Cafemirage

Cafe Mirage--岐阜発 映画・エンタメ情報サイト

カテゴリリンク

IMG_2332_

EntaMirage! Entertainment Movie

映画『風のマジム』名古屋ミッドランドスクエアシネマ舞台挨拶レポート

映画『風のマジム』公開記念舞台挨拶が9月14日(日)名古屋ミッドランドスクエアシネマで開催された。主演の伊藤沙莉さん、芳賀薫監督が登壇。その様子をお届けする。

映画『風のマジム』あらすじ

沖縄で暮らす契約社員の伊波まじむは、ある日ラム酒の魅力に目覚める。南大東島のサトウキビでラム酒を作る企画を社内コンクールに応募すると、その夢は家族や会社、島民を巻き込む一大プロジェクトへと発展していく。

映画『風のマジム』舞台挨拶レポート

伊藤沙莉さん
「本日はこんなにたくさんの方にご来場いただき、本当にありがとうございます。上映後はなんでも話せますし、観てくださった方々の空気がいつも柔らかく温かくて、ここに立って、居やすいなと感じています。短い時間ですが楽しんでいってください」

伊藤沙莉さん

伊藤沙莉さん

芳賀薫監督
「三連休の中日にも関わらず、こんなにたくさんの方に集まっていただいて本当にありがとうございます」

芳賀薫監督

芳賀薫監督

Q. 撮影を振り返って、どんな現場でしたか?

伊藤沙莉さん
「すごくみんな仲が良かったと思います。映画づくりはチーム戦なのでみんなが同じ熱量で同じ方向を向いているのはとても大切です。みんなが良い作品にしたいと思っていて、演出において、芳賀さんのアイデアが浮かんだ時に、結構時間を使ってみんなで話し合ったりして、ちゃんとみんなで力を合わせて作った感じでした。絆が生まれて、居心地の良い素敵な空間でした」

Q. 監督から見て、伊藤さんだからこそ成立した貴重なシーンはありますか?

芳賀薫監督
「ひとつに絞れないですが、手紙を書いているところは自分が想像していた以上でした。 まじむとしていろんなことを考えた上で、大人としてそろそろ妥協しなくてはとその前に儀間部長に言われているんですが、そういうことをかみしめながら書いているというのが伝わってきて、自分が短絡的だったことに気づかされました」

Q. まじむは絶対伊藤さんでなければと思ってオファーされたそうなんですが、どういうところをご覧になってそう思われたんですか?

芳賀薫監督
「まじむは、スペシャルな才能とか、めちゃくちゃ頑張れるスーパーな人みたいな、いわゆる少年漫画的な主人公ではないと思っていて。どこにでもいる普通の女の子。普通の人なんだけど、ちゃんと自分の何か感じたことを伝えていたり、誰かから言われたことをちゃんと受け止めている。それがなかなか難しいことだと思っていて、それをできるのは誰だろうと思った時に、演技の中でいつも他の人の発言や行動をきちんと受けて伊藤さんは動いているように見えるのがすごくいいなと思っていたので、伊藤さんにぜひお願いしたいなと」

伊藤沙莉さん
「嬉しいです。ありがとうございます」

IMG_2269_

Q. 監督から長いお手紙をいただいたということですが、その中で覚えているフレーズ、これにグッと来てまじむを演りたいと思ったことはあったのですか?

伊藤沙莉さん
「フレーズは覚えてないですね(笑)。でも、とにかく長いお手紙を下さったというその行動が何より大事というか。監督にまじむを感じました。そういう思いでお話をくださっているその熱量。一緒に何か物作りをする仲間になってみたいとか、この人とチームで頑張ってみたいと思わせていただいた出来事でした。それはとっても嬉しかったですし、その時に感じた印象はずっと変わることなく、監督は結構まじむみたいな人だなと思っています。好きですね」

芳賀薫監督
「本当ですか!?」

Q. 監督はCMなどを手掛けられていますが、映画の現場との違いはありましたか?

芳賀薫監督
「はっきり言って全然違いました。CMは撮影前に綿密に計画してゴールに向かいますが、映画は役者さんが予想を超えてくることがあります。そうなったら計画を捨てて、違うことを選択することが正しいので、全く違う興味にチャレンジさせてもらいました。勉強しながら、吸収しながらやらせてもらいました」

IMG_2312_

Q.CMっぽい撮り方を逆にしたところはないんですか。

芳賀薫監督
「いろんな食材を美味しく撮るとか飲みっぷりを撮るのは得意でした(笑)」

©2025 映画「風のマジム」 ©原田マハ/講談社

©2025 映画「風のマジム」 ©原田マハ/講談社

Q. 伊藤さんは食事のシーンはいかがでしたか?

伊藤沙莉さん
「本当に全部美味しいんです。南大東島で食べたそばのシーンは、普通に美味しいので、自分が何をやっているのか分からなくなりました(笑)」

芳賀薫監督
「カットしても食べてたよね(笑)」

伊藤沙莉さん
「普通に食事していました(笑)」

IMG_2244_

芳賀薫監督
「一口食べて震えているところとかは、ただの伊藤沙莉だったよね(笑)」

Q. まじむを演じるにあたり、一番ご自身で気を付けたこと、意識したことはどういうところだったんですか?

伊藤沙莉さん
「キャラクター付けしないということですかね。あまりそれすらも意識していなかったかもしれないんですが、喋り方に特徴があったり、こういう人なんよというキャラ付けをあまりするべきではない役というか。本当にどこにでもいる人じゃなきゃダメだと思っていたし、いろんな方が観た時に、ご自身を投影できるような近さがあった方が、まじむに関しては絶対にいいというのは思っていたので、プランを立てるというより、現場で一緒に作っていくっていうところを意識していました。

