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【イベントレポート】映画『わたしの知らない子どもたち』西川美和監督&主演・小八重葵美さんが登壇!子供たちと創り上げた本作への思いと特別ワークショップを語る
西川美和監督の最新作、10月16日(金)公開の映画『わたしの知らない子どもたち』は戦争によって家族も居場所も失った12歳の少女が、生き延びるために“少女”を棄て、少年として戦後を生きる姿を中心に子どもたちが強く生きた姿を描いている。
特別試写会が10月8日(木)、名古屋ミッドランドスクエアシネマにて開催され、トークゲストとして本作を手掛けた西川美和監督と、オーディションで主人公・琴子役に抜擢された主演の小八重葵美(こやえ あみ)さんが登壇。撮影中の裏話や役作り、さらに特別協力であるSMBC(三井住友銀行)と共に実施した子ども向けワークショップの取り組みについて、温かなトークを繰り広げた。
名古屋の印象とひつまぶしならぬ「焼き肉と赤味噌」
Q.まずは一言ずつご挨拶をお願いいたします。
西川美和監督(以下、西川監督):
「皆様、こんばんは。今日はお仕事帰りなどでお疲れのところ、たくさんの方にご来場いただきありがとうございます。短い時間ですが、SMBCさんにご協力いただいたワークショップの様子や映画の魅力についてお話しできればと思います。よろしくお願いします」

西川美和監督
小八重葵美(以下、小八重さん)さん:
「こんばんは。茅野琴子(ちの ことこ)役を演じました小八重葵美です。よろしくお願いします!」
Q.名古屋の印象はいかがですか?
西川監督:
「映画のキャンペーンで名古屋に来るのは約10年ぶりなんです。ただ、今作は音楽が重要なテーマになっておりまして、劇中で使用するバイオリンを愛知県の「鈴木バイオリン製造」さんにご協力いただいて制作した縁もあり、1年半ほど前にもお邪魔していました」
小八重さん:
「私は道路がすごく広くて綺麗だなと思いました。東京より綺麗で、いろんな場所にお店がある感じが好きです。今日のお昼に焼き肉を食べたのですが、すごく美味しくて。あと、赤味噌のお味噌汁を初めて食べたのですが、濃くてすごく美味しかったです!」

小八重葵美さん
戦後を生きた“名もなき子どもたち”を描くきっかけ
Q.終戦直後の日本を舞台にした今作ですが、この物語を作ろうと思ったきっかけを教えてください。
西川監督:
「前作『すばらしき世界』(2021年)で役所広司さんが演じた主人公には実在のモデルがいました。その方が幼少期、戦後の街で戦争孤児たちと肩を寄せ合って生きていたというバックボーンがあったんです。映画本編では描き切れなかったのですが、「過酷な社会の中でエネルギッシュに生きていた子どもたちは、どういう暮らしをして、何を考え、一体どこへ行ってしまったんだろう」という問いがずっと心に引っ掛かっていました。そこから改めて調べ直し、子どもたちを主人公にした物語を描こうとスタートしました」
Q.『わたしの知らない子どもたち』というタイトルにも、その思いが込められているのですね。
西川監督:
「そうですね。いろんな資料を探ったり、彼らの証言を見ていく中で、私自身が「こんなにも知らないことが多かったんだ」という実感をこめたタイトルになっています」
ユニークなオーディションと、少女が「男の子」を演じる役作り
Q.小八重さんはオーディションを経て主演に選ばれたそうですが、当時の思い出はありますか?
小八重さん:
「すごく緊張して上手く出来るか不安でしたが、体育館のような場所でリレーをしたり、テントを組み立てたりするオーディションでした。お芝居もして、女の子は歌とか朗読もしました。遊ぶ系のオーディションは初めてだったので、「何を見られているんだろう?」と不思議でしたが、すごく面白いし、楽しくていい経験でした」
西川監督:
「子どもたちの冒険物語でもあるので、子どもの体の動かし方や、この子は走ったり飛んだり跳ねたりが得意な子なのか、苦手な子なのか、そういうことも一緒に見たいということで、男女混合のオーディションでやってみました。テントを立てるのにどの子が引っ張る役なんだろう、リーダーシップを取るのは誰だろう。引っ込み思案なのはどの子だろうというのを見たり、琴子役をやる子は、引っ込み思案な方がいいのか、それとも積極的な方が琴子っぽく見えるのかということも含めて見ていました。そういう中で、葵美ちゃんの動きも客観的に見ながら選びました。葵美ちゃんの持つまっすぐで透明感のある目が非常に印象的でした。今日もライトを浴びてキラキラ輝いていますが、共演の二階堂ふみさんは「対峙してお芝居をすると、胸の内に隠し持っていることまで見透かされているような気持ちになった」とおっしゃっていました」

©︎2026 K2 Pictures・AOI Pro.
Q.小八重さんが演じた琴子は、生き延びるために「男の子」と偽って生きる難しい役どころでした。どのような役作りをされたのですか
小八重さん:
「女の子だとバレないように、歩き方や姿勢を変えたり、声のトーンを低くして、自分のことを「俺」と言う練習をしました。小学5年生の弟がいるので、外に連れ出して走ってもらい、男の子っぽい走り方を観察したりしました」

