
第18回CINEX映画塾『パンとバスと2度目のハツコイ』深川麻衣トークショーレポート
7月1日岐阜CINEXにて第18回CINEX映画塾が開催された。作品は『パンとバスと2度目のハツコイ』。主演の深川麻衣さんを迎えてトークショーも行われ、
地元岐阜からだけではなく北海道や沖縄など全国から来場があった。そのトークショーの一部をレポートする。
『パンとバスと2度目のハツコイ』は東京国際映画祭を皮切りに今日が36回目と37回目(上映後と上映前の2回開催)の舞台挨拶。舞台挨拶の進行はその舞台挨拶を毎回進行してきた渡辺尊俊宣伝プロデューサー。
岐阜には2回目
渡辺プロデューサー
「岐阜は初めてですか?」
深川さん
「岐阜は2回目です。1回目は郡上八幡に観光で来ました。でも岐阜駅で降りるのは初めてです」
来るときに名古屋から乗る予定だった特急が先日の土砂崩れで運休になり、普通電車に乗って岐阜に着いたことも明かしてくれた。
渡辺プロデューサー
「今年の2月公開の作品がこうしてまだ日本津々浦々で上映されているんですね」
深川さん
「すごいありがたいですね。ドラマなら家で観ることが出来ますが映画は映画館や会場に足を運んでくださらないと観られないですよね。今日も岐阜だけではなくて他の場所から来てくださっている方もいらっしゃると思いますが、皆さんが足を運んでくださるからこうやって映画上映が出来て、舞台挨拶もさせていただけるので幸せだなと思います」
乃木坂46を辞めて大きく変わったこと
渡辺プロデューサー
「乃木坂46を卒業してからどれぐらい経ちました?」
深川さん
「6月で丸2年経ちました」
渡辺プロデューサー
「まだ2年なんですね」
深川さん
「私の中ではもう2年という感じです。早いなと。卒業して1年経った去年の6月にこの作品は撮影しました。撮影は2週間ほどでした」
渡辺プロデューサー
「気持ちの変化とかありましたか?」
深川さん
「グループで活動していたときはメンバーがいると助け合えることがいっぱいあって。お互い補い合うこともできました。一人で活動させていただくようになってからは一人だしもっとしっかりしないといけないと思うようになりましたね。それまで気がつかなかったダメなところ、足りないところに気がつくようになりました」
渡辺プロデューサー
「仕事の環境も変わりましたよね?楽屋とかも」
深川さん
「それは一番実感する所かもしれないです。メンバーとバス移動をして楽屋も一緒で賑やかだったですね。女子クラスみたいでした。今は一人で、最初は寂しかったですが慣れました。仕事もお芝居をさせて頂いていてwebドラマに出させていただいたり、舞台で一人で2時間ほどの朗読劇をやらせていただいたりしています」
渡辺プロデューサー
「女優としての第一歩としてはやはりこの『パンとバスと2度目のハツコイ』ですか?」
深川さん
「そうですね。映画に対してずっと憧れがあって初めて自分の中の一つの夢を叶えていただいたのがこの作品なのですごく思い入れがあります。」
役者をやりたいと思ったのはいつから?