Q. 共演者の方とのお話を伺います。愛知県出身の滝藤賢一さんとは伊藤さんは何度も共演されていると思いますが、今回はいかがでしたか?

伊藤沙莉さん
「私は、滝藤さんとはお互い「おりゃ!」と闘う感じで接する作品が多くて(笑)、この映画のような穏やかな空気の中で滝藤さんと一緒にお芝居させていただくのは初めてくらいの感じでした。とても素敵な先輩で、勉強になるところもたくさんありました。年下がいうのはなんですが、やっぱり一緒にお芝居していて楽しい役者さんだなと心から思いました」

IMG_2302_

芳賀薫監督
「本当に滝藤さんは真面目な方で。僕らが酒蔵のロケハンに行っていた時に一人でいらっしゃって、酒蔵の方に「これはどうやって作るんですか」「どういう意味があるんですか」と自分でリサーチされていました。実際にこのモデルになっている南大東島にある工場の方の映像も僕たちが行って撮ってきたんですが、それを滝藤さんが見てくださって、そこから抽出してこういう柔らかい方をやっていただけた感じがします」

Q. 監督から見て、他の共演者の方と伊藤さんとの共演で生まれるマリアージュみたいなものについてはどんな風にご覧になっていたんですか?

芳賀薫監督
「シシド・カフカさん演じる糸数さんとのところもすごく面白くて。まじむが最初に喜んでいるところに糸数さんがぱっと入ってきて、いろいろな作業をしながらズバッと言うじゃないですか。まじむがどんどん固くなって聞いている感じを見ると「ああ、わかるな」って。僕も新人の頃「ああいうことやったな」と思い出しました。先輩に「コーヒー入れろ」と言われて、「それ暇な人がやればいいんじゃないですか」と言って、あれくらい詰められたことがありました(笑)。実体験があるので、「そうだよな、こうなるよな」と思っていて。そこに冨美枝がちょっとふざけて出てきて真似する感じが、ちょっとホッとするんですよね。それで、「よしよし」と思う。誰もが共感出来る場面が生まれました」

©2025 映画「風のマジム」 ©原田マハ/講談社

©2025 映画「風のマジム」 ©原田マハ/講談社

Q. 最後に、皆さまへメッセージをお願いします。

芳賀薫監督
「この物語は、普通の女性が少し誰かに自分の感じた夢を伝え、それに誰かが何かを言ってくれたり動いてくれたりしたことを感じ取って、少しずつ成長するという物語だと思うんです。ご自身にも置き換えて、何か自分がちょっとやってみたいとか、そういうことに反映もできると思いますし、身近にちょっと頑張っている人がいたら、少し背中を押してあげたり、応援してあげたりすることで、真心が伝わっていくと思います。僕は初監督ですが、52歳です。1本1本CMを作ることはすごく楽しいですし、大事にやってきましたが、今ここでこれだなと思ったものに関わることができました。そういう意味では自分と同じかもしれないんです。何かを始めたい人や頑張っている人がいたら、この映画を、まじむを思い出して、背中を押してあげたり応援してあげたりしてほしいと思います。今日は本当にありがとうございます」

伊藤沙莉さん
「SNSで「好きに迷いなく、前を向き続けたいと思わせてもらった」という感想を見つけました。 自分の中に生まれた「好き」という感情は、ちょっと自信がなかったりとか、周りが気になったりとかして、そこを大切にしづらかったりすることも意外とあったりすると思うんですが、好きを大切に、気負わず過ごしたら結構幸福なんじゃないかなと思います。この映画を観てそういう気持ちになっていただけたらとっても嬉しいなと思いますし、そういうあたたかい連鎖が巻き起こるといいなと思っています。 皆さんももしよろしければ、この映画が良かったよとか感想を書いていただけると、どんどんそういう輪が広がっていくと思います。今日はありがとうございました」

IMG_2328_

映画『風のマジム』https://majimu-eiga.com/ は現在全国公開中。東海三県ではミッドランドスクエア シネマ、伏見ミリオン座、MOVIX三好、ユナイテッド・シネマ(豊橋18、岡崎、阿久比)、イオンシネマ各務原、伊勢 進富座で公開中。

