな役作りに颯爽と挑戦し続け、目の肥えたオーディエンスの期待を裏切らない中村倫也。何を考えているか分からないミステリアスな雰囲気もある彼だが、今回はミステリアスというよりはかわいらしい。彼が23年の地球生活(土星と時間軸は違うらしい)を過ごした真田家という家族の素晴らしさは日出男を見れば分かる。
兄弟の親代わりで女性とは無縁の長男・夢二にはお笑いコンビ「バナナマン」として活躍し、日本のテレビ界に欠かせない日村勇紀、DVの彼氏から離れられない長女・想乃には『ちょっと思い出しただけ』など映画やドラマに引っ張りだこ、先日橋田賞新人賞も受賞した伊藤沙莉、高校時代の同級生から復讐される三男・詩文には幅広い役柄を演じ分ける柄本時生が扮している。
顔だけ並べてみよう。え、みんな似てない。
でも、でも。似ても似つかぬ顔なのに、真田家の血が流れる兄弟に見えてくるから不思議。役者陣の演技力。絶妙な距離感の成せる技。
始めから事情を知っている長男・夢二と次男・日出男からのカミングアウトがあり、日出男に土星人らしい兆しがあったことにも納得し、普通に事情を受け入れられる想乃と詩文。日出男が実は宇宙人だったと分かったあとも真田家の4兄妹は家族として過ごす。この日常がたまらない。真田家はけんかをしていても、落ち込んでいても、朝食を揃って食べているのがいい。会話のある家族。なかなか悩みを打ち明けにくい家族が増えている世の中で、何でも話せる環境があって、一人で抱えていたことも、ちゃんと家族に相談出来るこの家族は理想的だ。
監督は『荒川アンダーザブリッジ』『ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち』『虹色デイズ』の飯塚健。脚本もオリジナルで手掛けており、謎のじゃがいも、ビッグ鰻、不思議な少女……とその字面を見ているだけでは物語にどう関わってくるのかわからないキャラクターが登場するあたりは飯塚色。高知の海から見えるまっすぐな美しい地平線、海に流れる四万十川と豊かな自然が映し出される中、宇宙人が登場人物として出てくることで、何でもありの展開が進んでいく(日出男が土星に帰る方法も斬新)。
そんな何でもありのコメディの中で真田家の人たちがどんどん好きになる。夢二が本当に家長でいいお兄ちゃん。どこまでも家族思いで一生懸命。
そんな姿を見ていた日出男が地球でやり残したこととは?土星から来た意味とは?
地球人だけじゃなく、土星人から四万十川の鰻まで家族愛が溢れている素敵な映画。
土星に帰るまであと3日。
日出男地球最後の3日間をぜひ劇場で!
映画『宇宙人のあいつ』 https://happinet-phantom.com/uchujin/
は5月19日(金)より他で全国ロードショー。東海3県ではミッドランドスクエアシネマ、センチュリーシネマ、ユナイテッド・シネマ(豊橋18、岡崎、稲沢、阿久比)、TOHOシネマズ(木曽川、赤池、東浦、津島、岐阜、モレラ岐阜)、コロナシネマワールド(安城、小牧、大垣)、ミッドランドシネマ名古屋空港、109シネマズ明和で公開。
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