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映画『CHAIN/チェイン』名古屋舞台挨拶レポート

映画『CHAIN/チェイン』名古屋公開記念舞台挨拶が12月18日名古屋・名演小劇場で開かれた。仙頭武則プロデューサーが登壇。その様子をお届けする。

『CHAIN/チェイン』映画レビューはこちらから

仙頭プロデューサー
「私は名古屋学芸大学で映画を教えておりますが、この作品は京都芸術大学で教員と学生の授業の一環として製作したものです。過去には『嵐電』、『のさりの島』も製作しているプロジェクトで、それに続く映画として作られたのですが、今までと大きく違うのはスタッフに日本映画の重鎮が参加していることです。撮影は『シコふんじゃった。』の栢野さんが担当されています。僕らが映画を始める前からやっていらっしゃる方です。編集は蒲郡出身で黒沢清監督の『CURE』の編集もされている鈴木寛さんという重鎮が揃いまして、阪本順治監督や鈴木清順監督の椎井由紀子さんもチーフプロデューサーとして参加しています。キラキラした恋愛映画ではない映画を作ろうと。自由な映画を大人達でインディーズで作ろうということで集まりました。僕が一番年下で下っ端だったので大変な現場でしたが(笑)。なんとか出来上がり、コロナ禍を乗り越えて、こんなに沢山の皆さんに観ていただけて感激しております」

仙頭プロデューサー
「中日新聞で私は連載を持っておりまして、そこでこの作品のネタバレをしておりますが、そこで書いたことをここでかいつまんでお話したいと思います。この映画に物語は書かれていないと新聞にも書きました。物語なんてどこにも映っていません。「次にこの人はどうなるの?」とかストーリーを追うことは一切やめてください。本来映画とはそういうものなんです。あらすじがわかったところで面白いか面白くないかは見極められないんです。ただ映っているだけなんです」

仙頭プロデューサー
「変なことが沢山この映画には映っています。というのも我々が変なことばかりやっています。幕末の時代劇とは言っていますが、現代と時間空間を一致させようとしています。 脚本は今売れっ子の港岳彦さんが書いています。港さんが一年かけて必死に調べまくって、 歴史事実に沿って書いた脚本ですが、監督と僕で余計なことをしていまして。 パンフレットをお買い上げいただくと、完成台本が載っていますので読んでいただきたいです。台本と我々が作った映画がどれだけ違うかがわかります。港さんはブーブー言ってましたけれども、そういう風に作りました。パンフレットにもありますが、京都タワーが横になっています。 あれが象徴です。なぜ現代かというのが、映画を見ると始まった途端にわかると思います。救急車の音も聞こえたりします。 どこで鳴っているかは皆さん実際に見て聞いて確かめてみてください。

 Ⓒ北白川派

Ⓒ北白川派

主人公は山川桜七郎といって架空の人物でして、 坂本龍馬は出てきません。幕末で新撰組でと言ったらだいたい出てくるんですが、出てきません。セリフに出てくるだけです。 ただ油小路の変というのは、坂本龍馬が殺されたことで動く話なんですね。それだけは事実なので取り入れています。 龍馬が殺されたということを聞いて、それがどう伝えられたか。
またこの作品には間者、スパイとして、 斎藤一が出てくるんですけれども、斉藤が本当に果たして悪い人間だったのかと言えばそうではないのではないかというところも我々は描いています。それがこの映画のラストシーンに象徴されています。山川桜七郎という人間は会津藩の出身です。ということは福島の出身ということですね。会津じゃないです。福島です。 現代で言えば今かもしれませんし、10年前かもしれません。 10年前と言えば震災があった頃です。それの直前ぐらいの話だと思っていただければいいのかもしれません。 戊辰戦争を我々は3.11と考えて作っています。 山川桜七郎というのは究極の民主主義者。民主主義とは何かというと、組織に属さず個人で一生懸命考える。たとえば現代で言い換えますと、与党と野党だと思ってください。新撰組が与党側、御陵衛士は野党。そういう図式で見るとよく見えてきます。 山川桜七郎はどちらも支持しないという立場。 願わくば組織に属するよりも、個人として強くあろうとしている人。 彼は今で言う奨学金をもらって京都で勉学に励んでいたわけですが、いざ戦になると心が負けて同士討ちをしてしまう。やっぱり戦うことはよくないことだと。ただ、自分が剣を身につけてしまったからその業を背負って生きていかなければならない。という苦渋の選択をし続けている立場。なので、彼が何をするか何を考えているか見つめていただければと思います。ちょっと不可解に見えるところがたくさんありますが、実はそういう信念で動いています。

仙頭武則プロデューサー

仙頭武則プロデューサー

先程から結構ネタバレをしているわけですが、ストーリーが入っていた方がこの作品はいろいろ見えてきます。人を見てください。映っている人、山川桜七郎、あるいはこの作品には時代劇にはあまり出てこない女性がたくさん出てきます。時代劇の場合は、女性は添え物のような感じで出てきますが、そうじゃなくて一生懸命生きている若い女性たちが出てきます。この中で言うと辻凪子さんが演じている女郎、和田光沙さんが演じている阿片を売る女性。彼女達の言う言葉を聞いてください。それが我々の考えです。そういう風に見ていただけると、時代劇とは言っていますけれども、現代劇とも言っている意味が分かるんじゃないかと思います。そういう気持ちでずっと見ていただけると、最後の山川桜七郎のセリフの意味というのが分かってくるのではないかと思います。我々作った側が一番今思っていることが映画が終わった頃に皆さんと共有できるようになればありがたいなと思います」

舞台挨拶は明日も名演小劇場で福岡瑞穂監督と仙頭プロデューサーが登壇して行われる。

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