Q.たくさんのお子さんが参加されていますね
西川監督:
「戦時中の子どもたちを演じることはとても今の子どもたちには難しいことだろうなと思って、若いスタッフたちと一緒に資料を作ってもらったりしながら、まず東京大空襲があってというところから始まりました。子供たちが疎開に行くようなドラマを描いたアニメ映画を見たり、資料館にみんなで行ったり、上野の町を歩いてみたり。メインの5人だけではなくエキストラ的にもたくさんお子さんが参加されるので、怪我がないか、熱中症で倒れないかということが毎日毎日心配でしたが、私だけでなく若いスタッフ、ベテランのスタッフ、本当に豪華な大人のキャストの方も皆さんが親のような目線で、子どもたちのことを見守りながら、安全対策もしながら、撮影しました」

©︎2026 K2 Pictures・AOI Pro.
子どもたちが映画制作のプロの世界を体感!
Q.本作では、特別協力を務めたSMBC(三井住友銀行)と共に、子どもたちに向けた特別なワークショップを開催されたそうですね
西川監督:
「はい。SMBCさんから「子どもたちの将来につながる体験を一緒に提供したい」というご提案をいただき、先ほど皆様に観ていただいた映像にあったように3つのプログラムを実施しました。1つ目は戦時下のオープンセットの撮影見学。2つ目はアフレコや効果音(効果音として新聞紙をくしゃくしゃさせる音など)の体験。そして3つ目は、エンディングテーマの演奏を担当してくれた「東北ユースオーケストラ」のメンバーと一緒に楽器に触れる体験です」
Q.実際にワークショップに参加した子どもたちの様子を見て、小八重さんはいかがでしたか
小八重さん:
「たくさんの子たちが来てくれて、楽しみながらもすごく真剣に取り組んでくれて嬉しかったです」
西川監督:
「実は、ワークショップで子どもたちに録音してもらった声は、劇中のガヤ(群衆の声)としても実際に使わせてもらっているんです。みんなお芝居がすごく上手で驚きました。映画制作には何百人ものプロフェッショナルが関わっています。こうした体験を通して「映画を作る側になってみたい」と思ってくれたり、映画の見方が広がってくれたら嬉しいですね」

7か月間の猛練習を経て挑んだピアノ演奏
Q.劇中では小八重さんのピアノ演奏シーンも見どころの一つですが、かなり練習されたそうですね
小八重さん:
「楽譜も読めない状態から始めて、毎日3時間以上、約7か月間練習しました。気づいたら弾けるようになっていて嬉しかったです」
西川監督:
「コツコツと本当によく頑張ってくれました。スクリーンでは、初心者が弾いているとはとても思えない素晴らしい姿を見せてくれています」
Q.これから映画をご覧になる皆様へメッセージをお願いします。
西川監督:
「この作品は子どもたちがメインで登場する映画だからこそ、「子どもたちや若い世代にもしっかり届く戦争映画にしたい」という思いで制作してきました。先日も小中学生や高校生に見てもらったのですが、みんな真剣な眼差しで受け止めてくれました。子どもたちが一緒に創り上げてくれた、未来へつなぐ映画になっています。ぜひ若い世代の方々にも観ていただけるよう、広めていただけたら幸いです」
小八重さん:
「「戦争」がテーマと聞くと重くて難しい印象があるかもしれませんが、どの世代の人でも分かりやすく、心に届く映画になっています。戦争の歴史を次の世代につないでいくためにも、同世代の小中学生やたくさんの人に観てほしいです。そして、心の奥に響く音楽や細かいこだわりがたくさん詰まっているので、最後まで見逃さずに楽しんでください!」

映画『わたしの知らない子どもたち』は10月16日(金)より全国公開。
映画『わたしの知らない子どもたち』https://k2pic.com/film/wsk/ は10月16日(金)全国公開。東海三県では10月16日(金)よりミッドランドスクエアシネマ、伏見ミリオン座、イオンシネマ(名古屋茶屋、ワンダー、岡崎、豊川、豊田 KiTARA、長久手、常滑、桑名、東員)、コロナシネマワールド(安城、小牧、豊川、大垣)、ユナイテッド・シネマ(豊橋18、稲沢、阿久比)、TOHOシネマズ(木曽川、津島、モレラ岐阜)、ミッドランドシネマ名古屋空港、MOVIX三好、109シネマズ明和、関シネックス マーゴで公開。
映画『わたしの知らない子どもたち』
出演:
小八重葵美 二階堂ふみ
坂東龍汰 櫻井海音 花瀬琴音
羽山由一郎 小林丞之介 岩田龍門 渋谷そらじ 武内ひなた
北村有起哉 吉田 羊 竹野内 豊
岡田准一 / 田中裕子 役所広司
スタッフ:
原案・脚本・監督 :西川美和
音楽:原摩利彦
撮影:笠松則通 照明:宗賢次郎 音響:白取貢
特機:上野隆治 美術:三ツ松けいこ 装飾:須坂文昭
衣裳デザイン:小川久美子 衣裳:岩﨑文男
ヘアメイクデザイン:酒井夢月 スクリプター:田口良子
編集:菊池智美 音響効果:北田雅也
キャスティング :田端利江 、山下葉子
助監督:中里洋一 制作担当:山内遊
VFX スーパーバイザー:上田倫人、髙橋正紀
音楽プロデューサー:杉田寿宏
ラインプロデューサー:横井義人 製作:紀伊宗之
プロデューサー:小出大樹、伊藤太一
製作・配給:K2 Pictures 共同製作:AOI Pro.
企画:分福 制作プロダクション:AOI Pro.
©︎2026 K2 Pictures・AOI Pro.
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