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フィンランドの建築家・デザイナー アアルト その仕事の裏に愛する妻がいた（映画『アアルト』
2023/10/09
北欧家具は日本でも根強い人気がある。それはおしゃれであることはもちろん、実用性でも優れているからだろう。
フィンランドを代表する建築家・デザイナー、アルヴァ・アアルト(1898-1976年）をご存知だろうか。彼はフィンランドでは伝説的な建築家であり、北欧家具のデザイナーでもある。不朽の名作として名高い「スツール60」、アイコン的アイテムと言える「アアルトベース」、そして自然との調和が見事な「ルイ・カレ邸」など、優れたデザインと数々の名建築を生み出した人物だ。
アルヴァ・アアルトの人生を追うドキュメンタリー『アアルト』が10月13日(金)より公開される。
「幼い頃、アアルトが設計した図書館で過ごし、彼の建築の虜になった」と語るフィンランドの新鋭ヴィルピ・スータリが、現代の生活にも溶け込む逸品となったアアルトの創作の軌跡を追った。
スータリ監督はアルヴァの最初の妻・アイノとの手紙、同世代を生きた建築家や友人たちの証言などを盛り込みながら、アアルトの知られざる素顔を捉えている。
アアルトのデザイナーとしての人生を突き動かしたのは、最初の妻・アイノ。
仕事で一人で海外に行った際にやり取りされた往復書簡は妻であり、同志でもあるアイノへ仕事では社交的で疲れを見せないアアルトが、冗談混じりに本音を明かしている。それに返事するアイノも妻らしい本音を書いている。アアルトとアイノは二人三脚で自身達の会社を作り、事業を成功させていく。
依頼者の要望を聞き、それがどのように使われるものなのかを考えた建築は無駄がない。イタリアの建築物に影響を受けた彼のデザインは機能性がありながらディティールにこだわりもある。人、環境。建物であれば建てる場所との協調と使う人の利便性を考えている。光の当たりかたがそれぞれの建物に合わせて緻密に計算されている。
彼は成功してばかりではなかった。戦乱を乗り越え、非難を受けながらも世界で評価を受ける建築家、デザイナーになったアアルト。
人は決して一人では成功できない。必ずそれを支える誰かがいる。アアルトにとってそれはアイノだった。
2023年は、アルヴァ・アアルトの生誕125周年にあたる。彼の主張しすぎない、側に置くだけで心が豊かになり、日常が彩られる人と環境に優しいデザインはどのようにして生まれたのかを知ってほしい。
映画『アアルト』https://aaltofilm.com/ は10月13日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、UPLINK吉祥寺、シネ・リーブル梅田、伏見ミリオン座 他全国ロードショー。東海3県では10/13(金)より伏見ミリオン座、11月24日(金)から伊勢進富座で公開。刈谷日劇、岐阜CINEX でも順次公開予定。
邦題：アアルト 原題：AALTO 監督：ヴィルピ・スータリ（Virpi Suutari）
制作：2020年 配給：ドマ 宣伝：VALERIA
後援：フィンランド大使館、フィンランドセンター、公益社団法人日本建築家協会 協力：アルテック、イッタラ
2020年／フィンランド／103分／©Aalto Family ©FI 2020 - Euphoria Film
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