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第56回CINEX映画塾 映画『にしきたショパン』竹本祥乃監督・中村拳司さんトークレポ

第56回CINEX映画塾『にしきたショパン』が11月20日、岐阜CINEXで行われた。
竹本祥乃監督、須藤鍵太郎役の中村拳司さんのトークをお送りする。(聞き手・岐阜新聞社 後藤さん)

竹本祥乃監督(以下 竹本監督)
「本日は起こしいただきありがとうございます」

中村拳司さん(以下 中村さん)
「須藤鍵太郎役を演じました、中村拳司と申します。本日はよろしくお願いします」

後藤さん
「岐阜には初めて来られましたか?」

竹本監督
「一度就職活動で来たことがあります(笑)」

中村さん
「岐阜市は初めてで、修学旅行で中学生の時に飛騨の方にだけ行きました」

後藤さん
「まず、この作品を作るいきさつを教えてください」

竹本監督
「私は短編映画を自主製作で週末に撮っていまして、ある作品を撮る時にヨーロッパ風の素敵なカフェがあって、そこで撮影をお願いした時のそこのカフェのオーナーとしてこの作品のプロデューサーがいらっしゃったんですね。そこで「その短編映画どうするの?」と聞かれて。「カンヌ映画祭に出します!」と言って本当に上映されたんです。その後長編の話になり、この映画が出来ました。プロデューサーが「こんな本を書いたんだけど」と「マスター先生」という本を見せてくれまして、読んでいないのに「じゃあこれ映画化しませんか?」と言ってしまったんですね」

後藤さん
「今日は実は近藤修平プロデューサーにもお越しいただいています。ぜひそのあたりのお話を伺いたいです」

近藤プロデューサー
「竹本監督と3年ほどかけて一緒にこの映画を作りました。元々はガス会社でサラリーマンをしていたのですが、早期退職をしまして、母の喫茶店を手伝っているときに、ひとりの女性が現れて、「ここで映画を撮りたい」と言って。それがカンヌ映画祭で上映されたんです。それに興味を持って、サラリーマンが書いた下手な小説だけどと発売されている「マスター先生」を渡したら中身を読みもしないで、「長編映画を撮りましょう」と。いわば僕はスポンサーです(笑)。うまく取り込まれてしまいました。それがきっかけです」

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後藤さん
「それが出会いで長編を撮るということになったということですが、短編はずっと撮って来られていたんですか?」

竹本監督
「10年ぐらいかけて週末だけで映画を撮って、映画祭に出してということを延々と繰り返している状態でした」

後藤さん
「仕事をしながら週末だけ撮影する映画監督というスタイルでやられているんですね」

竹本監督
「そういうスタイルでやると最初から決めて活動しています」

後藤さん
「短編でいろんな賞をお獲りになりながら、長編を撮るきっかけを掴んだわけですね。では脚本もご自分で書かれて」

竹本監督
「はい。だから原作を読むと驚かれると思うのですが、原作からはほとんど形を変えてしまっていて、名前とピアノと震災しか残ってないじゃないかと原作者は怒りに震えるかもしれません(笑)」

後藤さん
「近藤プロデューサー、その辺は大丈夫だったんですか?」

近藤プロデューサー
「この本は東日本大震災の復興支援作品としての募集があって書いたので、震災の直後で人の業とか人が死ぬとかそういうことを全て排除して、震災を乗り越えて音楽をやっているマスターがいるよという話だけで書いたエッセイのような小説です。これだけでは長編映画にならないなということは私自身もわかっていたんですけど、ここまで内容が変わるとは思っていなくて」

竹本監督
「いきなりではなく、ちょっとずつ、ちょっとずつ変えていったんです」

近藤プロデューサー
「ちょっとずつ変えて行かれて1年経ったら全く違う話が出来上がりました(笑)。それに私から左手のピアニストの話を入れたいということをお伝えしたので、ストーリーが変わることは最初から納得済みでした」

