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音楽が紡ぐ、笑いと涙の人間ドラマ 映画『ファンファーレ! ふたつの音』
フランスで260万人を動員し、3週連続No.1を記録した大ヒット作『ファンファーレ! ふたつの音』が、ついに日本に上陸する。第72回サン・セバスチャン国際映画祭観客賞を受賞、第77回カンヌ国際映画祭カンヌ・プレミア部門に正式出品、さらに第50回セザール賞では主要7部門にノミネートされるなど、世界中で称賛を浴びた注目作だ。
あらすじ
世界を飛び回るスター指揮者のティボは、ある日突然、白血病と診断される。ドナーを探す中で、自分が養子であること、そして生き別れた弟ジミーの存在を知る。かつては炭鉱で栄えた町は今は寂れ、仲間との吹奏楽団が唯一の楽しみであるジミー。すべてが正反対の二人だが、ティボはジミーに類まれな音楽の才能を見出す。これまでの運命の不公平を正そうと、ティボはジミーを何がなんでも応援することを決意する。やがてその決意は、二人の未来、楽団、そして町の人々の運命をも思いがけない方向へ動かしていく。
物語の主人公は、クラシック界のスター指揮者ティボと、地方のアマチュア吹奏楽団でトロンボーンを吹くジミー。白血病と診断されドナーを探す過程で、自身が養子であることと生き別れた弟がいるという驚きの事実を知ったティボは、望みをかけて実の弟ジミーに会いに行く。
自身とはかけ離れた生活をするティボが突然やってきて、最初は受け入れなかったジミーだったが、音楽を通して、距離が縮まってゆく。
ジミーはティボに比べて感情の変化が激しく、時に驚くべき自信を持ったり、急激に凹んだりする。ティボやパートナーに励まされたり、ケンカしたりしながら、周りとの関係を変化させていく。ジミーの楽団をなんとかしたいと思うティボは、多忙な中、プロとアマの垣根を越えて、全身全霊で活動していく。
作品全編にクラシックからポピュラーソングまで幅広いジャンルの音楽が流れるのも楽しい。(公式サイトから試聴可)
本作の魅力は、人間ドラマとコメディ、クラシック音楽とポピュラーソングといった相反する要素が絶妙なバランスで描かれているところだ。監督のエマニュエル・クールコルは、「相反するものを調和させ、妥協点あるいはバランスを見つけることが何より好き」と語っている。正反対の性格やアマチュアとプロとのレベルの違いもありながら、ティボとジミーは関係を深めていく。工場の閉鎖という社会的な問題や働きながら音楽活動もする生活の難しさも描かれ、ドラマティックにストーリーは展開していく。
兄のティボを演じるのは、セザール賞に5度ノミネートされた実力派俳優バンジャマン・ラヴェルネ。役作りのため、2ヶ月半にわたる指揮の特訓を受け、オーケストラの指揮シーンでは実際に指揮をしている。弟のジミー役には、近年注目を集める新進気鋭の才能ピエール・ロタン。役のためつに4ヶ月間トロンボーンのトレーニングを行い、劇中ではアマチュアレベルとしては完璧な演奏を披露している。
生きていく中で辛いときも楽しいときも常に音楽があったティボとジミー。運命的な再会を果たした兄弟が未来へと一緒に歩み出す中、仲間たちとの絆から生まれる奇跡の演奏は、観る者の人生を励まし、心に温かい感動のハーモニーを届ける。
映画『ファンファーレ!ふたつの音』https://movies.shochiku.co.jp/enfanfare/
2025年9月19日(金)新宿ピカデリーほか全国公開。
東海三県では9月19日(金)よりミッドランドスクエア シネマ、MOVIX三好で公開。10月18日(土)より岐阜CINEXで公開予定。
監督・脚本:エマニュエル・クールコル『アプローズ、アプローズ!囚人たちの大舞台』
共同脚本:イレーヌ・ミュスカリ
出演:バンジャマン・ラヴェルネ、ピエール・ロタン、サラ・スコ
フランス/2024年/103分/仏語/カラー/5.1ch/原題:En Fanfare /英題:THE MARCHING BAND/日本語字幕:星加久実/字幕監修:前島秀国
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
配給:松竹
© 2024 – AGAT Films & Cie – France 2 Cinéma
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