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© 2025「岸辺露伴は動かない 懺悔室」製作委員会 ©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

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幸運のあとに最大の絶望が来る呪いに岸辺露伴はどう動く?(映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』)

相手を本にして生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むこともできる特殊能力“ヘブンズ・ドアー”を備えた人気マンガ家・岸辺露伴が活躍する「岸辺露伴は動かない」シリーズの映画第2弾、『岸辺露伴は動かない 懺悔室』が5月23日(金)から公開される。

取材旅行で訪れていたイタリア、ヴェネツィアの教会内にある「懺悔室」を取材していた岸辺露伴。懺悔室とは古来「あやまち」を犯した信者が神父にその「あやまち」を告白し、魂を浄化する場所だ。興味を抱いた露伴が実際に懺悔室に入ってみると、そこは本来神父がいるべき場所だった。そこにひとりの男が「告白」のために現れる。露伴は、そのまま神父になりすまし、男の「告白」に耳を傾ける。男は25年前の恐ろしい出来事を語り始める。

© 2025「岸辺露伴は動かない 懺悔室」製作委員会 ©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

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荒木飛呂彦の原作漫画でも人気の高いエピソード「懺悔室」がついに実写化。世界で唯一の海上都市であり何世紀にもわたって世界中を魅了し、街全体が世界遺産に登録されているイタリア・ヴェネツィアで、日本映画としては初となるオールロケを敢行。「岸辺露伴」史上、かつてないスケールでの映像化が実現した。
撮影は映画の撮影に許可が下りるのが異例な歴史的建造物で行われた。ナポレオンが“ヨーロッパで最も美しい広場”と称した、ヴェネツィアを象徴するサン・マルコ広場を始め、サン・ロッコ教会、ぺスカリア市場、プンタ・デラ・ドガーナ、バルバリーゴ・ミノット宮殿、原作にも登場するサンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ広場などヴェネツィアを代表する名だたる名所が登場する。またイタリアのルネサンス期を代表する画家ティントレットの絵画なども多数映り込む。世界遺産など人が作り上げた美を記録に残す映画としての側面もありながら、ヨーロッパの空の色の美しさという人の力では作ることができない美も映り込み、作品の世界観を作り上げる。

好奇心に溢れ、リアリティを何よりも重んじる漫画家の岸辺露伴を演じるのは、テレビドラマシリーズより岸辺露伴を演じてきた高橋一生。露伴の担当編集であり、バディとして本シリーズで欠かせない存在となった泉京香に飯豊まりえ。原作の「懺悔室」には出てこない京香がどのようにストーリーに関わって行くのかは楽しみな部分だ。懺悔室で露伴を神父だと思い込み、恐ろしい告白をする謎の男・田宮には井浦新。ヴェネツィアの迷宮に露伴が迷い込むきっかけとなる仮面職人のマリアには、玉城ティナ。田宮が告白する恐ろしい話のカギを握る浮浪者・ソトバ役をつとめるのは、戸次重幸。正直、筆者にはソトバのキャスティングが発表されたとき、なぜソトバが戸次重幸でなければならないのか疑問だった。だがそれはポップコーンの試練で理解できた。ソトバを死なせてしまったことで、不気味なほどの“幸運”に襲われる“呪い”をかけられてしまった水尾役を大東駿介が演じる。ポップコーンの試練の大東の芝居が光る。

© 2025「岸辺露伴は動かない 懺悔室」製作委員会 ©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

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制作陣には、ドラマシリーズ・映画版から引き続き、映画『ショウタイムセブン』の公開も記憶に新しい監督・渡辺一貴、アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの脚本も手掛けた脚本・小林靖子、音楽を菊地成孔/新音楽制作工房、人物デザイン監修・衣裳デザインを柘植伊佐夫らレギュラーメンバーが再集結している。原作とは違う造形にも注目してほしい。

© 2025「岸辺露伴は動かない 懺悔室」製作委員会 ©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

© 2025「岸辺露伴は動かない 懺悔室」製作委員会 ©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

荒木飛呂彦が原作漫画で描いた幸せの絶頂の時にやってくる「絶望」の物語に脚本の小林靖子は映画オリジナルのエピソードを追加し、露伴自身にも「呪い」が及ぶことで新たな展開を描き出す。それは漫画読者が気になっていた漫画の「懺悔室」の「その先」だ。もちろんそれは一つの結末ではあるが、荒木飛呂彦の世界観をジョジョシリーズや今までの岸辺露伴シリーズで踏襲し、アレンジしてきた小林靖子だからこそ描けた「その先」だ。

一人の男の業が作った懺悔しても消えない「呪い」に岸辺露伴はどう動くのか。
ぜひ映画館で鑑賞してほしい。

映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』https://kishiberohan-movie.asmik-ace.co.jp/ は5月23日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷他で全国公開。
東海三県では109シネマズ(名古屋、四日市、明和)、ミッドランドスクエアシネマ、イオンシネマ(大高、名古屋茶屋、ワンダー、岡崎、豊川、豊田KiTARA、長久手、常滑、各務原、土岐、津、津南、桑名、鈴鹿、東員)、コロナシネマワールド(中川、ららぽーと安城、小牧、豊川、大垣)、TOHOシネマズ(木曽川、赤池、東浦、津島、岐阜、モレラ岐阜)、ユナイテッド・シネマ(豊橋18、岡崎、稲沢、阿久比)、MOVIX三好、ミッドランドシネマ名古屋空港、関シネックスマーゴで公開。

5月24日には公開記念舞台挨拶の全国生中継 も予定されている。詳細は公式サイト参照。

映画「岸辺露伴は動かない 懺悔室」作品情報

出演:高橋一生 飯豊まりえ / 玉城ティナ 戸次重幸 大東駿介 / 井浦新
原作:荒木飛呂彦「岸辺露伴は動かない 懺悔室」(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督:渡辺一貴
脚本:小林靖子
音楽:菊地成孔/新音楽制作工房
人物デザイン監修・衣裳デザイン:柘植伊佐夫
製作:『岸辺露伴は動かない 懺悔室』 製作委員会
制作プロダクション: NHKエンタープライズ、P.I.C.S.
配給:アスミック・エース
上映時間:110分
©2025『岸辺露伴は動かない 懺悔室』製作委員会
© LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

あらすじ

漫画家・岸辺露伴はヴェネツィアの教会で、仮面を被った男の恐ろしい懺悔を聞く。
それは誤って浮浪者を殺したことでかけられた「幸せの絶頂の時に“絶望”を味わう」呪いの告白だった。
幸福から必死に逃れようと生きてきた男は、ある日無邪気に遊ぶ娘を見て「心からの幸せ」を感じてしまう。
その瞬間、死んだ筈の浮浪者が現れ、ポップコーンを使った試練に挑まされる。
「ポップコーンを投げて3回続けて口でキャッチできたら俺の呪いは消える。しかし失敗したら最大の絶望を受け入れろ…」。
奇妙な告白にのめり込む露伴は、相手を本にして人の記憶や体験を読むことができる特殊能力を使ってしまう…。
やがて自身にも「幸福になる呪い」が襲いかかっている事に気付く。

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