後藤さん
「なるほど。岐阜の方には『にしきたショパン』と言われても、にしきたがわからなくて。西宮の方には当たり前のにしきたと言うと?」

竹本監督
「阪急に西宮北口駅という駅があります。それを「にしきた」と略していて、関西圏の方なら誰でもあのエリアのこととわかる場所です」

後藤さん
「西宮市内にお住まいの方なら、多分あそこでロケをしているとかそういう背景がいっぱいあるんですね?」

竹本監督
「はい、どこの場所かわかるように撮っています」

後藤さん
「中村さん、鍵太郎は本当に嫌なヤツでしたね。今日中村さんに会うのが不安なくらいで」

竹本監督
「すごく朗らかないい青年です」

中村さん
「嫌なやつに見えていたら、この映画で僕自身としてはしっかりと須藤鍵太郎を演じられたのかなと思っているんですけど」

後藤さん
「見事に鍵太郎を演じていらっしゃいますが、ピアノは実際どうなんですか?」

中村さん
「僕はこの映画で唯一キャストの中でピアノが弾けないんですよ。実際に少しだけ弾いているシーンはあるんですけどもオーディションの時にはピアノが弾けないと正直にお答えして選んでいただきました。ただ決まったからには役作りとしてピアノ教室に通ってピアノの練習もしっかりさせて頂きました」

竹本監督
「最初の三音ぐらいを押さえるというところだけたくさん練習してもらいました(笑)」

中村さん
「今年、いろんな劇場で公開される中で、観ていただいたお客様との交流もあったんですが、何人かに「ピアノがすごくお上手で感動しました」と言われて「ありがとうございます」と返事をしたこともありました(笑)」

後藤さん
「キャストは大体オーディションで選ばれたと。どんな感じだったんでしょうか?」

竹本監督
「まず高校時代と大人時代の演じ分けを見たいと思い、それぞれのシナリオを用意していきなりやるのではなく、相手役の子との打ち合わせの時間をとってもらってから演じるという方法でやりました。その後に普段どんなレッスンをしているのかとか雑談的にグイグイ聞いた時に中村さんが意外なことを言ってきたんですね。ワークショップでこんなことしてきましたと。「じゃあそれやってみてくれない?」とお願いしました」

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中村さん
「今回この作品が初俳優デビューということで演技レッスンということをこの作品に出るまでは一度しか行ったことがなくて、その時のお話をオーディションでさせていただいたんです。東京に行ったんですよ。ワークショップを受けるために。そうしたら3時間のうち2時間を1つの動物になりきってその場で過ごすというワークショップだったんです。講師の先生から君は動物で何が好きかと聞かれた時に僕は咄嗟に「ワニが好き」と言ってしまって。東京に出て2時間ワニになって、そのままその日のうちに帰ってくるという。ワニって言ってもあんまり動かないじゃないですか。まばたきするぐらいで。動こうとしたらその講師の先生にもっと皮膚感とか鋭い爪とか牙であったり鱗を感じろって言われて結局微動だにせず2時間ひたすら過ごすだけのレッスンを受けて帰ってきましたと報告したら、「今この場でワニをやってくださいと言われて」」

竹本監督
「どこまでこの人は自分を捨てられるかなと思って」

中村さん
「やっていなかったら僕は今ここにいなかったかもしれません(笑)」

後藤さん
「中村さんは1995年に生まれたそうですね」

中村さん
「はい。ちょうど震災が1月で、映画にもシーンとしてあったんですけども僕はその時おなかの中にいたので震災を経験していないんです。僕は実際にピアノもやっていなければ、兵庫県の西宮市ではなくて隣の隣の隣の神戸市という場所で生まれ育ってきたんですが、今回この『にしきたショパン』という作品を通して、須藤鍵太郎を通して僕世代の震災を経験していない人たちや凛子と鍵太郎のように、色々人生で思いもよらない出来事が起きても必死に最終的には前向きに生きていくという姿を見て何か感じてもらえたらなと思う気持ちで演じさせて頂きました」

後藤さん
「実際に監督のシナリオを読んで、後半鍵太郎もいろいろあって意地悪な奴になっていましたが、その意地悪さというのはどんな風に自分で考えて演じられたんですか?」

中村さん
「普段僕はあんな風に女性をいじめるようなこともしないです。台本にあるように鍵太郎は母子家庭で育ってきて自分にはピアノしかない、ピアニストとして成功してやるんだっていう気持ちはあったもののそれが地震をきっかけに母親を亡くして、全て失った時ってどういう気持ちになるんだろうかと。凛子にすべて当たるシーンとして描かれているんですけども、鍵太郎は鍵太郎で自分の中で葛藤しながらもどんな手を使ってでも成り上がっていく。そんな人ってどういう人間なんだろうって考えながら演じました」

