さあ胸を張って颯爽と(映画『ハイヒール革命!』名古屋舞台挨拶レポ)
『ハイヒール革命!』作品紹介
『3年B組金八先生』の伝説の第6シリーズを涙して見ていた過去がある。
自分は体は女だけど男だからセーラー服ではなく学ランを着たい。
そう言い続け、訴えた生徒がいた。あれはドラマだ。
だが現実にも同じように訴えた中学生がいた。
真境名ナツキ(本名:薫)
彼は男の体を持って生まれたが 心は女の子だった。
ヒーローよりヒロインが好き。 かわいいものが好き。
男子生徒の前で裸になるなんてできない。 女の子の気持ちはよくわかる。
中学で先生に怒られてばかりの薫は ついに自分の思いを打ち明けた。
「私はスカートをはいて登校したいんです。」
普通ではない、異質なものだと理解しようとせずにいる教師達に
薫と一緒に立ち向かったのは薫を誰よりも理解する母親だった。
LGBT(レズ、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)。
世間から偏見の目で見られることの多い人たちは
『自分らしさ』を勝ち取るために計り知れない経験をしてきた。
真境名さんの小さい頃からの経験、そして今までの生活を
真境名さん本人、母親、兄、親友、パートナーの
インタビューで構成されたドキュメンタリーと
濱田龍臣さんが真境名さんを演じるドラマパートでつくられた作品 『ハイヒール革命!』。
監督は古波津陽。
『築城せよ!』『WAYA!宇宙一のおせっかい大作戦』と創作ものだけではなく
『1/10 Fukushimaをきいてみる』などドキュメンタリー作品も
精力的に撮影する監督の新作は古波津監督だから撮れるセンセーショナルな作品だった。
舞台挨拶の際にお母様にもお会いした。
この自然体なお母様が真境名さんの今の礎を作っている。
スクリーンの中で話していたお母様は今でも自然体な方だった。
『ハイヒール革命!』名古屋初日舞台挨拶レポート
「寝てないハイテンション」
・登場からとても饒舌なナツキさん。周りを引き込む明るさですね。
(舞台挨拶登壇者 真境名ナツキさん、古波津陽監督)
真境名さん:
「昨日東京で深夜のラジオに出演してそのまま一睡もせずきたのでナチュラルハイ。
寝てないだけです。(笑)」
古波津監督:
「はじめてお会いしたときにサービス精神とか明るい部分もあれば真面目な部分も
あってその第一印象を大事にしながらこの映画のコンセプトや全体の流れを考えて。
ナツキちゃんから出てくる要素を取り上げたらこんな感じの映画になりました。」

「どうして『ハイヒール革命!』に?」
・タイトルだけ聞くとファッション関係とか女性の成長の映画かと思いましたが。
真境名さん:
「私のパートナーとプロデューサーさんが知り合いでご飯を食べに行ったときに
私の経験を話したら『面白いね、映画作ろう!』と言われて。
こんな冗談をいう愉快な方がいらっしゃるんだなあと 話し半分に聞いていたら
次にお会いしたときに『こんな感じで、こんな予算で作るから』って。
具体的だなと思いました。タイトルも考えてると言われて。
思わず『出るのやめます。』って言おうかと思ったタイトルだったんです。」
古波津監督:
「結局、作品の中にハイヒールが出てくるのでそれをタイトルに使えないかなと思って
脚本家と考えました。」
・監督の第2の故郷は愛知です。愛知って映画を撮る場所としては魅力的ですか?
(監督の『築城せよ!』『WAYA!宇宙一のおせっかい大作戦』は愛知県で撮影された作品)
古波津監督:
「映画を作る視点からいうと都会もあるし、少し離れれば山もある。商業地も工業地もある。
いろんな材料があるし、歴史もある。まだまだ僕も使いきれてないですね。
三部作撮りたいと思っているんです。
撮影場所を見つけてはいるんですけど…。まだ言えません。」
・作中では自分を演じた濱田龍臣さんとの対談もありますが。
真境名さん:
「どういうタイプの方ですか?ってざっくり質問をされて。
感情が顔に出やすいタイプだよとお話ししただけで掴んでいたので
さすが天才子役って思いました(笑)」
トリセツは2ページ?
真境名さん:
「真冬というか、2月秋葉原の交差点を歩くのに5月の風を感じる感じでと言われたんです。
寒いから歯もガチガチしちゃうし、目も笑えなくって。寒い中往復して。」
古波津監督:
「ナツキちゃんは機嫌が悪いとドスーンとした、ものすごい表情で入ってきますからね。
分かりやすいです。機嫌が悪いとナツキちゃんとコミュニケーションとって。(笑)」
真境名さん:
「甘いものとお酒が好きなので撮影後に飲みに行けると聞くと機嫌がよくなります。
わかりやすいんです。私のトリセツは2ページぐらいしかないです。(笑)」
『ハイヒール革命!』はLGBTをテーマにしているわけではない
古波津監督:
「LGBTを意識しているわけではなく、ナツキちゃんの個性に興味を持ったんです。
それだけのコンプレックス持っていた人がなぜのびのびと個性的に暮らしていけるのか
興味が湧いたし、これはみんなそう思うんじゃないかと。
みんなコンプレックスは持っているじゃないですか?
コンプレックスを個性に変えられればそんな素敵なことはないんですけど
方法も分かりにくいし、その扱いに困っている人もいる。
世の中に自分をはめていこうという風潮ですけど、
ナツキさんを見てもらってまず自分は何が好きか、
どうしたらのびのび生きていけるかをプレゼンテーションしたくて。
LGBTを推したかったではなく偶然ナツキさんがそのカテゴライズにいたんです。」
真境名さん:
「みんな生きていれば絶対悩みがあるから私たちだけが大変だって
スポットライトを当てちゃうというのはおかしい。
映画がきっかけになって私は前に進むことが出来た。母のおかげで前に進むことができたので
この映画をきっかけに勇気を持っていただきたいなと思います。」
もう一人の出演者登場
劇場とファンからのお花の贈呈。
古波津ファンだという女性は映画に出演されている名古屋在住高校1年の女優・高畠千夏さん。
古波津監督の『築城せよ!』のエキストラ出演をきっかけに女優を目指していたところ、
この映画のオーディションがあったとか。
古波津監督:
「プロフィールに‟築城経験あり”と書いてあってなんだろうと思ったら
そういうことでした。(笑)」
東京でのオーディションでも愛知の方に出会う。やっぱり愛知に縁が深い。
愛知が第二の故郷という古波津監督。
久しぶりの凱旋では真境名さんと共に多くのファンや知人に囲まれていた。

映画『ハイヒール革命!』http://highheels.espace-sarou.com/は
名古屋ミッドランドスクエアシネマで10月1日より2週間限定公開中(10/14迄)。
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