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少年の初恋と憂鬱(映画『草原に黄色い花を見つける』)

あらすじ

ティエウとトゥオンは仲の良い兄弟だ。
兄のティエウは12才。近所に住んでいるムーンが気になっているが
思いは伝えられずにいた。

ある日ムーンの家が火事になり、ムーンがティエウの家に
身を寄せることになる。
さらにムーンへの思いが高まるティエウだが
トゥオンとムーンが急接近し
それに嫉妬したティエウは取り返しのつかないことをしてしまう。

 

ベトナムの美しい自然と遊ぶ兄弟を見ていると
懐かしさを感じずにはいられない。
草で綱引きをしたり、石を投げたり。
自分の幼い頃を思い出す。
あの頃の思い出はなぜか忘れることができない。
あの時の空気や感覚まで鮮やかに記憶の中で残っている。
それは思い出したくないものも含めてだ。
叶うとばかり思っていたのに
叶わないことがあるという現実を知ったのも
そう言えば子供の頃だった。

©2015 Galaxy Media and Entertainment. All rights reserved.

少年時代の初恋は甘酸っぱいか苦いか

ムーンへの恋心を抱くティエウ。
元来の恥ずかしがりやな性格もあって
まっすぐにムーンへの思いが伝えられない。

少しずつ縮まっていた二人の間に
ティエウの気持ちを全く知らないトゥオンが
持ち前の人懐っこさでムーンと仲良くなっていく。

好きなのにムーンを冷たく突き放してしまったり、
トゥオンとムーンの仲を見て嫉妬したり。
気持ちと行動が一致しないティエウ。
思春期を迎え、大人への階段を昇り始めたティエウの
複雑な胸のうちを見ることができる。

子役の演技力

ティエウ役のティン・ヴィン、トゥオン役のチョン・カンの
芸歴は既に7年以上というキャリア。
ムーンを演じたタイン・ミーは10歳に満たない頃に
ベトナムで最も優れた俳優の一人と言われた名子役。
日本の芦田愛菜的存在だという。
そんな子役たちの演技力は抜群だ。

様々な感情を抱えるティエウ、
兄と本が大好きで本の世界と現実が生活の中に混在しているトゥオン、
複雑な家庭環境を抱えながら強く生きるムーン。
3人がしっかりとその役を演じていることで
作品がさらに良質になった。

©2015 Galaxy Media and Entertainment. All rights reserved.

ベトナムでは異例の大ヒット

原作がベトナムでとても有名というのもあったかもしれないが
ヒット作は主に国外作品であるベトナムで大ヒットを記録。
社会現象を巻き起こし、数々の映画祭にも出品された。
監督は新鋭のヴィクター・ヴー。
アメリカで生まれ、ハリウッドで映画を学び、技術をベトナムに持ち帰った。
トラン・アン・ユアン監督以来の逸材と言われている。
ベトナムの美しい自然を捉える映像美、
ベトナム戦争後である80年代のベトナムをリアルに描く表現力、
エンドロールの驚く演出と様々な面で楽しませてくれる。

タイトルが意味をなすのは作品の後半だが、
それに向かう伏線は冒頭からあるので
昔の自分に思いを馳せつつしっかりと見てほしい。

©2015 Galaxy Media and Entertainment. All rights reserved.

 

映画『草原に黄色い花を見つける』http://yellow-flowers.jp/ は
新宿武蔵野館で現在公開中。
中部地区では8月26日より名古屋・名演小劇場で公開。
三重・伊勢進富座でも順次公開予定。

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