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女子高生、日本の経済にもの申す!(映画『君たちはまだ長いトンネルの中』なるせゆうせい監督インタビュー)
2019年に発売されネット上で話題を呼んだ漫画「こんなに危ない!? 消費増税」を原作に、日本の未来を問う高校生たちの姿を描いた青春映画が公開される。青春×経済=?
あらすじ
元財務省の父、陽一郎の影響をうけていた高橋アサミは、高校3年生にして政治に対し人一倍強いイデオロギーを持っていた。政治経済の授業でも、疑問に思ったことを先生に問いかけ、論破するほどだ。外部相談役の二階堂議員から注意を受けても、自分で調べ自分で辿り着いた答えを曲げることはなかった。
ある日、アサミと同級生の中谷は商店街のお祭りについて取り上げてもらおうと地元の若手新聞記者に掛け合いに行く。その帰り道、元戦隊ヒーローとして活躍していたタレント議員の武藤と遭遇。またとないチャンスと思いアサミは、武藤に駆け寄り「総理大臣に会わせてほしい」とまさかの直談判をする。
インフレ、デフレ、消費税。正確にこれを説明出来ない筆者には難しい内容かと思ったが、そうではなかった。映画の中でも非常にわかりやすい説明が出てきて、世間で通念化する経済観念に疑問を持たせてくれるそんな作品だ(もちろん原作を読みたくなる衝動に駆られる)
主演は「痛快TVスカッとジャパン」の人気コーナー胸キュンスカッとで話題になり、映画『踊ってミタ』のヒロインを演じた加藤小夏。同級生には北川尚弥、定本楓馬、アサミを注意する二階堂議員には萩野崇、若手新聞記者・荒畑には高橋健介、タレント議員の武藤には蒼木陣と舞台で実力を磨いて来た役者陣が揃う。
「炎炎ノ消防隊」「ハイスクール!奇面組」など漫画原作舞台を多く手がける岐阜出身のなるせゆうせい監督が脚本も担当。公開に先立ち、一言インタビューにお答えいただいた。
なるせゆうせい監督インタビュー
Q.なぜ「こんなに危ない!? 消費増税」を映像化したのでしょうか?
なるせゆうせい監督(以下 なるせ監督)
「この作品はある種、コロナが産んだ一つの副産物かなと。このコロナで不要不急の外出は禁止と言われ、エンタメ業が大打撃を受けました。元々エンタメと政治なんてかけ離れたところにあると思っていましたが、どうやらそうではなく、国の偉い人たちの一言で左右されるポジションだったんです。だったらもう少しこの国の仕組みを知っておかないとと思って、いろいろ調べているうちに、この原作に出会いました。正解不正解は観た人が自分で判断するとして、考えるきっかけを作ってもらいたいなと思って映像化に踏み切りました」
Q.舞台ではなく映像化したのはどうしてですか?
なるせ監督
「舞台という一過性のものより、映画の方がそもそも見てくださる人も手段も多いですし、若い方に見てもらいやすいなと思って映画にしました」
Q.キャスティングについて伺います。加藤小夏さんをアサミに起用した理由は?
なるせ監督
「何百人もの中からオーディションした上で選びました。難しい言葉を自分の言葉として変換する力が1番強いなと感じたからです」
Q.北川尚弥さん、定本楓馬さん、萩野崇さん、蒼木陣さん、高橋健介さんと舞台で経験を積まれた役者さんが男性陣は勢揃いといった感じです。(個人的には嬉しいです。)
キャラクターに合わせてオファーしたのでしょうか。
なるせ監督
「オーディションもしましたし、普段、勝手知ったる役者さんたちなので、そのキャラに合った方にオファーさせていただきました」
Q.間もなく公開です。おすすめポイント、ここを観て!というところを教えてください
なるせ監督
「表面は青春映画ですので、気軽な気持ちで見てもらえたらと思います。ただ、気軽な気持ちで食べたデザートの中身に、すごいスパイシーなものが入っていた感じになると思いますので、その内容が気になったら自分で調べてみてください。そして誰か友達を誘ってもらってお互い観たあとの感想を話し合ってもらいたいと願っています」
マシンガンで大人を論破する勢いのあるアサミに爽快感を感じた。それは若い故の無茶なのか?いや、アサミは迷いなく自身の思いを話すことが出来る、強い意志の持ち主だ。社会のしがらみに囚われた大人達の枷をアサミがバッサリと切り落としていく。
しかし、まだ若く、何の力も持っていなくて、思い通りにならず、もがいている。それでも声をあげる姿が凛々しく思えた。
映画『君たちはまだ長いトンネルの中』https://www.kimiton.com/ は6/17(金)より全国順次公開。
東海3県ではコロナシネマワールド(中川、大垣)で6/17(金)より、センチュリーシネマで7/15(金)より公開。
キャスト:加藤小夏 北川尚弥 定本楓馬 蒼木陣 高橋健介 川本成 萩野崇 川村エミコ なかじままり 村田琳 元谷百合奈 金剛地武志
あまりかなり 芦原健介 小野由香 伊東千啓 上田帆乃佳 モト冬樹 かとうかず子
原作・原案:「こんなに危ない!?消費増税!」 (ビジネス社刊) 消費税増税反対botちゃん 著
監督・脚本・製作総指揮:なるせゆうせい 経済監修:藤井聡
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