後藤さん
「監督はこれをオリジナルで書かれて、そのキャラクターづくりをしていく段階ではこれぐらいヒロインとヒーロー、男の子と女の子を対比させるっていう意味でもあのような作りが必要だったわけですか?」

竹本監督
「そうですね。全然違うキャラで、育ちも性格も違う。これぐらい変えないと際立たないと」

後藤さん
「コンクールを目指す人たち、鍵太郎のことを意地悪と言いましたが、それぐらいの意識がない人は世界には出ていけないし、闘えないということを表現しているわけですよね。鍵太郎ぐらいの才能があってもいろんなことで運命は変わってしまう人も多分いっぱいいるだろうし、色んな思いを震災も含めて考えさせられる映画だったと思います、監督もたくさんの方からお話を聞いていると思いますが、映画を観た方からの感想はどうですか?」

竹本監督
「観た後に気持ちいい感じで帰られるようでして、何か得るものがあったのかなあと。カタルシスといいますか、日々のもやもやがちょっと変わって見えるみたいなんです。そういうところで私の過去の辛い体験が、生きてきたなあと感慨深いです」

後藤さん
「監督は小さい頃から映画はお好きだったんですか?好きな映画や憧れた監督はいますか?」

竹本監督
「すごく好きです。好きな作品は『ネバーエンディングストーリー』ですね。私は何も知らなかったので原作者がドイツ人でドイツに行けば役者に会えるかもしれないとか思っていて(笑)。観ている2時間は他の世界に連れていってくれるのですごく好きになりました」

後藤さん
「中村さんはどうですか?」

中村さん
「まさか今こうして自分が劇場の舞台上に立っているという事は数年前の自分から考えられなくて。でも昔から映画も舞台も大好きで観に行っていました。ずっと僕は小学校から高校まで野球をやったりいろんなスポーツをやってきて本当に運動部だったんですけども、そういうスポーツ一筋人間でもやっぱり休みの日には一人で映画を観に行ったりとか、舞台を観に行ったりとか結構色々な作品を見ることが大好きだったので、こうやって自分が出る側として、演じる側として出られるという事は本当に嬉しいことですね」

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後藤さん
「竹本監督、長編に初めて挑戦した映画としては込められた思いはすごく強いですよね」

竹本監督
「これで長編は最初で最後もしれないという思いがあって。成功するかわからないじゃないですか。長編というのは普通に映画を撮るだけでも大変で、自主製作だと任されることはめったにないんです。みんなで必死にお金を集めて、プロデューサーも集めて。失敗例も多いですし。すごく世知辛いということを知っているので、自分の映画人生をこれにかけるということですごく思い出もあります」

後藤さん
「監督は今もお仕事を平日されて、土日は舞台挨拶やキャンペーンをされていますが、撮影もかなり長いスパンでやられていたんですか?」

竹本監督
「5ヶ月ぐらい土日でとんでとんで撮影しました」

後藤さん
「平日はほとんど撮影していないと」

竹本監督
「たまに有給を取って。基本は普通に仕事に行きます」

後藤さん
「今までここにお迎えした監督の中ではそういう撮影の仕方は初めて聞きました。でもそういうのは新しい時代にアリだなと思います」

竹本監督
「映画をやりたいと夢を持って東京に行った人の中には潰れて帰ってくるというパターンも結構あって。それはなぜかと言えばすごく仕事が大変だからなんです。やっぱり天職と適職を分けないといけないなと思ったんです。そこにすべてを込めようとするから潰れていく。だから分けようと思って。分けていって作品を作っていくうちになんか展開するんじゃないかなと夢を抱いてスタートして。現実として撮影していくうちに長編を撮るのは非常に難しいということを知って、チャンスを得た時に本当にこれが最初で最後かもしれないと感じて撮りました」

