EntaMirage! Entertainment Movie
海外から届いたメッセージ。66年前の日本をたどる『Yokosuka1953』名古屋上映会開催!
同じ苗字だからといって親戚だとは限らないのは世界中どこでも一緒だ。
「木川洋子を知っていますか。」
同じ苗字の日本人に一縷の望みをかけてSNSで海外から送られてきた不思議なメッセージは一人の大学教授の心に届いた。
海外から届いたそのメッセージは自分の母のルーツを探すアメリカ人女性からのメッセージ。自分の母は日本で生まれ、日本名は木川洋子というのだという。
メッセージを受け取った木川剛志は自身も初めて訪れる神奈川県横須賀から木川洋子と母・信子を知る人を探し始める。
木川洋子はなぜアメリカに渡ったのか。母・信子はなぜ洋子を手放すことになったのか。明らかになる事実。そして木川洋子はアメリカから母の姿を求めて日本にやって来る。

その姿を捉えたドキュメンタリー映画『Yokosuka1953』が7月29日(土)、30日(日)名演小劇場で公開される。
「木川洋子を知っていますか」
木川剛志は和歌山大学で空襲を研究し、戦災孤児を調べている。アメリカに住むシャーナという女性からの突然のメッセージに木川剛志がコンタクトを取るところからこのドキュメンタリーは始まる。シャーナの話によると、シャーナの母バーバラこと木川洋子は1947年に横須賀市で外国人と思われる父と日本人の母の間に生まれたが、5歳で米兵に養子縁組され、渡米。それから66年間日本に帰る事も母と会う事もなかった。シャーナはかすかな希望を持って、SNSで木川を検索し、見知らぬ木川剛志にメッセージを送ってきたのだという。木川は何かの縁を感じ、今までたくさんの戦災孤児を調べてきた研究者としてできるだけのことがしたいと動き始める。
カメラは木川監督と一緒に動いていく。観る人達も木川監督と一緒に洋子のことを調べていく感覚になる。
木川剛志には行動力がある。やると決めたらやる。和歌山大学准教授だけでなく、福井駅前短編映画祭の主催者としての顔も、映画プロデューサー、監督としての顔も知っている。彼の思いの強さ、行動力がこの作品にも出ている。
手がかりは66年前、横須賀の孤児院にいたこと。
小さな手がかりから洋子と信子の足取りを追うため、木川監督は自身が今まで行ったことのない横須賀で、地道な聞き取りを始める。なぜ、信子は洋子を手放さなければならなかったのか。古き友人から話を聞くことで、次第に信子が見えてくる。
並行して、渡米。シャーナの母バーバラに会い、小さい頃の思い出と家族にも話したことがなかったという渡米後の苦難の人生を聞くことになる。
家族には過去の話を少ししかしていないというバーバラ。そんなところからもシャーナは母と自身に繋がるルーツを探して木川という日本人にメッセージを送り続けていたのかも知れない。
敗戦直後の日本、横須賀で何が起きていたのか。
それにより生まれた悲しい親子の別れ。
66年前、忘れさられそうになった歴史がまた一つ人々の記憶によみがえる。
戦争は過去ではない。今も世界のどこかで戦いは続いている。
戦争による悲しみをこれ以上増やさないために。
戦後を強く生きた人々の姿をぜひ一緒に映画館で観て欲しい。
・映画『Yokosuka1953』名古屋上映会
2023年7月29日(土) 、30(日) 10:30 13:30 全席自由席/入替制
場所 名演小劇場 名古屋市東区東桜2-23-7(名演会館3階)
料金 当日 1,300円(一律) 特別鑑賞券 1,000円
特別鑑賞券お取扱い先
名古屋演劇鑑賞会事務局(名演会館2階・平日10:00~18:00)、名古屋シネマテーク、シネマスコーレ
[公開記念イベント]
・7/29(土) 木川剛志監督舞台挨拶
10:30の回上映後&13:30の回上映後
・7/30(日) ティーチイン・イベント
10:30の回上映後&13:30の回上映前
ゲスト: 津田寛治さん(ナレーション) 木川剛志監督 弁護士・廣田稔さん(「天外者」製作総指揮)
公式ホームページ https://yokosuka1953.com/
主催:映画『Yokosuka1953』名古屋上映実行委員会
協力:平成プロジェクト/名演会館
お問合せ:090-1722-3663 (シー・ワークス 高藤)
おすすめの記事はこれ!
-
1 -
兄のことをひたすら考える終いの4日間(映画『兄を持ち運べるサイズに』)
『湯を沸かすほどの熱い愛』や『浅田家!』で数多くの映画賞を席捲し、一貫して家族の ...
-
2 -
映画『Good Luck』先行上映記念 足立紳監督&足立晃子プロデューサー 舞台挨拶レポート
11月24日「NAGOYA CINEMA Week 2025」の一環として、足立 ...
-
3 -
本物の武道空手アクションがここに!映画『TRAVERSE2 -Next Level-』豊橋で先行公開、完成披露試写会 開催!
