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MOOSIC LAB

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禿げたおっさんの輝けるお話ー映画『光と禿』

 

名古屋シネマスコーレで現在上映中の
『MOOSIC LAB』は2012年頃から始まった
新進気鋭の映画監督とアーティストの掛け合わせによる
映画制作企画を具現化する音楽×映画プロジェクトの映画祭。

東京での開催に留まらず、10カ所以上にのぼる地方上映や
関連のライブイベントなども敢行。
参加監督やアーティストの次なるステージへの飛躍、
進化を後押しし続ける新しいスタイルの映画祭だ。

参加作品の一つである『光と禿』の上映が
MOOSIC LAB Bプログラムとして上映された。

青木克齊監督が注目したアーティストは大阪で活動する
クリトリック・リス
ちょっと声に出すのに一瞬ためらいのあるこのアーティスト。
パンツ一丁で心の叫びを歌う男性アーティストなのだ。

このクリトリック・リスとコラボするために
青木監督が考えた脚本はなかなか深いものがあり。
隠されたメッセージもしっかり見えてくる『光と禿』。

目の見えない少女と中年のはげたミュージシャン。
出会うはずのない二人が出会った。

クリトリック・リスのスギムさん、
現在人気上昇中『森山中教習所』、『真田丸』にも出演した
岸井ゆきのさんが難しい役を熱演。

音楽とのコラボということもあり遊び心や笑いも取り入れた
作品となっていた。
熱さもあり、優しさもにじみ出てくる。

青木監督のしっかりとした脚本、的確なカット、音楽の効果的な入れ方に
今後の監督としての活動をさらに期待したいと思った。

とにかくスギムさんの人間性が出ている。
芝居はうまいに越したことはないがその奥にある人柄。
これがいい。
今後も役者でも活動してほしいと思ったほど。

MOOSIC LAB2016で『光と禿』は
観客賞、審査員特別賞、最優秀主演男優賞、

ベストミュージシャン賞、最優秀主演女優賞を受賞。
そしてシネマスコーレでも『名古屋グランプリ』と位置付けられた。

11月20日の上映終了後に青木克齊監督が登場して舞台挨拶が行われた。

舞台挨拶レポ 2016.11.20 名古屋 シネマスコーレ

青木監督は『竜宮、暁のきみ』上映以来のシネマスコーレ。

­MOOSIC LABに参加したのはなぜ?

「前作『竜宮、暁のきみ』を自分で監督しないと監督にはなれない
と思ってやったんですがなんかはじけれなくて。
もう一回自主映画できちんと作って次に繋げたいと考えていて。
そんな時に知人でもあるSPOTTED PRODUCTIONSの
直井さんに聞いたらまだ枠が空いてると
参加していいかと聞いたら『いいよ。』と。」

青木監督

どんな話を考えたんですか?

「MOOSIC LABに参加させてもら­うに当たり、まず考えていたのは
目の見えな­い女の子と耳の聴こえないバンドマンの話だったんですが
当初予定していたミュージシャンの方­と折り合いが付かなくなってしまって

誰か面白い人­いないかと探していたら、
大阪に住む友人が『パンツ一丁のハゲのおっさんおるで!』と
ク­リトリック・リスの事を教えてくれたんです­。
YOUTUBEみたらこんなおじさんが出てきて。(笑)
前作と比較しても全く違う作品が撮れるかなと思って
クリトリック・リスのスギムさんにオファーしました。

初めの目論見とは違ってきたものの、構想を­全部捨てるのは惜しくて、
目の見えない女の­子の設定は生かしました。
演技がしっかりできる人を­キャスティングしたくて、
直感で岸井ゆきのさんならうまくやってくれるんじゃないかと思って
岸井さんの事­務所に脚本を持っていったら、『いいですよ。』と言ってくださって­。
ピュアなキャラクターだったん­ですが、岸井さんが演ってくれるなら
もっと面­白く出来ると思い、ちょっとひねくれたというか棘あるというか、
心を開かない感じが嫌じゃない性格に。
後から岸井さんにその話をしたら
『え、私ってひねくれてます?』って本人は言ってました。
そうじゃないんですよ。本人は。
でもお芝居として微妙なニュアンスをさらっとやってくれて。

スギムさんの成長がリアルにわかる

「スギムさんの芝居がね(笑)
スギムさんは演技には自信がないと言ってまして。
それなのにこういうキャスティングにしたので現場でもガチガチに緊張してました。
­ 撮影期間は11日間で大阪在住のスギムさんに­は
ウィークリーマンションに泊まってもらった­んですが、
後から聞いたんですけど、撮影2、3日目で口内炎が4つできて
左耳は突発性難聴になるぐらい大変で。
僕は『そのまま普段通りでいいですよ。』といっておいて
撮影が始まると『スギムさん、ダメです。』って
結構言ってました(笑)

撮影はおおよそ順撮りで進めていって。
ファーストカットのスギムさんの芝居で『あちゃー。』とか思いましたけど
岸井さんや他の役者さんとのシーンを重ねること­で、
どんどん良くなって行ったんです。

もう役者やらないと言っておられましたが
映画見た方から『スギム下手だけどいい。』とか言われて
最優秀男優賞もらったんですよ。
先日会ったら『監督、続編やりましょうよ。』って。(笑)」

青木監督

岸井さんの役作りに向けて

「撮影に入る前に障害者の方の生活が書かれた­本を読んでもらい、
中途視覚障害の方の生活をサポートする福祉­施設に協力を頂きまして。
自主映画の内容を話したら
そこの所­長さんは女性の方なので、『クリトリック・­リス!?……大丈夫?』
と仰ってましたけど­(笑)
担当の方に話してくださって。
脚本の内容を『これ合ってますか?』と確認したりもして。
岸井さんと樋井明日­香さんにはそこで実際に1日研修してもらいました。
岸井さんには白杖(はく­じょう)を渡して使い方も練習してもらいました。」

自主製作で培ったもの

「コメディを撮るのは初めてだったので、
お客様に笑ってもらいたいと思って作ったんですけど
試写­の時スタッフが全く笑わなくて不安で仕方なかった­んです。
公開の時に、­お客様から「面白かった」と言っていただけてホ­ッとしました。

『光と禿』も前作の『竜宮、暁­のきみ』も何かしらの“お題”がある作品だった­ので、
お題に対してどう打ち返すかというのを自分なりにやって来て。
これが商業映画にも繋がっていくんではないかと思っています。
そういう意味では今後もプロとしてやっ­ていく上で、
本当に良い経験が出来たと思って­います。」

青木監督

『光と禿』の名古屋シネマスコーレでの上映は
次回は11月29日のレイトショー。
スケジュールはシネマスコーレ公式
にてチェックを。

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