後藤さん
「編集も監督がやられていますよね。そこまで自分でやるとなかなか大変だと思いますが、長編を撮って、一番大変だったことは何ですか?」

竹本監督
「シナリオを書くのも非常に苦労したんですが、撮影までの準備が一番大変でした。プロでしたら普通助監督は3人いて、スケジュール担当、衣装担当、小道具担当がいるんですけど確保できない時もあるわけです。その場合、私とプロデューサーが荷物係になったり、物品管理係とかあらゆる担当になるんです。撮影よりもその前の準備が大変です」

後藤さん
「実際出来上がって、皆さんに観てもらうところまで来た時はどんな思いでしたか?」

竹本監督
「最初は粗く編集してスタッフで試写をしたんですが、そこでぼろっかすに言われて、あ、もうだめだなと思いました。ちょうど2年前の11月です。指摘が100個ぐらいありました。でもそれはすごく助かったことでした。このシーンとこのシーンのつなぎがよくないとか、これはいらないとか自分には分からないことも多いので、できれば監督と編集は担当者を分けた方がよくて。何でこうしているかといえばお金の問題ですね。人に任せる予算がないので、私がやるという。短編も私が編集していたというのもあり、私がやったんですけれども。編集もなかなか大変です」

後藤さん
「映画のもう一つ重要な要素に音楽がありますが、これもこだわって作られていますよね」

竹本監督
「まずシナリオを書いている段階でラフマニノフの曲は普通はピアノとオーケストラでやるのにピアノ1台で全部やれるんじゃないかと妄想が浮かんでしまい、ピアノを習っていたこともあって絶対無理ではないなと思ってしまったんです。こことここを編曲すれば行けるなと。そう書いたらプロデューサーが青ざめて。これは一体誰が編曲するんだろう、許可どうするんだろうとアワアワさせてしまったというエピソードがあります」

後藤さん
「左手のピアニストは近藤プロデューサーが書いた原作の中にもあったんですか」

竹本監督
「原作には左手のピアニストは出てきません。近藤プロデューサーの弟さんが作曲家でありまして、左手のピアニストの曲を作っていらっしゃって。それを入れ込みましょうと。シナリオを書く前のプロットという企画の段階で左手のピアニストを出さなきゃいけなくて、そうなると震災と怪我だなと。怪我をする設定で話を書いていきました」

後藤さん
「中村さんは初出演で主演と」

中村さん
「はい」

竹本監督
「決してラッキーボーイというわけではなく、モデルとしてのキャリアがしっかりあるので。見せるという表現力がもとから備わっているんです。モデルとして訓練した後で演技もしっかり学べる人です。素人ではなく、ちゃんと下地があることはお伝えしたいです」

後藤さん
「武正晴監督のアンダードッグにも出演されて。ボクシング経験がおありなんですよね?」

中村さん
「そうですね。大学在学中にこの業界に入ったんですけど、それ以前に何をやっていたかというとボクシングをずっとやっていました。家系的にボクシング家系で、僕もプロボクシングに進むかなという感じで」

竹本監督
「名前が拳司で、親がボクシングやらせる気満々じゃないですか」

中村さん
「そうなんです。プロボクサーになるのかなと思っていたら人との縁とかいろいろ重なってこの世界に入ったんですけど、そのボクシングのキャリアがあったので、映画に参加させていただいたりとか、『にしきたショパン』をきっかけに映像の仕事もさせていただけるようになったので、須藤鍵太郎にも感謝、近藤プロデューサーにも感謝です」

後藤さん
「この作品には魂とか優しさとか思いが込められているので今後も長編映画が撮れるように頑張っていただきたいです。でも、もし次を作るとしても今のスタイルは変えないつもりですか?」

竹本監督
「見通しが立てば専業でやれるのではないかと」

後藤さん
「竹本監督はまた次撮るなら近藤プロデューサーと一緒に」

竹本監督
「そうですね。ブランディング的には音楽映像を。音楽か中心に位置づけられた作品をやっていこうとは思っていますが、まず、お金です(笑)」

後藤さん
「そうですね。日本の映画産業もちゃんと才能のある監督たちが映画を撮れる環境というのがシステマティックにもうちょっと運用支援しないといけないですね」

竹本監督
「海外の国際映画祭に行って発表するたびにそれは痛感します。日本は遅れているというか、支援には興味がないといいますか。ありがたいことに国際映画祭でたくさん賞を獲得していますので、これを機に潤沢な予算のもとで映画を撮りたいなと思っています」

