Cafemirage

Cafe Mirage--岐阜発 映画・エンタメ情報サイト

カテゴリリンク

配給:ハピネットファントム・スタジオ © 2022「この子は邪悪」製作委員会

EntaMirage! Entertainment Movie

真実を知れば知るほど信じたくない…ありえない(映画『このこは邪悪』)

『嘘を愛する女』、『哀愁しんでれら』か映画化されたオリジナル作品の企画コンテスト「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2017」で準グランプリを受賞した『この子は邪悪』が映像化され、間もなく公開される。『町田くんの世界』、『線は、ぼくを描く』も今年公開予定の脚本家・片岡翔が監督・脚本を手がけた。

あらすじ

心理療法室の院長・窪司朗の娘である花。かつて一家は交通事故に遭い、司朗は足に後遺症が残り、母は植物状態、妹は顔に重度の火傷を負い、花も心に深い傷を抱えることとなった。そんな花はある時、母親が心神喪失状態でその原因を探っているという高校生・四井純と出会い、次第に心を通わせていく。ある日、花の母が5年ぶりに目を覚まし、司朗が家に連れて帰ってくる。司朗は久々の家族団らんを喜ぶが、花は母にどこか違和感を抱き……。

冒頭から印象的な音が響く。モスキート音、鈴の音。
それに誘われるようにこの映画の世界に入っていく。

TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILMから生まれた新たな作品

TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILMから生まれた映画は面白い作品ばかりだ。
この作品はミステリーなのだが、どこかホラーとも思える怖さがある。ホラーの、あの先がなんとなく読めるような読めないようなスレスレのあたりを進む感じ。あの感じでストーリーは進んでいく。

主人公・花には『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』『もみの家』、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に頼朝の娘・大姫役で出演した南沙良。花と親しくなる純を「なにわ男子」の大西流星、花の両親を『映画 極主夫道』の玉木宏と『マチネの終わりに』ほか、様々な作品で存在感を残す桜井ユキが演じる。

なんて美男美女一家なの!?と思う。ただこの家族、事故による後遺症をそれぞれが抱えている。意識不明だったが5年ぶりに目を覚ました母親を演じているのが桜井ユキさんだからなのか、何か裏があるんじゃないかと花が母親に抱いた違和感を共有してしまった。火傷を負っているからと白いマスクをしている妹も怖い(一歩間違えると犬神家の一族のスケキヨになりそうだが、でもおしゃれさんなので、何種類も持っているあたりはかわいい)。
そして「7歳、6歳、5歳」と年齢を数えて催眠をかける玉木宏さんの声が良すぎる。良すぎるから余計に自分の耳に入ってきて、怖くなる。自分も催眠にかかってしまいそうだ。

なにわ男子・大西くん×うさぎに癒されるひとときに幸せを感じた後から、ストレートには来ない、じわじわ、じわじわ来る怖さが襲ってくる。次第に見えてくる真実をあまり真実だと考えたくないと思った。

『すばらしき世界』でも印象に残った桜木梨奈さんや、監督としてだけでなく役者としても異彩を放つ二ノ宮隆太郎さんが出演時間は短いが、大事な役割を果たしているのでそちらにも注目を。

映画タイトルの『この子は邪悪』の意味は最後にこそわかるので、最後まで観て欲しい。
いや……本当にありえない。

映画『この子は邪悪』http://happinet-phantom.com/konokohajyaaku/ は9/1 (木)より新宿バルト9他で全国ロードショー。
東海3県ではミッドランドスクエアシネマ、センチュリーシネマ、ミッドランドシネマ名古屋空港、ユナイテッド・シネマ豊橋18、コロナシネマワールド(安城、小牧、大垣)、イオンシネマ(豊田KiTARA、津南)で9月1日より公開

-EntaMirage!, Entertainment, Movie

おすすめの記事はこれ!

©️2025『おーい、応為』製作委員会 1
もう一人の天才・葛飾応為が北斎と共に生きた人生(映画『おーい、応為』)

世界的な浮世絵師・葛飾北斎と生涯を共にし、右腕として活躍したもう一人の天才絵師が ...

taiga_B2poster_0710_fix_ol 2
黄金の輝きは、ここから始まる─冴島大河、若き日の物語(映画 劇場版『牙狼<GARO> TAIGA』)

10月17日(金)より新宿バルト9他で全国公開される劇場版『牙狼<GARO> T ...

『アフター・ザ・クエイク』ビジュアル 3
「空っぽ」から始まる希望の物語-映画『アフター・ザ・クエイク』井上剛監督インタビュー

村上春樹の傑作短編連作「神の子どもたちはみな踊る」を原作に、新たな解釈とオリジナ ...

IMG_2338_ 4
名古屋発、世界を侵食する「新世代Jホラー」 いよいよ地元で公開 — 映画『NEW RELIGION』KEISHI KONDO監督、瀬戸かほさんインタビュー

KEISHI KONDO監督の長編デビュー作にして、世界中の映画祭を席巻した話題 ...

image (1) 5
明日はもしかしたら自分かも?無実の罪で追われることになったら(映画『俺ではない炎上』)

SNSの匿名性と情報拡散の恐ろしさをテーマにしたノンストップ炎上エンターテイメン ...

IMG_2332_ 6
映画『風のマジム』名古屋ミッドランドスクエアシネマ舞台挨拶レポート

映画『風のマジム』公開記念舞台挨拶が9月14日(日)名古屋ミッドランドスクエアシ ...

©SHM FILMS 7
あなたはこの世界観をどう受け止める?新時代のJホラー『NEW RELIGION』ミッドランドスクエアシネマで公開決定!

世界20以上の国際映画祭に招待され、注目されている映画監督Keishi Kond ...

48e68d79b718232277b1e5de3297914f 8
『ぼくが生きてる、ふたつの世界』の呉美保監督が黄金タッグで描く今の子どもたち(映画『ふつうの子ども』)

昨年『ぼくが生きてる、ふたつの世界』が国内外の映画祭で評価された呉美保監督の新作 ...

僕花_main 9
映画『僕の中に咲く花火』清水友翔監督、安部伊織さん、葵うたのさんインタビュー

Japan Film Festival Los Angeles2022にて20歳 ...

IMG_2204_ 10
映画『僕の中に咲く花火』岐阜CINEX 舞台挨拶レポート

映画『僕の中に咲く花火』の公開記念舞台挨拶が8月23日岐阜市柳ケ瀬の映画館CIN ...

僕花_main 11
23歳の清水友翔監督の故郷で撮影したひと夏の静かに激しい青春物語(映画『僕の中に咲く花火』)

20歳で脚本・監督した映画『The Soloist』がロサンゼルスのJapan ...

25-08-06-09-10-43-381_deco 12
岐阜出身髙橋監督の作品をシアターカフェで一挙上映!「髙橋栄一ノ世界 in シアターカフェ」開催

長編映画『ホゾを咬む』において自身の独自の視点で「愛すること」を描いた岐阜県出身 ...

IMG_1793 13
観てくれたっていいじゃない! 第12回MKE映画祭レポート

第12回MKE映画祭が6月28日岐阜県図書館多目的ホールで開催された。 今回は1 ...