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球磨川と共に生きる人々の希望と再生を描く(映画『囁きの河』)

2020年7月、熊本豪雨により球磨川が氾濫し、壊滅的な被害を受けた人吉球磨地域。この地域を舞台にした映画『囁きの河』が7月18日から伏見ミリオン座で公開される。

あらすじ

2020年、熊本を襲った豪雨から半年。母の訃報を受けた孝之は22年ぶりに帰郷するが、仮設住宅で暮らす息子の文則は、かつて自分を捨てた父に心を開こうとしない。

幼馴染の宏一が営む旅館「三日月荘」もまた半壊の痛手を負っていた。女将の雪子が再建を願う一方、父を土砂で亡くした宏一は前を向けず、災害は夫婦の間にも亀裂を生む。

その頃、球磨川くだりの再開を信じて船頭を志す文則は、かつての同級生・樹里と再会。隣人の直彦と妻のさとみは仮設から自宅に戻ることを決め、孝之も水害で荒れた田畑の開墾に希望を見出していく。
「居場所ばなくしたら、自分で取り戻すしかなか」
河とともに生きてきた人々は、それぞれの歩み方で明日へ進もうとしていた。

©Misty Film

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球磨川は、熊本県南部の人吉盆地をながれ、八代平野を通って八代海に注ぐ一級河川だ。幾度も洪水に見舞われながらも、人吉球磨地域の人々は川と共に暮らしてきた。

2004年から熊本県のグリーン・ツーリズムに尽力してきた東洋大学名誉教授の青木辰司がエグゼクティブ・プロデューサーを、連続テレビ小説「おしん」の大木一史が監督をつとめ、未だ災害の爪痕が残る熊本での取材を重ねながら復興の歩みを見つめ、その土地で生きる人々の希望と再生を自然の力とを併せて描いた。

主人公の孝之を演じるのは熊本県人吉市出身の中原丈雄。映画やテレビ等の映像世界で現代劇、時代劇を問わず、数々の作品で活躍し、本作では寡黙で無骨な男の秘めた熱情を静かに熱く演じている。父親を受け入れられない息子・文則役の渡辺裕太との親子の関係性も父・孝之が船を櫓で漕ぐ姿を通して、ゆっくり変化していく。

また老舗旅館の再開を目指す女将に清水美砂、その夫に三浦浩一、地元を離れる文則の元同級生に元AKB48の篠崎彩奈。また、仮設から自宅に戻る夫婦を不破万作と宮崎美子が演じ、それぞれの希望と再生が描かれていく。

©Misty Film

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豪雨で失ったものは大きい。しかし、彼らは故郷を愛し、ここで生きていく。

『囁きの河』というタイトルの通り、河の音が効果的に使われていることにも注目したい。河は一体私たちに何を語りかけているのか。

映画『囁きの河』https://sasayakinokawa-movie.com/
は7月18日(金)より伏見ミリオン座で公開。

出演:
中原丈雄 清水美砂 三浦浩一
渡辺裕太 篠崎彩奈 カジ 輝有子
木口耀 宮﨑三枝 永田政司 堀尾嘉恵 福永和子 白砂昌一 足達英明
寺田路恵 不破万作 宮崎美子

監督・脚本: 大木一史
エグゼクティブプロデューサー: 青木辰司
制作プロダクション:Misty Film 配給:渋谷プロダクション(2024/アメリカンビスタ/5.1ch/JAPAN/DCP/108min)

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