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【岐阜推し】CG一切なしの美しく畏い自然の中で愛の物語が紡がれる(映画『光る川』)

2025/03/18

『アルビノの⽊』『リング・ワンダリング』など国内のみならず海外映画祭でも多数受賞している異才・⾦⼦雅和監督の最新作『光る川』が3月22日(金)からユーロスペース、岐阜CINEXで公開となる。

金子監督は川や⼭といった圧倒的なロケーションと⺠俗学・美術等に裏打ちされた世界観により、現代⼈が忘れかけている⾃然への畏怖や⼈間の根源にある⽣命⼒を描き出す作⾵で知られている。

金子監督が新作に選んだ地は岐阜。今回の舞台となる時代は、⾼度経済成⻑期の始まった1958年。⼤きな川の上流、⼭間の集落で暮らす少年ユウチャ。まだ⾃然豊かな⼟地ではあるが、森林伐採の影響もあるのか、家族は年々深刻化していく台⾵による洪⽔の被害に脅かされている。夏休みの終わり、集落に紙芝居屋がやってきて⼦どもたちに話した演⽬は、この⼟地に伝わる⾥の娘・お葉と⼭の⺠である⽊地屋の⻘年・朔の悲しい恋の物語だった。

©⻑良川スタンドバイミーの会

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土地に伝わる伝承を聞くユウチャを通して、自然の美しさだけではなく、自然への畏怖も見えてくる。1958年、山間部にもやってきた高度成長の波。その波と共に川底に消えた集落も実際に岐阜には存在している。その波にも負けず、昔からの姿のまま残った自然が本作品の撮影場所となった。撮影は2023年9⽉、全て岐⾩県内で⾏われた。数十回にわたるロケハンで金子監督⾃⾝が探し出した深く引き込まれる⽔辺、近寄りがたさすら感じさせる洞窟や滝、悠久の時を刻む⼭々の情景。今の映画では貴重なCG⼀切なしの神秘的な⾃然が物語を彩る⼤きな要素となっている。

ユウチャが見たお葉と朔の純粋で熱く燃える恋を阻む家という大きな壁。悲恋として伝わったその物語の裏側にある日本に根強くあるしがらみは今でも地方では継続的にあるものではないかと感じる。

©⻑良川スタンドバイミーの会

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物語の根幹を⽀える⼥性・お葉を演じるのはNETFLIX『シティーハンター』くるみ役で注⽬を集めた華村あすか。お葉との悲恋の相⼿・朔にモデルとしてのみならず2022年NHK朝の連続テレビ⼩説「舞いあがれ︕」章兄ちゃん役などで俳優としても活躍の場を広げている葵揚。物語の眼差しとなる少年・ユウチャとお葉の弟・枝郎を⼦役の有⼭実俊が⼀⼈⼆役で演じている。⾜⽴智充、堀部圭亮、根岸季⾐、渡辺哲、⼭⽥キヌヲ、そして『リング・ワンダリング』に続く出演であり、現在⽇本映画に引っ張りだこの俳優・安⽥顕まで、多彩な顔ぶれが揃う。

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作品の原案となったのは岐⾩出⾝の作家・松⽥悠⼋の「⻑良川 スタンドバイミー⼀九五〇」。実は原作ものを手掛けるのは金子監督にとっては初めてのこと。長良川界隈をリアルに描いたこの作品と⻑良川流域の⼟地・⺠話・伝承からインスピレーションを受け、金子監督の世界観で物語を⼤きくふくらませていった。

岐阜の人も知らないなら昔と変わらない姿で存在する風景はかけがえのないものなのだと実感する。

ユウチャとバッチャの会話にはリアルな岐阜弁も混ざり、岐阜県民には嬉しい。岐阜の人でなくても、この2人の関係性を妙に懐かしく感じる人がいるだろう。

自然の音と奏でられる音楽も美しい。音楽は細⽥守監督作品などを⼿掛けてきた⾳楽家・⾼⽊正勝が書き下ろし、繊細に演奏している。映像に調和する音楽がさらに映画の世界に引き込んでくれる。

本作は第62回ヒホン国際映画祭のRetueyosコンペティション(⻑編 1-3 作⽬の監督作)で 17歳〜25歳のユース審査員11名により選出される【ユース審査員最優秀⻑編映画賞】を受賞した。若者たちからも支持されたのは変わらない強い愛。

美しいのは自然だけではなく、人を思う気持ちを持つ人々の姿だ。今も残る荘厳な自然の中で強く優しい思いを知る。

岐阜で約15年温められていた企画がいよいよ映画化される。岐阜県民としてたくさんの方に観てもらいたいと思う。

映画『光る川』https://www.culture-pub.jp/hikarukawa/ は3月22日(金)よりユーロスペース、岐阜CINEXで公開。

舞台挨拶情報

3/22(土)
渋谷 ユーロスペース
①10:00-回上映後 ②12:40-回上映前
登壇者: 葵揚 有山実俊 金子雅和 監督

3/23(日)
岐阜CINEX
①9:50〜 上映 11:40〜 舞台挨拶
②13:00〜 舞台挨拶 13:20〜 上映
登壇者:金子雅和 監督(予定)
※パンフ購入者にサイン会実施

ミッドランドスクエアシネマ
13:40-回 上映後
登壇者:金子雅和 監督(予定)
※パンフ購入者にサイン会実施
場所:ミッドランドスクエアシネマ2(名古屋駅 シンフォニー豊田ビル2F)

 

©⻑良川スタンドバイミーの会

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出演:
華村あすか 葵揚
有⼭実俊 / ⾜⽴智充 ⼭⽥キヌヲ
髙橋雄祐 松岡⿓平 ⽯川紗世 平沼誠⼠ 星野富⼀
堀部圭亮 根岸季⾐ 渡辺 哲
安⽥ 顕

脚本・監督︓⾦⼦雅和
⾳楽︓⾼⽊正勝 共同脚本︓吉村元希 美術監督︓部⾕京⼦ 撮影︓⼭⽥達也 照明︓⽟川直⼈ ⾳響︓⻩永昌
原作︓松⽥悠⼋(「⻑良川 スタンドバイミー⼀九五〇」より)
エグゼクティブ・プロデューサー︓中⾕ 克彦 酒井 興⼦
企画・プロデュース︓森岡道夫 福原まゆみ
プロデューサー︓松本光司 ⽚⼭武志
製作︓⻑良川スタンドバイミーの会
制作プロダクション︓プロジェクト ドーン
配給︓カルチュア・パブリッシャーズ

©⻑良川スタンドバイミーの会
助成︓ ⽂化庁⽂化芸術振興費補助⾦(映画創造活動⽀援事業) 独⽴⾏政法⼈⽇本芸術⽂化振
興会
【2024 年/⽇本/カラー/1.85︓1/5.1ch /DCP/108 分】

 

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