映画『風のマジム』

出演:伊藤沙莉
染谷将太 尚玄 シシド・カフカ 橋本一郎 小野寺ちずる
なかち 下地萌音 川田広樹
眞島秀和 肥後克広
滝藤賢一
富田靖子
高畑淳子
原作:「風のマジム」原田マハ(講談社文庫)
主題歌:森山直太朗(ユニバーサルミュージック)「あの世でね」
エグゼクティブプロデューサー:笹岡三千雄
製作:オーロレガルト
製作・配給:コギトワークス
共同配給:S・D・P
制作プロダクション:ポトフ
企画プロデューサー:関友彦
プロデューサー:佐藤幹也
脚本:黒川麻衣
監督:芳賀薫
2025/日本/DCP/カラー/シネマスコープ/5.1ch/105分/
©2025 映画「風のマジム」 ©原田マハ/講談社

-EntaMirage!, Entertainment, Movie

おすすめの記事はこれ!

image (3) 1
運命さえも覆せ!魂が震える慟哭のヒューマン・ミステリー(映画『盤上の向日葵』)

『孤狼の血』などで知られる人気作家・柚月裕子の小説『盤上の向日葵』が映画化。坂口 ...

©ストラーユ 2
本から始まるストーリーは無限大に広がる(映画『本を綴る』篠原哲雄監督×千勝一凜プロデューサー インタビュー&舞台挨拶レポート)

映画『本を綴る』が10月25日から名古屋シネマスコーレで公開されている。 映画『 ...

1759598539764_1 3
いつでも直球勝負。『おいしい給食』はエンターテイメント!(映画『おいしい給食 炎の修学旅行』市原隼人さん、綾部真弥監督インタビュー)

ドラマ3シーズン、映画3作品と続く人気シリーズ『おいしい給食』の続編が映画で10 ...

©️2025『おーい、応為』製作委員会 4
もう一人の天才・葛飾応為が北斎と共に生きた人生(映画『おーい、応為』)

世界的な浮世絵師・葛飾北斎と生涯を共にし、右腕として活躍したもう一人の天才絵師が ...

taiga_B2poster_0710_fix_ol 5
黄金の輝きは、ここから始まる─冴島大河、若き日の物語(映画 劇場版『牙狼<GARO> TAIGA』)

10月17日(金)より新宿バルト9他で全国公開される劇場版『牙狼<GARO> T ...

『アフター・ザ・クエイク』ビジュアル 6
「空っぽ」から始まる希望の物語-映画『アフター・ザ・クエイク』井上剛監督インタビュー

村上春樹の傑作短編連作「神の子どもたちはみな踊る」を原作に、新たな解釈とオリジナ ...

IMG_2338_ 7
名古屋発、世界を侵食する「新世代Jホラー」 いよいよ地元で公開 — 映画『NEW RELIGION』KEISHI KONDO監督、瀬戸かほさんインタビュー

KEISHI KONDO監督の長編デビュー作にして、世界中の映画祭を席巻した話題 ...

image (1) 8
明日はもしかしたら自分かも?無実の罪で追われることになったら(映画『俺ではない炎上』)

SNSの匿名性と情報拡散の恐ろしさをテーマにしたノンストップ炎上エンターテイメン ...

IMG_2332_ 9
映画『風のマジム』名古屋ミッドランドスクエアシネマ舞台挨拶レポート

映画『風のマジム』公開記念舞台挨拶が9月14日(日)名古屋ミッドランドスクエアシ ...

©SHM FILMS 10
あなたはこの世界観をどう受け止める?新時代のJホラー『NEW RELIGION』ミッドランドスクエアシネマで公開決定!

世界20以上の国際映画祭に招待され、注目されている映画監督Keishi Kond ...

48e68d79b718232277b1e5de3297914f 11
『ぼくが生きてる、ふたつの世界』の呉美保監督が黄金タッグで描く今の子どもたち(映画『ふつうの子ども』)

昨年『ぼくが生きてる、ふたつの世界』が国内外の映画祭で評価された呉美保監督の新作 ...

僕花_main 12
映画『僕の中に咲く花火』清水友翔監督、安部伊織さん、葵うたのさんインタビュー

Japan Film Festival Los Angeles2022にて20歳 ...

IMG_2204_ 13
映画『僕の中に咲く花火』岐阜CINEX 舞台挨拶レポート

映画『僕の中に咲く花火』の公開記念舞台挨拶が8月23日岐阜市柳ケ瀬の映画館CIN ...

僕花_main 14
23歳の清水友翔監督の故郷で撮影したひと夏の静かに激しい青春物語(映画『僕の中に咲く花火』)

20歳で脚本・監督した映画『The Soloist』がロサンゼルスのJapan ...

25-08-06-09-10-43-381_deco 15
岐阜出身髙橋監督の作品をシアターカフェで一挙上映!「髙橋栄一ノ世界 in シアターカフェ」開催

長編映画『ホゾを咬む』において自身の独自の視点で「愛すること」を描いた岐阜県出身 ...

IMG_1793 16
観てくれたっていいじゃない! 第12回MKE映画祭レポート

第12回MKE映画祭が6月28日岐阜県図書館多目的ホールで開催された。 今回は1 ...