渡辺プロデューサー
「役者になりたいというのはグループにいた頃から周りに話していたんですか?」
深川さん
「周りにはあまり言っていなかったです。本当に一部の何人かは知っていました。5年間乃木坂46で活動していたんですが、その中でミュージックビデオの撮影や特典映像で個人プロモーションビデオの撮影がありました。監督さんと一対一で撮っていただけるようなものなんですが、この撮影が好きで、撮影していくうちにもっと芝居のお仕事をやっていきたいなと思いました」
渡辺プロデューサー
「小さい頃からやりたかったわけじゃないんですね」
深川さん
「芸能のお仕事に興味を持ったのは中学生の時なんですが、もっとざっくりとした思いで。同年代の子達が雑誌やテレビに出ているのを観て、『いいなあ。自分もこうなりたいなあ』と思ったのがきっかけです」
渡辺プロデューサー
「主演が決まったと聞いてどう思われましたか?」
深川さん
「憧れだったのですごく嬉しかったんですけど、主演をやらせていただけると聞いたときに怖さの方が大きかったですね」
今泉監督の現場
渡辺プロデューサー
「そんな思いで入った撮影現場ですがどんな感じでしたか?」
深川さん
「今泉監督とのお仕事も初めてで、私が今泉監督の世界観を壊してしまったらどうしようと思っていたんですが、監督もスタッフ・キャストの皆さんもあったかくていい方々ばかりでした。その空気感に助けていただいたなと思う部分が沢山あって、撮影に入ってからは割と気負いせず出来たかなと思います」
渡辺プロデューサー
「深川さんが演じたふみちゃんはどんな人ですか?」
深川さん
「予告編では『こじらせ女子』と言われていましたがこれは誰にでもある要素なんじゃないかと思います。普通の人なら当たり前のことだと思って考えないことを真面目に考えすぎちゃう女の子で、手も足も出せなくなってしまう。そんな自分が嫌になっちゃう。そういう所は皆さんにもあるんじゃないかと思います」
渡辺プロデューサー
「恋愛もの映画にある壁ドンのような要素もないんですよね?」
深川さん
「全く。今泉監督の作品は日常をすごく丁寧に切り取っていて、普通に過ごしていたら見過ごしてしまうようなことを今一度突き詰めていく。この映画は恋愛要素もあるんですが、恋愛や生活に対する疑問や感じていることに気がつかせてくれると思います」
渡辺プロデューサー
「監督とは市井ふみという人物を作るに当たって話し合ったりしたんですか?」
深川さん
「本読みの時や撮影の合間に話しました。今泉監督の撮影は台本の台詞が終わってもカットがかからず撮影が続くことがあります。ふみが妹とじゃれ合うシーンとかは台本になくて自然のやり取りで生まれたシーンですね。あとはクッキーを食べるシーンがあるんですが、これは撮影が始まる直前に今泉監督から『クッキー食べて見て』と指示があって。台本にはないことを演じてそれに対する”たもつ役”の山下健二郎さんの生の反応を撮ったという時もありました」
トークショー後半はCINEXに設置された深川さんへのメッセージボードや1回目のトークショーの感想をSNSからピックアップしてトークが展開された。その後で観客からの質問も。沢山の手が挙がった。
Q.作品にパンが出てきて主人公も食べていますが深川さんがこれを食べると落ち着くというようなものはありますか?
深川さん
「チョコレートが好きで常に冷蔵庫にいくつかの種類のストックが入っています。落ち着くものというと飲み物になってしまうんですが、緑茶ですね。静岡県出身で実家にいたときによく飲んでいました。緊張するお仕事に向かう朝に落ち着きたくて温かい緑茶を飲みます」
渡辺プロデューサー
「パンは食べないんですか?」
深川さん
「食べますよ、家の近くにお気に入りのパン屋さんもあります」
渡辺プロデューサー
「朝食はパン派ですか?」
深川さん
「朝はご飯かな(笑)」
渡辺プロデューサー
「でもパンは好きなんですね(笑)。深川さんのベスト3は?」
深川さん
「3位はメロンパン。2位はミルクフランス。フランスパンの中に練乳が入ってるものです。1位はクロワッサンです。これは不動です。2位と3位は入れ替わることはあるんですけど1位だけは変わらないですね。今泉監督の作品には食べ物を食べるシーンが出てくるので見終わったあとに食べたくなると言われることもあります。食べているシーンって素が出るので好きだったりします。」
Q.初恋はいくつの時ですか?
深川さん
「小学校1年生の時で6年生までその子をずっと好きでした。その子からもらった消しゴムを学習机の鍵が1つだけかかる一番上の引き出しに大切にしまっていました」
会場では深川さんとの記念撮影の権利をかけてじゃんけん大会も。じゃんけんの勝者各回2名が深川さんと壇上で写真撮影を行ったあと、深川さんが客席へ行き観客と一緒に記念撮影も行った。
観客の皆様へ
深川さん
「この映画は皆さんが自由に想像を膨らますことができる映画になっています。見終わった後にお友達と『自分はこう思う』と話せるところが沢山出てくると思いますので何回も観ていただいてそういう部分で楽しんでいただければと思います。今日は本当にありがとうございました」
トークショー終了後、深川さんはしっかりとメッセージボードに貼られた
メッセージを読んでいた。

来場された方からの沢山のメッセージ。パネルはCINEXのスタッフさん手作り。
CINEX映画塾中で一番年齢層が低くなった今回のイベント。
若い世代の映画を観ての率直な感想を聞くのが楽しい時間だった。

上映終了後CINEXロビーにて。
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