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函館珈琲

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函館・翡翠館、そこは原石を磨く場所(映画『函館珈琲』)

市電の走る都市には親近感がわく。
十数年前まで岐阜にも市電が走っていて
その光景が当たり前だったからだ。
市電が走っていると車の運転ルールも
違っていて大変なんだよなと
どうでもいいことを思い出しつつ。

市電の走る街。函館。
男はそこに何を求めてやって来たのか。

あらすじ

原石を磨く場所「翡翠館」に桧山はやってくる。
はじめの1か月でここにいるのがふさわしいと
オーナーの時子に認められれば正式に入居することが出来る。
古本屋を営もうとやってきた桧山。
他の入居者はとんぼ玉職人の一子、テディベア職人の相澤、
ピンホールカメラ写真家の佐和と
バラエティ豊かなクリエイターが集まる。
先輩の薮下がここで家具工房を営むつもりだったが
来ることができなくなり、代わりに桧山がやってきたのだ。

桧山は持参の珈琲を入れ、住人たちに振る舞ったのをきっかけに
住人たちと打ち解けていく。
色々な話をするうちに桧山は
翡翠館の住人がそれぞれ夢を追いながら
自分の孤独と戦っていることに気がつく。
桧山自身も自分の過去と先輩の薮下について
折り合いがつけられず、
1人広い蔵を改装した部屋で悩む日々が続いていた。

函館珈琲

 

ここは時間の進み方が違うと思うとき。変化がうまれる

自分の住んでいる場所と違うところに行ったとき
時間の進み方が違うと思うことはないだろうか。

それが自分に合っていれば快適。そうでなければ不快。
住めば都というようにいつのまにか順応できる人もいる。

それは自分が変化したのだ。

その場所とそこに住む人たちがその時間を作っている。
そこに自分は溶け込めるか。

桧山にとっての函館。
何か変わるかもと期待して来てみたものの
何も変わらない。
できないものはやはりできない。

東京から程遠く、歴史を感じさせる街・函館で
彼に変化は訪れるのだろうか。

函館で素敵な言葉が紡がれる。

函館を舞台にした『函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞』を
2013年に受賞したいとう菜のはさんの脚本を映像化。

監督は『ソウル・フラワー・トレイン』の西尾孔志さん。
映画の色がどこか幻想的。
昼の函館も夜の灯りの当たる函館も。
照明の当て方、カメラワーク、翡翠館の内装美術。
スタッフのこだわりもたまらない。

黄川田将也さん、片岡礼子さん、夏樹陽子さんと
様々な作品で活躍する役者陣に
Wyolicaの元ボーカルAzumiさん、ドイツ育ちの新人中島トニーさんが参加。
翡翠館に住む個性豊かな人々を演じている。
また主人公が立ち寄るカフェのマスターにはイルミナシオン映画祭の
ディレクターでもあるあがた森魚さんが扮している。

同居生活ものは数々あれど、
こんなに自分自身に疑問を投げかけている人々が
集まっている作品はあっただろうか。
アーティストは自分と向き合うものと思えばそうかもしれないが
それ以前のところに翡翠館の住人たちはいる気がする。

函館珈琲

随所に気になるセリフがたくさん出てくる。
もし聞けるならその台詞を出した意味を
菜のはさんに聞いてみたい。

誰もが悩みを抱えて生きている。
言えないことはいっぱいある。
そんな人たちの生きていく姿に
妙に共感してしまう。

出会いというのはやはり素敵。
科学反応が起これば変化も生まれる。

函館、翡翠館の1ヶ月を覗いてみてほしい。

函館珈琲いよいよ名古屋に凱旋

いとう菜のはさんは名古屋在住。
10月22日からは名古屋今池のシネマテークで
『函館珈琲』の上映が始まる。

地元凱旋上映前の10月20日には
丸善名古屋本店で開催されるシネマテーク主催のイベントにも
ゲスト出演する。
 イベント詳細はこちら

『函館珈琲』は10月22日(土)より
名古屋今池シネマテークにて公開。
http://www.hakodatecoffee.com/

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