武道空手アクション映画の金字塔となる二部作の完結編、映画『TRAVERSE2 - ...
-
4 -
極寒の会津ロケからベルリン映画祭出品へ! 魂の舞と幽玄の世界が描き出す人間の複雑な心境(映画『BONJI INFINITY』初号試写会 舞台挨拶レポート )
2025年11月3日、映画『BONJI INFINITY(ボンジ インフィニティ ...
-
5 -
日本初ARRIが機材提供。美しきふるさとの映像と音に触れ、自身を回顧する(映画『郷』小川夏果プロデューサーインタビュー)
数々の国際映画祭で評価を重ねてきた鹿児島出身の新進気鋭の伊地知拓郎監督が、構想か ...
-
6 -
映画『佐藤さんと佐藤さん』名古屋先行上映会舞台挨拶レポート。岸井ゆきのさん、宮沢氷魚さん、天野千尋監督登壇
映画『ミセス・ノイジィ』の天野千尋監督の最新作は夫婦の変化する15年間を描く、オ ...
-
7 -
運命さえも覆せ!魂が震える慟哭のヒューマン・ミステリー(映画『盤上の向日葵』)
『孤狼の血』などで知られる人気作家・柚月裕子の小説『盤上の向日葵』が映画化。坂口 ...
-
8 -
本から始まるストーリーは無限大に広がる(映画『本を綴る』篠原哲雄監督×千勝一凜プロデューサー インタビュー&舞台挨拶レポート)
映画『本を綴る』が10月25日から名古屋シネマスコーレで公開されている。 映画『 ...
-
9 -
いつでも直球勝負。『おいしい給食』はエンターテイメント!(映画『おいしい給食 炎の修学旅行』市原隼人さん、綾部真弥監督インタビュー)
ドラマ3シーズン、映画3作品と続く人気シリーズ『おいしい給食』の続編が映画で10 ...
-
10 -
もう一人の天才・葛飾応為が北斎と共に生きた人生(映画『おーい、応為』)
世界的な浮世絵師・葛飾北斎と生涯を共にし、右腕として活躍したもう一人の天才絵師が ...
-
11 -
黄金の輝きは、ここから始まる─冴島大河、若き日の物語(映画 劇場版『牙狼<GARO> TAIGA』)
10月17日(金)より新宿バルト9他で全国公開される劇場版『牙狼<GARO> T ...
-
12 -
「空っぽ」から始まる希望の物語-映画『アフター・ザ・クエイク』井上剛監督インタビュー
村上春樹の傑作短編連作「神の子どもたちはみな踊る」を原作に、新たな解釈とオリジナ ...
-
13 -
名古屋発、世界を侵食する「新世代Jホラー」 いよいよ地元で公開 — 映画『NEW RELIGION』KEISHI KONDO監督、瀬戸かほさんインタビュー
KEISHI KONDO監督の長編デビュー作にして、世界中の映画祭を席巻した話題 ...
-
14 -
明日はもしかしたら自分かも?無実の罪で追われることになったら(映画『俺ではない炎上』)
SNSの匿名性と情報拡散の恐ろしさをテーマにしたノンストップ炎上エンターテイメン ...
-
15 -
映画『風のマジム』名古屋ミッドランドスクエアシネマ舞台挨拶レポート
映画『風のマジム』公開記念舞台挨拶が9月14日(日)名古屋ミッドランドスクエアシ ...
-
16 -
あなたはこの世界観をどう受け止める?新時代のJホラー『NEW RELIGION』ミッドランドスクエアシネマで公開決定!
世界20以上の国際映画祭に招待され、注目されている映画監督Keishi Kond ...
-
17 -
『ぼくが生きてる、ふたつの世界』の呉美保監督が黄金タッグで描く今の子どもたち(映画『ふつうの子ども』)
昨年『ぼくが生きてる、ふたつの世界』が国内外の映画祭で評価された呉美保監督の新作 ...
-
18 -
映画『僕の中に咲く花火』清水友翔監督、安部伊織さん、葵うたのさんインタビュー
Japan Film Festival Los Angeles2022にて20歳 ...
-
19 -
映画『僕の中に咲く花火』岐阜CINEX 舞台挨拶レポート
映画『僕の中に咲く花火』の公開記念舞台挨拶が8月23日岐阜市柳ケ瀬の映画館CIN ...
-
20 -
23歳の清水友翔監督の故郷で撮影したひと夏の静かに激しい青春物語(映画『僕の中に咲く花火』)
20歳で脚本・監督した映画『The Soloist』がロサンゼルスのJapan ...
-
21 -
岐阜出身髙橋監督の作品をシアターカフェで一挙上映!「髙橋栄一ノ世界 in シアターカフェ」開催
長編映画『ホゾを咬む』において自身の独自の視点で「愛すること」を描いた岐阜県出身 ...
-
22 -
観てくれたっていいじゃない! 第12回MKE映画祭レポート
第12回MKE映画祭が6月28日岐阜県図書館多目的ホールで開催された。 今回は1 ...