観客から
「長編を撮るとなると、お金も気になるところですが、スタッフを集めるのもかなり大変だと思います。そのあたりはどうされたんでしょうか」

竹本監督
「そのあたりは明らかに関東よりも人材は少ないです。スタッフもキャストも。ということは東京だと競争率が高いということです。今回は短編の時から組んでいるカメラマンや気心の知れたスタッフでやっています。時間をかけて一緒に育っていったという感じです」

観客から
「凛子と鍵太郎にモデルはいますか?」

竹本監督
「凛子ちゃんは少女マンガのヒロインというイメージです。誰ということはない健気なキャラクターです。鍵太郎は私です。私がそのまま入っていますが、私は現実ではいじわるはしませんし、良心に背くようなことはしませんが、頭の中ではいろんな目に合わせています(笑)。頭の中でありありと映像が浮かぶわけです。でも実際は言いたいことも言えないので、映画の中の人物に言わせています。鍵太郎は言わずに陥れるのではなく、はっきり口に出して言っているのがいいところだと思っています」

観客から
「鍵太郎が「下手くそ」と言った言葉がすごく印象的ですが、あの言葉はすぐ出てきたのか、もし他の候補と悩まれたものがあればそれも教えて下さい」

竹本監督
「悩みました。何と言って凛子にダメージを与えてやろうかと考えまくって役者さんとも色々話して決めました。キスして唇を噛んで血を出してやろうかとか(笑)。いい感じにキスして、ガリッみたいな少女マンガのようなことも考えたんですが、合わないなと。練習の時に辞めて、何を言う?と考えて」

中村さん
「確かに始めの台本には今監督が言われたことが書いてありましたね。「鍵太郎、凛子の唇を噛む。凛子の唇から血が流れる」鍵太郎どうした?って感じで(笑)」

観客から
「今後も中村さんは俳優もやっていかれるのですか?」

中村さん
「そうですね映画であったり、テレビであったり、お客さまと対面してコミュニケーションをとるのもやりがいがあると僕は今回この作品に出て感じたんです。たくさんの声を頂いたので、また今後もこういう映画であったりドラマであったり見た人を動かす何かきっかけになれる仕事は今後も続けていきます。ただ本業の仕事はこの6、7年間モデル業という形でお仕事をさせて頂いて、いろいろなジャンルの服を着こなすという経験が演技をする役者としての現場でも使える技術になることも確信しましたし、今後もステップアップしていけるようにそちらも頑張っていきたいと思っていますので応援よろしくお願いします」

観客から
「近藤プロデューサーにお聞きします。相当な額出資されていると伺いました。あまり実績のない監督にこれだけのお金を出す勇気はどこにあったんでしょうか」

竹本監督
「それは私の才能にですよ(笑)」

近藤プロデューサー
「そういうことだそうです(笑)。まさか映画監督に出会うとは思っていなくて、住み替えようとマンションの契約をしようとしていた時にそのお金が映画の資金になりましてほぼ文無しになりました(笑)。思えば58歳まで会社員をやっていて、その先のセカンドライフを楽しもうとチャレンジする時に例えばお店をするにしても起業するにしても1000万ぐらいの投資が絶対いりますし、どうせ一回の人生だったらこんな面白いチャレンジはないなと思いました。それぐらい竹本監督の短編の撮影現場が楽しくて。でもやっぱりスクリーンで観てみないとこの人の言っていることは確かめられないと思って十三の小さな映画館で竹本監督の作品を観たら本当に金縛りにあって。最近の映画は演出過剰に思えて、2回、3回と観る映画はほとんどなくなってしまったんですけど、昔観た行間があるような映画らしい映画が竹本監督となら撮れる気がしてチャレンジしました」

後藤さん
「最後に一言お願いいたします」

中村さん
「本日はご来場いただきありがとうございました。短い時間でしたが本当に楽しかったです。にしきたから岐阜市へ一週間上映に来ましたので宣伝をよろしくお願いします」

竹本監督
「貴重な休みの時間をいただきありがとうございました。何かしら心に響いたと思いますので皆さん口コミで広げていただいて、また味わって頂けたらと思います。今日はありがとうございました」

トーク終了後、CINEXロビーにて

トーク終了後、CINEXロビーにて

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